歌を交えた法話で、平和や命の大切さを訴え続ける僧侶がいる。愛知県一宮市の住職中野見夫(みるお)さん(76)。原点は多くの遺体を目の当たりにした名古屋空襲だ。小・中学校などでの「歌う法話」は、11年間で350回を超えた。

 ♪二度と 地獄の苦しみを 許してはいけないと(山川啓介作詞、いずみたく作曲「明日への伝言」より)

 20日、岐阜県瑞穂市の穂積北中学校の体育館に、中野さんの歌声が響く。原爆の悲惨さを伝える歌の一節。涙を浮かべながら歌った中野さんは、静まりかえった約430人の生徒に語りかけた。