こちらでは、6月下旬から7月初めまでの短い期間に、あんずが店先に並びます。
走りの枇杷とハウス栽培のみかんと似た色なので、探し出すのが大変。
やわらかい橙黄色のまんまるい実が、透明のケースに入れられて、肩身が狭そうに店頭の端にほんの少しだけ並びます。
このあんず、ジャムにするととっても美味しいんです。
鼻に抜ける甘酸っぱい香りと、ちょっと酸味の勝った味がおいしいジャムになります。
パンやスコーンにつけて美味しいのはもちろん、ケーク・サレにいれても、肉料理にもぴったり。
主役になるだけではなく、脇役として他の素材を引き立てるのも上手なジャムなんですよ。
そんな、あんずジャムの作り方はこちらです。
材料
- あんず
- 砂糖 種を取ったあんずの重量の1/3
作り方
- あんずは水洗いをし、大きめのボウルの水に浸けて1晩おきます。
- 1晩おいたら、もう一度よく水洗いをし、あんずを半分に切ります。少し凹んだ線に沿ってぐるりと一周切り込みを入れ、ひねるようにすると、パカッと驚くほど簡単に実が2つに分かれます。
- 片側に残った種は、包丁の根元の部分で少し持ち上げるようにすると、こちらも驚くほど簡単に外れます。
- 半分に割ったあんずは鍋にならべ、上から砂糖をふりかけます。一段並べたら砂糖、また一段ならべて砂糖という順に重ねていきます。
- 上からお皿をかぶせて、冷蔵庫で1晩寝かせます。
- 翌朝には、あんずから水分が出てひたひたになっているので、火にかけて煮詰めていきます。 写真は火にかけ始めたところ。1晩置くと、これくらい水分が出てきます。
- 沸騰するまでは中火、沸騰してからは弱火にし、時々かき回しながら徐々に煮詰めていきます。鍋底が焦げ付かないように、まだゆるい段階でもヘラでキチンと底からかき混ぜてください。
- 煮詰まって、ヘラからぽとりと落ちるようになったら完成です。
- 消毒した密閉容器に入れ、他のジャムと同じように保存してください。
この作り方は完成までに3日かかる、ちょっと時間のかかる作り方です。
でもね、こうして作ると灰汁があまり出ず、ジャムを焦げ付かせることがないのでおススメなんです。
よく紹介されている作り方は、
- あんずを割って、
- 半量のお砂糖を一緒にして、力一杯かき混ぜながら煮て、
- 灰汁を何度も何度も取り除いて、
- 途中で残りの半分を足して、更に煮詰める
こういう作り方です。
こうすると1日で出来上がるのですが、それはもう灰汁取りが大変でビックリするくらい。
そして焦がさないように、まだ堅いあんずを混ぜ続けるのが、大変!
ちょっと油断をすると、お鍋の角の方が少し焦げてきて、あら大変! ということになります。
そこで考えたのが、この方法です。
時間はかかるけれど、実際に作業している時間は短くなり、却って手間がかかりません。
そして何よりも、失敗しないのがおススメの理由です。
あんずジャムは好きだけれど、ちょっと面倒で〜。と思っていた方、一度この方法で試してみませんか?
あんまり簡単で、驚きますよ。
では、また。