政府のメディア介入 根底に隠れる不都合な事実

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 英議会は2013年12月3日、米国家安全保障局(NSA)に勤務していたスノーデン元職員から入手した機密情報を基に、米政府が全世界で個人の通話・メールを無断傍受していた事実を公表した英ガーディアン紙を「英国の敵を支援する行為だ」と批判し、同紙のラスブリッジャー編集長を議会召喚した。

 約1時間半にわたり激しい質問が飛び交うなかで、同編集長は英政府が米政府と共に同盟国も対象とした大規模な監視活動をしてきたと批判。「国家の安全を脅かした」との議会の批判に対しては「英政府にとって恥ずかしい事実かもしれないが、国家の安全を脅かすような内容は含まれていない」と反論。「君はこの国を愛しているか」との問いに対しては「われわれは愛国者だ。われわれが愛国心を持つ理由の一つは民主主義であり、そしてわが国の報道の自由だ」と主張。英政府から圧力を受けていた事実も明らかにした上で、「われわれは政府の嫌がらせに屈しない」と強い意志を明示した。

 同紙と報道の自由を支持をする声明を発表し、英政府に真っ向から対峙(たいじ)するガーディアンの支援に立ち上がったのは、同じくスノーデン元職員からもたらされた情報を公表した米紙ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズなど13の報道機関。1972年、後に当時のニクソン大統領を辞任に追い込む契機となったウォーターゲート事件をスクープし、米政府から圧力を受けた経験を持つワシントン・ポストのバーンスタイン記者は「英政府は米国家安全保障局によるスパイ問題を報道機関の問題にすり替えようとしている」と政府が報道の自由を脅かすことがあってはならないと批判した。

 政府がメディアの報道体制に介入するとき、その根底に不都合な真実が覆い隠されているときがある。

 元NHK経営委員の百田尚樹氏の「沖縄の新聞はつぶさんといかん」発言。真につぶしたいものは何なのか、つぶすことにより誰から何を奪おうとしているのか。発言の背景にある『不都合な真実』とは何なのかを私たち一人一人がしっかり考える必要がある。(平安名純代・米国特約記者

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小説「永遠の0」などで知られる作家、百田尚樹氏が25日「沖縄の新聞(沖縄タイムスと琉球新報)はつぶせ」と発言した。自民党の若手国会議員ら約40人が党本部で開いた憲法改正を推進する勉強会「文化芸術懇話会」での内容。ほかにも米軍普天間飛行場の成り立ちを「基地の近隣住民がカネ目当てで移り住んできた」「基地の地主さんが、六本木ヒルズとかに住んでいる」と暴言を連発した。
 自民党幹部らは26日、百田氏の発言を受け、安倍晋三首相は「事実とすれば大変遺憾だ」と表明、江渡聡徳前防衛相は「申し訳ない。担当議員に厳重注意する」と謝罪した。菅義偉官房長官は「報道するのは許された自由だと思う」との認識を示し、中谷元防衛相はコメントを求められたが、言及しなかった。

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6月29日(月) 紙面

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