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今回の件、百田氏は悪くない!

こういう件があると、エキセントリックな連中が暴走するので、見ていて不快になる。

もちろん、私個人が不快になる程度であれば問題ないのだが、行き過ぎているのでさすがに指摘したい。

もともと、自民党の若手の勉強会に百田氏は「講師」として招かれただけだ。要はただの「文化人」であり、「自由に発言してください」という依頼の下、自民党の若手たちに「お話をしただけ」に過ぎない。

当初、私はマスメディアにもオープンにしていた会合かと勘違いしていたのだが、よく聞くと、最初のシーンだけを撮影させて(これを「頭撮りだけ」という)、その後はクローズドにしたそうだ。百田氏もその他の議員たちも、これで油断したのだろう。

当然、私自身も何度もやっていたことだが、「頭撮りだけ」を依頼されて、そのまま「頭だけ撮って本当に帰る」記者はいない。通常、壁の外で耳を傾け…というと聞こえはいいが、要は壁の隙間に、私たちであればマイクを突き付け、記者の皆さんはボイスレコーダーを突き付けて、音を拾っている。これは結構常識なので、どうか知っておいていただきたい。

しかも、あんな狭い部屋なのにわざわざマイクを持って話をしていたそうだ。ああいった会合は、基本は地声でするものだ。今回のケースは色々と抜けていたと言わざるを得ない。

もちろん、前回のブログで指摘したように、国会議員たちは厳しく追及されるべきであり、勉強会の主催者である木原氏は1年間の役職停止処分となった。当然である。誰かは責任を取らなければいけないことは明白だ。私も厳しく言及した。それは…

国会議員という強大な権力を持つ人間が、言論に対してスポンサーを動かすなどという卑怯な手段を使おうとしたからだ。

安保法制に関しても沖縄に関しても、ちゃんと勉強して追求すべきは追求し、批判すべきは批判し、主張すべきは主張すればいいだけだ。正しいこと言えれば、国民も少しづつでも理解してくれる。

しかし、しょぼいことをやってたら、自民党全体がこうして攻撃されるきっかけとなる。俗に言われる「オウンゴール」というやつだ。なので、私も怒った。

しかし、だ。

これも前回のブログで指摘した通りなのだが、百田氏に関しては話が全然違う。百田氏は、素人でもリップサービスと分かる部分を除けば、大枠に関して、「議論の余地のある提言」をいくつもしてくれている。それらを全部無視して、今度は逆に鬼の首を取ったように左翼軍団がギャースカ言っているのを見ると、質が低すぎてバカバカしくなる。特にこのニュースには厳重に抗議したい。

百田氏発言「断じて看過できない」 沖縄選出国会議員らが抗議声明

明白にジョークの範囲内で言った百田氏の「沖縄の(主要新聞)2紙はつぶさなあかん!」といった言葉にかみつき、なんと沖縄選出の国会議員5人が連名で

「看過できない!」
「発言撤回と2紙への速やかな謝罪を求める!」

という書面を送ったそうだ。おい、この5人、はっきり言って申し訳ないが、

そんなバカなら、国会議員なんてやめろ。税金から毎年3000万円以上ももらってんじゃない。

よく聞け。もう一度、前回のブログと同じことを言う。「言論には言論で対処する」のが民主主義国家の最低レベルのルールだ。百田氏の発言にいくつもの誤解や誤りがあったのだろ?だとしたら、

「この発言のこの内容は事実と違うのです」
「その事実を示す根拠はこのデータであり、この図や表で証明できるのです」

と丁寧に「説明すればいいだけ」の話だ。繰り返すが、巨大な権力を保持する国会議員の、その権力を侮っていないか?百田氏はただの一文化人だ。百田氏がジョークで「つぶさなあかん!」といったところで、つぶれるわけないだろ!

実際、ジョークである証明に、百田氏がその発言をした直後、会場では笑いが起きている。つまり、現場の雰囲気を読んだ百田氏のウィットに過ぎないことは間違いない。その程度もわからずに真に受けて「抗議」とかしてるから、長尾議員に「左翼に染まってる」と指摘されるんだ。それほどの権力を持ってるくせに冷静になれないのか?その程度なのなら国会議員なんぞやめちまえ。税金がもったいない。

繰り返す。百田氏の発言に事実誤認があるのであれば、こうやって注目を浴びている今こそ、「説明する」最大のチャンスである。このチャンスを使って、冷静に、史実と、それを言いっぱなしにするのではなく、実際の資料などを提示し、国民に理解を求めるチャンスを百田氏はくれたともいえる。

実際に沖縄タイムスが百田氏にインタビューをしているのだが、百田氏の回答は実に明快で、分かりやすいものだ。納得できる返答が多々ある。百田氏の言ってることは私は理解できる。こちらだ。皆さんも見ていただきたい。

百田尚樹氏に一問一答 「沖縄2紙は嫌い」「つぶれてほしい」(沖縄タイムス)

これらの百田氏の疑問や指摘は、論理的には納得できるものが多い。細かい揚げ足取りも悪くはないのだが、大枠では言いたいことは十分わかる。沖縄選出の議員や沖縄タイムスは、これらに対して「感情論以外」で冷静に反論すべきだ。そうでなければ、議論が深まらない。普天間の問題は「沖縄の問題」ではない。「日本全体の国防にかかわる問題」なのだ。

国会議員が「スポンサーに圧力をかけよう!」と言ってるのと沖縄の議員が百田氏に「謝罪しろ!撤回しろ!」と言ってるのは全く同じである。

国会議員には「国を動かす力」というとんでもない権力が与えられていることをもっと理解して、冷静で落ち着いた対応をお願いしたい。少なくとも、一人の作家とは次元が違うのだ。今回の一件、「サヨク軍団」も「回れ右!軍団」も、両者ともやれやれである。

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