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【エルマウサミットの舞台裏(下)】「学級崩壊」変えたシンゾー流 メルケル首相「シンゾーの発言で締めくくろう」

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【エルマウサミットの舞台裏(下)】
「学級崩壊」変えたシンゾー流 メルケル首相「シンゾーの発言で締めくくろう」

6月7、8両日にドイツ南部エルマウ城で開かれた主要国首脳会議では、安倍晋三首相が議論を終始リードした(AP)

 欧州首脳を中心に「今後ユーロはどうなる」といった議論が延々と続き、安倍首相に基調発言の順番が回ってくるまでに約20分がかかった。安倍首相は、自由や民主主義、法の支配といった価値観をG7で共有することの重要性を説きつつアベノミクスの実績を紹介し、最後に中国の問題点を指摘するというシナリオを描いていたが、全てをしゃべっていては発言が間延びしてしまう。

 「戦略を変えよう」

 安倍首相は方針を転換し、基調発言では中国問題は取り上げず、ギリシャ債務問題を意識して「日本経済がデフレから脱却することで世界経済に貢献する」という話で打ち切った。

 もともと欧州首脳にとって中国は物理的に遠く、その膨張政策への関心は薄い。夜のワーキングディナーで中国による南シナ海の岩礁埋め立て問題が取り上げられることは決まっており、首相周辺は「首相はそちらで中国経済の話もしようと切り替えたのだ」とみていた。

 ところが、安倍首相がアベノミクスを詳細に説明したことで各国首脳が自国の成長戦略の話をし始め、経済成長にあたっての腐敗対策の重要性の話題から、自然に中国へとテーマが移っていったのだった。

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