日本のチカラ 2015.06.28


今年3月東京ビッグサイト。
世界各国から自然エネルギーに携わる企業が集まりました。
そこで発表されたある発明品。
太陽光発電を使ったプラグインハイブリッドカーのカーポート。
その心臓部を開発したのが九州宮崎で会社を営むこの兄弟。
人呼んで発明ブラザーズ。
もう夢の夢で…嬉しいです。
世界のライバル社がいっぱいいますもんね。
還暦をとっくに過ぎているこの2人。
胸に秘めたる若き血潮。
そんな兄弟普段の格好は…。
テレビんごと絶対ないっち言うたですよやっぱ。
仕事場はハウス牛舎そして駐車場。
2人の元気の源は?僕なりには夢をねいつも持ってます。
夢を作るっていいますけども…それに向かって進んでいくと。
『日本のチカラ』今週は小さな町工場から世界に挑む発明ブラザーズの物語です。
宮崎県延岡市。
旭化成発祥の地でもあるこの町は宮崎を代表する工業都市。
そんな町の一角にその会社はあります。
住宅街に立つ築50年の民家。
ここが事務所?大企業とは程遠いこの会社の名前はブルーウィング。
この雑然とした廊下の先が今回の主人公たちの社長室兼事務所。
兄森山喜昭さん70歳。
弟森山兼博さん64歳。
そんな2人が生み出すブルーウィングの商品。
ちょっと変わったものが多いんです。
発電機の音がうるさいという声から生まれたこの商品エレクトリックBOX。
ガソリンを使わないため電気をつけても…。
(稼働音)この静かさ。
鳥獣被害に悩む農家のために発明した畑を守るための電気柵イグフェンサー。
自動車の廃材を使いながら太陽光で自家発電も出来ます。
そして住宅街のような狭い場所でも風力発電が出来ないかと考えて出来たのが…。
名前の由来は?ここは地区的に別府町ですね。
そして愛宕山からの吹きおろしの風がビュンビュン回りますんでビューンくんと付けました。
まさかのおやじギャグ。
困っている人のためのモノづくり。
あまり儲かってはいないんだそうです。
ブルーウィングの作業場は自宅の駐車場。
企画から製作まで全てを自分たちで行っています。
工具だって手作り。
これは部品にネジ山を作る作業。
今まではこのように一つ一つ手作業で作っていたんですが効率化のため電動ドライバーを改良して特別な装置を開発。
いろんな面で。
今2人が作っているものはブルーウィング一の売れ筋商品。
これ一体なんですか?自動噴霧装置なからっぽ。
簡単に言うとビニールハウスの天井に取り付けたノズルから水や液体肥料を霧にしてまく装置です。
こうした装置は大手メーカーからも販売されています。
しかしブルーウィングのなからっぽは超低価格。
耐久性に優れた安い原材料を使い全て自分たちで作るため値段を抑える事が出来るんです。
そしてこのなからっぽにも困っている農家さんの声が生かされていました。
それは日本初の技術。
今までの噴霧装置だと噴霧作業後に液体がパイプやノズルに残って目詰まりを起こしていました。
しかしこのなからっぽ作業が終わると圧縮した空気を送って配管に残った液を全て洗い出してしまうんです。
この技術が評価され去年4月には特許庁の実用新案に登録されました。
ちなみにこのなからっぽという商品名も得意のおやじギャグ。
ホースの中の残液が空っぽになるので中が空っぽという事でなからっぽと付けました。
名前も技術もグッドアイデア。
この日は宮崎市の農家から注文を受けたなからっぽの製作。
これまでに40軒以上の農家に設置してきました。
ノズルに詰まりがないか一本一本検査。
なからっぽを操作するための制御盤も組み立てられます。
ブルーウィングでは施工コストを抑えるため農家が持っているポンプなどの動力をそのまま利用。
そしてその能力を最大限に引き出すため制御盤や配管の位置は発注主のハウスの規模によって変えています。
同じ設計図は2つとしてありません。
こちらがその設計図。
(スタッフ)これはなんの絵なんですか?これで…。
こういう紙ないじゃないですか。
もってこいなんですよ大きくて。
A4じゃ小さいし…。
(スタッフ)よくこれ…このカレンダーに書くんですか?ああもうこれ最高ですね。
延岡市でトマトなどを栽培している田中一夫さん。
しかし田中さんがブルーウィングを選んだ理由それは価格だけではありませんでした。
田中さんのハウスには電気が通っていません。
そこで太陽光だけで農業が出来ないかと考えたのですがそれがなかなか難しかったようで…。
各社っていうかもう十数軒回って作りきれる…そういうのが出来るっていうのが森山さんのブルーウィングさんしかなくて…。
全て自分たちで作っているからこそ注文主のニーズにすぐに対応。
それを商品化出来るんです。
モノづくりの楽しさに魅せられた2人ですが得意なのはモノづくりだけではありません。
それは…。

(三味線)兄の喜昭さんは津軽三味線の家元だというから驚き!一方弟の兼博さんは…。
おやじバンドのベーシスト。
しかしベースをよく見てみると少し作りが粗いような…。
そんな兼博さん少年の頃から地元では有名な発明家。
中学生の頃にはなんと手作りで自動車を作ってしまうほど。
木製のフレームにオートバイのエンジンをのせて作った車は時速50キロで走ったんだそうです。
好奇心旺盛だった少年時代。
作っては失敗の繰り返しでした。
こうしたDIYの精神がブルーウィングの設立に繋がっていました。
20年前に弟の兼博さんが作った風力発電機を世に広めようと兄の喜昭さんが会社を設立。
4年後別の会社に勤めていた兼博さんの定年を機に2人はパートナーとなりました。
「おいお前まだ風力発電の夢を持っちょるか?」っつったら…。
熱意を聞いてみないといかん。
「おお俺は持っちょる」と。
「会社定年したらまた風力発電に挑戦する」って言うから…。
そういったものは世に出してやりたいなっていう作ってみたいなっていうまだまだそういった野望を持ってましたのでスタートしたんです。
そりゃもう…。
この日は駐車場で作っていたなからっぽの納品日。
宮崎市で農家を営む郡司武光さんのハウスに取り付けます。
ハウスの外に制御盤を設置。
ノズルは一本一本自分たちの手で取り付けていきます。
工事も終わり水を通しての噴霧試験。
なからっぽのまいた水がみるみるうちにハウスの中に充満していきます。
続いて中を空っぽにするための空気がノズルへ。
そうなんです。
どういう意味かなと…。
(兼博さん)中が空っぽで…。
(エミ子さん)ああそういう事。
大丈夫ですね。
「おかげで助かってますよ」とその一言に尽きますね。
我々の設備は配管の中は空っぽですけど夢はいっぱい詰まっております。
ブルーウィング一の売れ筋商品なからっぽ。
その原点は意外なところにありました。
牛舎の柱に設置されたこの装置。
消毒液を散布する事で家畜の伝染病予防に繋がる装置です。
開発のきっかけは2010年。
およそ30万頭の牛や豚が殺処分された口蹄疫。
その被害拡大を防ぐための消毒作業を見て牛舎の消毒が自動で出来るようにと考えたものがなからっぽの原型となったのです。
この日2人は鹿児島へ。
うんなるとよ。
いまだ現役バリバリの発明ブラザーズ。
仕事への情熱はいまだ衰えません。
我々のね。
いや〜2人とも還暦を過ぎているとは思えないバイタリティー。
訪れたのは鹿児島県鹿屋市の農業法人。
今回なからっぽの販売代理店になりました。
今日は技術指導を兼ねての取り付け。
実際ちょっと…。
まあここはちょうど潅水のラインとあとミスト…細霧ですねその設備があるんですけど。
これでもやっぱり目詰まりの問題がやっぱりありましたね。
なからっぽへの期待がうかがえます。
給水口わかりますよね?給水口。
はいはいはい。
教えながらの設置作業。
兼博さんいつもより気合が入っています。
大事なのは農家からの信頼。
それをよくわかっているんです。
95点。
(笑い声)あとは作業量。
そして噴霧試験。
実際に取り付けたものを見るのはこれが初めて。
圧縮した空気で中を空っぽにします。
なからっぽの実力に反応は上々です。
ありがとうございます。
そういうふうに言って頂いて。
握手しましょう。
(一同の笑い声)いや僕らも…。
農業の救いの神ですよ本当に。
また代理店さんも喜んでもらう。
鹿児島を訪れたその4日後駐車場兼作業場に行ってみると2人がまた何かを始めたようです。
(スタッフ)ブルーウィングは大工になったんですか?えっ?ハハハハハ。
いや実験のためにね一応…。
(スタッフ)なんの実験ですか?はい?
(スタッフ)なんの実験ですか?白アリを駆除するための噴霧試験をするためのですね…。
なからっぽを民家の床下に設置して白アリの駆除に使えないかと実験を始めたのです。
今まで人の手で行われていた白アリ駆除。
人件費などがかかり費用は高額になってしまいます。
これを自動化する事で費用を抑えようというのです。
手伝っているのはブルーウィングの営業担当で喜昭さんの息子慎作さん。
2人の事をどう思っているんでしょうか?技術に対するこだわりがすごいなっていうのがですね…。
やっぱりいろんなものを見た時にこの仕組みがどうなっているんだっていうのがですね多分気になると思うんです。
でそれをやっぱ自分でまずやってみて…みないと気が済まないっていうかですねそういう性格だと思うんですよね。
(慎作さん)多分そういう…本人たちのやっぱ納得いくところまでそこまでやってほしいなっていうのは思いますね。
木材で床下に見立てたセットを組み立てます。
これになからっぽを改良したノズルを設置。
このノズルから木材に薬液を噴霧して白アリを駆除しようというのです。
しっかりと薬液がかかったか調べるため木材の湿度を測定。
実験後この数字が上がっていれば成功です。
準備も終わりいよいよ噴霧試験。
今年2月知り合いから提案を受けてこの開発に乗り出しました。
頻繁に使う事のないこの白アリ駆除の装置。
だからこそノズルを空っぽにするなからっぽが有効なんです。
実験結果は1.4パーセント。
薬液はちゃんと木材にかかっていたようです。
しかし弟の兼博さん納得がいかない様子。
あの…今壁を狙ってで真ん中辺りがちょっと濡れてないので真ん中辺りも濡らす工夫をちょっと考えんといかんかなと。
そこで農家で使っていたなからっぽを付ける事で問題はすぐさま解決。
発明ブラザーズ困っている人を助けるために妥協はありません。
(スタッフ)これ名前なんて付けます?なんでしょうかね?なんて付ければいいんじゃろ…。
まだ今は考えてませんけどそのうち考えときます。
という事で…。
よいしょ…。
よっこらせ。
あのよその…。
なかなか難しいね。
結局この日名前は決まりませんでした。
今年3月。
2人の姿は東京ビッグサイトにありました。
世界各国およそ300社のメーカーが参加した太陽光発電の展示会にブルーウィングも出展したのです。
なかなか普通の…。
2人が出展していたのは太陽光発電を使ったプラグインハイブリッドカーのカーポート。
福岡の企業と共同開発しました。
今までは電力会社からの電気しかEV車の充電っちゅうのはあまり聞かれなかったんですけどもこれから先やっぱ太陽光…自然エネルギーを利用したものからEV車に充電出来ると。
(喜昭さん)この一角をブルーウィングが全部作ってるという事です。
今回発明ブラザーズが携わったのはその心臓部。
太陽光パネルから送られてきた電気を車に充電するための変換装置を開発しました。
詳細は企業秘密ですが国内での販売開始は今年9月に迫りすでに予約も入っています。
これは。
宮崎を飛び出した発明ブラザーズ。
これからの夢とは?宮崎の小さな町工場で働く2人合わせて134歳。
モットーは生涯現役。
夢はですね世界一…2人で。
…の夢を持っています。
その夢に向かってどこまでいくかわかりませんけども延岡で一番宮崎で一番日本で一番っていうようなですね夢は…夢だけはね持って進んでいきたいなと。
命ある限りやります。
そしてこの日も2人の姿はいつもの作業場にありました。
小さな町工場を営むモノづくりが大好きな兄弟発明ブラザーズ。
今日もでっかい夢と手作りの工具を手に頑張っています。
『日本のチカラ』次回は宮城県南三陸。
小さな縫製工場の女性たちが挑むこだわりのモノづくりです。
2015/06/28(日) 06:00〜06:30
ABCテレビ1
日本のチカラ[字]

「困っている人を助けるために何でも作ります!」…還暦をとっくに過ぎた「発明兄弟」が宮崎県にいます。何歳になっても夢とロマンがあれば輝ける!兄弟の秘密に迫ります。

詳細情報
◇番組内容
築50年の民家を改装した事務所に従業員はたった3人という小さな会社…。ここで働く兄弟は、還暦を過ぎても元気いっぱい!子どものころから地元で有名な発明兄弟です。今まで作った発明品は困っている人を助けたいという思いから生まれたものばかり。おやじギャグで名付けた「ビューンくん」は風力発電の装置。すべて手作りで、工場はなんと自宅の駐車場。さらに驚くことに、兄は津軽三味線の家元、弟はおやじバンドのベーシスト。
◇番組内容2
そして今、この兄弟が作った自動噴霧装置が農家の救世主となっています。簡単に言うと、ビニールハウスの天井に取り付けたノズルから、水や液体肥料を霧にして撒く装置です。この装置の特徴は“目詰まりを起こさないノズル”。今や全国へ広がっています。元気の秘訣は「夢」だと語る兄弟。世界へと挑む発明ブラザーズの奮闘に迫ります!
◇番組内容3
全国各地の「魅力あふれる産業」を通して、地域の歴史や文化・人々の英知や営みを学び、日本の技術力・地方創生への道・温かいコミュニティー、生きるヒントを描き出す、教育ドキュメンタリー番組。
◇ナレーション
田代 剛(宮崎放送アナウンサー)
◇音楽
高嶋ちさ子「ブライト・フューチャー」
◇制作
企画:民間放送教育協会
制作著作:宮崎放送
協力:文部科学省/中小企業基盤整備機構
◇おしらせ
☆番組HP
 http://www.minkyo.or.jp/

この番組は、朝日放送の『青少年に見てもらいたい番組』に指定されています。

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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