放射性廃棄物:コンテナボルト折損 原燃輸送「影響ない」

毎日新聞 2015年06月28日 13時04分(最終更新 06月28日 16時29分)

2月16日に折損が確認されたボルト=原燃輸送提供
2月16日に折損が確認されたボルト=原燃輸送提供

 原燃輸送(東京都港区)は27日、「低レベル放射性廃棄物」(LLW)を海上輸送する専用のコンテナ5個で、ふたを固定するボルト計5本が折損しているのが見つかったと発表した。原燃輸送は「折損は輸送中ではなく保管中に発生し、環境への影響はない」と説明。国土交通省は同社に対し、原因究明と再発防止策をまとめるまではLLWの輸送を控えるよう指示した。

 原燃輸送は、各地の原子力発電所で生じたLLWの輸送を一手に担っており、当面は全国の原発から運び出せなくなる。コンテナは約3300個あり全てを検査するまで一定の時間がかかる見通し。

 原燃輸送によると、青森県六ケ所村の管理センターで今年2月16日、ボルト1本が折れているのを発見。6月22日には関西電力美浜原発(福井県美浜町)でLLWを積み込む際、ボルト1本が折れているのが見つかった。25日にも六ケ所村の管理センターでコンテナを点検中にボルト1本の欠損を発見。他に、2個のコンテナで見つけた。国交省に報告したのは25日で、最初の折損の発見から4カ月以上たっていた。LLWは原発で使用した作業着や機器類など放射性濃度が低い廃棄物。セメントなどで固めた上でドラム缶に入れて密閉する。【坂口雄亮】

最新写真特集