「まるでLPGA(全米女子プロゴルフ)ツアーの朗報を聞いたようだ」
先ごろ会ったある中小企業経営者はそう言った。今年3月、米自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)が発表した「サプライヤー(納品業者)・オブ・ザ・イヤー」78社に韓国部品メーカー28社が含まれたことに対する喜びの声だ。
受賞企業の中にはポスコやLG化学といった大企業もあるが、ヨンファ金属、オートジェン、宇信システムといった中堅・中小企業が大半だ。今年で23回目となるこのサプライヤー賞で、韓国企業の割合は2008年以降、常に20-30%を超えている。国際購買を担当するGMのジョニー・サルダナ副社長は「08年から7年連続でサプライヤー賞に韓国企業が最も多かったことは、それだけ韓国企業の競争力が高いことを意味している」と評価した。
この数値だけを見ると、韓国部品メーカーのパワーは世界のゴルフ界で大活躍する韓国女子ゴルファー軍団のそれにも劣らないように思える。ならば、部品メーカー各社はそれに値する待遇を受けているのだろうか。韓国自動車メーカーに納品する中小企業の社長は、この質問に「大企業は社員の月給を少し下げてくれればいいのに」と答えた。「自社で20年働いた部長クラスでも大企業の勤続4年の社員より月給が低いため、優秀な人材が中小企業に目も向けない。中小企業の営業利益率を見てほしい。賃金を上げたくても全く余力がない」
韓国産業界における大きな問題の一つは、深刻化する大企業と中小企業間の二極化だ。高麗大のチャン・ハソン教授が昨年9月に出版した『韓国資本主義』によると、韓国中小企業の平均賃金は大企業の62%、上位100社の企業の47%にすぎないという。特に、中小製造企業の平均賃金は上位100社の企業の39%にとどまる。1980年代には中小企業の賃金は大企業の90%以上、90年代も75%水準だったが、中小企業と大企業間の賃金格差は成長の過程で開き続けている。
ならばなぜ、企業間の賃金二極化が進むのだろうか。中小企業の元最高経営責任者(CEO)の分析はこうだ。「有数の大企業の購買本部長はそのポストに2-3年もいない。最大の理由は、時期が来たら人を入れ替え、新任の購買本部長がまた納品業者を絞り上げることだ。そうしてこそ本人が生き残れる。2-3年すると(会社が)『乾いたタオルを絞る』ことの弊害を懸念するようになり、そのころにはその本部長も交代させられる。新たな購買本部長はまた一生懸命働く」
良い顧客、良い協力会社を持たない大企業は持続可能とはいえない。「完璧な企業」とまで言われたトヨタ自動車が2009年から翌年にかけて大規模リコール(回収・無償修理)を行う羽目になった最大の原因は、コスト削減ばかりを考えて部品メーカーをせっついたことだった。近ごろ自動車・電子業界などで業績不振が広がっており、部品メーカーは震え上がっている。韓国部品メーカーが安泰でこそ、韓国大企業も安泰なのではないか。