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口永良部島噴火1か月 一時帰島めど立たず
6月29日 4時03分

口永良部島噴火1か月 一時帰島めど立たず
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鹿児島県の口永良部島の噴火ですべての住民に島外への避難指示が出されて、29日で1か月です。屋久島町は一時帰島の時期を検討していますが、今月中旬にも噴火が起きていることなどから、具体的なめどは立っていない状況です。
屋久島町によりますと、口永良部島の86世帯、137人のうち、28日の時点で71世帯118人が隣の屋久島で避難生活を送っています。
噴火から1か月がたつなかで、避難所を出て町が用意した公営住宅やアパートに移る人もいて、2か所ある避難所で今も生活を続ける人は21世帯35人となっています。
町は仮設住宅の建設を進めていて、早ければ8月1日にも27世帯47人が入居できる見込みです。
一方、町や鹿児島労働局によりますと、避難した人の多くは、火山活動の終息を前提に口永良部島での生活再建を希望しているということで、屋久島を含む鹿児島県内の避難先で新たな仕事を求めてハローワークに登録した人は、今月26日の時点で10人にとどまっているということです。
こうしたなか、避難した人からは、生計を維持していくためにも、島に残してきた漁業の道具や家畜、車などを運び出すことが不可欠だとして、一時帰島を求める声が高まっています。
町も一時帰島の時期を検討していますが、今月18日と19日にも噴火が起きていることなどから、具体的なめどは立っていない状況です。

引き続き 噴火警戒レベル5

気象庁によりますと、先月29日に爆発的な噴火が起きた口永良部島の新岳では、その後、合わせて3回噴火が発生し、このうち今月18日の噴火では、火口からおよそ9キロ離れた海上で小さな噴石の落下が確認されました。
29日朝の新岳火口付近には雲がかかっていて、噴煙の状態は確認できませんが、新岳の周辺では28日も火山性地震が3回観測されるなど、依然として火山活動が高まった状態が続いています。
気象庁は今後も先月と同じ規模の噴火が起きるおそれがあるとして、引き続き、口永良部島に噴火警戒レベル5の噴火警報を発表して厳重な警戒を呼びかけています。

専門家「帰島時期 見通せず」

鹿児島市にある京都大学火山活動研究センターで、長年、口永良部島の研究を続ける井口正人教授は、口永良部島の新岳の火山活動について「火山ガスに含まれる二酸化硫黄の量や火山性地震の回数は依然として多い状態で、火山活動の活発さは先月の噴火の時点と変わっていない。今後も繰り返し噴火が起きることを想定せざるをえない」と指摘しています。
また、全島避難している住民が島に戻れる時期について「火山活動が低下することが条件だが、それがいつになるのか現時点では見通せない。住民の帰島の判断には詳しい観測データを継続的に得ることが重要で、なるべく早く観測班が島に入れるよう状況を見極めていきたい」と話しています。

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