千葉県のあるお寺に1年ぶりに仏像が帰ってきた
それは東日本大震災のときに
顔がはがれ落ちてしまった木製の仏像
ある技術を使いよみがえった
正確な復元を可能にしたのは3次元による計測
そのデータをもとに作り上げられるのが…
悠久の時を越え作品が作られた当時の色や形が
コンピューター上にリアルに再現される
いにしえの文化を今につなぐ男
風化が進み朽ち果てた宝を
コンピューターの中で完全な姿によみがえらせていく
貴重な文化財を未来へ残したい
全身全霊を傾けた挑戦を1年間にわたって追いかけた
IhaveadreamWehaveadream!
ここで貴重な文化遺産を未来へ伝える活動が行われている
仏像の修復や復元レプリカの制作など
日本で最高水準を誇る研究機関だ
レプリカを作る学生
傍らのパソコンにはその仏像の3DCG
こうした文化財の3Dデータの活用を推し進めているのが山田
強い探究心と卓越したCG技術を武器に
文化財の復元再現に挑んでいる
お手伝いができれば
そんな山田のもとに難題が舞い込んだ
依頼してきたのは静岡県にある平安時代に建てられた寺
摩訶耶寺の若い住職だ
境内の物置小屋で見つかった2体の古い仁王像
腕や足が外れバラバラの状態だ
仁王像はお寺の表門仁王門の左右に安置される
口を開けた阿形像と口を結んだ吽形像の2体が一対となり
境内に入る者ににらみをきかせる
そんなお寺の顔とも言える仁王像が
無残な姿で長年放置されていた
阿形像の方はまだ原形をとどめていたが…
吽形像はひどく風化果たして再現できるのか?
かなり損傷が激しくてやってみないことにはわからないというのはあります
山田は早速3Dスキャナーを使い
バラバラになったパーツを一つ一つスキャン
データを集め始めた
2体合わせて50個近くあるパーツの形状を記録
まるで大きなプラモデルのよう
ところで皆さん仏像は
一つの木材を彫り出して作るものと思っていませんか?
もちろんそうした仏像もありますが
平安時代の中頃から複数のパーツを組み合わせて作る
寄木造が主流になりました
国宝唐招提寺千手観音立像もしかり
ご覧ください実に1000近くものパーツが
組み合わさって作られていたんです
どのようにパーツが組み合わさっているのか
その構造を知らないと修復もレプリカ作りもできないんです
何だか仏像って精密なロボットみたいですね
山田たちが調査を始めた仁王像は
平安時代後期から鎌倉時代に作られたものと言われている
何度か塗り直され当初の色はほとんど残っていなかったが…
わずかな手がかりも見落とさない
在りし日の仁王像の再現には仁王門も大切な要素
ところが…
残念ながら仁王門は
わずかな痕跡すらとどめていなかった
研究室へ戻った山田がまず取りかかったのは
仁王像のパーツの3Dデータをつなぎ合わせていくこと
再現には解かなければならない謎があった
吽形像の顔はどんな顔だったのか?
どんな仁王門に安置されていたのか?
仁王像にはどんな色が塗られていたのか?
まずは吽形像の顔
山田は一つの方法を思いついた
顔の原形をとどめている阿形像を反転し
吽形像に重ね合わせる
3Dデータだからこそできる技術だ
飽きないですよねデータの中でも見ていてあと何か怒られてるような気もしますし「しっかりやれ」ってフフフ…
壁にぶつかったら足で情報をたぐり寄せるのが山田流
現存する仁王像の視察へ向かった
やって来たのは愛知県の寺
摩訶耶寺と同じ時代に作られた仁王像があるという
筋骨隆々この作風を参考にする
続いて失われた仁王門の謎に迫る
ヒントを探るため山田が向かったのは
人里離れた京都府綾部の寺
鎌倉時代に建立されたという仁王門
700年の時をこの山中で静かに刻んできた
摩訶耶寺の仁王門と同じ時代に建てられたものだ
当時中国から伝わった建築様式
摩訶耶寺の仁王門も同じ様式だったと考えられる
さらに摩訶耶寺から20キロほどしか離れていない寺へ
ここにも古い仁王門が残っていた
細かな肉感も表現した仁王像は
摩訶耶寺の仁王像に共通する作風だ
ここで山田はあることに気づいた
それは仁王像の位置
その多くは仁王門の前に安置されている
ところが摩訶耶寺の周辺地域では
仁王門の後方に安置されていた
何か理由があるのだろうか?
山田の当初の構想では
仁王門の前方に仁王像を置くことになっていたが…
奥側に配置してこの建物の真ん中辺りで像に対じするっていうんですかね
仁王像が前にあると
参拝者が門を通る前に視線が合うが…
後ろにあれば門の中ほどで仁王像と視線が合う
山田は仁王像を門の後方へ移すことにした
日々精力的に動き回る山田
この日お昼ごはんでおそば屋さんに立ち寄ったときも
軒下の朱色の塗料が気になってしかたがない
いつも文化財のことで頭がいっぱい
うまいですね
山田はもとから文化財に興味があったわけではない
東京芸術大学の大学院を卒業後
建築関係のCG制作会社で働き始めた
根を詰める性格もあり…
過酷な労働がたたり突然倒れ
病院に運ばれたことも1度や2度ではなかった
周りでいっぱいいますからねぶっ倒れるやつ病気になるやつ心の方もそうですけどそういうのを見ていて疑問感じたのはありますよね
仕事に疑問を感じながらも忙しく働き続けていた山田
11年前に大きな転機が訪れる
仕事で出入りしていた母校東京芸術大学での運命の出会い
奈良のせんとくんをデザインしたことでも知られ
古い彫刻の修復や復元について研究していた
そんな中偶然建築のCGを作る山田と出会った
その技術の高さにほれ込んだ籔内教授は
山田を新たな世界へと導いた
文化財の伝承という大きな夢を持った山田
あれから11年夢の実現に向けまい進し続けてきた
自分自身が夢を追い求めて何かというより現実に追われてるような毎日なんでなかなか気の利いたことは…言えないんですけど一番は…
元気がなければ夢は追いかけられない
風化した仁王像の元の姿を3DCGでよみがえらせる
残る謎はその色だ
ヒントを得るため山田が訪れたのは
奈良の山中にある寺
平安時代を代表する仏像で国宝にも指定されている…
仏像の後ろの後背と呼ばれる部分に
1000年前の顔料が残されているという
顔料は何で作られたのか
X線を当てその成分を分析する
当時と同じ色をよみがえらせるため
4年前山田はこの技術のライセンスを取得した
果たして顔料のもとは…
平安時代に使われた顔料の成分が判明した
仁王像の色彩に生かすことになる
800以上の計測データと
自分の目で確かめた事実をもとに
本格的なCG作りが始まった
パソコンの中で粘土をこねる?
少しずつ形を整えていくと
確かにこねてます
偲ぶっていうことなんですよね現代の我々はこう考えましたそれを今度未来の人に残していくっていうのもやっぱ大切なことだと思いますね
摩訶耶寺の仁王像
その再現プロジェクト開始から10カ月
いよいよ完成した3DCGのお披露目の日
本堂にたくさんの檀家さんが集まった
朽ちた仁王像700年以上前の姿とは?
仁王像がつくられた700年以上前の姿を
3DCGで再現
ついにお披露目のときがきた
摩訶耶寺の仁王様コンピューターによる復元ご報告させていただけたらと
バラバラだった仁王像が組み上げられていく
あの朽ち果てた吽形像も
そして…
ああ〜すごいねすごいもんだね
見事な色彩でよみがえった仁王像は
未来へと伝えられていく
以上になります
(拍手)
みんなの心をつかみ一躍スターになった山田
いただきました
(スタッフ)山田先生サイン攻めですね?初めてですよ格好いいあんなんだったら見たかったなあすご!筋肉の盛り具合ですとか顔の彫りの深さりりしさっていうですねお寺の守護神というところずーんときましたですね心に伝わってきました
山田を文化財の伝承へと導いた籔内教授
山田修という技術者が文化財の3Dに関しては日本でも有数の人であるということをまた一つ実績を作ってくれたなとうれしく思いますなんちゃって!ハハハ…住職からも感謝をいただけるというのは光栄なことでありますしできればここから始まるんだという気持ちでかつてあったような仁王門に立った姿を見れたら本当に感激ですね
今山田が取り組んでいるのは
タブレットの中で誰もが自由に触れる3DCG
貴重な文化財をより身近に感じられる
山田の挑戦はエネルギーをいっぱい取り込み
未来へと続いていく
次回は…
医療とは畑違いの農学博士が目をつけたのは
カイコ冬虫夏草というキノコ
すごいことに
8カ月にわたりその臨床試験に密着した
ナレーターは彼にバトンタッチ
2015/06/28(日) 18:30〜19:00
MBS毎日放送
夢の扉+[字]【向井理▼朽ち果てた日本の遺産を、3次元CGで完全再現!】
〜700年前の文化財を、1000年先の未来へつなぐ〜
詳細情報
番組内容
体はバラバラ、顔はボロボロ・・。ある寺の物置で、見るも無惨な仁王像が見つかった。
住職は「仁王門に立つ仁王様の姿が見たい」と切望、東京芸術大学の山田修のもとに、この難題が舞い込んだ。
山田が駆使するのは、最新の3DCG技術。
原形をとどめない文化財も一つ一つパーツごとに、3Dデータを集めていく。
しかし、それだけではない。
番組内容2
全国の古寺を巡り、時代背景、土地柄・・・と、あらゆる情報を自らの目で確かめる。
さらに、X線技術を用いて、当時使われていた顔料までも科学的に分析。
700年の時を越え、仁王像と仁王門は、山田の技術でどうよみがえるのか。
見る者を、中世へのタイムトラベルに誘(いざな)う極彩色の姿とは。
出演者
【ドリーム・メーカー】東京芸術大学大学院 美術研究科 非常勤講師 山田 修 (41歳)
【ナレーション】向井理
音楽
小田和正「やさしい雨」
関連URL
■番組HP
http://www.tbs.co.jp/yumetobi-plus/
■twitter@yumetobiplus
http://twitter.com/yumetobiplus
http://www.facebook.com/yumetobiplus
制作
【制作協力】TBSビジョン
【製作著作】TBS
おことわり
番組の内容と放送時間は変更になる場合があります。
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – その他
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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