昨日の夜、眠い目をこすりながらこんな記事を見た。
暇人\(^o^)/速報 : 【オワコン】 mixi(ミクシィ)、苦戦続く…4〜12月期決算は6割減 - ライブドアブログ
この記事によれば、mixiが使いにくくなった理由は機能の改悪・出会い系サイトとしての昨日の低下だというが、mixiのヘビーユーザーの僕から言わせてもらうと30点の回答だ!大学の単位なら不可、高校なら欠点で再試だ。
確かに、優秀な経営者「西村博之」が作った2chにいるだけあって、「規制」がサイトを悪くしたというところは当たっている。だが、「ソーシャル」というビジネスの本質をわかっていない人が多い。僕個人的に、ソーシャルの本質をわかってるのもひろゆきと、ここはてなの近藤さんになってくると思う。…え?どういうことか?ちゃんと話すので、記事を最後まで読んでいってくれ。
お品書き
- ソーシャルメディアは「参加者」がいるだけで、「お客様」はいない。
ネットビジネスの特殊性は何といっても、その企業から見るとネタを提供してくれる「投稿者」もネタを見る「閲覧者」もそれぞれが会社から見れば「社外の人間」である事。
小見出しの元ネタはコミックマーケットの合い言葉から取らせてもらったそれにはちゃんと理由がある。。
ネットビジネスをとことんまで圧縮・可視化すれば、コミケになる。
コミケもソーシャルメディアも共通しているのは「面白い人」と「面白いことが好きな人」のモノ…つまり、質の明暗を分けるのは「参加者」であって、「運営者のものじゃない」ということ。
ニコ動のうp主も、2chでレスを入れる人も、それぞれの質がサイトの面白さであって、それは会社の人達の面白さじゃない。私が冒頭で「ひろゆきと近藤さん(はてな)はよくわかってる」と申し上げた理由はサイト内で有名な投稿者が育つ環境を整えたこと。
ひろゆきと言えば2chとニコ動だが、夏野剛が加わるまでのニコ動はとにかく「自由」だった。ひろゆきの手法は「作り手を自由にすることで、技術やアイデアを存分に発揮してもらうこと」だ。そして、すごい人にアクセスしやすいようにニコ動も2chも細かいカテゴライズがなされている。
ニコ動ではランキングとカテゴリー、2chでは様々な「板」の存在がある。
ニコ動がつまらなくなったと囁かれる理由はこの「自由」を規制してしまった事と、運営が優秀な投稿者を過剰に囲い込もうとしたため。…これはドワンゴ(とその影にいるエイベックス)の存在を考えれば、夏野剛加入後ぐらいが妥協点になるので仕方ない部分はあるが「ユーザーの自由意思に投げ、膨大な選択肢の隅々までアクセスできるような環境を整える」というひろゆきの手法はちゃんと残っている。
そろそろ、mixiの話をやろう。…ところで、mixiに於ける「ネタを提供する人(ネットスター)」って誰だ?ニコ動や2chの理屈で行けば、
mixi上の「ネットスター」
・mixiニュースやコミュニティーで頻繁にコメントを投稿する人。(そして、良いコメントを作る人)
・チェックやフォトなどで面白い情報を出してくる人。
・しょっちゅうオフ会の幹事をやってくれる人。もしくはオフ会に出てくる人。
・ソーシャルゲームをやり込んでる人。
・マイミクが多いもしくは密接なつながりがあって、mixiを経由で連絡を取り合う人。
mixiの問題点は「これらの人達にたどり着く方法がない」ことにある。僕のmixi日記を見たくて、マイミクになった人は20〜30人居る。はてなダイアリーの書き手には僕よりも格上がいっぱいいるが、mixi上では僕のレベルでかなり人気がある方にいる。(※mixiとはてなでは書き方を変えていて、mixiはもっとざっくりと書いてます。はてなは頭がいい人が読むのを前提にして、もっと詳しく書いてるので長めになってます。)
そうだ!はてなだよ!…その話をしていこうか。
- はてなは「内向きな共有」と「全体の共有」の両方ができるからすごい!
1年前から軸足をはてなに移しているが、このサイトは本当に深いと思う。
僕がmixiとはてなで記事の書き方を変えていると言ったが、それははてなに「知的」な方向で有名なブロガーが多くいるため、生ぬるい説明文では通用しないと考えているからだ。(それ故に、理論はもちろん思考法まで僕ができるベストで作っている。)逆にmixiで書くときはケータイ電話でみるスイーツ(笑)でもわかるように可能な限りシンプルで、意外性がある記事に仕上げてる。
では、はてなダイアリーにはどうして頭がいい人がいるように僕が思っているのか?
それははてなダイアリーのトップページの「人気記事」の存在や、有名ブロガーを輩出していることが挙げられるだろう。(ちきちんさんや、東大の大学院で2月に退学届けを出した人、ニートの人もいたなぁ…。あと、はてな村各位とかね。個人のブロガーですごく盛り上がってますよね。)
ここでは「共有」というテーマで話をしたい。はてなブックマークもはてなダイアリーも全体で共有する部分と、知り合いだけで共有できるシステムの両方が存在する。
mixiのコミュニティーのように「限定的な共有」もある。(読書クラブなんかがそれに当たる)
出入口両方を自分で設定しないといけないTwitterよりも、mixiのように「全体の共有」ができないサイトよりもはてなは優秀だ。何しろ、共有の段階を自分で選べるし、自分が「全体の共有」にアクセスすることもできるのだから。
そして、はてなはヘビーユーザーのためにご褒美を用意してる。1つは使い込んだ人向けにはてなスターやはてな市民の称号を用意したり、使い込みたい人のために「有料会員制度」を作ってること。
mixiにもプレミアムはあるのだが、そのメリットをイマイチ示せていない。(無料でも十分な感じがするだけではなく、mixiプレミアムがなんなのかを検索のトップも、Wikiも、mixiのサイト内でも詳しい説明が見られない。)
ニコ動みたく「プレミアムにならないと、鬱陶しい機能(時報やエコノミーモード)をつけるぞ」という高圧的なものではなく、「有料になれば便利になる」というスタンスが僕ははてなのすごいところだ。
…mixiは使い込んだからといって、何かがあるというものじゃない。各種ブログのようにアフィリエイト収入が得られる期待もないし、ニコ動みたいに人気者になれるわけでもない。2chだって「○○の人」とスレが知られるとまとめブログ経由で有名になれるが、mixiはそれすらない。おまけに評価基準としては「はてブ」とも隔絶されてる。足跡機能を切ってしまったため、アクセス数によって、自分の評判を噛み締めることもできない。
mixiはいくら使っても友達同士でしか話さないので、ネットを通したと言うよりは「いや、てめーらが会えばいいだけのことだろう」という結論に還元されてしまう。…そこが問題なんだ。
mixiは「ヘビーユーザー」を育てるどころか、自分達の御家芸であった「オフ会」まで規制の方向にむかって「健全さ」を売りにし始めているから、物足りない。
僕がひろゆきを評価している理由は、2chがいくら犯罪の温床だと言われても「それは犯罪者がいるだけで、僕だって風評被害を受けてるんだ」と言い張ったことにある。犯人を見つけて、事務的に始末をつけたいだけの裁判をお断りしたのも素晴らしい。
mixiは自分達の御家芸を考えれば、「リテラシーを付けろ」と言う度胸が欲しかったが…それができない人である以上はその前提に立ってどうするかを考えるしかあるまい。
- mixi上のライターやカメラマンなどを作ってしまえばいいのでは?
mixiのモノマネ体質に便乗して言わせてもらうと、mixiははてなやライブドアの精神をパクるべきだと思う。
はてなの「やりこみ要素」とライブドアの「良い技術には金を惜しまない精神」が混じれば、最強のサイトができる。
本題に入る前にライブドアの強みを説明しようか。
ひろゆきは堀江貴文もといライブドアについて「技術を持っていって最もお金にしてくれるのは堀江さんだった」という話をいつぞやの対談でしたことがあるのだが、これはあながち嘘じゃない。
ライブドアは実際「稼げるサイト」として「アフィリエイト機能の強化」や「ブログ奨学生」などで良質なブログが揃っている。はてなと住み分けがされているのは俗に言う「2chまとめブログ」の有名どころが集まってるところや、ブログ奨学生になるブログも変化球的な王道でないニッチなジャンルを採用することが多い所。(はてなの場合は情報技術・アニメ・社会派(及びそこから派生する思想)などに強いブログが多いが、ライブドアが強化してるものとは違う。)
・・・ではmixiをどう変えるか話していこうか。
mixi上のネットスターを育ててしまうためにできることはイイネ機能を使って、それを投票させてしまう。
mixiランキングという形にして、日記・フォト・話題のコミュなどのトップ50を毎時更新で載せること。基準はイイネが×1で、コメントが×5、チェックが×10で点数換算し、累積する。mixiの欠点は「全体の共有ができないこと」と「自分達のカラー(トレンド)がないこと」にある。それをmixi上で作ってしまったらいい。
あとはユーザーのランク分けだけど…これは案が2つある。
1、「mixiプレミアム」もしくはそれに準じる特典機能の贈呈。
2、「公式オフ会」なるものをやる。近いものでいえば「ニコニコ大会議」だね。
2つ目が重要で、本当に使い込んだユーザーの声の方が役に立つ。(使いこなせていない人の「不便」はガイドラインを設ければ解決できるからね) ニコニコ大会議との共通点は不特定多数が集まるところ。全然違うのはmixiの御用聞きとしてパーティーを用意するという試み。「mixi初のクリエイティブなコミュニティーを作ろう」という試み。(これはブログとフォトとチェックとコミュのそれぞれの部門で作ったらいい。)
それを全部やっても、まだ足りないときはライブドアの「ブログ奨学生」のmixi版を作ったらいい。
さっきまでやった改良をやった後に「話題のユーザー」と言うのを作って、ブログを全体公開してて、良いネタを配信するmixiユーザーを公開する。日記や情報共有については既に日記の制限で出来ているのだから、それもできる。その中に「運営公認の「神(creative)ユーザー」」も載せたら良い。(あわよくば「mixiオリジナルの情報源」として彼らが投稿する枠を設ける。僕はこれを「mixiコラム」と仮称しておく。)
色々出たから順番にまとめようか。
mixi改革案。
- 人気がある日記・フォト・コミュの共有を進めるべく「mixiランキング」を作る。
- ランキングによく載る人、最近マイミク申請が多い話題のユーザーに特権を与える、「公表」して人気者にする
- より、改良すべく「御用聞き」の場、mixi経由で出来たコミュニティーを盛り上げる「公式オフ会」を作る
- 外部からcreativeな人をとってくるために「ライブドアブログ奨学生」のシステムに学んで「mixiコラム」の枠を作る。(記事のパフォーマンス毎にマージンがもらえる、お抱えの「コラムニスト」やを作ってしまう。)
- 「mixiコラム」の派生として「フォト」や「アプリ」でも独自のコンテストをやる!そして、優秀者に枠をあげる。
…「雇ってやるから、明日からmixiでやりなさい」と言われたら、資料作り始めるよ?どれも技術としては既存のモノばかりだから、私が企画書持っていって、担当者が納得するまで説明すればスグできる。上役と殴り合いしてでも断行してやろうと思ってるが…あ、お呼び出ない(笑)そりゃ、残念だ。
結論としてはソーシャルメディアは「インフラ」的な側面も持ってるけど、電気や水道などのハードのものとは違う。自分達のサイトに来て「楽しい」と思わせるようなユーザーをいかに増やすかだ。コミケに似てるといったが、まさに「イベント屋さん」に近い。
ソーシャルを辞書で引くと「社交」「パーティー」という意味がある。パーティーでたくさんの人がひしめき合ってる時にあなたはどんな人に声をかけたいですか?話が面白い人、見ていて惚れ惚れするイケメン、何かと話題のあの人。
ソーシャルメディアとは「パーティーの主催者(手段)」なんです。パーティーを盛り上げてくれる人が居やすい環境を作ってあげるのが「手段」の役割なんです。mixiはそこを思い上がったからコケた。しかし、mixi上に「社交」したくなる参加者が現れたらまた回復します。
私は散々「mixiは不便だ、度胸がない」と言ってきたが、ユーザーとして思えばこその「愛憎」です。私を含めた世間の罵声にめげずに頑張って欲しくて、言わせていただきました。