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賃金未払い・セクハラ…中国人技能実習生が提訴へ 農家側は反論 茨城
鹿行地域で技能実習生として農業に従事していた中国人女性(29)と、受け入れ団体の元職員の中国人男性(42)が、実習先の農家や受け入れ団体に対して、未払いの賃金や慰謝料など計約1300万円の損害賠償を求める訴訟を、26日にも水戸地裁に起こすことが分かった。女性と代理人の弁護士らが同日、都内で記者会見を開き経緯を説明する。
女性の代理人の弁護士によると、女性は平成25年9月に来日し、昨年11月ごろまで鹿行地域の農家で技能実習生として大葉の収穫作業をしていた。夜には、収穫した大葉を10枚1束に輪ゴムでまとめる作業をしていたが、この作業に時給換算で300円程度しか支払われていなかったという。
女性は実習先の農家に寝泊まりをしていたが、農家の家族の男性が女性に下半身を露出したり、入浴中に浴室に押し入ろうとするなどのセクハラ行為も受けていたとしている。
女性から相談を受けて、警察に連絡した受け入れ団体の中国人男性も、受け入れ団体を不当に解雇されたとして賠償を求めている。
農家と受け入れ団体側の代理人の弁護士は、産経新聞の取材に対し「大葉をまとめる作業は、1束3円で外注していたものを、女性を含む5人の実習生側が『1束2円で良いのでやりたい』と言ったので任せていた。セクハラについては事実無根で、他の実習生から『セクハラ行為はなかった』との証言を得ている」と反論している。