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【戦後70年~沖縄(4)】
祖国復帰(下) オルグされた教師たち「僕たちは労働者…」 主婦らが政府動かす「私たちこそ沖縄代表!」
このような動きに後押しされ、自民党は11月17日、衆院沖縄返還協定特別委員会で質疑を打ち切り、協定案を強行採決した。教職員会初代会長も務めた琉球政府行政主席の屋良(やら)朝苗(ちょうびょう)(復帰後の初代知事)が「基地のない平和な島」を求める建議書を手に国会に向かっていたが、間に合わなかった。協定案は11月24日に衆院本会議で、12月22日に参院本会議でも可決・承認された。
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47年5月15日午前0時、沖縄は日本に正式返還された。午前0時すぎ、統治機構のトップである高等弁務官(中将)のジェームス・ランパートは嘉手納飛行場から特別機で米国に飛び去った。沖縄は「アメリカ世(ゆー)」から「大和世(やまとゆー)」へと移り変わった。
この日午後、金城は復帰運動の仲間数百人と那覇市内の講堂に料理を持ち寄り、祝賀会を開いた。あいにくの雨だったが、金城たちは「沖縄の感激の涙だね」と万歳し、カチャーシーを踊った。
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