フジテレビは6月29日、5日に放送した特番「池上彰 緊急スペシャル!」で、韓国人が日本についてインタビューで答えているVTRのうち2人について、翻訳の字幕や日本語吹き替えナレーションの内容と異なる映像を誤って使用していたとして、番組ホームページにお詫び文を掲載した。数日前からインターネット上で発言と字幕が一致しないとの指摘が相次いでいたが、フジテレビは「編集作業でのミス」で、2人ともインタビューの別の箇所では字幕と同じ発言をしていたと説明。発言していないことを翻訳で捏造したのではないかとの疑惑は否定した。
ツイッター上で沸き起こっていた指摘の例
私も昨日から何回も聞いたが「〜文化が本当に多いです。そして外国人が本当に沢山訪れてくださるようです」と聞こえる。歪曲か韓国語の知らないスタッフが映像の適当なところに字幕を付けたか。この学生の前に出た女性の言ってる内容と字幕も違っていた pic.twitter.com/SNXfVi3nyD
— 韓流ツイッター (@kor_celebrities) 2015, 6月 27
ウワサになっている「池上彰スペシャル」見たけど、この字幕は完全にアウト!女子は「문화가 너무많아요.그리고 외국인이 정말 많이 방문해주는 것 같애요.文化がとても多いですね。そして外国人が本当にたくさん訪れてくれるようです」→https://t.co/hGrRXBamQV
— 高英起(コウ・ヨンギ) (@dailynkjapan) 2015, 6月 27
特番は「知っているようで知らない韓国のナゾ」というテーマで、韓国人のいわゆる「反日」感情などを取り上げていた。VTRでは、日本大使館前での抗議活動の模様を流した後、韓国・ソウル市民の街頭インタビューの映像を放送。女子学生が答える場面では「(高校生)日本が嫌いですよ だって韓国を苦しめたじゃないですか」という字幕が入っていた。しかし、女子学生はこの場面で「文化がたくさんあります。だから、外国の人がたくさん訪問してくれているようです」と話していた。その次の男性が答える場面でも「(30代無職)日本人にはいい人もいますが、国としては嫌いです」という字幕をつけていたが、男性は「過去の歴史を反省せず、そういう部分が私はちょっと…」と話していた。
フジテレビのお詫び文では、女性は実際に「日本が嫌いです」と答えています、とだけ説明したが、広報担当者に取材したところ、女性は字幕で表示したとおり「韓国を苦しめたじゃないですか」という発言もしていたという。もう一人の男性の発言についても字幕で表示したとおりの発言をしていたと説明した。問題が発覚した経緯については「26日にホームページに寄せられた問い合わせがあって初めて分かった。お恥ずかしながらそれまではミスに気づいていなかった」という。池上彰氏は「番組の企画から携わっていたので、視聴者には大変申し訳ない」と話しているという。
この放送をめぐっては、署名サイト「change.org」で「もうこれ以上捏造はやめてください!」と題する署名キャンペーンが始まるなど、騒動が広がりつつあった。
- (初稿:2015年6月29日 18:50)
- (追記:2015年6月29日 19:39)ツイッター上の指摘の例を追加しました。