欝なのでこんな感じに皮肉っぽいタイトルですいません。

Twitter上にて「セシウム牛を食べる会」報道を読んだ人が、「セシウム牛を食べる会」に対して抗議の声、批判の声をあげています。だけども手に入れられる情報をよくよく読んでみると、違った側面も見えてきます。



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まず、メディアの第一報はこちら。福島民報ですか。

portirland: 東京・新宿で「セシウム牛を食べる会」が開催。 メーンディッシュは、放射性セシウムが検出された牛肉で作ったハンバーグとビーフシチュー。

セシウム牛を食べる会 (1)

『 日曜日のオフィス街は人通りがまばらで、静かだった。東日本大震災から1年を迎えた3月11日の昼下がり。東京・新宿の繁華街を少し外れた場所にある12階建ての公共施設ビルに、子供連れの夫婦やデニム姿の中年男性らが入っていく。

 普段は料理教室などが開かれる調理室のテーブルに、熱々のハンバーグが盛り付けられた皿が並んだ。「こちらは6ベクレル。食べたくなければ言ってください。セシウムなしのものも用意しています」。進行役の穴田光宏さん(40)が声を掛けると、席に着いた約三十人が食事を始めた。

 穴田さんは、岩手県北部にある食肉加工会社「モーとんふぁみりー」の代表。この日開かれた「セシウム牛を食べる会」は、ハムやハンバーグ、ソーセージを通販で買っているお客さんに参加を呼び掛けて実現した。

 メーンディッシュは、放射性セシウムが検出された牛肉で作ったハンバーグとビーフシチューだ。どちらも暫定基準値(1キログラム当たり500ベクレル)を大きく下回っていた。「数値を示して食べてもらうことで、消費者に安心の意味を考えてほしい」。会を開いたのは、そんな思いからだ。

 妻と2人で会社を切り盛りしてきた穴田さんは、輸入配合飼料を与えられた家畜の肉を避け、山に毎年放牧されて育つ岩手産牛にこだわってきた。「自然の草を食べた牛の方が安全だし、肉の味が濃いからね」。化学調味料は使わず、自分が納得できるハムやハンバーグを丁寧に作った。

 だが昨年9月下旬、取引先の畜産農家から電話があった。「牛からセシウムが検出されてしまった。暫定基準値以下だけど、どうする?」

 岩手県では、県内で生産された牛肉から暫定基準値を超える放射性セシウムが見つかり、8月に全県で出荷停止となった。停止解除に伴い、県は出荷時の検査を強化。ほとんどの牛は不検出だったが、穴田さんが買うことになっていた牛からは出た。

 放牧された山で食べた草が原因ではないか。調べてみると、やはりセシウムが含まれていた。「自然にこだわっていたのに、それがあだになってしまった」。もし自分が買わなければ、この牛は安く買いたたかれる。長く付き合ってきた畜産農家も困るだろう。

 9月以降、通常の取引価格で3頭を順次購入。届いた肉の一部を検査機関に送ると、結果は1キログラムあたり10~60ベクレルだった。

 「うちのお客さんは買ってくれるだろうか」。穴田さんの工場の冷凍庫には、牛肉が入った段ボールが積み上がっていった。         (共同=沢野林太郎)

     ☓  ☓  ☓

 東京電力福島第一原発事故後、本県産をはじめ東北の農産物を敬遠する動きが一部で表面化した。日々の食卓が放射性物質と無縁ではいられなくなった社会で、食品を測る人たちがいる。生産者、消費者という異なる立場で、それぞれが測定に懸ける思いを探った。』

たしかに「セシウム牛を食べる会」というネーミングのキャッチーさは、人にポンと届くのではないか。だけどもそれはネーミングのキャッチーさという性質によるものであって、内容そのものが届いているわけではないわけです。

「セシウム牛を食べる会」というネーミングだけが独り歩きしているという感じ。だけども実は「セシウム牛を食べる会」という名称もまた、実際のネーミングとは少し違うのです(後述します)。メディアによって短縮されて報じられているのですね。

この報道に刺激を受けて、一部の人が批判を繰り返していました。だけどもこの報道をどのように受け止めているのかを観察すると、批判している人の批判対象は、

  • イベント
  • イベント主催者
  • イベント参加者
なのです。そう。その批判対象に、
  • 報道したメディア
が含まれていなかったのです。

何 で メ デ ィ ア を す っ か り ス ル ー し て い る ん だ よ !

いつまでこんな感じでメディアに煽られて操られるんでしょうか。少なくとも批判の選択肢にメディアも入れておいて良いのではないか、というのが僕の考え方です。

人間には、見える範囲の人間に関心を持ち、愛し、憎むという単純なところがあります。見えるものに憎悪を抱くのです。そして眼に見えないものには無関心です。

新聞って文字なのにね。みんな文字を読んでいて新聞を見ていないのです。木を見て森を見ずそのものです。メディアを批判している人もころっと文字に騙されてしまう。でも文字を書いているのは人であり、その人はメディアに所属しているのです。

それを忘れて、会やそれに参加する人たちを批判することは、本質とはズレてるのではないか。

これは、とても気持ちが悪い。のでいろいろ考えてツイートしていました。

みたいなことを感じてツイートしていました。まあこれにも色々反論があったりしました。
で、実際はどういう会だったのかというと。いくつか個人ブログに説明があります。これが全てを表しているわけではないですけれども、報道が伝えないことを伝えているのは事実でした。

ちいさな野菜畑 - あんない | 入道の独り言

『(BCCで皆様にお届けしております。)

皆様、こんにちは。モーとんふぁみりーの穴田です。

ご無沙汰の方もいらっしゃると思います。

今年も宜しくお願い致します。

さて、皆さまもご存知の通り、原発事故からもたらされる、放射能汚染は未だ拡大する一方です。岩手でも県南地域の汚染が深刻な状況ですが、岩手県全域に放射能は降り注いでいました。目には見えず、臭いもしない物ですが、数字は嘘をつきませんでした。

昨年、モーとんふぁみりーに入荷した岩泉産の短角経産牛2頭から60ベクレルと10ベクレルの放射性セシウムが検出されました。国の暫定基準値が500ベクレルなので、それに比べれば低い値ですが、それゆえに買い上げ対象とならず、モーとんふぁみりーに在庫として残っています。

街中では「セシウム入っていません」と言う表示はあっても、「セシウム入っています」と言う表示は決して見る事はありません。しかしながら、基準値以下のセシウムが入っている食品が出回っている事は、市民による数多くの検査によって確かめられています。

基準値以下のセシウムが私達の体にどのような影響を与えるかは、まだ誰も分かりません。だからこそ細胞分裂が盛んな、子供達や妊婦さん達はそれを避けるべきでしょうし、そのような選択が出来るような表示をすべきだと考えます。

地域に根ざすモーとんふぁみりーとしては、地域の物を使いつつ、この汚染とどう向き合っていくのか、考えてきました。今回あえて「セシウム牛を食べる会」を、ちいさな野菜畑の小島さんのご協力を頂き、企画しました。

放射能汚染をめぐる牛肉について少しお話しをさせて頂いて、その後皆さまで料理を食べながら、色々とお話をお聞かせ頂ければと思っております。皆様のご参加をお待ちしております。

セシウム牛を食べるべきではない人にもメールをお送りしていますが、セシウムフリーの食事も用意していますので、ご安心ください(笑)

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放射能汚染をめぐる牛肉のお話とセシウム牛を食べる会

日時:1/28(土)18時から20時まで。

場所:ちいさな野菜畑 盛岡市三ツ割鉢の皮36-23(019-661-7170)

   岩手県交通バス 松園営業所 斜め向かい  駐車場あります

プログラム:

18:00~18:30お話「岩泉短角牛と放射能汚染」モーとんふぁみりー 穴田光宏

18:30~20:00 酒宴・歓談・酒盛り・宴会・密談などなど

会費:2000円(飲み物代別・お好みの飲み物ご持参下さい)

定員:15名 料理の準備などありますので事前にご連絡頂けると助かります。

申し込み先:  ちいさな野菜畑   info@chisana-yasaibatake.jp

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======================

地域と生活を分断するグローバリズムに抵抗を!

穴田光宏(ANADA Mitsuhiro)

======================』

お肉屋さんのメールのコピペのようですね。

内容を読むと結構まっとうなことを言っている箇所があって、報道との印象とは違って、おや? と思いました。

だからこそ細胞分裂が盛んな、子供達や妊婦さん達はそれを避けるべきでしょうし、そのような選択が出来るような表示をすべきだと考えます。

とかね。まあ商売人はまっとうなことを言いたがるでしょうからこれをどのように評価するかは人それぞれにお任せします。だけども読む限り、まあ、ウソをつこう、騙そう、という姿勢は余り感じないというのが僕の感想です。

また正しいネーミングはこうです。報道の「セシウム牛を食べる会」よりも長い。

『「放射能汚染をめぐる牛肉のお話とセシウム牛を食べる会」』

タイトルもただの「セシウム牛を食べる会」ではなく「放射能汚染を巡る牛肉のお話と」というフレーズがくっついています。

もう1つ別のブログ記事です。

お部屋2366/セシウム牛を食べる会 | ポット出版

このブログ記事は長文ですから全部掲載するのはさけて、おや? と思う情報のみピックアップします。

『震災から1年、少しずつ記憶が薄れていくなか、せっかくですので「セシウム」牛(60Bq/kg)を食べながら、現地の話を聞き、一緒に考えてみませんか。

(牛肉はもちろん基準値以下ですし、セシウムフリーのお食事もあります。ご安心を。)』

こんな具合に、セシウム60ベクレル/kgの肉とセシウムフリーの肉を、参加者が選択して食べながら、放射能汚染を巡る牛肉のお話をしていろいろ考えるというイベントのようです。食べることを強制しているわけではないのですね。

Twitterで絡んだ人の中には「試食会」のようなイメージを持っている人もいましたが、今のところそのような表現はどこにも出てきません。

あくまでもトークイベントの中の一つの考える切っ掛けとしてのセシウム牛という位置づけのようにブログからは読み取れます(実際のイベントはどのようなものだったのかは知りません)。

で、このような表現もあります。

『そんな空気の中で、モーとんふぁみりーは自ら検査をして、数値を公表して販売しています。通販もしていて、そちらでも数値を公開しています。』

え? ベクレル数を公開して販売してるの? だとしたらまあまっとうなことをしてるのではないか。

でリンク先を見ると。

19)


という具合にベクレル表示をしているというわけです。

この「モーとんふぁみりー」という業者はそういう方針のようです。

この点はまあ悪く無い、というより、これからの時代、当然行なわなければいけない「商品のベクレル数の表示」を、他の業者に先んじてやっている、と見ることもできるのではないかと思います。

と、僕はここまで確認してもろもろこの問題についてツイートしていたところ、DMで次のサイトの情報が伝えられました。

国産お肉の直売所 国産お肉の直売所 お取り寄せ産地直送JAタウン

21)

農協のサイトですね。

27)

「福島牛」の文字が見えます。

そして、当然のごとく、ベクレル数は発表されていません。

で、さっきの業者と比較してみると次のように言えると思います。

  • 基準値以下のベクレル数を発表して理解を求めている業者は批判・攻撃される
  • 基準値以下のベクレル数を隠して販売する農協は、批判・攻撃されない

という状況が生まれてきてしまいます。

黙っているものは許され、正直であるものは批判されるという状況です。これはフェアではない。

こういう意見もいただきました。

で僕の今の結論はこんな感じです。

おそらく多くの人を「イラッ」とさせるエントリーだと思いますが、欝の時はこんなものです。人間なんて大嫌いです。自分も人間ですから自分も大嫌いです。こういうエントリーを書かないで済むならば書かないでいたいものです。
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