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旧海軍系ミリオタの異世界奮闘記 作者:Infinitum
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転生

「ごめんなさい!」

自分の部屋で寝ながら架空戦記系の漫画を読んでるといきなり目の前が暗転して気が付くと目の前で女の子が土下座していた。
だれか説明してくれ。

「本当にごめんなさい!」
「……取り敢えず、頭を上げろ。
そしてここは何処だ?しっかり説明しろ。
何もわからん」
「……怒らないんですか?」
「怒るも何も説明がないとわからん。
まず俺の名前は松田千秋、おまえは誰だ」
「私は…………神です」

…………頭の残念な人か。

「残念な人なんかじゃありません!本当なんです!」

うおっ!心が読まれた。

「……にわかに信じがたいが本当なんだな。
で、次の質問だがここはどこだ?そしてなぜ俺はここにいる?」

周りはまったくもっての白づくめ。
まったくもって奥行きを感じさせない白が永遠に続くという本来、気味の悪さを感じるはずの空間のなのに君の悪さどころか神聖さを感じさせるよくわからない空間だ。
こんなところに来た覚えはない。

「こ、ここは神域です。
ちょっとあなたに関する問題がおきまして私がここに呼びました」
「問題?」
「実は、本来死ぬ予定じゃ無かったあなたを間違って殺してしまいました……」
「…………ほう」

こいつぶっ殺してやろうか。
俺はまだ成人すらしていないのに。
戦艦大和の模型(建造時)も作りかけなんだぞ!

「ごめんなさい!ごめんなさい!本当にごめんなさい!」
「…………で?俺はこれからどうなるんだ?」
「本来ここに来る予定では無いので、あの世には遅らずに別の世界に転生させることになります」

……典型的な異世界転生だな。
と、いうことはこの次はもしかすると……

「そして、そちらの世界で生きていくために幾つかの能力を与える事になります」

来た!テンプレだ!

「あなたの経歴から考えて、まず兵器を召喚する能力。
次にその兵器を扱う人員・補給物資・設備を召喚する能力。
最後に身体能力の引き上げ。
これの他に何かほしい能力はありますか?」
「いえ!全然ありません!…………………………多分」

このように能力があれば本物の戦艦大和が見れる!
それだけじゃなくて他の傑作艦艇も見放題じゃないか!
こんな嬉しいことが他にあるか!?いやないだろ!!
旧海軍ファンの俺にとって最高のシチュエーションだ!!

「で、では、向こうに行ってからほしい能力があれば言ってください。
一つくらいならまだつけられるので。
じゃ、これからあなたを転生先の世界に送りますね。
因みに、あなたがこれから行く世界はあなたの住んでいた世界でいう王道ファンタジーな魔法の世界です。
では、二度目の人生楽しんでくださいね」

そう言い終わると、俺の視界は再び暗転していった。
最後、神様ちょっと引いてたかな?
まあどうでもいいけど。

「ここが……異世界」

俺が目を覚ますと、浜辺にいた。
まったく人の手が及んでいないようで、きれいな澄んだ海だ。
沖縄やハワイなんて目じゃないぞ。
あまりに綺麗なのであたりを少し散策していると、不意に宇宙戦艦ヤ〇トのOPテーマがポケットから流れてきた。

「これは……俺の携帯?ポケットには入れてなかったんだけどな……この着信音ならメールか?」

画面を確認するとやはりメールだった。
差出人はどうやら神のようだ。

『神です。その世界のことやあなたの能力について説明しようと思ったのでメールを送りました。
今、あなたがいるのは近くに大陸も何もない地球でいうハワイのようなところにある島です。
形・大きさは日本列島と同じです。
次に能力ですがその携帯のアプリにあるはずです。
そこから召喚するものを選んで次に出てくる空欄に数を入力すると召喚できます。
じゃ、また死んだらお会いしましょう』

最後の最後に縁起でもない言葉つけやがって。

「取り敢えず、何か呼びだしてみようか」

そう思ってアプリを開いて俺は固まった。

「……能力に制限付いてんじゃん」

召喚できるのが1950年12月31日時点で開発に目途が立っていた物のみになっている。
まあ、そっちのほうが好きなので別にいいが。

「まあ、とりあえずは召喚だ。
60年以上前の兵器か……となるとやっぱり旧海軍ファンとしては大和型だな。
では早速召喚だ!」

召喚を選択した次の瞬間、目の前に…………何も出なかった。

「あれ?どうなってんだ?」

あの神、不良品押し付けたんじゃなかろうな?
そう思っていると画面にERRORが表示されていた。
どうやら海の深さが足りずに別のところに召喚されたようだ。
まあ、そりゃそうだよな。
ここ浜辺だし。

「これによると方向は……あっちか。
しかしあんな沖合にどうやって行こう」

画面がさす方向は島の遥か沖合。
表示されている距離からして泳いでいける距離じゃない。

「どうしよう……ん?またメール?」

神だったら文句を言ってやろうと思ったが差出人は神ではなく知らない名前の別の人だった。

『迎えに参りますのでそのままお待ちください』

どうも誰かが迎えに来てくれるらしい。
そのまま海を見つめていると一隻の内火艇がやってきた。

「失礼ですが松田千秋殿で間違いありませんか?」
「ああそうだ。君は?」
「失礼しました。
自分は松田司令のサポートを行う浅田紫音と言います」
「サポート?」

ものすごい美人だ。
ヤバいくらい美人だ。
桁外れの美人だ。
大事なことだから3回言ったぞ?忘れるな!

「はい。
詳しい説明は後でしますのでとりあえずお乗りください。
艦へご案内いたします」
「わ、わかった」

内火艇に揺られて数分すると3隻の巨大戦艦が見えてきた。
あのシルエットは間違いなく大和型戦艦だ。

「あれが……史上最強の戦艦」

か、かっこいい!
俺もう死んでもいいかも……転生したばかりだけど。



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