JR北海道:廃止候補、留萌線以外にも 多くは赤字路線
毎日新聞 2015年06月28日 09時57分(最終更新 06月28日 10時40分)
JR北海道が留萌線(深川−増毛、66.8キロ)の廃止を検討し、一部の沿線自治体に伝えていたことが27日、分かった。同線のうち留萌−増毛間は2018年度までに廃止したい考えで、今後は各自治体と設置する協議会で代替交通手段などについて議論し、合意を目指すという。
JR北海道の多くは赤字路線で、国鉄時代の廃止基準を下回る区間は札幌圏以外で6割を占める。
そのうち、特に赤字幅の大きい輸送密度500人未満の区間は、留萌線の他に札沼線(北海道医療大学−新十津川)や石勝線(新夕張−夕張)など6路線7区間ある。
JR北の2015年3月期の決算(単体)では、本業のもうけを示す営業損益が390億円の赤字。同社の第三者委員会「再生推進会議」が26日に提出した提言書では、事業の「選択と集中」が必要として、赤字路線の廃止を含めた「経営全体について聖域のない検討」が求められた。
JR北は安全対策に2018年度までに2600億円を投資する計画を立てた一方、盛り土の流出で運休が続く日高線の復旧費用26億円は負担できないとして、国や道と対応を協議中だ。「選択と集中」によって、留萌線以外の赤字路線でも廃止議論が進む可能性がある。【小川祐希】