[米中戦略対話] 南シナ海の緊張ほどけ
( 6/27 付 )

 米ワシントンで開かれた「米中戦略・経済対話」で、オバマ大統領が、南シナ海やサイバー空間での中国の行動に対する懸念を自ら伝え、「緊張緩和の具体的な措置」を求めた。

 大統領が中国代表団へ直接、懸念を表明したのは異例だ。

 中国の楊潔チ国務委員は閉幕式などで、従来の主張を繰り返すにとどまった。聞く耳を持たない残念な態度と言わざるを得ない。

 習近平指導部は、米国に「新しい大国関係」を求めてきた。大国の権利を主張するなら、それにふさわしい義務を果たさなければなるまい。緊張を解く責任ある行動を取るべきだ。

 中国は南シナ海の大半の管轄権を一方的に主張してきた。南沙(英語名スプラトリー)諸島の複数の岩礁を埋め立て、ビルや滑走路を造り、フィリピンなど周辺国や米国と摩擦を深めた。

 米中対話で中国は「南シナ海の航行の自由は保障されており、問題はない」と反論した。

 しかし、人民解放軍幹部は滑走路などに軍事上の目的があることを認めている。

 最近になって中国外務省は、埋め立てを「近く完成させる」と発表し、中断をほのめかした。

 米国などとの緊張の高まりに一定の配慮を示した形だが、習国家主席の9月訪米をにらんだ駆け引きともとれる。

 着々と広がる中国の「領土」を前に、実効支配の既成事実化を許してはならない。

 サイバー攻撃問題でも中国政府の関与を疑う米国に、中国側は自らも被害者だと主張して議論はかみ合わなかった。中国は疑念を晴らす説明が必要だ。

 他方、経済分野などで両国は協調姿勢を見せた。

 中国が主導する新たな国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)について、米側は適正な運営を求めた。

 米中は国内総生産(GDP)や貿易総額で世界1、2位を占める経済大国である。中国の輸出相手国のトップは米国、逆に米国の輸入相手国は中国が1位だ。

 相互依存は年々強まっている。対話では投資協定の交渉促進で一致し、人民元市場への為替介入を減らして相場の柔軟性を高めていることも認め合った。

 米政府によると、対話による成果は人的交流や野生生物の密猟対策、海洋保護など幅広い分野の127項目にも及ぶという。

 米中関係の改善は東アジアや世界の緊張緩和につながる。中国はそこを自覚して、「大国」の責任を果たしてもらいたい。


 
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