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【戦後70年~沖縄(4)】
祖国復帰(下) オルグされた教師たち「僕たちは労働者…」 主婦らが政府動かす「私たちこそ沖縄代表!」
校長にも抗議に行った。すると校長室に数人の教師が押し入り、「校長はあっちに行け! あんたが来るところじゃない」と言い放ち、校長を追い出してしまった。驚いた金城が「先生は聖職じゃないんですか」と聞くと、教師たちは平然と「僕たちは労働者です」と言ってのけた。
こんなこともあった。
政府は教育委員会を通じて沖縄の小中学生20万人に「復帰記念メダル」を配布することを決めた。沖教組はまたも「基地が残ったままの復帰は認めない」と猛反対。教育委員会も労組の“決定”に同意し、大半のメダルは倉庫に眠ったままとなった。
◇
金城は、教育正常化と復帰推進を訴える「子供を守る父母の会」を立ち上げ、「返還協定批准」を訴える活動を続けた。沖縄の保守勢力の中心的存在だった参院議員の稲嶺一郎らの協力もあり、会長には元琉球政府文教局長の小嶺憲達が就き、賛同の輪は次第に広がっていった。
44年11月の佐藤・ニクソン会談が迫ると、沖教組は全共闘などと組み「佐藤訪米阻止」を打ち出した。
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