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Mr.Children史上、最も深く暗く重いアルバム『深海』

Mr.Childrenはこれまでたくさんのアルバムを発表していますが、その中でも群を抜いて深く暗く重いアルバムが『深海』です。まさにタイトルとなった「深海」そのものともいえる世界観に少しでも近づけるよう、分析してみました。

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Mr.Children『深海』に収録されている楽曲

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出典: http://www.mrchildren.jp

1996年6月24日にリリースされたMr.Childrenの『深海』。

『Tomorrow never knows』などのヒット作を世に送り出した後のアルバムだというのに、それらのヒットシングルは収録されず、話題になりましたよね。

では、それらのヒットシングルの収録を見送ってまで、収録された楽曲には、どのようなものがあったのでしょうか?


1.DIVE

2.シーラカンス

3.手紙

4.ありふれたLoveStory~男女問題はいつも面倒だ~

5.Mirror

6.Making songs

7.名もなき詩


8.So Let's Get Truth

9.臨時ニュース

10.マシンガンをぶっ放せ

11.ゆりかごのある丘から

12.虜

13.花-Mémento-Mori-


14.深海



実は『深海』は2枚組でリリースされるはずだった?


Mr.Childrenの大ヒットシングル『Tomorrow never knows』が収録されなかったのは、当初この『深海』と同時に、『Tomorrow never knows』が収録されているアルバム『BOLERO』がそれぞれ、青盤・赤盤として発売するからでは?と言われていました。


それもそのはず、『深海』と『BOLERO』(1997年3月5日リリース)は同時に製作されていたというのです。

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出典: http://www.mrchildren.jp/



Mr.Children桜井和寿は、当時の雑誌のインタビューで、次のように語っています。


「(『深海』と『BOLERO』は)3Dメガネの青と赤のようなもの。両方揃って初めて立体に見える」

出典: http://www.hvymetal.com

赤と青、光と影、ジャケットでもわかるように、まさにその、暗い方の「青」と「影」を背負ったアルバム『深海』。


そんな暗く重い作品が発売された背景とは、一体どのようなものだったのでしょうか?

アルバム『深海』に込められた想いとは?


Mr.Childrenのアルバム『深海』が発売された頃は、小室哲哉プロデュースの、ポップなダンスミュージックがヒットチャートを埋め尽くしている時代です。もちろん、Mr.Childrenもポップな曲を中心に、リリースしていました。まさに、世の中が捉えるMr.Childrenは、明るくポップなミュージシャン、そのものでした。

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出典: http://rock-yarou.hatenablog.com/

そんな明るくポップなMr.Childrenがリリースしたのが、暗く重い『深海』。ある意味、ファンや、音楽業界への挑発ですよね。


『深海』には、Mr.Childrenが考えた、Mr.Childrenが存在するのだと感じます。もちろん、『深海』を制作したMr.Childrenのメンバーの真意など、分かりませんが・・・。


また、Mr.Childrenは『深海』『BOLERO』をリリースしたのち、活動休止を発表します。この活動休止は、元々決まっていたとの意見や、売れることを意識しての楽曲作りへの嫌悪から、桜井和寿の精神的な問題、小林武史との関係の悪化など、さまざまな理由が噂されていますよね。


とにかく、何かMr.Childrenが売れるために隠していた部分を、ここぞとばかりにさらけ出したのが、このアルバム『深海』なのではないでしょうか。


さいごに


「Mr.Childrenの最高傑作は『深海』だ!」と言うファンを見かけることがあります。

一方で、あまりの暗さに、リピートして聴く気すらなくしてしまう、ファンもいます。


個人的には、聴けば聴くほど味が出る、そんなアルバムだと思っていますし、つらい時や苦しい時に聴けば、面白いくらい涙が出てくるアルバムでもあります。


『深海』以来、このような、真っ暗なアルバムをリリースすることはなかったMr.Childrenですが、昨年の小林武史からの独立から、楽曲の発表の仕方やライブのあり方など、今までになかったことに次々チャレンジして、まさに変革期を迎えています。


『深海』レベルの衝撃は、これからも次々、ファンの元へ届けてくれそうなMr.Children。今後の動向から、目が離せませんね。