沖縄県議会与党、百田氏と自民国会議員に抗議決議提案へ

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百田氏の発言に対する抗議決議の提案を決めた県議会与党の代表者ら=29日、県議会

百田氏の発言に対する抗議決議の提案を決めた県議会与党の代表者ら=29日、県議会

 県議会与党5会派は29日に代表者会議を開き、県内2紙の批判や米軍普天間飛行場の成り立ちについて発言した作家の百田尚樹氏と自民党若手国会議員に対する抗議決議を提案する方針を決定した。県議会野党の自民や中立の公明県民無所属、維新に協力を呼び掛け全会一致を目指す。

 会議後、与党連絡会座長の仲宗根悟氏(社民・護憲)は「発言は報道の弾圧、沖縄の歴史の歪曲(わいきょく)で看過できない」と抗議の理由を説明。渡久地修氏(共産)は「2紙への批判は読者である県民への攻撃でもある」と指摘した。

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普天間飛行場の一覧

 沖縄県宜野湾市の中心にある米海兵隊航空基地。面積は約480ヘクタールで、市域の約25%を占める。基地を取り囲むように住宅や学校、公共施設が立ち並ぶため、「世界一危険な基地」と称される。2004年8月、同基地に隣接する沖縄国際大学構内にCH53型大型輸送ヘリが墜落した。2012年10月、地元の反対を押し切り、MV22オスプレイ12機が配備された。翌年夏には、さらに12機が追加配備された。日米両政府は1996年に普天間基地の返還に合意したが、実現していない。名護市辺野古沖への代替施設建設には、県民の多数が反対。移設問題は混迷を深めている。

百田尚樹の一覧

小説「永遠の0」などで知られる作家、百田尚樹氏が25日「沖縄の新聞(沖縄タイムスと琉球新報)はつぶせ」と発言した。自民党の若手国会議員ら約40人が党本部で開いた憲法改正を推進する勉強会「文化芸術懇話会」での内容。ほかにも米軍普天間飛行場の成り立ちを「基地の近隣住民がカネ目当てで移り住んできた」「基地の地主さんが、六本木ヒルズとかに住んでいる」と暴言を連発した。
 自民党幹部らは26日、百田氏の発言を受け、安倍晋三首相は「事実とすれば大変遺憾だ」と表明、江渡聡徳前防衛相は「申し訳ない。担当議員に厳重注意する」と謝罪した。菅義偉官房長官は「報道するのは許された自由だと思う」との認識を示し、中谷元防衛相はコメントを求められたが、言及しなかった。

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6月29日(月) 紙面

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