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【政治】

自民勉強会 「暴言」「統制」野党が批判 安保特別委 首相「事実なら遺憾」

 安倍晋三首相は二十六日午前の安全保障関連法案に関する衆院特別委員会で、自民党若手議員が二十五日に開いた勉強会で、安保法案への理解が広がらない現状から報道批判が相次いだことについて「報道は承知していないが、事実であれば大変遺憾だ」と答弁した。民主党の寺田学氏は「新聞で報道され、開いた口がふさがらなかった。由々しき問題だ」と批判した。 

 首相は「自民党は自由と民主主義を大切にする政党だ。報道の自由は民主主義の根幹という中での議論だと思う」と説明。勉強会については「党の正式な会合ではなく、有志の会合だ」とも釈明した。

 二十六日午後の質疑の冒頭で、浜田靖一委員長は自民党の勉強会で報道された発言があったと委員会として確認した上で「甚だ遺憾だ」と述べた。

 加藤勝信官房副長官は特別委で、勉強会に出席して作家の百田尚樹氏の講演を聴いたと認めた。「一自民党議員として出席した」と述べた。

 二十五日の勉強会では、百田氏が沖縄の地元紙二紙(琉球新報、沖縄タイムス)を「つぶさないといけない」と発言。出席議員からは「マスコミをこらしめるには広告料収入をなくせばいい」などと言論封殺ととられかねない発言が続いた。

 民主党の長妻昭代表代行によると、二十六日午前の特別委理事会では民主、維新、共産三党が「暴言だ」と厳重抗議。自民党の江渡聡徳(えとあきのり)理事は、勉強会での自民党議員の発言を陳謝し、担当議員に厳重注意するとした。

 維新の党の今井雅人政調会長は記者会見で「大変由々しき問題だ。(自民党は)言論統制する独裁政党と言わざるを得ない」と述べた。

 勉強会を主催した自民党の木原稔衆院議員は、参加議員の発言は「明確に覚えていない」と記者団に述べた。

 自民党幹部や各閣僚は記者会見で釈明に追われた。

 自民党の谷垣禎一幹事長は「冷静にやってほしい」と指摘する一方、「メディアに批判・反論することは当然あっていい」と指摘。菅義偉(すがよしひで)官房長官は「わが国は放送番組の編集の自由が保障されている」として、報道への圧力にはならないと強調。「いろんな議論をすることは自由」とも述べた。

 石破茂地方創生担当相は「言論の弾圧と受け取られかねないことには、心していかなければならない」と懸念。岸田文雄外相は「報道の自由は大切だ」、宮沢洋一経済産業相は「報道の自由を脅かすことは適当でない」と指摘した。

 

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