経産省:核燃サイクル検討部会設置 原燃、認可法人化も 

毎日新聞 2015年06月26日 22時15分(最終更新 06月27日 00時36分)

 経済産業省は26日、総合資源エネルギー調査会原子力小委員会を約半年ぶりに再開、原発の使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル」のあり方を検討するため、作業部会を設置した。電力自由化で、サイクルの継続に不透明感が出ていることに対応。サイクルの中核を担う株式会社の日本原燃について、政策遂行のために国の認可を受けて設置する認可法人に移行し、政府の関与を強めるかどうかが焦点だ。

 原燃は、使用済み核燃料を化学処理して再利用できる物質を取り出す再処理事業を行うため、原発を持つ電力大手9社と日本原子力発電が出資。電力大手が使用済み燃料の発生量に応じて積み立てる資金で運営している。

 電力会社は、コストに利益を上乗せして電気料金を決める「総括原価方式」に守られ、再処理費用も安定的に積み立ててきた。ただ、来年4月に電力小売りの完全自由化が実施されると、料金に値下げ圧力がかかり、再処理費用を積み立てる余裕が少なくなる。

 日本原燃の経営基盤が揺らぎかねないため、作業部会は、再処理事業を安定的に継続させるための資金供給の枠組みなどを検討。また経産省は、再処理がうまくいかずに、株主の電力会社が事業撤退を選ぶような事態を回避するため、原燃を株式会社から認可法人に切り替え、人事などで国の関与を強めることを検討中だ。青森県六ケ所村にある原燃の再処理工場は運転試験のトラブルなどで稼働が大幅に遅れ、事業が成り立つ展望すら持てず、存続意義すら危ぶまれている。

 だが、認可法人化された場合、電力会社は経営の自由度が縛られるとして抵抗。民間企業を認可法人に衣替えすることには、経産省内にも慎重論がある。

 一方、同日の小委員会では、原子力資料情報室の伴英幸共同代表が、巨額の費用をかけながら事業化が遅れている核燃料サイクルについて「続けるなら相応の理由を説明してほしい」と求める場面もあった。電力自由化が進む中、巨額の資金をかけながら成果を出せない核燃料サイクルを続けることの妥当性も問われる。【高橋慶浩、安藤大介】

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