(テーマ音楽)芥川賞作家…自らの心の動きを作品の中で克明に描きました。
安岡さんは遠藤周作吉行淳之介らと共に第三の新人と呼ばれ戦後の文壇に新しい風を吹き込みました。
安岡章太郎さんは大正9年高知市で生まれました。
父親は職業軍人。
安岡さんは転校を繰り返しすっかり学校嫌いになりました。
旧制高校の受験には3度失敗。
ようやく慶應義塾大学文学部予科に入ります。
しかし在学中太平洋戦争が始まり昭和19年召集され旧満州現在の中国東北部に送られました。
ところが現地で胸を患い入院。
その後日本に送り返され終戦を迎えたのです。
戦後安岡さんは焼け跡で食料の調達に奔走します。
そんな時背中に激痛が走りました。
脊椎カリエスでした。
寝たきりになった安岡さんは自殺を考えるようになり知り合いの獣医にある頼み事をします。
死ぬ事ができないと悟った安岡さんは生きる意味について自問自答を繰り返しました。
安岡さんは書きためたものを小説の形にして発表していきました。
そして昭和28年短編小説「悪い仲間」と「陰気な愉しみ」の2作品で芥川賞を受賞します。
「悪い仲間」は締めつけの厳しい戦時下での自らの体験をつづった作品です。
当時戦争や国家の体制をテーマにした作品が主流の中で自らの悩みや挫折を描いた安岡作品は新しい文学として注目されました。
昭和34年安岡さんは長編小説「海辺の光景」を発表します。
戦後の激動の中で心を病んだ母親を海辺の病院でみとる物語です。
この作品で野間文芸賞をはじめ数多くの賞に輝きました。
50歳を過ぎて安岡さんは新たな挑戦に乗り出します。
昭和51年歴史小説「流離譚」の連載を始めたのです。
土佐の郷士だった自らの家系をたどり明治維新の動乱を描いた作品です。
執筆のきっかけは安岡文助という先祖の日記が見つかった事でした。
「文助の文久ニ年の日記はひどく粗略である。
四月八日嘉助大石団蔵那須新吾坂本龍馬亡命。
五月廿日覚之介道之助大坂ヨリ帰ル。
十二月江戸ノ英館ヲ浪人焼ク。
以上一年分がたったこれだけで終っている。
この余白だらけの古い紙の綴り込みを見直しているうちにかえってそこに何か言ひ難い憂悶と昏惑の情が滲み出てゐるようにも思われてくる」。
安岡さんは5年の歳月をかけてこの大作を書き上げ激動の時代を駆け抜けた人々の心情を掘り起こしました。
作家安岡章太郎さん。
自らの心の中を見つめ独自の世界を築いた92年の生涯でした。
2015/06/27(土) 05:40〜05:50
NHK総合1・神戸
NHK映像ファイル あの人に会いたい「アンコール 安岡章太郎(作家)」[字]
芥川賞作家、安岡章太郎さん。自ら体験した心の動きを作品の中で克明に描いた。遠藤周作らとともに戦後の文壇に新しい風を吹き込んだ安岡さんが、作品に込めた思いを語る。
詳細情報
番組内容
芥川賞作家、安岡章太郎さん。「悪い仲間」「海辺の光景」などの作品で、自ら体験した心の動きを克明に描いた。遠藤周作、吉行淳之介らとともに「第三の新人」と呼ばれ、戦後の文壇に新しい風を吹き込んだ。50歳を過ぎても、新たな挑戦を続け、自らのルーツをたどった歴史小説「流離譚」を5年の歳月をかけて書き上げた。自分の心の中を見つめることで、独自の世界を築いた安岡さんが、作品に込めた思いを語る。
出演者
【出演】作家…安岡章太郎
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
情報/ワイドショー – 芸能・ワイドショー
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