厄介な連中だった
(探偵)この件はあんたが想像出来ないほど闇が深い。
弓子の本当の目的は?
さようなら。
事件に秘められたやるせない真実とは?
探偵は依頼人守らなきゃいけないんだよ。
(鐘の音)
(探偵)
北の都我が街札幌…
こうして眺めてみるとその美しさに心が洗われる
…この状況でなければ
日の丸飛行隊を目指しているわけでもないこの俺がなぜこんな事になっているのかを説明するには少し時間を戻す必要がある
うわーっ!
(拍手と歓声)
(マサコちゃん)イッツショータイム。
なんにもないでしょ?いくよ。
ダラララララララララララ…。
ジャン!
(拍手)
仲よしのオカマのホステスマサコちゃんがなにゆえマジックに熱中し始めたのかについては俺はほぼ何も知らない
誰もがそうだったと思う
最初はつたないマジックの披露にすぎなかったが元来真面目な努力家である彼女がコツコツと練習を重ねると内容はどんどん本格的なものとなりやがてマサコちゃんが勤めるショーパブトムボーイズ・パーティでオカマジックショーとしてトリを務めるほどになった
おお〜!マサコちゃーん!あれなんだっけ?あの…ほらほらテレビでやってる手品やるさ…。
(ヒロミ)ああなんだっけ?あの…『マジコン』!そうそうそれ!そのマザコンにさ…。
『マジコン』よ!なんで親に甘えなきゃいけないのよ。
それに出たらいいよ。
絶対いい線いくよねマサコちゃん。
(フローラ)チャレンジしてみなさいよマサコ!でも万が一入賞なんかしたらちょっと有名になるでしょ?そしたら迷惑かける人出てくるもん。
もう入賞した時の事を考えてるよ。
頼もしいね!そんなのはさ入賞してから考えりゃいいんだよ。
ややこしい事になったら俺がなんとでもしてやるよ。
また調子いい事言って。
(燃える音)おーっ!おおすごい!やるもの…。
(ヒロミ)いいじゃんマサコちゃん!マサコちゃんちょっとこれだけどうやってやるのか教えてよ。
ダメ!変な事に使うから。
いいじゃん!これ絶対女の子喜ぶよ。
ほらほらもうダメダメ…。
飲み屋でウケるから教えてよ。
ダメダメ…。
それじゃあねお先。
またねバイバーイ。
なんかあったら言うんだぜ。
俺の言葉が背中を押したのかどうかはわからないが彼女はマジックコンテストに申し込みスルスルと北海道・東北予選を勝ち抜き全国大会に出場する運びとなった
「いつまでも星屑拾うルンペン」「夜霧の片隅」ヒロミー!ヒロミー!いるんだろ?一緒に帰ろう!愛してるんだよヒロミ!ヒロミは…や…休みよ!うわぁー!どうしよう…。
うわぁー!
(人々の悲鳴)うわぁー!うわぁー!あっ悪いこれちょっと折れちゃったな。
いやあ…。
バーボンソーダちょうだい。
はい。
ちょっと…助かったわ。
ありがとう!随分とイカれちゃったね。
あの男ねヒロミとちょっとあったみたいなんだけどね完全にヒモ気取りのバカ男なのよ。
まあさヒロミのほうも悪いんだけどさぁ。
美しすぎるニューハーフってのも罪だね。
(銃声)ちょっと…!マジックでなんとかならない?いや…私じゃ無理よ。
だよな。
(銃声)
(フローラ)あっねえねえちょっと。
外にビールケース積んじゃってるんだった…。
今度からどけといてね。
はい。
うわー!
(フローラ)嫌!ああー!ああー嫌ーっ!さっきはごめんね。
(高田)おばんです。
おお…騒がしいな。
なんだ?なんのイベントだ?高田!あっさっき殴ったのはあいつです!なんだお前は!
(銃声)うわーっ!危ねえ本物だこれ!うおーっ!オラーッ!
(殴る音)
(首を鳴らす音)ああー!離せ!離して…。
(ブッチョ)オラーッ!うわぁー!
(相田)ご連絡ありがとよ。
こいつ店の金に手をつけて姿くらましてやがったんだ。
どの面さげて街に戻れたんだか。
ママのフローラは店を修理さえしてくれりゃいいとさ。
まあ若干の謝礼は払ってほしいけどな。
約束する。
でチャカはどうした?チャカ?ああ捨てちまった。
そうか…。
まあいいや。
であんたにはどうしたらいい?まあ今回は貸しにしとくわ。
お前どうする?あ…俺も貸しにしとくか。
ところで後学のためにお聞きしたいんだがこの男はどうなる?殺しはしねえ。
でも生かしちゃおかねえ。
もっと詳しく聞きてえか?いや結構。
「北海道・東北ブロック代表」「魅惑のファンタジスタマサコ!」
(拍手と歓声)
その日はマサコちゃんの晴れ舞台コンテスト決勝の日だった
大丈夫か?緊張してるよ!うわぁ〜!ガイコツになってるじゃねえかよ!うわっ!ハハ…。
うわぁ!おお…!
(拍手と歓声)
(一同)マサコマサコマサコ…!
皆興奮し誰もが心から声援を送った
それに応えるかのようにマサコちゃんも堂々と演じきった
そしてマサコちゃんは見事に優勝し…
2日後に殺された
(泣き声)
(係員)それでは献花をお願いします。
マサコちゃん…本名常田鉄之輔享年35歳
コンテストを終えたマサコちゃんは翌日札幌に戻った
最高の夢見せてくれてありがとなマサコちゃん!ありがとう。
やめてよ〜!みんなのおかげなんだから…。
ありがとう。
ホントありがとう…。
(ヒロミ)やだなんで泣いてんの?主役が泣いてどうすんだよ!おい。
うるせえなお前は!ああ生きててよかった…。
生きてればいい事ってあるのね。
そうよ。
きっとイエス様も見てくれてたんだわ。
これがマサコちゃんとの最後になった
おめでとう。
おめでとう!
(カラスの鳴き声)「河島弓子」?マサコねこのヴァイオリニストにぞっこんだったのよ。
チャイコフスキーがたまらない!とか言っちゃってさ。
マサコちゃんは音楽や芸術を愛する子だったからな。
犯人…許せない…。
大丈夫よすぐに捕まるから。
ねえ?ああ。
マサコちゃんは有名人だったからな。
ニュースだって大きく扱ってるし警察も躍起になって捜査するだろうよ。
だがその予想は外れた
3か月近く経っても進展はなく世間の関心も薄れていった
その間俺個人は何をしていたかといえばちょっとタチの悪い病気にかかっていた
(女性)ダーリン!おお…!
しかもかなりの重症だった
シャーッこの野郎!ああ…!おう…。
ススキノの街にも全く顔を出せなかったと言えばどれほど重篤であったかわかってもらえるだろう
(太鼓)
北海道の短い夏が終わる頃俺の病状は快方に向かった
話聞いてくれよ!離してって言ってるでしょ!金もねえくせにかっこつけてんじゃねえよ!バーカ!金はなくても愛はあるからー!
(携帯電話)はいよ。
「街に復帰する。
お前も来い」そうか…。
だがこっちはまだかかりそうなんだがな。
(牛の鳴き声)
人口190万
アジア最北の大歓楽街札幌ススキノ
ここは俺の街
俺はこの街のプライベートアイ
そう…探偵だ
いらっしゃいませ。
あら…。
どうも。
生きてたのね。
フフフ…。
この店も相変わらずの顔ぶれだね。
フローラマサコちゃんの葬儀の弔問客リスト見せてくれ。
そんなもの手に入れてどうしようっていうのよ?俺たちの手で犯人捕まえるんだよ。
警察も解決出来ないでいるっていうのに?この界隈の事に関しちゃ警察なんかよりよっぽど俺のほうが詳しい。
いいからリスト見せてくれ。
なんだよ?お前らもマサコちゃんの葬儀の日なんか怪しい奴とか見かけなかったか?ヒロミ。
(ヒロミ)私ちょっと失礼します。
なんだよお前ら。
急に冷たくなりやがって。
お前らマサコちゃん殺した奴捕まえたくねえのかよ!え?お前らの友情そんなもんか!
(フローラ)うるさいわね!あんたこそ今まで放っておきながら今さらなんだっていうのよ!それはちょっとやんごとなき理由があったんだよ。
私たちねあれからずーっとマサコの事いっぱい供養したわよ。
あんたその間一体何してたのよ!ねえ!帰ってちょうだいよ!
(フローラのすすり泣き)違法な客引きはやめなさい!
(源ちゃん)よう旦那!久しぶりでねえの!どこまで逃げてんだよ!振られたんだって?うるせえな。
ハハハハ…。
「金もねえのにかっこつけてんじゃねえバカ」って言われたんだって?なんでそんな事知ってんだよ!俺たちはなんでも知ってんだよ。
たまってんだろ?ぶちまけてすっきりしたらどう?おいおいその前にさお前らもマサコちゃん事件についてすっきりしてみねえか?ロシア娘がいるよ〜。
待て待て待て待て!源ちゃん!モツ!学生!なんだよお前ら。
口の軽さだけが取り柄じゃねえのかよ。
(モツ)違うよ。
なああれやばいんだよ。
そうやばいの。
関わらないほうがいいね。
ここだけの話なんか政治家が絡んでるって話なんだわ。
そう。
政治家の愛人だったっちゅう。
マサコちゃんが政治家の愛人?ああ。
(学生)なんか政界の闇に触れて消された…みたいな。
…みたいな。
くだらねえ。
どうせガセだろ?
(松尾)それがガセでもないかもしれんのだよ。
今はうちも…彼で稼がせてもらってる。
橡脇…?
橡脇孝一郎とは北海道で圧倒的な支持を集める革新の二世議員だ
脱原発政策のリーダーで講演会は連日の大盛況
事実来内別原発の再稼動はこの男が食い止めていると言っていい
まさにヒーローだ
橡脇の両刀遣いは割と有名でね。
へえ…つまりあんたのお仲間ってわけだ。
私の事はいい!気持ち悪いね…。
でどういう見立てだ?ああ橡脇は昔東京で知り合った若い男と愛人関係になった。
だが橡脇が親父の地盤を継ぐ事になり相手が身を引いた。
以来15年間2人の間には何もなかったが…。
相手がこの間テレビ番組に出た。
マサコちゃんがちょいと有名になったから焦った橡脇が過去の関係もろとも闇に葬ったってか?まさか…。
(マサコ)でも万が一入賞なんかしたらちょっと有名になるでしょ?そしたら迷惑かける人出ちゃうもん。
橡脇の事でお宅の社長と話がしたい。
そう伝えてくれ。
ありがとう。
(エレベーターの到着音)うわっ!格好怪しすぎなんだよ。
フローラのとこからつけてたな。
なんの用だ?うおーっ!うわー!痛い!うう…!おい大丈夫か?しっかりしろ!てめえ使い物にならなくなったらどうするんだバカ野郎!痛え…。
(エレベーターの到着音)おう…。
フッ…。
さすがにこれは…。
ダメだろ。
誤解してる。
うわー!ちょっと待って話聞け。
うわー!違うんだってあのな俺は…。
そうだろ?違うだろ…。
いやそうだって。
よく見ろよ。
えー?嘘…。
(河島弓子)指一本でも触れてみぃ!いや違うだろ?違ったか…。
(ナポリタンをすする音)わかった。
化粧して2割増しスポットライト浴びて3割増しヴァイオリン持って5割増しだ。
フフフ…。
なんか言うた?いや…。
ただここのナポリタンをそんなにうまそうに食う奴を初めて見たってね。
これめっちゃ美味しいなぁ。
おかわり。
おかわり?おかわり!
(峰子)こんなののどこがいいのよ〜?いいから早く持ってこいよ。
ごめんね。
彼女まだ日本になじめないんだ。
であんたもマサコちゃん事件調べてるって?マサコさんは私の大切なファンよ。
昔からファンレターを何通もくれた。
その人が無残に殺された。
せやのに警察の捜査は全然進展せえへん。
だから自分で調べる事にしたと。
(スタンガンの音)護身用の武器も持たんでこんな事出来へんわ。
これでも変なファンもいてんのよ。
おお…スターさんも大変だねぇ。
情報を共有しようじゃない。
一丁前な事言ってんじゃないの。
この件はあんたが想像出来ないほど闇が深い。
(ロシア語)警察が動かないのは理由があるんだよ。
橡脇って政治家が殺したって話?松尾との話聞こえてたのか?耳がよくなきゃプロにはなれないの。
単なる噂にすぎない。
誰かが勇気を持って動き出せばあとに続く者が出るはずよ。
そんなに単純じゃねえよ。
いいわ。
私一人でやる。
正気か?一ファンのためになんでそこまでやる?一ファンの励ましのおかげで今の私がある。
そういう事だってあるの。
あんたたちにはわかんないでしょうけど。
あんたは動くな。
その代わり金を出せ。
俺の依頼人として。
必ず真実を暴き出してやる俺と相棒で。
(いびき)まあ彼寝ちゃってるけども。
(スタンガンの音)うわー!行くぞ。
あっ…。
わかった事は全部報告して。
わかった。
そっちの連絡先も教えてよ。
俺は大抵この店にいる。
携帯持てや。
依頼を受けた探偵が取るべき最初の行動は…
十分な休養を取り頭脳を明晰に保つ事
(チャイム)
(チャイム)
(チャイム)誰だようるせえな…。
おお随分早く来てくれたな。
うおーっ!痛え…。
なんだよ。
なあ?
(鐘の音)あっ…。
あっ…。
(相田)「社長がひどくお怒りなんだよ」なんか誤解があるみたいなんだよな〜。
おおっ!おお〜っ!バカ野郎!しっかり持ってろ!ああ〜っ!!ブッチョ!てめえ二度と合コンセッティングしてやんねえからなあ!「お前が橡脇なんか突くからだろ不良探偵」違うってその件じゃなくて!俺はただマサコちゃんの死の真相知りたいだけなんだい!あんたらに迷惑かけないから!「社長がお会いするそうだ」「とりあえず寿命は延びたぞ」早く引き上げろブッチョ!「わかったわかったブッチョ下ろしてやれ」ちょっちょちょちょちょっ…!あららららら…!!うわあ…あっ。
あららら〜…!うわぁ〜っ!!ぬぅっ…。
すごっ!あいつやるなあ…。
(桐原)俺の前で橡脇って名前を出したお前が不用意なんだ。
だからってスキージャンプさせる事ねえだろ!しかも酔っ払って俺に秘密話しちまったのはあんただからな。
覚えとけ。
この件を蒸し返すとお前でも消すぞ。
この桐原組のボスが昔先代の橡脇を刺し再起不能にして政界から追いやった事は今でも組の屋台骨を脅かす秘密なのだ
俺はそんな昔話には興味がない。
俺が知りたいのは息子のほう橡脇孝一郎だ。
親父に比べりゃケツの青いガキだ。
そのガキが昔付き合ってたオカマを殺して揉み消そうとしてるって話だよ。
興味はねえし何も知らん。
だが親父の代から引き継いでる取り巻きだったらそれぐらいの事はやるだろう。
そうだついでに定期報告。
お嬢さん今度はバレエ始めた。
あっそう。
バレエか!
(桐原)あの子はバレエのほうが向いてると思ってたんだ。
そうかそうかありがとな!きれいだったよ。
ヨーロッパへ行かなきゃいけねえな。
あそこまで親ってのは盲目になれるもんかね?橡脇にケンカを売るなんざ正気の沙汰じゃねえぜ。
俺は小学校の時からどうも周りの人間とは違うんじゃねえかって思ってたんだけど確信出来た。
やっぱ違うんだな。
可哀想に。
後援会長の新堂艶子ってババアには気をつけろ。
新堂?先代の愛人だった橡脇帝国の陰の女帝だよ。
バカ殿守るためならなんでもやる。
てめえの利権守るためだろう。
(首を鳴らす音)ヤァッ!ハアッ!ああ〜っ!!
(ドアの開閉音)おう帰ってきた。
おいどこ行ってたんだよ?K点越えに挑戦してたんだよ。
勝手に入るんじゃねえよ。
じゃあ鍵かけとけ。
出来たらしてたわ!
(笑い声)で?源ちゃんたちまでなんの用だよ?うん実は…。
おうおうおう…。
うちで吸うなっつってるだろ源ちゃん!実はよ…学生が旦那に話があるんだってさ。
話?マサコちゃん事件で知ってる事があるんだべ。
俺から聞いたって事は…。
もちろん誰にも言わない。
俺事件の晩仕事帰りにその…見たんです。
マサコちゃんのマンションのほうから戻ってくるのを…。
誰が?橡脇孝一郎。
そのうちにいろんな噂が立って…したっけ…ちょっとおっかない兄さんたちが動き始めて…。
なんだかそんな事喋ったら危ないみたいな感じになってきて…だから…。
でも…あんたたちが頑張ってるなら黙ってちゃいけない気がして…。
…うん!そうだよな。
マサコちゃんの敵取りてえもんな!そうマサコちゃんと同じ目に遭わせてやるべ。
マサコちゃんは俺たちの仲間だもんな。
(源・モツ)うん!ありがとう。
あの学生って奴女房も子供もいるんだろう?いるよ。
女房ピンサロで働かせて自分はギャンブル狂い。
ガキには暴力っていう厳格なパパだよ。
でもここで男気見せるとはねえ。
なんで「学生」なの?学生みたいだからだろ。
じゃあ「モツ」は?モツが好きだからだろ。
フフッ…。
何が面白えんだよ。
しかし…誰かさんの言ったとおりだな。
誰かが動けばあとに続く者が出るってな。
(シャッター音)
(シャッター音)すげえ頭だな…。
あれが新堂艶子か?春日局ってとこだな。
相当変わり者らしいぜ。
ん?あんたの依頼人。
フハハハハッ…。
「ホストクラブで泥酔」常識知らずのお嬢さんってとこか。
「ヴァイオリンにはもう飽きた」でお次は探偵ごっこってわけだ。
いいご身分だよ。
まあでも金はあるだろうからいい依頼人だな。
おとなしくしてくれてりゃな。
で?何か思いついたか?橡脇をつるし上げる方法。
全く。
ごちそうさん。
(店員)あっお客さんトイレ空いたみたいだよ。
おっあんがと。
おっ!なんだお前!おいっ…!ちょっと待て!まだやってんだろ!おい…!順番守れよお前ら!なんだ!?おい!わかった先いいよ!トイレ先いいよ!ううーっ!!なんだお前ら?おいっ!風邪引いてんだったら家で寝てろよ!
(野球男)バース。
ううっ!うおっ…!
(野球男)失敗。
左は難しいや。
十分ヒットだよ…。
高田ーっ!!無視すんなーっ!!ぐおっ!オラッ!オラッ!うっ…!またかよ!くっ…!…こんにちは。
高田!高田ーっ!!ハハッ。
よいしょっ。
(男たち)うわあー!あ〜…痛えなオラァ!逃げるぞ。
また運動会かよ。
ぐあっ!おりゃあっ!うっ!なんなんだ?あいつら。
原因はお前らしいぜ。
俺?さっき電話で新聞屋のおっさんが言ってた。
お前狙われるって。
そういうの前もって教えてくれる!?松尾か?俺だ。
バカ野郎!!君を名乗るバカが今朝早く中央署の記者クラブに電話をかけてきた。
「そしてそのバカはご丁寧にもマサコちゃん事件の橡脇犯行説で決定的なネタを掴んだと松尾に伝えてくれと伝言を残したそうだ」当然ながら直ちにその伝言は漏れて君は一気に橡脇陣営と反橡脇の間で指名手配になったぞ。
ちょっと待て俺は電話なんかしてねえぞ。
君と関わってるとなった以上私もやばい。
しばらく連絡しないでちょうだいっ!おい…おい!「車内での携帯電話の使用はご遠慮ください」誰が電話なんかしやがったんだ?誰だろうと賢い作戦じゃねえか。
電話一本でハチの巣突くような大騒動になってよ。
確かに…。
これで橡脇が絡んでる事ははっきりしたわけだ…。
あの女の仕業か…?おとなしくしてくれなかったみたいだな。
(舌打ち)
(ブレーキ音)
(ドアブザー)
(乗客)何何!?
(乗客)やだっ…!…随分風邪はやってるみてえだな。
ここでおっ始める程イカれちゃいねえだろ。
(ドアブザー)
(乗客の悲鳴)うわぁ…!「車内ではお静かにお願いしまーす」ああ−…うぅっ!
(乗客の悲鳴)
(ヘルメットを殴る音)イッテ…!ちょっとやめてよもうっ!うわっ。
(ドアブザー)うお〜っ!!うわあ〜!ぐぅ…。
はっ!オラァ!
(車の走行音)うおっ!?ブッチョ!高田!あっ!高田回れ!前回れ前!乗れ!ずるい。
うわっ!
(相田)お前を取り巻く状況を教えてやる。
お前を追ってるのは3グループ。
1つは無論橡脇陣営もう1つは反橡脇陣営。
それとフリーの奴らだよ。
橡脇陣営が俺狙うのはわかる。
でも反橡脇ってのは俺と目的一緒のはずだ。
うまくいきゃあ手組めるんじゃねえのか?反橡脇仕切ってるのは花岡組だがな。
花岡か…。
そのフリーってのはなんだ?とにかくお前を捕まえてぶち殺して橡脇に恩を売ろうって連中だよ。
ハハハハッ…愉快な状況だな。
大変ためになりました。
早えよ。
ここを出る時は着替えはせずにカウンターへ行け。
裸で帰れって言うのか?受付の奴が着替えを用意してボイラー室のほうから出してくれる。
さっき待合室でどうもいけ好かねえ面した奴見かけた。
気のせいだと思うが念のためだよ。
恩に着るよ。
借り返しただけだよ。
(首を鳴らす音)
(ドアの開閉音)いらっしゃいませ。
どうするの?ダメだここ一気に行かれちゃう。
おい!かわいいね。
イメチェンか?似合ってるぞ。
フフフ…。
何仲よくオセロやってんだよ。
この女のせいで殺されかけてんだぞ!?おい電話で俺の名前かたったのお前だろ!鋭い。
うるさい!あなたを危険な目に遭わせた事は謝るわ。
だけどそれで犯人に繋がる連中が動き出すと思ったのよ。
賢いね。
でしょう?でしょう?じゃねえよ!お陰でこっちはお前3つのグループから指名手配だ!うかうか街も歩けねえ!こんなバカみてえな格好で…。
なんやねん!さっきからグチグチグチグチ女の腐ったような!そんで?襲ってきた相手ボコボコにして捕まえたんか?どこの誰かぐらい見当つけたんやろな?あ?マスクしてた…。
ただやられて逃げてきたんか?何をしとんねん!そいつがマサコさんを殺した実行犯の可能性だってあんねんで!ああ?ちゃうか?おお!返す言葉もねえな。
ああーっ!そんな作戦却下だ!
(ドアの開閉音)フフフ…。
風邪だよ。
(客)すいませんカルーア・ミルク。
…出よう。
ここもやばいかもしれない。
望むところじゃない襲ってくれればチャンスや。
やめとけ!ほら行くぞ。
靖太朗君!ひゃっ!
(フローラ)ちょっと…やめなさいよその呼び方!靖太朗っていうんだな。
うるっせんだよお前は!色々事情はわかってきたよ。
頼むよママ。
ママたちがどんな連中にどんなふうに脅されてるのかだけでも教えてくれよ。
頼むよ。
(ため息)うちの店にいたトオルって子覚えてる?いや。
(フローラ)この子。
ああいたような気がするな。
マサコと一番仲がよかった子よ。
マサコは自分の事話すような子じゃなかったんだけどどういうわけかこのトオルとは意気投合してね。
まるで自分の弟みたいにかわいがってた。
(店員)たかちゃん!でね…このトオルマサコから聞いた事があるらしいのよ。
昔新宿にいた頃…。
橡脇と付き合ってたって。
橡脇が親の地盤継ぐようになって身を引いたんだって。
でもトオルは橡脇の事なんかよく知らないから…。
で…あの子マサコが死んでからお店でポロッとこの話しちゃったわけよ。
そこから一気にこの話が広まったわけか。
で?そのトオル君。
消えたわ。
消えた?うん。
もう私たち怖くて怖くて…。
政治家はやる時はやるんだって…!それで皆一斉に口を閉ざしたわけだ。
オホーツク海に沈められちゃったのかな。
嫌だいやあ!もうやめて怖い…!余計な事言うなよお前は!フローラそれでそのトオルって子の実家がどこかわかるか?実家ねえーっと…あっ…確か室蘭って言ってた。
室蘭?うん。
製鉄所の団地だって。
わかった。
(ブレーキ音)お待たせ。
あのさ一度聞きたかったんだけどよ。
この車車検通ってんの?ばっちりだよ。
お前車検どこに出してる?室蘭行くの?ああそのトオルって奴が生きてたとしたら故郷に戻って身を隠してる可能性もある。
まああくまで生きてればの話だがな。
今はそれに賭けるしかない。
まあ俺たちはススキノ離れたほうがよさそうだしな。
私も行く。
ダメに決まってんだろ。
俺たちと一緒にいても危険だ。
あなたを雇ってるのは私。
その私が一緒に行くって言ってるの。
いい加減にしろ!気まぐれにヴァイオリン放り出して探偵ごっこは結構だがこっちは遊びじゃねえんだよ!暇潰しなら一人でやれ。
すまんちょっと言い過ぎた。
何も知らないくせに…。
ある事ない事言われる事には慣れてる。
どっちでもいいけど早くしたほうがよさそうだぜ。
やべえ乗れ!いたぞ!
(クラクション)おい!早く出せ!よーし…このタイミングでエンストしないでね。
早く!いくよ?せーの。
早く行けよほら!うわあっ!
(咳き込み)1か月ぐらい前にひょっこり帰ってきてませんかね?製鉄所の団地っていってもうちだけじゃないからね。
まあそりゃそうだな。
簡単に見つかるわけねえべや。
ちょっと…コレっぽい子だったりするかも。
チヨちゃんの息子さんか!
チヨちゃんの息子さんは現在美容師見習いをしているという
お前ら先行けよ。
(弓子)アカン。
顔と合うてへんねんな。
う〜んちゃうねんなあ…。
普通やな。
もういいんじゃない?すごい似合ってるぞ。
股上深いんだね。
お似合いですよ。
これにしよう。
ここだな。
ぶち破るか?え?やめろやめろ!危ねえなお前…。
トオルか?おい…待て!トオル!俺だ!フローラの仲間だ!店で会った事あるだろう?生きててよかった。
とりあえず好きにやってみて君に任せるから。
(トオル)はい。
これは僕の手には負えません。
そうだな。
どうにもならねえべや。
縮毛矯正やってる?ちょっとやってない…。
やってないか…。
(弓子)事件の事なんでもいいから話してくれない?あなたの身に何が起こったのか。
俺たちはただマサコちゃん殺した奴捕まえたいだけだ。
君やご家族に絶対迷惑はかけない。
(トオル)わかりました。
トオルの話はこうだ
あの話をトムボーイズで話してしばらくしてある客がトオルについた
閉店後2人でホテルに行くと他に3人の男が待っていた
男は100万の束を2つ置いて今すぐにススキノから姿を消せと迫ったのだ
この次もしススキノで会うような事があったら…。
その日が君の命日になる…そう言われました。
おいあれ貸してくれ。
この中にその男いるかな?こいつか?決まりだな。
(トオル)あ…あの…。
あの…これ使ってください。
捜査費用の足しにしてください。
本当は全部渡したいんだけど半分は母さんに渡してしまったから…。
いいのか?悪いな。
正直助かるよ。
俺たちスカンピンだから。
これは取っておきなさい。
これからの君の人生に必要なお金よ。
マサコさんだってきっとそう言うわ。
おい。
そうだよ…。
はい!マサコちゃんと仲よかったんだな。
お互い室蘭出身だったからだと思います。
室蘭?マサコちゃんって東京出身じゃねえのか?あ…そういう事にしてたけど本当は室蘭なんですよ。
まあ隠してるみたいだったけど。
なんでだろうな。
室蘭のどこかわかるか?いや…あっただよく言ってたのはいつも家の窓から海と工場を見下ろしてたって。
海と工場が見下ろせる場所か…。
ありすぎるだろ。
うん…。
あの辺行ってみよう。
うんあの辺。
こんにちは。
はいはい。
ちょっといいかい?トキタさん?そう。
「常」っていう字にね田んぼの「田」で常田さんっていうんだけど。
そこの鉄之輔君っていう男の子がいた家なんだけど。
男の子…いや女の子だったような…。
あれは男かい?いや俺に聞かれても…。
女みてえな男だったんじゃねえか?あぁ…!
(おばあさんの声)物静かな仲のいい家族だったのよ。
奥さんが病気で亡くなってそれ以来旦那さんが荒れたんだわ。
借金だらけになってここにいられなくなって蒸発したんだ。
置いてけぼりにされた子供…。
はて…?親戚にでも引き取られていったんでねがったかね?
マサコちゃんがここでどんなふうに育ち親に捨てられどんなふうに生きてきたのか俺は無性に知りたいと思った
だから乗るなって言ってんだろ!惚れたのか?んなわけねえべや。
おいもう帰るぞ。
探偵ごっこは終わりだ。
あんたもヴァイオリン弾きに戻ったほうがいい。
まあ確かにこれ以上問題起こしたら本当に復帰出来なくなるんじゃねえか?復帰はしない。
もうやめる。
ああ?もうやめるのヴァイオリン。
もう飽きてん。
才能ないねん。
しゃあないわ。
引退や〜!
(笑い声)ねえねえねえねえ帰り道の中山峠にあるあげいも食べようよ!中山峠?うんまい〜!何個でも食べられるわ。
食べりはい。
いらんわ!胸焼けしてきた…。
窓開けてくれ。
これで思い残す事ないわ。
あ…あーっ!あ〜あ〜あ〜…。
ところでさひとつ報告があるんだけど。
ん?峠からずっとついてくる車があるんだよ。
おおおおおおおお…!おおっ!おおっ!うっ!ああっ!スピード出せるかな?いくよ〜。
早くしろ!おっ!あいつ…なんか見た事あるな。
最悪だよ…。
嘘だろ…伏せろーっ!えっ!?
(銃撃音)鉄砲撃った〜!イモなんか食ってるからこういう事になんだよ!入れっぱなしか?多分。
(銃声)あれ?
(佐山)ああっ!うおおーっ!止まれコラーッ!
(銃撃音)
(弓子)キャー!おいっ!!ああーっ!
(銃声)
(佐山)危ねえ!落ちる!危ねえだろバカ野郎!おお…おお…危ねえって!
(銃声)ああ〜!
(弓子)キャー!
(佐山)ああー!あぁ…。
うわあーっ!とっととズラかろうぜ。
…何やってんだよ?こっちも無理だって。
またかよ!さあもうちょい頑張ろうな!ねえさっきはごめんね。
もう危機は去ったよ〜。
落ち着こう。
落ち着こうな!さあ頑張ろうねえ!戻ったらハイオク入れてあげるよ。
これ無理だ。
完全に燃え尽きたな。
本当今度こそ買い替えろよ。
オラァ!しぶといね…逃げるぞ!どこだ?銃どこだ?あった!うおっ!ああ!
(佐山)ハハッ!ハハッ!ぶっ殺してやるーっ!ああー!
(銃声)
(銃声)大丈夫か?うん…。
(パトカーのサイレン)
(パトカーのサイレン)ああっ!この間のお返しだバカ野郎!
(弓子)助けて〜助けて〜!
(佐山)あぁ…また鼻が…。
おい待て!また鼻が…!だぁー!あぁ…あぁ…あぁ…!どうしました?あっいやあの…。
何がありました?ちょっと車がエンコしちゃってあの親切な皆さんに助けてもらってたんです。
ありがとうございました!
(サイレン)ご迷惑をおかけして大変申し訳ありません。
(カメラのシャッター音)
(弓子)全て私の身勝手な行動です。
ここ2か月ほど演奏もうまくいかずスタッフとも溝が出来連絡を絶っていました。
ヴァイオリニストとしての進退も噂になってますが?
(弓子)これから周囲と相談して決めたいと思います。
行動を共にした2人組とはどういうご関係ですか?私のよき友人です。
私のわがままに付き合ってくれました。
あの2人です。
(記者)あっちだ!
(記者)押さえろ押さえろ!
(記者)河島さんは引退されたんですか?
(記者)「教えてください!」ハハッ!「関係ありません」
(記者)「教えてください!」ひでえな…。
夏期講習に通う予備校生みたいだな。
俺たちが少しでも知れた顔になれば狙う奴らも手出ししにくくなるだろうというあいつなりの計算らしい
でどうすんだ?これから。
うん…。
まあ橡脇と後援会長が黒幕なのはほぼ間違いないだろうな。
問題はどうやって追い詰めるかだ。
(携帯電話)はい。
ああ。
ヒロミだ。
もしもし俺だ。
どうした?
(指を鳴らす音)パリッシュ。
(フローラ)うっ!うぅ…!
(ヒロミの泣き声)
(野球男)来ないねお友達。
うぅ…。
さ〜て。
ポンセ。
お前最近の選手知らねえだろ。
歳がバレるぜ?
(フローラの荒い息遣い)ひでえ真似しやがって。
ごめんね…。
呼んじゃいけないって言ったんだけどさこの子がさぁ…。
だって…だってママが…。
もう大丈夫だよ。
悪いのはあんただよ探偵さん。
忠告聞かずにいつまでも跳ね回るから。
(野球男)テレビ映ってたね。
有名人でも関係ないから。
二度とはしゃげないようにしてやるよ。
はしゃげなくなるのはどっちかね?イッツショータイムだ。
うぅ…。
(ヒロミ)嫌…。
イッツショータイムだ。
ショータイム!!そうショータイムだ。
いやちょっと待って…!オラッ!ああっ!
(フローラ)あぁ…。
うおぉ…!離せ!離してくれ!うおっ!?うっ!オラァ!オラァ!あぁ…。
うわっ!ああ!ああっ!うわっ!あーっ!オラァ!うぅ…!
(一同)ああ…!
(ヒロミ・フローラ)あっああー!
(ドアを蹴る音)てめえ遅えんだよ!ビールケースが邪魔だったんだよ。
ふざけんなよ!
(ナイフで切りつける音)うわあっ!おいおいおい!
(消火器の噴射音)うおっ!貸せコラァ!
(ヒロミ・フローラ)ああっ!
(殴る音)高田〜!ふおっ!あ〜痛え…。
油断したぜ。
ターミネーターかお前は。
(野球男)あっ…。
待てコラッ!
(野球男)うわっ!
(殴る音)ああっ!あぁ…!うぅ…!うっ…あぁ…。
おい!顔さらせ!顔さらせオラ!ダメダメダメダメダメダメ…!ああ〜!マサコちゃん殺したのお前らか?違います…知りません…。
おい!もう一度だけ聞いてやる。
殺したのはお前らか?違います…。
私たちは殺したりしませんて…。
あんたに今の選手を教えてやるよ。
北海道の大打者といえば稲葉だろ!本当本当!本当に知らない!知らないって!本当!本当です!うぅ…うぅ…。
(泣き声)お前橡脇の手下か?新堂艶子に雇われたのか?
(泣き声)それともどこかの組の者か?私は…運送屋です。
運送屋?金で雇われたのか?金なんかもらってません…。
新堂さんに頼まれたりもしてません…。
自分たちの意志です。
何?私たちは…有志の集い…ただの市民です。
橡脇先生の…脱原発運動を支持する者です…。
書けよ。
橡脇が絡んでるのは間違いない。
書けよ。
(ため息)時期が来ればな。
あんたが日和見主義のゲスだって事はわかってた事だ。
俺のやり方で勝手にやるさ。
(松尾)バラの花束が…あったそうだよ。
(松尾)マサコちゃんの殺害現場に。
花屋は事件当日の夜遅く橡脇が買った事を認めてる。
事件当夜会ってる事は間違いない。
警察の内部情報だ。
マサコちゃんが室蘭で親に捨てられてそのあとどう生きてきたのか知っといてやりたいんだよ。
わかったら教えてくれよ。
お前はここで待機だ。
20分経って戻らなかったら乗り込むぜ?フッ…どうせ遅れんだろ?骨なら拾ってやるよ。
持つべきものは友だね。
(新堂艶子)手短にお願い出来ます?今忙しいのよ。
人殺しをもみ消す事でかい?いくら欲しいの?そうだな…室蘭の少年で200万だからね。
俺はいくらもらえるのかな?倍でどう?
(笑い声)さすが利権の山で暮らす女王様は気前がいいね。
用意させる。
いらねえよ!たかりのチンピラと一緒にするな。
目的は何?ただ一つあんたらをつるす事だ。
橡脇に会わせろ。
奥の部屋にいんだろ?素性の卑しい輩に会わせるわけにいかないわ。
いい加減にしなさい。
少しは利口にならないと寿命を縮めるわよ。
(ドアの開く音)
(橡脇孝一郎)いいんだ。
友人だって?鉄之輔の。
そっちの関係じゃないがね人間として大好きだった。
私が殺したと思ってるんだろ?そのとおりだ。
私が彼を殺したようなもんだ。
彼に会いに行ったのがいけなかったんだ。
(橡脇の声)15年も経てばお互いよき友人として会えると思ってタクシーを呼んだ。
ありがとう。
忙しいんでしょ?ああ。
行って。
そうだね。
(橡脇の声)実際そうだったよ。
花束を渡してほんの数分当たり障りのない話をして別れた。
私が知ってるのはそこまでだ。
じゃあ何か?あんたはよき友人として会ったつもりだったが周りはそうは思わなかった。
やばいと判断してマサコを殺したってのか?新堂は否定したが…わからない。
あるいは新堂すら全てを把握していないのかもしれない。
そういや俺を襲った連中もあんたを支持する市民だって言ってたよ。
じゃあこういう事か?あんたが石につまずいたら勝手に色んな奴が動き出してその石を置いた奴を見つけてなぶり殺しにするってのか?じゃああんたはどうなんだよ?あんたのせいでマサコ殺されてんだろうが!私には私の役割がある。
脱原発の流れは今や…。
それとこれとは今無関係だろうが!無関係じゃない!私たちは原発利権の守旧派との戦争をやってるんだ!今私が倒れれば今までやってきた事が全て水の泡になる。
そのほうがよっぽど気持ちがいいね。
私を…私を信頼してくれている人たちはどうなる?信頼?笑わせんなよ。
あんたらは人を信頼する事が出来ないから群れて小汚え金集めてんだろ!金が目的ならこんな事はやってられないよ。
全て…私を支持し応援する手紙だ。
これは民衆の意志なんだよ。
北海道を…いやこの国を変えようとしている大きなうねりなんだ!私はその先頭に立たされている。
やり遂げなければならない。
人殺しを黙認するクソ野郎を担いでると知ったらどう思うだろうね。
彼らが求めているのは善良なお人よしじゃない。
あらゆる手段を使って目的を遂げる強さだ。
でなければ時代は変えられない!うちの者が殺人に関わっているというのが事実なら私はどんな罰でも受ける。
だがそれは今じゃない。
4年…いや3年でカタをつけてみせる。
それまで私に仕事をさせてほしい。
じゃあマサコはどうなんだよ?可哀想だとは思わねえのか?可哀想だ…。
それだけか?遺憾に思う。
そんな政治家ぶった言葉いらねえんだよ!俺は一人の人間としてのあんたの心を聞きてえんだよ!そんなものはとっくに捨てたんだ!私は政治家なんだ。
ピエロの間違いじゃねえのか?だとしてもこの仕事に殉じる事が出来るならそれも本望だ。
(ノック)見えたわよ。
堀川君いってらっしゃい。
はい。
「だから新しい原発をつくってほしくありません」「僕のひいおじいちゃんたちが切り開いた大切な大切な大地です」
(堀川)「どうか大好きな森や畑や牧場や川や空を守ってください」「橡脇さんもお体に気をつけてこれからも頑張ってください」「応援しています」どうもありがとう。
(カメラのシャッター音)
(拍手)どうもありがとう。
で?ああ…。
橡脇に宣戦布告してきたよ。
奴真っ青な顔してた。
どうやってやっつけるの?刑事告発しよう。
警察も検察も動かないなら俺たちの手で訴えちまうんだよ。
そんな事出来んの?法律上は出来る。
起訴されれば橡脇だって法廷に立たなきゃならない。
そこで真実を白日のもとにさらすんだ。
俺たちは十分な情報を持ってるし証言台に立ってくれる仲間もいる。
仲間?ああ。
フローラヒロミ客引きの学生それに室蘭のトオル…。
みんな俺たちに協力してくれる。
いつかあんたが言ったとおりだ。
誰かが動き出せばあとに続く者が出る。
きっとまだまだ増えるだろう。
橡脇は終わりだ。
おもろいなあ。
おもろいやろ?じっくり準備する。
だからあとは俺たちに任せてくれ。
うん。
ナポリタン頼まなくていいのか?これからマネジャーと会って今後の事話し合うから。
そっか。
さようなら。
今までありがとう。
おう。
案外あっさり納得してくれた…ように見えたけどなぁ。
(アナウンサー)「衆議院議員の橡脇孝一郎氏による演説が本日大通公園で行われます」「これは現在の大通公園の様子です」「橡脇氏の演説を聞こうと…」
(学生)なんまら人気っすね橡脇。
どうです?橡脇追い詰められそうですか?俺なんぼでも協力しますからなんでも言ってください。
まあ飲もうじゃねえか。
でどこ行くのかい?おいおいおいおい…。
どんだけつぐんだお前。
(3人)お〜い!
俺は大いに飲んだ
何もかも忘れちまいたかった
絶対橡脇ぶっ潰してやりましょう!ああ…やってやろうな…。
今頃偉そうに演説ぶってるんだろうけどさ何が時代を変えるヒーローだ。
ねえ?それは別にいいんじゃねえか?よくねえべや!あんな真っ赤なバラの花束なんかプレゼントしてかっこつけやがってよ。
フフッ…。
刑務所入ってやられりゃいいんすよ!ハハハハハ…!お前なんでバラの花束の事知ってんだよ?警察が伏せてた情報だよな。
だってほら俺見たから。
橡脇が花束持っていくのを。
いや…いやいや違うだろ。
お前が見たのは橡脇がマサコちゃんのマンションから出てくとこだよな?出てく時に花持ってねえよな…。
俺の言ってる事変か?いや。
いやいやいや違いますよ。
俺が見たのは向かっていくところ。
聞き間違いっすよ〜。
だとするともっと変なんだよ。
橡脇はマサコちゃんのマンションにタクシーで行ってんだよ。
そ…それはさ奴がタクシーで向かっていくところを俺は見たんだよ。
ハハッそういう事。
どっちだっていいっしょや!細かい事だべや。
お前か…?はあ!?何言ってんすか?お前なのか?橡脇っすよ。
橡脇が犯人っすよ!お前が殺したんだよ。
うわああーっ!うるせえんだよ!このクソ便利屋が!ああ!うぅ…!オラァ!ああっ!あんな奴らおとなしく日陰歩いてりゃいいんだよ!なのにくだらねえ手品でテレビにまで出て有名になりやがって!人ナメた真似すっとこういう事になんだよ!マサコちゃんが有名になったのは一生懸命みんなを楽しませたからだろうが!俺…俺だってやってるよ!ああーっ!毎日毎日「かわいい子いますよ」ってヘラヘラしてよ。
こっちはブスの女房と出来の悪いガキと狭い部屋住んでよずーっとどん底だよ!なのにあいつは俺よかいい部屋住みやがってよ。
それでマサコちゃんを殺したのか?処分したんだよ。
あれ燃えるゴミだべ?
(笑い声)
(学生の笑い声)
(笑い声)なんなんだよ…。
(笑い声)どけや!どけっ!
(急ブレーキ音)救急車!救急車まだ?ちょっと…。
事態をどう収めればいいのか迷った俺はともかく依頼人への報告を最優先にした
お前携帯持てよ。
とにかく弓子さんと連絡が取りたいんですよ!
(マネジャー)こっちも捜してるんですよ。
携帯も何もかも置いて消えちまった。
またあんたらが絡んでるのか?いや…いやでも彼女これからマネジャーと話し合うって…。
(マネジャー)「そんな予定はないよ」
(通話が切れる音)もしもし?もしもし?
(救急車のサイレン)
(携帯電話)あっ君か。
私だ。
「どうした?」マサコちゃんの過去を詳しく調べたんだ。
そしたらすごい事がわかってね。
どうした?
(松尾の声)父親が失踪したあとマサコちゃんは東京の親戚に引き取られたが折り合いが悪く10代のうちに家出して新宿に転がり込んだ。
男相手に体を売って警察の厄介になった事も1度や2度じゃないようだ。
だが稼いだ金は全てある人に仕送りしていたそうだよ。
大阪に引き取られた妹に。
(札幌市長)「さあみんなで呼びましょう!」「橡脇孝一郎さんです!」
(拍手と歓声)「世の中で命よりも大切なものはないはずです」
(市民たちの賛同する声)
(橡脇)「ですがこの国の政治は我々の命よりもひと握りの人間に利益をもたらす事を選んだのです」
(松尾の声)ヴァイオリンのレッスンにかかる高額な費用を全てマサコちゃんが負担していたんだ。
室蘭にいた楽器をやっていた子供は女の子みたいな男の子じゃない
男の子と女の子だ
マサコちゃんが言ってた「迷惑かけちゃう人」っていうのは橡脇じゃなかった
弓子なんだ!
(橡脇)「私はそんな国と戦うために今日今ここに立っているのです!」
(拍手と歓声)
(橡脇)「ですが弱い一人一人が手を合わせて一丸となればそれは強い…」俺正面から行く!「この橡脇孝一郎と共に戦いましょう!」
(拍手と歓声)あっ何上がって…。
眼鏡借ります。
おい何…ダメだって!うっ!くっ…はぁ…。
どうして…?探偵は…依頼人守らなきゃいけないんだよ…。
厄介な事にさ。
…にしてもあいつなんでボンネット乗ってきたんだろう。
ハハハハ!イテテテ…。
お前笑わすなってマジで。
あ〜きつい…。
(看護師)はい検温の時間ですよ。
また重病人みたいな顔して。
あんた内臓ほとんど無傷だったんだからどうって事ないの!本当悪運強いわ〜。
ほら。
大体ね酔っ払って毛ガニさばこうとして自分のおなか刺しちゃうなんてどうしようもないわ。
イテッ!本当今まで生きてこれたのが不思議なぐらいです。
こういう人はね簡単に死なないのよ。
お小水取る?いい?また来るから。
退院しよ…。
これからどうする気だ?さあ…。
探偵の助手にしてもらおうかな。
断るよ。
間に合ってるんだ。
あんたはあんたの世界に戻ったほうがいい。
マサコちゃんもそれを一番望んでるよ。
プロになって成功したらお兄ちゃんを呼んで一緒に暮らそうってずっと言ってたんだ私。
でもお兄ちゃんは俺の事は伏せとけって。
俺なんかがいるのがわかったら何もかも水の泡だからって。
そんなアホな事あれへんよね。
全部お兄ちゃんのおかげなんやから。
私絶対呼ぶって約束してん…。
でも…。
でも私は…。
私は結局呼ばへんかった。
ずっとお兄ちゃんの事隠してた。
私やねん…。
お兄ちゃん見捨てた張本人。
私やねん…!
(泣き声)うぬぼれんなよ。
悪いがあんたが呼んでもマサコちゃんは行かなったと思うぜ。
だってマサコちゃんはススキノで最高の仲間に囲まれてたんだから。
これだけは断言する。
マサコちゃんは最高に幸せな人生を送ったよ。
(ハトの鳴き声)
(拍手)
(鉄之輔の声)そーっとそーっと持って。
(鉄之輔の声)なんでもいいから弾いてみ?『亡き王女のためのパヴァーヌ』
(鉄之輔)うまいうまい!僕よか才能あるよ弓子。
本当?プロになれるかも。
弓子プロになる!吸うかい?フッ…優しいね。
おっ!きたか…。
どうりで寒いわけだ。
また冬だよ。
だな。
でもよ雪ってなんかワクワクしねえか?フッ…子供かお前は。
プレゼントのお知らせです
8月8日公開役所広司を始め豪華キャストが集結した歴史大作『日本のいちばん長い日』の劇場鑑賞券を50組100名様にプレゼントいたします
ご覧の宛先までご応募ください
2015/06/28(日) 21:00〜23:10
ABCテレビ1
日曜洋画劇場 特別企画「探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点」[デ][字]
大泉洋×松田龍平の大人気シリーズ!!最強コンビが北海道で大暴れ!友人を殺した事件の背後には、カリスマ政治家が!?
詳細情報
◇番組内容
探偵(大泉洋)の友人・マサコちゃん(ゴリ)が殺害された。探偵は相棒の高田(松田龍平)に声をかけ、マサコちゃんを殺害した犯人を捜し出そうとする。そんな2人の前に、マサコちゃんがファンだった人気美人ヴァイオリニストの弓子(尾野真千子)が現れた。
◇出演者
大泉洋、松田龍平、尾野真千子、ゴリ、渡部篤郎
田口トモロヲ、篠井英介、波岡一喜、近藤公園、筒井真理子、矢島健一、松重豊
◇原作
東直己『ススキノ探偵シリーズ 探偵はひとりぼっち』(ハヤカワ文庫刊)
◇監督
橋本一
◇脚本
古沢良太、須藤泰司
◇音楽
池頼広
◇おしらせ
☆番組HP
http://www.tv-asahi.co.jp/nichiyou/
ジャンル :
映画 – 邦画
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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