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【戦後70年~沖縄(4)】
祖国復帰(下) オルグされた教師たち「僕たちは労働者…」 主婦らが政府動かす「私たちこそ沖縄代表!」
メンバーは「今こそ心を一つにして祖国に帰ろう」というポスターを張って回り、「声なき声」の参加を呼びかけた。自民党国民運動本部長で衆院議員の江崎真澄(後に防衛庁長官)の働きかけもあり、商工会議所、医師会、青年会議所などに加え、琉球石油(現りゅうせき)や国場建設など地元企業も続々と賛同してくれた。
県民大会には1千人以上が参加。君が代斉唱で開会した後、次のような決議宣言を採択した。
「今や復帰運動は終末を告げ、新しい沖縄県建設の第一歩を踏み出す歴史的瞬間を迎えようとしています。徒(いたず)らに感情的な、政治的な立場からの我執や妄想に捉われ、県民世論を分断することがあってはなりません」
この後、参加者は日の丸の小旗を振りながら那覇市中心部を行進した。
11月3日には、小嶺を団長とする代表団7人が決議宣言文を持参して上京し、自民党幹事長の保利茂や官房長官の竹下登らと面談し、早期批准を要請した。新宿などの街頭で「沖縄の一日も早い復帰を」とプラカードを掲げ、「晴れて日本人になりたいのです」と記したビラを配った。
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