日経ビジネス2015年6月29日号でカイゼン特集を担当することになった筆者。満を持して、これまでカイゼンを重ねてきた「つもり」の自身の机を公開することに…。そこにも、特集の取材でたどり着いた「今どき」の定義があった。
「どうせコスト削減のための手法でしょ? 自分たちにとって何のメリットもない」
カイゼンと聞いて、そう思う方が大半なのではないだろうか。
確かにカイゼンを主導する経営者の多くがコスト削減を狙っていることは間違いない。ただ、「自分たちに何のメリットもない」と決め付けるのは早計だと思う。カイゼンは何より、個人の仕事がしやすくなってはじめて組織としての成果が現れる。コスト削減は、その後に付いてくる「副産物」に過ぎないのだ。
日経ビジネス2015年6月29日号の特集「今どきカイゼン100」では、そんなカイゼンの実例を取り上げた。障害者が中心となって考案したカイゼンが実は、障害者だけでなく全ての人にとって有用だった組立工場の事例。パートの女性たちの「主婦の目線」で考案したカイゼンが、男性社員を刺激して数々の独創的なカイゼングッズを生み出したケーキ工場の事例。
大事なのは「働きやすさ」
製造業だけではない。外国人の視点を生かして厨房の仕事を効率化したラーメン店、ライフステージの異なる社員全員が働きやすい職場を作ろうと「働き方カイゼン」に取り組んだIT企業、患者の待ち時間を削減するために医師や看護師が奮起した病院など、さまざまな業種の実例を取り上げている。
繰り返しになるが、カイゼンで大切なのは、その職場で働く人自身が働きやすいかどうかである。そのため、極端なことを言えば、手段は何だっていい。今回の特集では、「100」のカイゼンアイデアを掲載。そのうちのどれかが、読者の皆さんの働きやすさにつながれば…との思いを込めた。
ここで、蛇足とは知りながら、筆者自身の机を「なぜこうしているか」の理由も含めて公開する。カイゼン取材を十ウン年にもわたって続けてきたことで、すっかり「カイゼンって面白い」と洗脳された筆者。自分自身の机周りも、ない知恵を絞り、日々、「どうしたらもっと働きやすくなるかな」と考えながらカイゼンしている。もっと整理整頓されている机は世の中にたくさんあると思うが、ぜひ、「記者の机は大量の資料で埋もれている」という一般的なイメージを持って(ハードルを下げて)、ご笑覧いただきたい。