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【戦後70年~沖縄(5完)】
「4本爪」の龍柱を誰のために建てるのか? 揺れる普天間移設 テント村住民の正体は…
そもそも国民の税金を使って中国の業者に中国産の石材で龍柱を制作させること自体が不見識だが、批判はそこで収まらなかった。
「龍」は元来、中国皇帝の権力の象徴。「5本爪」の龍の図柄は中国皇帝のみが使用でき、朝鮮など中国の冊封体制に入った周辺諸国は「4本爪」を用いてきた歴史がある。
琉球王朝も冊封を受け、首里城の龍柱は「4本爪」。そして今回の龍柱も「4本爪」だった。
那覇港の龍柱から大通りが延び、沖縄県庁と那覇市役所に突き当たる。大通り沿いはかつて久米村(くにんだ)といわれ、明朝の中国人が暮らした地域。沿道には中国庭園「福州園」(4年開園)や、翁長が25年に完成させた「久米至聖廟(びょう)」(久米孔子廟)が並ぶ。
海の玄関口に「4本爪」の龍柱を立て、県庁までの大通りに中国庭園や孔子廟を整備し、一体誰をお迎えするつもりなのか-。
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米軍普天間飛行場(宜野湾市)移設先となる沖縄県名護市辺野古地区。大浦湾に突き出た米軍キャンプ・シュワブ内の岬にV字滑走路を建設する計画だ。