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 自民党国会議員の勉強会で、作家の百田尚樹氏が「沖縄の二つの新聞社はつぶさなあかん」「基地の周りが商売になるということで住みだした」などと発言したことについて、翁長雄志・沖縄県知事は29日、「沖縄のことを全く知らない」と批判した。県議会の一般質問で答弁した。

 翁長氏は「本土の方々は沖縄の戦後のことを知らない。あんな話をされること自体が沖縄のことを全く知らないということ。沖縄側が発言しないと本土の理解も得られない」と語った。

 議会後の取材でも「愕然(がくぜん)としている。悲しいし、寂しいし、知識人であるがゆえに大変怒りも出てくる」と批判。勉強会での百田氏や参加議員のメディアに関する発言について「メディアで考え方はそれぞれ違うと思う。違うことそのものが大切だ」と語った。

 また、宜野湾市議会は同日、百田氏の発言への抗議決議を全会一致で可決した。決議では「現在の普天間基地は戦前、村役場や郵便局が存在する村の中心だったが、大戦によって強制的に奪われた。宜野湾市内の軍用地の借料は平均200万円」などと指摘。「県内外の人々に誤解と不信を与えかねない。地主のみなさんの尊厳を傷つける発言であり容認できない」として、発言の撤回と謝罪を求めている。

 県議会でも与党会派が抗議決議の提出を検討している。(泗水康信、吉田拓史)