掲載日: 2015年6月16日
平成27年4月1日付官報及び当ホームページにてお知らせしましたが、一般社団法人私的録画補償金管理協会解散による債権者の請求の期間が終了しましたのでお知らせいたします。
また、当ホームページは同管理協会の業務終了により平成27年6月30日をもって閉鎖いたします。長い関ご覧いただき、有難うございました。感謝申し上げます。
一般社団法人 私的録画補償金管理協会
代表清算人 砂 原 幸 雄
掲載日: 2015年4月1日
一般社団法人私的録画補償金管理協会は清算法人に移行し、下記解散公告を平成27年4月1日付官報に掲載しました。このお知らせは、後に掲載する「私的録画補償金制度についてお知らせ」に述べた事情を経て解散に至ったことを公告するものです。
解散公告
当法人は、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第二百六条第一号の規定により平成27年3月31日をもって解散いたしましたので、当法人に債権を有する方は、本公告掲載の翌日から二箇月以内にお申し出下さい。
なお、右期間内にお申し出がないときは清算から除斥します。
平成二十七年四月一日
東京都千代田区麹町一丁目八番十四号 麹町YKビル2階
一般社団法人 私的録画補償金管理協会
代表清算人 砂 原 幸 雄
以上
当法人に債権を有する方に下記のとおりです。該当する方は期間内にお申し出ください。
私的録画補償金はアナログ放送(平成23年7月24日終了)のテレビ番組を録画する録画機器と記録媒体の購入価格にあらかじめ含まれています。補償金の返還を請求する方は、録画機器、記録媒体をアナログ放送のテレビ番組を私的録画のために使わなかった方です。したがって、以下のようになります。
なお、記録媒体のうち、製品によっては補償金が含まれないものがあり、この場合は請求対象とはなりません。
詳細についてはお問い合わせの場合に説明資料をお送りいたします。
お問い合わせは、FAX(03-3261-3440)にてお願いします。
(参考)平成23年4月1日~9月30日出荷の場合の単純平均額
注1:正確な補償金額単価は製造業者や製品の出荷時期により異なります。
注2:請求については審査の上、請求が妥当の場合、返還いたします。
詳細についてはお問い合わせの場合に説明資料をお送りいたします。
お問い合わせは、FAX(03-3261-3440)にてお願いします。
以上
掲載日: 2013年3月
私的録画補償金制度は平成11年7月1日に実施され、以後円滑に運用されてきましたが、株式会社東芝(以下東芝)は、平成21年2月にアナログチューナー非搭載DVD録画機器を発売し、この機器は著作権法施行令に定める私的録画補償金(以下補償金)支払いの対象機器ではないとして、補償金を製品の出荷価格に上乗せして徴収する協力をこの機器については拒否しました。
このため、当私的録画補償金管理協会(以下当協会)は平成21年11月10日、東芝に対し、補償金の支払いを求めて東京地方裁判所に提訴しましたが、平成22年12月27日に当協会敗訴の判決が下されました。当協会は直ちに知的財産高等裁判所に控訴しましたが、平成23年12月22日の控訴審判決でも当協会は敗訴しました。
当協会は直ちに最高裁判所に上告・上告受理申立をしましたが、平成24年11月8日付で最高裁から上告棄却・上告不受理決定の通知がありました。この決定により当協会敗訴の控訴審判決が確定し、私的録画補償金制度は事実上機能しない状況に至りました。
そもそも、この訴訟は東芝がアナログチューナー非搭載DVD録画機器(デジタルチューナー搭載録画機器、以下当該機器)は著作権法施行令の定める特定機器に該当する製品ではないと判断したことに端を発し、当協会と東芝は特定機器該当性を巡って協議を重ねましたが、合意に達することができず、当協会はやむを得ず、著作権法の規定にある「権利者のために補償金を受ける権利を行使」(著作権法第104条の2第1項)するため、文化庁の「アナログチューナー非搭載DVD録画機器は特定機器に該当する」との趣旨の見解を添え、当協会の裁判上の権限(著作権法第104条の2第2項)に基づき、提訴に踏み切ったものです。
この訴訟において当協会は、➀アナログチューナー非搭載DVD録画機器は著作権法施行令(第1条2項3号)の定める特定機器に該当する、➁製造業者等に課せられた協力義務(著作権法第104条の5)は法的強制力を伴うものである、との2点を主張しましたが、東京地裁判決は➀の特定機器該当性は認めたものの、➁は法的強制力を伴わない抽象的義務に過ぎず、補償金の上乗せ徴収を行わなくても不法行為は成立しないとして当協会の請求を棄却しました。
これに対して当協会は知財高裁に控訴しましたが、知財高裁判決は➀の特定機器該当性を否定し、➁の製造業者等の協力義務については、「(製造業者等が)上乗せ・納付方式に協力しない事実関係があれば、その違反について損害賠償義務を負担する場合があることは否定できない」として当協会の主張を認めた判断をしました。しかし、特定機器該当性を否定したことから、東京地裁と判断は異なるものの、結果として当協会の請求を棄却しました。当協会は直ちに最高裁判所に上告・上告受理申立をしましたが、最高裁は上告を棄却するとともに、最高裁で審理すべき法令解釈の重要事項を含むとは認められないとして上告不受理の決定をし、知財高裁判決が確定しました。以上が本件訴訟に関する概要であります。
本件訴訟では、直接的には当該機器については製造業者が補償金を上乗せして徴収しなくても違法ではないとされたのであり、著作権法に定める私的録画補償金制度そのものが否定されたのではありません。
各製造業者はこの訴訟の決着まで、当該機器についての協力を見合わせる対応をしていたため、事実上は当該機器に係る補償金は支払われず、また、平成23年7月のアナログ放送終了以降は、アナログチューナー搭載の録画機器の発売がなくなり、記録媒体メーカーからも補償金徴収の協力は得られない状態となり、事実上はメーカーによる補償金の徴収は実行されていませんでした。
私的録音録画補償金制度は現行著作権法に定められたものであり、この制度に関する著作権法の規定は維持されていますが、私的録画補償金の対象を定める著作権法施行令(政令)は最高裁決定後も改正されておらず、著作権法によって定められた制度が実際には機能していない状況です。このような状況は、いうまでもなく、権利者にきわめて重大な影響を及ぼすものであります。
私的録画補償金が支払われないのでは、法律に定められた権利者の権利は十分保護されていないということにならざるを得ず、これは権利者の創作意欲にかかわってくる問題です。
ベルヌ条約締結国として、条約上の義務遵守のための国内法の整備としての意味も持つ私的録画補償金制度ですが、この制度が機能しなくなることにより、国内権利者だけでなく、条約締結国の権利者にも私的録画補償金の支払いもできなくなります。
以上の事情により、当協会には私的録画補償金は全く納入されず、またこの補償金の一部を使って、設立以来権利者に共通する有意義な事業として継続実施してきた➀著作権制度に関する思想普及および調査研究、➁著作物の創作の振興および普及、➂著作権および著作隣接権の保護に関する国際協力、➃デジタル録画用機器およびデジタル録画用記録媒体の開発に伴う著作権および著作隣接権を保護するための技術的手段に関する調査研究〈著作権法第104条の8に基づき当協会定款に記載する事業〉のいずれも継続実施が困難な状況を迎えることになりました。
今後、政府として私的録画に係る権利者の保護をどのようにして図るのか、現行の私的録画補償金制度のもとで新たに特定機器を政令で指定するのか、それとも、現行制度に代わる、あるいは基本的な見直しのもとに新しい仕組みを作るか等を早急に検討し、1日も早く権利者保護の方策が具体化されるように期待いたします。
なお、上記で述べた4つの事業については、これまでの基金の繰越金を使用しながら当面の実施を図りたいと考えています。
なにとぞ今後とも権利者への権利保護のあり方についてご関心を寄せていただき、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
以上