帰ってくるからね。
必ず。
そしたら親子3人で暮らそう。
腕によりをかけて作った料理。
う〜んおいしそう!では早速いただきます。
とその前に…。
(カメラ機能のシャッター音)盛りつけたらまずは1枚。
というのは主婦の…
(カメラ機能のシャッター音)実はこのお皿料理を盛ると思わず写真を撮りたくなるんだそうです。
料理を盛ると一枚の絵になるお皿。
ほかにもファンはいっぱい。
写真を撮ってはインターネット上で公開する。
そんな人たちが急増しています。
「カラフルなのに主張しすぎずどんな料理も引き立てる」というのが人気の理由。
こちらがきょうのイッピン!石川県で作られた九谷焼です。
九谷焼はそもそも江戸時代に誕生した絢爛豪華な焼き物。
絵画のような絵付けを特徴とする高級品というイメージですが。
今新しい九谷焼が続々と登場し現代のライフスタイルにも合うと大好評なんです。
思わず使ってみたくなる器。
華やかさはそのままにスタイリッシュに変身した九谷焼。
その魅力に迫ります!九谷焼生産の中心地。
石川県能美市。
50の関連会社が集まっています。
今回のイッピンリサーチャーは料理好きな…
(安田)お料理と器ってすごい大事な気がするんでお料理のイメージがわく九谷焼を手に入れてみたいなと思いますね。
訪ねたのはあの料理を盛ると一枚の絵になる人気のお皿を作っている窯元。
こんにちは。
すご〜い。
いろんな柄がある!こういう柄とかも。
こんなのもトマトを置いたらすごいかわいいですよね。
(窯元)似合いそうですね。
フフフ。
こちらでは10人の職人がそれぞれに器を制作していますがみなふだん使いできるものを目指しているんだそう。
ここに置いたら周りが飾られているんだったら…。
人気のお皿を作った永遊心さん。
デザインから絵付けまで自ら行いました。
こちらは…ふ〜ん。
ちょこっとだけ置いても周りがあるから絵になるし。
茶色だけとか緑だけの料理を盛ってもちょっと華やかになるかなぁと思います。
確かに。
皿の縁にだけ施された柄は料理という絵を引き立てる「額縁」をイメージしたものだったんですね。
花や葉っぱを表した柄。
彩るのは九谷焼で伝統的に用いられる「九谷五彩」という色。
「紺青」「緑」「赤」「黄」「紫」が九谷五彩。
シンプルな柄にバランスよく配置しました。
はい。
食べ物に合うですとかはい。
組み合わせの「妙」と言うんですかね。
はい。
へぇ〜。
更に永さんは柄の立体感にも心を砕きました。
渋い色の柄は平面的。
一方鮮やかな色はぷっくりと盛り上がっています。
柄を立体的に表すことで「額縁」としての効果を高めようとしたのです。
さぁこの額縁に隠された職人ワザを見ていきましょう。
工房におじゃましました。
おじゃまします。
こちらでは分業ではなく職人ひとりひとりが自分の器を完成させていきます。
成形はろくろ挽きで。
持ちやすい大きさや形など使い手の気持ちを考えながら作っていきます。
すご〜い。
このあと素焼きをしたら絵付け作業です。
まずは柄の輪郭を描いていきます。
次に色付けですが…。
渋めの色を薄く平らに塗ります。
紺青は「呉須」という顔料を。
そしてうす緑は「クロム」という顔料を使うんです。
2色を塗ったら釉薬をかけて焼きますがここからが本番。
残りのぷっくりとした部分に取りかかるんです。
使うのは伝統的な「和絵具」。
おもしろい。
今すっている絵具は焼くと黄色に発色します。
和絵具は焼いたあと色が全く変わるなど扱いが難しいんです。
(和絵具をする音)わ〜とろっとしてる。
ふふ。
トロトロ。
「ふのり」を加えここまで粘りが出たら準備OK。
これに上絵をしていきますね。
はい。
黄色のやつ。
はい。
筆遣いにご注目。
永さん筆に絵具をたっぷりつけて厚く塗っています。
この厚みが重要。
結構分厚く塗るんですね。
(永)そうなんです。
そんなに厚く感じないです。
厚すぎるとまたいけないんですけども。
え〜難しいですね。
そうなんですよ。
実は「和絵具」は適度な厚みがあって初めて焼いた時きれいに発色します。
焼き上げるとこのとおり。
ぷっくりとして透明感ある鮮やかな色合いになります。
でもこの適度な厚みが難しいんです。
塗り方が薄い厚い場合と比べます。
薄いと発色が悪く厚いと色が濃すぎて透明感が出ないんです。
ではどう塗ればいいのか。
安田さんも挑戦!持ち上げて…えこわい。
(永)置いて伸ばす。
息止めてますか?止めてます。
あっ薄くなっちゃった!思ったとおりに動いてくれないっていうか…。
安田さんが塗ったものがこちら。
永さんと比べると厚みが足りません。
安田さんは筆をべったり押しつけていますが永さんは筆先を軽く皿につけています。
たっぷりと筆に含ませた絵具を皿にそっと移し筆先で広げています。
こうして均等な厚みが生まれきれいに発色するんです。
試行錯誤の末自ら編み出した筆遣いです。
違いますねぇ。
美しい額縁のような皿が完成しました。
楽しくふだん使いできる九谷焼の皿。
そこには伝統の色をモダンな感覚で駆使する若い職人のワザがありました。
安田さんが是非にと立ち寄った九谷陶芸村。
わ〜いろいろある。
そのショッピングモールでは伝統的なものから現代的なものまでさまざまな九谷焼に出会えるんです。
おもしろ〜い!何載せるだろうこれだったら。
え〜これビアカップ?かわいい!打ちでの小槌。
キュンときますよね。
九谷焼が得意とする絵付けは実用的なものから遊び心あふれるアイテムまでさまざまな製品に生かされています。
一点一点華やかな模様を描く九谷焼。
と言われるその歴史は江戸時代に始まります。
まるで油絵のような力強いタッチで緑や黄色紫を器全体に施した大皿。
こちらは瀟洒な日本画のような絵付け。
主に富裕な人々向けの器として高度な技術を発展させました。
明治には海外に盛んに輸出されます。
「ジャパンクタニ」と呼ばれ欧米の人々に絶賛される中技法は更に磨かれていきました。
赤と金だけですごいですよねぇ。
安田さん古い絵付け技法を今に生かした話題の器があると聞いて窯元を訪ねました。
おじゃましま〜す。
わ〜たくさんある〜。
これもすごいすてきお花で。
へぇ〜これ欲しい。
フフフ。
そしてお目当ての器が!あ!フフフフ…。
細かいお花が。
こんな色合いもあるんですね。
華麗な花々に彩られた盃。
中にかわいい子犬があしらわれています。
すごいかわいいですね。
器を作った…へぇ〜。
飲み物を注ぐと子犬がお風呂につかっているかのよう。
そして目を引くのが器をびっしりと埋め尽くす四季折々の花々。
「花詰」という絵付けの様式です。
牡丹や菊が絵画さながらにグラデーションを駆使して描写されています。
ごめんくださ〜い。
犬の器に絵付けを施した…大学生の時九谷焼の華やかさに魅了されこの世界に飛び込んだ「花詰」専門の絵付け師です。
ふ〜ん。
まず輪郭から。
これまで50種類もの花を扱ってきたという鈴木さん。
下書きなしに生き生きと描いていきます。
輪郭を全て描き終えたら色を塗っていきますがそのポイントは?グラデーションを生み出すのに欠かせないのが「洋絵具」。
和絵具より発色がよく焼き上がりの色も変わらないため繊細な表現が可能なんです。
まず同じ色で濃いものと薄いものの2種類を用意。
これでグラデーションを作ります。
それぞれを筆に含ませるんですが…。
なんと鈴木さん2本の筆をいっぺんに持ちました。
それ2本持つんですか同時に?そうです2本持ちます。
どうやって使い分けるんだろう?でも。
まずは1本目の筆で塗り…。
クルッとチェンジ!すごいフフフ…。
入れ替わった!2本の筆を素早く入れ替える鈴木さん。
フフフ…。
なんででも二刀流にする理由があるんですか?はい。
でもそのために塗ってから1分もすると乾ききってしまうんです。
絵具が乾かないうちに薄い色と濃い色を重ね合わせないときれいなグラデーションができません。
少しでも塗る時間を稼ぎたい。
そのための二刀流でした。
安田さんも試しますが…。
お箸みたいに持つんですね。
はいそうですね。
え〜!サッ。
ここが難しいですねそうですね。
このクロスが…。
えっフフフフフ…。
これをごはんはい。
食べてる時とかに練習してはい出来るようになりました。
へぇ〜。
どのくらいかかりましたか習得するのに?そうですね1年ぐらい。
1年ぐらいずっとやってたんですか。
はい。
そして仕上げに金を施します。
洋絵具のグラデーションを生かしつつ細かい線を加えいっそうの華やぎを演出するのです。
こうして花詰の盃が出来上がりました。
本当にお花がここにあるわけじゃないけどお花がここに咲いたような明るさっていうか。
お花の雰囲気がこっちに伝わってきますねぇ。
優雅に咲き誇る花々。
その美しさを支えていたのは二刀流という鍛え抜かれたワザでした。
九谷焼は能美市のほか金沢市小松市加賀市でも生産されています。
加賀市には江戸時代の窯跡が今も残されています。
その大きさから当時一度に1万個もの器が焼かれていたと推測されています。
貴重な体験ができるカフェがあると聞いて訪ねました。
あ器がいっぱい置いてありますね。
地元の作家が手がけた器でお茶を楽しめるんです。
人気の器がこちら。
ありがとうございます。
メッチャ細かいですね。
ここまですてきだと本当に器をめでるっていうかちゃんと自然に器に目が行きますね。
白地に赤の緻密な文様が浮かぶ抹茶茶わん。
「赤絵細描」という九谷焼の伝統技法が駆使されているんです。
正確無比に描かれた髪の毛のように細い線。
細かな文様がつながりあって茶わんという小さな空間がまるで広大な宇宙のように感じられます。
ごめんください。
は〜い。
こんにちは。
安田美沙子です。
抹茶茶わんを作った見附正康さん。
「赤絵細描」の若き名手です。
見附さんは21歳の時伝統工芸士に弟子入りし10年間技術を磨きました。
赤絵細描が確立されたのは江戸時代。
赤を主体として細かな線で描くのが特徴です。
画題の多くは中国風の山水や人物でした。
見附さんはモダンなスタイルにアレンジ。
人物ではなく幾何学模様を描いています。
色の濃淡線の太さそして文様の配置によって赤だけでも奥行きのある世界を表現。
小さな文様を寸分の狂いもなく並べることでリズム感を生み生き生きとした器を作り出しています。
ふ〜ん。
(顔料をする音)使うのは「ベンガラ」という顔料です。
筆は極細の「面相筆」。
毛先を更にカットして0.5ミリ以下にしています。
細さの異なる5種類を使い分けるんです。
それでは絵付けを拝見。
見附さんが制作するのは直径8センチほどの湯飲み。
針のようにとがらせた筆の先端だけを当て描いていきます。
え〜ほっそ〜。
次線を…。
文様の中を更に細かい線で埋めていきます。
細かい。
1ミリも幅ないですよね。
0.何ミリかですよね。
あ…そうですね。
ねぇ。
震えたりしないんですか?そうですね。
まぁちょうど僕はこの小指でこの曲面に合うように手の強弱というか…。
重要なのはまず小指。
どんな曲面でも細かな線を正確に描けるのは実は小指を巧みに使って安定した軸にしていたからなのです。
もうひとつは独特の筆の握り方。
親指と中指に力を込め筆をガッチリ固定させています。
直径僅か5ミリの面相筆は普通には握れません。
長年かけて見附さんが編み出した筆が最も安定するやり方なんだそう。
楽々と筆を進める見附さんですが完成までに多くの時間を費やします。
少し描いてはいったん焼きまた描き進める。
これを4回は繰り返し小さな湯飲みは出来上がります。
本当に楽しそうに見えます。
あそうですか。
ありがとうございます。
なんかずっと笑顔で描かれているから。
はい。
結局はずっと描いてるのが楽しいので。
はい。
「色」という焼物では自在に操ることが難しい世界に果敢に取り組んできた九谷焼の職人たち。
人々の目を楽しませたい。
その思いを胸に新たな器を作り続けます。
2015/06/28(日) 04:30〜05:00
NHK総合1・神戸
イッピン「色で勝負!華やぎの器〜石川 九谷焼〜」[字]
華麗な絵付けで知られる石川県の九谷焼。料理を盛りつけると思わず写真を撮りたくなる“額縁”のような器や、極細の線を操る“赤絵細描”の超絶技巧を安田美沙子が探る。
詳細情報
番組内容
けんらん豪華な絵付けを特長とする、石川県の九谷焼。高級品のイメージがあるが、近年はスタイリッシュでカジュアルな器が続々と登場し、人気を博している。料理を盛りつけると思わず写真を撮りたくなる“額縁”のようなカラフル器。飲み物を注ぐと、犬がお風呂に入っているかのように見える、遊び心あふれる杯。そして、極細の線を操る“赤絵細描”の超絶技巧とは?使ってみたくなる、現代の九谷焼の魅力を安田美沙子さんが探る。
出演者
【リポーター】安田美沙子,【語り】平野義和
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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