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【日々是世界】サムスン式経営 MERSで矢面に

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サムスン式経営 MERSで矢面に

MERSコロナウイルスの最大の感染源となったサムスンソウル病院の宋在●(=君の下にレッカ)院長(左)を叱責する韓国の朴槿恵大統領。だが、国民からは大統領にも、そもそも責め立てる資格があるのかといった厳しい目が向けられている=17日、韓国・清州市(聯合=共同)

効率・収益重視が遠因か

 宋院長は、韓国の感染学会理事長を経て、現在、アジア太平洋感染研究財団理事長を務めているといい、朝鮮日報は15日の社説で、「これほどの権威者がいる病院で、ここまでずさんな管理が行われていたとは、にわかに信じられない」と記した。

 その上で、「医師1人当たりの売上高と利益率を調べるなど、効率性と収益を何よりも重視するサムスン式の経営スタイルをこの病院にも適用していた」点を挙げ、収益と効率を追求する「考え方が、結果的に国民の生命と安全を危険にさらし、国の医療システム全体を大きく揺るがしている」と厳しく非難した。

 左派系紙ハンギョレ(16日)に寄稿したシンクタンク所長も「『管理のサムスン』だったはずではなかったか」と世界企業に成長させたグループの経営スタイルに疑問を投げかけ、「利潤最大化に最適化された意思決定基準が病気の治療に適合するはずがない」と批判した。

 権威ゆえに、判断を全て病院側に丸投げし、病院の「治外法権化」を放置した政府の甘さにも批判が相次いだ。

 東亜日報は、16日社説で「(韓国)保健福祉省がサムスンソウル病院を防疫体系の『聖域』とみなして手を付けなかったため、隔離者の選定や管理に穴が開き、病院で感染した患者が全国至る所に広まった」と論じた。「国と病院の癒着」を勘繰る論調も現れた。

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