自民勉強会:谷垣幹事長「私が運用責任者」 報道圧力発言
毎日新聞 2015年06月29日 20時53分(最終更新 06月29日 22時53分)
◇「党のトップは総裁だが…」 首相の謝罪必要性を否定
安倍晋三首相は29日、自民党の谷垣禎一幹事長と会談し、同党の勉強会で報道機関への圧力を求める発言があった問題で、「表現の自由は民主主義の根幹だから、それに配慮していく姿勢をはっきり示さなくてはいけない」と述べ、発言は不適切だったとの認識を示した。沖縄への侮蔑的な発言があったことについても「沖縄のことを一生懸命考え取り組まれた先輩がたくさんいる中で、極めて遺憾なことだ」と語った。谷垣氏が明らかにした。
首相はその後の同党役員会で、安全保障関連法案について「さらに緊張感を持って、政府・与党一体となって成立に全力を挙げたい」と述べ、今国会での成立を目指す考えを改めて強調した。
谷垣氏によると、首相から勉強会についての言及はなかった。首相の謝罪の必要性について、谷垣氏は記者会見で「党のトップは総裁(安倍首相)だが、実際の運用は私が責任者」と述べ、必要ないとの認識を示した。
同日の衆院平和安全法制特別委員会では、「沖縄県民を侮辱している。謝罪すべきだ」(共産党・赤嶺政賢議員)など野党が政府を追及。菅義偉官房長官は「放送法で放送番組の編集の自由は保障され、憲法で規定される表現の自由は守られている。自民党もこうした考え方で対応している」と述べ、報道への圧力の意図はないとした。
勉強会に参加した作家の百田尚樹氏や自民党議員の発言については「党内の有志による非公開の集まりで事実関係は掌握していない」と確認は避けたが、「もし事実だとすれば、極めて非常識だ」と語った。
民主党の枝野幸男幹事長は国会内で記者団に「首相の非常に鈍感な姿勢、態度が最大の問題だ」と批判。安保関連法案審議への影響については「一体不可分だ。言論・表現の自由に無理解の政権が、国民世論を押し切って軍事のことをやろうとしている」と批判した。【影山哲也、村尾哲】