安保関連法案:民間人を誤射…その自衛官どうなる?

毎日新聞 2015年06月01日 18時59分(最終更新 06月01日 22時56分)

衆院平和安全法制特別委で質問に立つ細野豪志民主党政調会長=国会内で2015年6月1日午後1時31分、藤井太郎撮影
衆院平和安全法制特別委で質問に立つ細野豪志民主党政調会長=国会内で2015年6月1日午後1時31分、藤井太郎撮影

 ◇民主党の細野氏が対応ただす

 「現場の自衛官が最も懸念していることがある。誤って民間人を撃ってしまった場合、その自衛官がどうなるのかだ」。民主党の細野豪志氏は1日の衆院平和安全法制特別委員会で、海外に派遣された自衛官が現地で民間人を誤って死なせてしまった場合の対応をただした。

 政府は安全保障関連法案で、海外で自衛官が上官の命令に反し、集団で反抗したり部隊を指揮したりした場合、日本国内の法律で処罰できる規定を自衛隊法に加える考えだ。

 だが、テロリストだと思って撃った相手が民間人だった場合や、テロリストへの武器使用の際に民間人を巻き添えにした場合の規定は設けない方針。治安情勢が悪い場所での行為に国内法をそのまま適用すれば、自衛官の負担が過剰になりかねないためだ。

 野党からも「軍法会議があれば自衛隊内部で処理できるが、日本は憲法上軍法会議を設置できない。本来なら軍法会議を設けた上で海外派遣をすべきだ」との声が上がる。

 中谷元防衛相は1日、「自衛隊は相手を識別して武器使用するための訓練や、地元住民と友好関係をつくる訓練を行っている。一般の現地住民に危害を加える事態は極めて想定しにくい」と説明。そのうえで、派遣先国と協定などを結び、自衛官がその国の法律で処罰されないようにしていく考えを表明した。

 こうした政府側の反応に対し、細野氏は「これまでより厳しい現場に行く自衛官が、法的に宙に浮きかねない。政府はやらなければいけないことを怠っており、しっかりとした対応を求めたい」と指摘した。【青木純】

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