色鮮やかに光り輝く宝石のような体。
その正体は…ハンミョウです。
大きさわずか2センチ。
でも…。
牙のような大アゴは迫力満点。
英語で「タイガービートル」と呼ばれるどう猛なハンターです。
すんでいるのは日本各地の里山。
猛スピードで地面を走り回り見つけた獲物を強力な大アゴでしとめます。
豪快な狩りの様子はまさに猛獣そのもの。
しかし里山には恐ろしい天敵がたくさん!ハンミョウは驚きの秘策で対抗します。
足元で繰り広げられる小さな命の大活劇です。
(テーマ音楽)初夏。
田んぼのあぜ道など草の生えていない地面ではスゴ腕のハンターが活動しています。
いました!地面を素早く走っています。
こちらが今日の主人公ハンミョウです。
色鮮やかな姿から「日本一美しい昆虫」とも呼ばれます。
顔の半分ほどを占める巨大な大アゴ。
ハンミョウの狩りの最大の武器です。
姿勢を高くしました。
こうすれば遠くの獲物を探すことができます。
アリを発見。
走り寄って大アゴで一気に襲います。
また走りだしました。
後ろからガブリ。
アリはハンミョウが最も多く狙う獲物です。
今度の獲物はハサミムシです。
尻尾のハサミで必死に抵抗する相手を強力な大アゴで押さえ込みます。
自分より大きな獲物も豪快にしとめてしまいます。
さすがは「タイガービートル」です。
こちらで狙っているのはなんとトンボ。
空を飛ぶ昆虫が相手でも決して諦めません。
獲物への執念は相当なものです。
ハンミョウが狩りをするのは見通しの利く開けた場所。
走っては止まりまた走っては止まる。
ハンミョウは一日中こうした動きを繰り返し広い範囲を探し回ります。
1日に走る距離はおよそ500メートル。
もしハンミョウが人間の大きさだったら毎日フルマラソンをしているようなものです。
また何か見つけました。
アリに襲いかかるハンミョウ。
すると突然もう1匹乱入。
アリの横取りを狙っているようです。
ハンミョウ同士の激しい争いが始まりました。
こちらでは3匹が大バトル。
「それいただき〜」。
「俺が捕まえたんだぞ」。
「いやいや俺の獲物だ」。
素早い動きとパワーそして獲物への並外れた執念。
ハンミョウ同士の熱い戦いはいつまでも終わりそうにありません。
いや〜ホントに激しいですなハンミョウ。
おっヒゲじいどうかしましたか?う〜ん最初からずっと気になっていたんですがどうしてハンミョウはこんなに派手な模様をしてるんですかね?確かに気になりますよね。
よくわかっていないんですが一説では派手な模様を身にまとうことで天敵の鳥から身を隠していると言われています。
えっ逆に目立つんじゃないの?いやいや鳥は遠くの獲物を探す時に獲物の模様よりも形つまり輪郭を頼りにしていると考えられます。
ほうほう。
でねハンミョウの派手な模様には輪郭をわかりにくくさせる効果があると考えられています。
えっどどういうこと?派手な模様ばかりに関心が奪われるため全体の形が見えにくくなるようなんです。
え〜本当?こちらをご覧下さい。
地面にハンミョウの画像と紺色1色に塗ったハンミョウの画像を並べます。
徐々に遠ざけて鳥の視点に近づけるとどうです?お〜。
紺色のほうが輪郭がはっきりしたままですが本物のハンミョウは輪郭がわかりにくく見えませんか?あ確かにね。
ちなみにサンゴ礁にいる熱帯魚の模様などにも同じように輪郭をわかりにくくさせる効果があると考えられています。
へえ〜ただ美しいだけじゃなかったんですなぁ。
ハンミョウの美しい模様のワケ色鮮やかなだけにビビッドわかりました。
夕方。
ハンミョウが次々に飛び立ちます。
みな林のほうへと飛んでいきます。
一体何をしに行くんでしょう?葉っぱの裏側。
大アゴでしがみついてじ〜っとしています。
昼間盛んに動き回るハンミョウ。
夜はこんな所でひっそりと休んでいたんですね。
ハンミョウが暮らす里山の開けた地面。
よく見るとたくさんの穴が開いています。
大きさは3ミリほど。
穴のそばにアリがやってきました。
すると…消えました!一体何が起きたんでしょう?穴から何かが飛び出しアリを引きずり込んでいます。
顔を出したこの妙な生きもの実はハンミョウの幼虫なんです。
穴の中に潜み獲物が近づくのを待ち構えます。
ハチの幼虫が来ました。
うわっ速い!穴から飛び出すと大アゴで獲物を捕まえ引きずり込みます。
その間わずか0.5秒。
近づくものは何でも襲います。
幼虫は成虫とは異なり走り回ることはありません。
待ち伏せ専門のハンターなんです。
一瞬で獲物をしとめる見事な狩り。
幼虫の体に秘密が隠されています。
その1つが目です。
この角度から見ると4つの目がわかります。
さらにここにも。
顔の横にも。
合計12個もあり360度獲物がどこから来ても見逃しません。
さらに背中にも仕掛けがあります。
かぎ爪です。
大きな獲物を捕まえる時に威力を発揮します。
巣穴から飛び出す時幼虫はかぎ爪を壁に突き刺します。
すると捕らえた獲物が逃げようとしても体が巣穴の外に引っ張り出されるのを防ぐことができます。
脚の力が強いキリギリスの仲間でも幼虫に一度捕らえられたらまず逃げられません。
ひたすら走り回りダイナミックに獲物を狩る成虫。
ひたすら待ち続け一瞬でしとめる幼虫。
ハンミョウは「動」と「静」正反対のワザを持つ親子そろっての名ハンターなんです。
第2章ではハンミョウの親子それぞれに恐ろしい敵が襲いかかります。
ハンター親子の驚きの秘策とは?里山にはハンミョウ以外にもすんでいる場所ごとにさまざまな名ハンターがいます。
草むらの名ハンターといえばオオカマキリ。
体長9センチ。
カマのような前足で獲物を捕らえます。
バッタを見つけました。
一瞬の早ワザです。
前足には確実に獲物をしとめるための仕掛けがあります。
びっしりと並んだ鋭いトゲ。
このトゲのおかげで一度捕らえた獲物は逃さないんです。
田んぼやため池など水中の名ハンターはタガメです。
体長は5センチ。
巨大な前足には獲物の体に食い込む鋭い爪。
近くにカエルがやってきました。
素早く抱きつくと口を突き刺します。
豪快な狩り。
まさに水辺の王者です。
空を支配するのはトンボです。
4枚の羽を自在に操ることができます。
チョウを見つけました。
獲物に向かって一直線。
空中でキャッチします。
恐ろしいクモだって捕まえちゃいます。
真下から巣に近づき網にかからないようクモだけをつかみとります。
里山の名ハンターたち。
みな驚きのワザの持ち主なんですね。
暑い夏が始まりました。
池のほとりにやってきたハンミョウ。
水を飲んでいます。
暑い日中こうした姿をよく見かけます。
しかし水辺には大きな危険が潜んでいます。
現れたのはカエルです。
水を飲みにやってきたチョウに狙いを定めると…ガバッ!ひとのみにしてしまいました。
ジャンプ力と長い舌を武器に突然襲いかかってくるカエル。
里山の虫たちにとって恐ろしい天敵です。
水辺にやってきたハンミョウ。
カエルがそっと近づきます。
ハンミョウがわずかに動いた瞬間。
カエルがジャンプ!一瞬の出来事でした。
しかしハンミョウだっていつもやられっぱなしではありません。
驚きの光景をカメラは捉えました。
カエルに気付かず近づくハンミョウ。
万事休すかと思いきやカエルの様子が変です。
ハンミョウを吐き出してしまいました。
のみ込まれそうになった瞬間ハンミョウがカエルの口の中に大アゴを突き立てたのかもしれません。
カエルの隙をついて逃げるハンミョウ。
足の速さではカエルには負けません。
大アゴを武器に強敵から逃れるとはさすがは里山の名ハンターですね。
一方ハンミョウの幼虫には避けられない試練があります。
それは食糧難です。
巣穴でひたすら獲物を待つだけの幼虫。
2週間に1度ぐらいしか近くに獲物はやってこないんです。
チョウが近くに来ましたが空振り。
肝心の狩りも必ず成功するとは限りません。
成虫になるまでのおよそ1年。
飢えで命を落とすものが少なくありません。
待ちに待った獲物がやってきました。
アリのような虫です。
巣穴に引きずり込む幼虫。
ところが何事もなかったかのように獲物が巣穴から出てきました。
捕まったはずなのに一体どういうことでしょう?よ〜く見るとお尻の先から細長い針を出しています。
この虫はホソツヤアリバチ。
アリではなくハチの仲間です。
大きさは5ミリほど。
このハチこそ幼虫にとって最も危険な相手。
なんとも恐ろしいたくらみを持っているんです。
まず巣穴に近づきわざと幼虫に捕まるホソツヤアリバチ。
穴に入るとその本性を現します。
体を丸めてお尻を幼虫のほうに向けています。
こうして幼虫に針を刺し麻酔をかけるんです。
幼虫は刺されるとわずか10秒ほどで動けなくなります。
するとホソツヤアリバチは幼虫の体に卵を産み付けます。
ハンミョウの幼虫は生きたままやがて生まれてくるハチの幼虫の食べ物となるんです。
うわ〜恐ろしいハチですなぁ。
ホントですねヒゲじい。
う〜んこれじゃあハンミョウの幼虫があまりにもかわいそうですよ。
なんとか助かる方法ないんですかね。
そうですよね。
幼虫が小さいうちはホソツヤアリバチから身を守るのは難しいんです。
でもある程度大きくなれば襲われることはほとんどなくなるんですよ。
えどういうことですか?こちらをご覧下さい。
生まれて10か月ほどたった大きな幼虫です。
手前からホソツヤアリバチが近づくと…。
あ〜飛びついちゃいました。
まあまあヒゲじい見ていて下さい。
捕まえたハチをすぐに放してほら外に出しちゃったでしょ。
あホントだ。
幼虫の体が大きいとハチのほうも刺すのにてこずります。
幼虫は様子がおかしいことに気付きハチを追い出すことができたんです。
う〜んちゃんと敵だと見破ったってワケですな。
はい。
さらにこちらでは…。
うわ!投げ飛ばしました。
どうです?頼もしいでしょ。
いや〜少し安心しました。
ハンミョウの幼虫は小さなころがヨウチュウイ。
早く大きくなってね〜!第3章ではハンミョウたちの激しい恋に密着。
もつれ合ったオスとメスが池へ転落。
一体どうなっちゃうの?里山の開けた場所を好むハンミョウ。
神社やお寺の境内お墓などでも昔からよく見られる昆虫でした。
身近な存在だったハンミョウにはその行動にちなんで付けられた別の名前があります。
ここで問題。
ハンミョウの別名とは次のうちどれでしょうか?さあどれでしょう?ハンミョウは人が近づくと草むらには隠れず人から離れるように繰り返し開けた場所に逃げていきます。
その行動が歩く人を先導しているように見えたことから「道教え」と呼ばれるようになったんです。
一方幼虫にも人々に身近だったことから付けられた名前があります。
それは次のうちどれでしょう?さあどれでしょう?これは昔の子どもの遊びにルーツがあります。
ニラのような細長い葉っぱを使って幼虫を釣り上げて遊んだことから「ニラ虫」と呼ばれるようになったんです。
実際に巣穴に草を入れてみると…。
葉っぱが揺れ始めました。
巣穴の中の幼虫が葉っぱをどかそうとかみついているんです。
一気に引き上げると釣れました!身近な昆虫ハンミョウ。
里山に出かけたら探してみてはいかがでしょうか。
夏本番を迎えた里山。
あちこちでハンミョウ同士の激しいけんかが見られます。
戦っているのはオスとオス。
恋のライバルを自分の近くから追い払おうとしているんです。
強いオスほどより多くの子孫を残せます。
にらみ合う2匹。
取っ組み合いが始まりました。
でもこの2匹はオスとメス。
少々乱暴ですがプロポーズの真っ最中なんです。
「僕と結婚して下さい!」。
もつれ合う2匹。
勢い余って池に落ちてしまいました。
それでもオスはメスを離しません。
ものすごい執念です。
メスの背中にオスが乗ればカップル成立です。
成虫の寿命は1年。
子孫を残せるチャンスは限られています。
ハンミョウならではの激しい恋。
オスは必死です。
数日後。
田んぼの脇の斜面にメスの姿を見つけました。
お尻を地面に押しつけています。
卵を産むための穴を掘っているんです。
メスが産む卵はおよそ100個。
1つの穴に1個ずつ丹念に産み付けていきます。
新しい命を残すと成虫たちは一生を終えます。
卵は2週間ほどでかえり小さな幼虫があの独特の狩りを始めます。
このころ1年前に生まれ大きく育った幼虫たちにも変化が起こります。
巣穴を土で塞ぎ成虫になる準備を始めます。
穴の一番奥で体を震わせる幼虫。
こうして幼虫の皮を脱ぎ捨てさなぎへと姿を変えるんです。
このまま土の中で成虫になる日を待ち続けます。
里山に秋の気配が漂うころ。
ついにその時がやってきました。
さなぎから成虫へ。
黒っぽい体には2日ほどかけてハンミョウ独特の鮮やかな模様が浮かび上がります。
いよいよ外の世界へ。
これからは地上のハンターとしての生活が始まります。
そして来年の夏には子孫を残しDialogue:0,0:27:02.91,0:27:062015/06/28(日) 19:30〜20:00
NHK総合1・神戸
ダーウィンが来た!「里山の昆虫ハンミョウ 驚異!狩りのワザ」[字]
日本の里山にすむ美しい昆虫ハンミョウ。猛スピードで地面を走り、牙のようなアゴで獲物を狩る姿は小さな“猛獣”だ。驚きの狩りのワザを持つ幼虫の名ハンターぶりも紹介。
詳細情報
番組内容
青や赤、緑色に光り輝く宝石のような美しい昆虫ハンミョウ。日本各地の里山にすむ。大きさはわずか2cm。猛スピードで地面を走り回り、牙のようなアゴでアリなどの獲物を捕らえる。豪快な狩りの様子はまるで小さな“猛獣”だ。一方ハンミョウの幼虫もまた、驚きのワザを持つハンター。地面の巣穴で獲物を待ち伏せ、一瞬の早ワザで引きずり込む。“親子”そろっての名ハンター・ハンミョウが足元で繰り広げる大活劇!歌:平原綾香
出演者
【語り】近田雄一,龍田直樹,豊嶋真千子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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