27日、台湾でイベント中に起きた爆発事故は、多くの怪我人を出す大規模なものであったようです。イベントは、コーンスターチに各種の色を着けた粉を客席に向けて噴射する「カラーパーティー」と呼ばれるもので、この粉が爆発を起こしたものと見られています(動画)。

 こうした、着色した粉を用いるイベントは、「Color run」などの名でブームとなっており、世界各国で行われているようです。日本でも毎月のように開催され、多くの参加者が詰めかけています。


チリで行われたカラー・ラン

 しかし、なぜこの台湾のイベントでのみ爆発が起きたのか、どこの台所にもあるコーンスターチがなぜ爆発炎上したか、おそらくいろいろな条件が重なってのことだったと思われます。

 粉塵爆発は、文字通り粉末状の物品が爆発することです。爆発しうる粉末の種類はいろいろで、小麦粉や砂糖、木やアルミニウム、コピー機のトナーなどさまざまな粉末が爆発した例が知られています。最も恐ろしいのは炭鉱などで発生する「炭塵」で、1963年には三池炭鉱で炭塵の爆発事故が起き、458名もの死者を出す大惨事となりました。また、穀類を貯蔵する「サイロ」が爆発した事故も、数多く起きています。

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2008年、米ジョージア州での砂糖精製工場の爆発事故

 こうした身近な品がなぜ爆発するか?何であれ、物体は粉にすると表面積が大きくなります。1cm四方の立方体の表面積は6cm2に過ぎませんが、これを0.1mmの立方体に切り刻んでやると、0.01^2×6×10^6で、合計の表面積は600cm2、つまりもとの100倍にもなります。一粒の麦も、粉に挽いてやると表面積は何百倍にもなってしまうわけです。

 固体の化学反応は、表面で起こります。燃焼、つまり空気中の酸素との化学反応は、物体の表面積が広ければ、それだけ速く進行します。小麦の粒は火を近づけてもそう燃えませんが、小麦粉は一気に燃えてしまうわけです。また、粉にすることで水分が抜け、乾燥して燃えやすくなるという要因もあるでしょう。というわけで、普通なら「可燃物」と思わないようなものでも、細かい粉末にすると予想をはるかに超える燃え方をすることがあるのです。

 爆発が起こるためには、一粒の粉が燃えるだけでなく、次々に近くの粉に燃え広がる必要があります。つまり、空気中に高い濃度で粉が舞っていなければ、爆発は起きません。屋外でのイベントでは、粉がすぐ散ってしまいますが、台湾のケースでは締めきった屋内で大量の粉を噴射していたため、危険な濃度になってしまったものと思われます。恐らくは、ここに電気機器からの火花などが引火して、一挙に火が回ったのでしょう。


粉末の発火実験(大音量注意)

 前述の通り、屋外でのイベントでは粉末が危険な濃度になる可能性は低いでしょうが、危険について検証を行う必要はありそうです。もちろんこうしたイベント以外でも、大量の可燃性粉末を扱う場合には、粉塵爆発という可能性を頭に入れておくべきと思われます。