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木9枠も終了…専門家が分析する「ドラマのTBS」衰退理由

日刊ゲンダイ 6月26日(金)9時26分配信

「ドラマのTBS」が崩壊寸前――。今春の改編で長寿人気番組「水戸黄門」を生み出した月曜20時台のドラマ枠が消滅したのに続き、10月期からは木曜21時のドラマ枠までもがバラエティー番組に“宗旨変え”するという。この秋からプライム帯(19〜23時)に放送するTBSの連ドラは、のべ2減の3作品。日本テレビ、フジテレビより“品数”が少なくなる。

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 消滅の決め手は、直近3作品の低視聴率にほかならない。今クールの大島優子(26)主演「ヤメゴク〜ヤクザやめて頂きます」、その前の田中麗奈(35)主演「美しき罠〜残花繚乱〜」ともに平均視聴率が6%台と、及第点とされる2ケタには遠く及ばず。平均視聴率が3.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と民放連続ドラマで今世紀最低記録を更新してしまった川口春奈(20)主演の「夫のカノジョ」(13年10月期)以降、お客が戻ってきていないのである。

 “木9”は71年10月以降、良質な作品を量産してきた。上智大教授(メディア論)の碓井広義氏が「ドラマのTBSを支えた伝統的な枠のひとつ」と話すように、代表格は「3年B組金八先生」「渡る世間は鬼ばかり」「HOTEL」など。いずれも長年にわたってお茶の間の笑いと涙を誘い、学園もの、家族ものの金字塔を打ち立ててきた枠にもかかわらず、放棄するとは一体、TBSはどうしたのか。

「直近3作品を見る限り、企画そのものの失敗といわざるを得ない。いずれも共感できる登場人物がひとりもおらず、はやりの事象や話題を取り上げただけ、目先の受け狙いに終始した印象で、ターゲットとする視聴者像が見えてきませんでした。基本的にヒットするドラマは物語自体が文句なしに面白く、世代や性別を問わず支持されます。同枠の制作陣は果たして、自分たちが本当に作りたい、面白いと思う作品を手がけていたのか。たしかにドラマ冬の時代と久しくいわれ、厳しい状況ではありますが、視聴率低迷=ドラマ全体が衰退していると捉えるのは早計。視聴者の目が肥え、駄作が淘汰されるようになったのです。今後、制作のチャンスが減ることでTBSのドラマ制作の力が痩せ細らないことを願うばかりです」(前出の碓井広義氏)

 深夜帯にドラマ枠を新設するというが、夜更けとプライムは別物だ。一度おろした「ドラマのTBS」という看板はなかなか元に戻らない。

最終更新:6月26日(金)13時17分

日刊ゲンダイ