28日放送のTBS『この差って何ですか?』で、”自動販売機にすんなり入る千円札”と”何度入れても戻ってくる千円札”の差について検証した。
お札が自販機に入らない時、どうする?
自販機に挿入した千円札が無情にも戻ってきてしまい、何度やっても受け入れてもらえない…そんな切なくもイラッとする経験は誰でも1度くらいはあるはず。
番組で街行く人に「千円札が戻ってきた時、どうしますか?」と、インタビューしたところ、 シワを伸ばしてみる 51人 折り目をつけてみる 12人 向きをかえたり、裏返してみる 8人という、声が寄せられた。
番組スタッフが1000枚の千円札で検証!
スタッフが100万円分、1000枚の千円札すべてを3時間半かけて自販機に入れてみたところ、計7枚の「入らない千円札」が手元に残った。(意外と少ない?)
この「入らない千円札」7枚を、向きをかえ、裏返し、折り目をつけて自販機に挿入したが、全く効果が無いことが判明。
「シワを伸ばす」で試したところ、1枚だけ成功したものの後は全て失敗に終わった。
開発者を直撃!戻ってくる千円札の理由とは?
貨幣識別装置を開発する・日本コンラックス社の柳沼さんは、お札が戻る理由について「流通するにしたがって人の手の脂や汚れがお札につき、紙幣識別装置のセンサーが反応しなくなるからです」と語った。
識別センサーは、お札の色、模様、透かし、長さ、磁気の5項目で判定するため、手の脂が多く付着すると、色、模様、透かしが認識できなくなるという。お釣りなどで他の紙幣より多く使用される千円札は、その分、人の手の脂が蓄積しやすいのだとか。
対策は万全!シワを伸ばすのはムダな抵抗だった
ちなみに、多くの人がやっているシワを伸ばす行為について柳沼さんは「関係ありません」と、キッパリ。
「私共が調査したデータによると、9割のお札にシワや折り目があることが分かりました。そのため、かなりのシワや折り目に対応できるようセンサーを開発しております」ということで、どうやら”ムダな抵抗”に過ぎないようだ。
戻って来た千円札について、柳沼さんは「全てでありませんが、乾いた布などでお札を拭いて、脂や汚れを落としてあげる」とアドバイス。
実際にスタッフが、乾いた布で「入らない千円札」を拭いたところ、7枚中3枚が自販機に入った。
水に濡れることで、お札のサイズは変わる!
入らなかった他の4枚について、柳沼さんは「可能性として、お札のサイズが極端に変わっていることが考えられる」と、指摘。
通常、お札の規定サイズは、縦76ミリ、横150ミリなのだが、自販機に入らなかったお札を測ってみると、縦148ミリと長さに差があることが判明した。
柳沼さんによると、「お札は紙で出来ているため収縮性がある。ポケットに入れたまま洗濯機で洗ったりしてしまうと、伸びたり縮んだりすることがある」そうだ。
検証の結果、”自動販売機にすんなり入る千円札”と”何度入れても戻ってくる千円札”の差は、「手の脂で汚れていた」、「濡れてサイズが変わっていた」ことだと分かった。
その他、紙自体が劣化・摩耗していることもあるそうなので、どうしても戻ってくる場合は自販機はあきらめ、お店で使った方が良さそうだ。