兵庫県淡路島
ここに今話題の陶芸のギャラリーがあります
器は使う人の心を思い使いやすさを考えて作られています
その器は若き陶芸家が島の暮らしを楽しみ地元の食材を愛し島でとれる原料を使うことでできあがります
そんな彼が淡路島の料理店の依頼を受けて地元にこだわった新たな器づくりに挑みます
今回は淡路島で奮闘する若き陶芸家の夢のカタチ
淡路島の南部海に面する町・洲本市五色町
ここに今や県外からもたくさんの人が訪れる樂久登窯があります
ここはカフェとギャラリーが併設されています
築100年の家を改装して造られたcafeでは淡路島の食材を使ったスイーツと共に器の数々も楽しめます
カフェの隣にあるギャラリー
現代的な白いスペースと昔ながらの日本家屋をそのまま使った空間でお客さんが自分の生活に合った器を選ぶことができます
家族連れからシニアまで皆が手に取りお気に入りの1点を探します
その器を生み出す場所は中庭を挟んで建つ工房
楽久登窯を立ち上げた陶芸家・西村昌晃さんです
神戸から淡路島に移住して10年
西村さんの作品には1つ1つ思いが込められています
漬物壷なんです農家さんとか出荷できない野菜がたくさんあってそういうものってわりと見た目は悪いけど1つ食べ方変えてしまえば毎日食卓に並ぶっていう…
農家の人の言葉から生み出された漬物壷
器をうまく使うことで生活が楽しくなるということを伝えたいといいます
こちらの塩壷は使いやすさと機能性を意識しています
ふたが作られてないんです昔はこうやってちょうど手が入るサイズで手づかみで味付けをしてたっていうこれに水入れたらちょっとじわっと漏れるぐらい通気性をよく焼いてるので今家で使ってる分は湿気ないですね塩自体が自分の指でつまんであんばいを決めるというかなんかそういうのってすごいいいなと
これはリゾットを作るための器
耐熱性でアウトドアでも楽しめるようにと作りました
この土鍋は地元の農家が作るお米をおいしく炊いて食べてほしいと遠赤外線が一番よく出るという2cmの厚みで作られています
料理が盛りつけられた時の美しさも追求しています
この刺身に使う平皿もその1つ
やっぱり器ってもう
食材を作る人・生産者にも思いを巡らせて作る器
西村さんの器作りの特徴は土から自分で作るところにあります
まずは土を細かく砕きしっかりと乾燥させます
そして水と混ぜて小石や木片などを取り除き水分を抜いて粘土にします
(西村)これ水簸っていう作業
残った水分をしっかり蒸発させて寝かせ粘りけを出せば土が完成
できあがった土を力強く練ることで土の中の空気を追い出します
西村さんのもとには多くの料理人から依頼が入ります
料理人が考える使いやすさを優先させるのが西村さんのこだわり
器の表面を彩る釉薬も1から手作り
この灰も淡路島で手に入れたものです
(スタッフ)何から何まで淡路島でできてるって感じですよねそうですね100%でできるのがいいなとは思ってるんですけど
釉薬は焼き物にかけて高温で焼くと表面に様々な色や模様を描き出します
その色合いも淡路島の材料でしか出ないものなんだそうです
釉薬を塗り乾燥させた器を窯に詰めていきます
1回の窯焼きでおよそ200から300もの作品を焼き上げます
OKです
これは10年間書きためた窯の温度のデータ
焼いている間中の様子を見ることができないのでデータをもとに温度を調整します
たぶん全部自分で土掘ってるんで不安なんですよねちゃんと持ちこたえてくれるのかっていう
急激に温度を上げてしまうと器が割れてしまいます
窯の中の雰囲気をつかんで温度を調整し思った色合いに近づけていきます
仮眠を取りながら1時間置きに温度を確認
この作業が23時間続きます
いい感じやと思います
焼き上がればさらに23時間かけて冷ましていきます
合計で46時間
こうして器が焼き上がるのです
頼まれていた皿は思いどおりの形となって出てきました
西村さんはこの皿に料理が盛りつけられることで自分の作品が完成すると思っているのです
ほっとしたら急にしゃべりだすみたいなハハハ…
西村さんは神戸市生まれ
絵を描くのが大好きな少年でした
二十歳で陶芸の道へ進み26歳で若くして独立
淡路島に移住し窯を開いたのには理由がありました
この場所なんですけどこの場所に住んでた祖母がちょっと病気になってあと1年・2年っていうことをお医者さんから聞いてたのでなんとか生きてる間にここで独立した姿を見せてあげたいなっていうのがあったので早まった感じです独立するのが
子どもの頃遊んだおばあちゃんの家
その場所で陶芸家として頑張っている姿をおばあちゃんに見せたい
若くして独立したのはそんな思いがあったからです
その姿はおばあちゃんが亡くなる前に見せることができました
すごい喜んでくれてましたねすごい喜んでましたもう…そのまま空き家になると思ってたみたいなんでうちのおばあちゃんは…空き家になると思ってた家がまたよみがえってで人が集まってくれる場所になってきたのをほんと喜んでくれてましたねそれは
おばあちゃんの家で窯を開いて10年カフェをオープンさせて5年
西村さんはこれを記念してある作品を作りたいと考えていました
この家の屋根裏部屋でずっと保管してた火鉢なんですけど灰ですここにあったものを使いたいなと思ったんで
おばあちゃんが使っていた火鉢の灰で釉薬を作り作品にする
日頃は自分自身の思いを込めた器をあまり作らない西村さんがあえて挑む作品です
これまで火鉢の灰を使っての釉薬作りはしたことがありません
量も限られる中丁寧な作業が続きます
おばあさんの使ってた火鉢の灰でこれをやってるのは僕の思いっていう言い方もできるのかもしれないですけど僕っぽいなとは思う
西村さんの思いを込めた器
どんな作品に仕上がるのでしょうか?
この日器が焼き上がりました
上がりましたすごい自然な感じでうん…いい感じになったと思います
おばあちゃんとの思い出がそのまま表現されたようなどこか懐かしい器
この皿であることを考えていました
おばあちゃんも作っていた地元で採れたよもぎを使った餅をお客さんにふるまうことでした
取り皿取ってくるいや〜むっちゃおいしそう2階に置いてあった火鉢の中にたまってた灰でかけてるんです
おいしそうに食べてくれる姿に西村さんもうれしそうです
記念に…うわぁすごい作ったよもぎ餅とこれも今回のために焼いたお皿なんですおばあさんも喜んどるんちゃうかな
おばあちゃんへの思いが形になりました
西村さんを支えているのは家族
カフェでお菓子を作るのは西村さんの姉・美帆子さん
地元の食材を使って作るスイーツを西村さんの器で提供しています
もう1人がカフェを手伝うお母さん
実はお母さんは陶芸家になることを反対していました
「僕は土触るのが向いてる」って自分で言いだしてそれから陶芸の道に進むとか言いだしたんですけどそれで食べていけるとは思わなかったので最初はもうけんかですそれでも自分で行くって決めた道だったので1回もしんどいとかやめるとか言ったことがなかったので徐々に気持ちが変わっていきましたね今年からここを…
西村さんは米作りも始めました
自分が作った器に盛られる食材のことをもっと知りたいと思ったのです
さらには養蜂まで
こんな生活をするのは淡路島に移住して知り合った生産者の自然を大切にする生き方に感銘を受けたからです
実は西村さん3年前から始めていたことがあります
3年前からちょっと作り始めてた本なんです
西村さん自身が淡路島で暮らす生産者や料理人を取材してまとめた本
西村さんの器と関わりのある食材や淡路島の暮らし・生産者への思いが書かれています
3年を費やしてついに完成した本
西村さんは報告を兼ねてみずから企画したイベントに招待しようと協力してくれた生産者のもとを訪ねました
(西村)こんにちは本作るのに協力頂いた方で今度食事というかパーティーみたいなことするんですけど…お願いします
米作りをする齋藤さん
西村さんをどのように思っているのでしょうか?
そらもう米だけじゃあかんしのうあぁ〜すんませんあぁお久しぶりすんませ〜ん
続いて招待したのは牛を飼育している岡本さん
牛と共に生きる姿を学ばせてもらいました
今ではすっかり地域に根ざした西村さん
漁船に乗せてもらった漁師の方も招待しました
出版記念のパーティー当日
料理は西村さんの器を愛用し出版にも協力してくれた地元の料理人の方々が腕を振るいます
パーティーが始まりました
器を作るにあたってだんだん自分が何のために器を作ってたかってことを教わるということになっていきました集まって頂いてありがとうございます
(一同拍手)ありがとうございますお世話になりました
感謝の気持ちを込め協力してくれた皆さんに本を手渡します
完成した本を見るのは皆さん初めて
自分たちの暮らしぶりが本になって生産者の方々もうれしそうです
いや〜ほっとしましたほっとしました僕からするとおめでとうというよりかはなんか許してもらった感じ「いいよ」っていう「別にいいよ」って言ってもらえた感じが
移住して10年
本当の意味で地元の人たちと1つになれたと感じたようです
ここは淡路島の南にある福良港
港近くの食堂に西村さんの姿がありました
お邪魔します・どうぞ・
店主の平松さんは福良の町を愛する料理人
地元で取れた豊富な魚介を西村さんの器を使い提供しています
実は西村さんにあるオーダーをしていました
刺身の盛り合わせとかやってる時に今日全部福良産やなって思った時にこれもし
平松さんの思いを形にするために早速焼き物の原料になる福良の土を探します
ちょっと掘る場所決めて…
どんな土でも器にできるわけではありません
器にできそうな土を探します
これいきます?
(平松)いきましょか
ここで西村さんからある提案が
漁師さんの使う道具を器のデザインに生かせないか?
西村さんのアイデアに平松さんは地元の漁師さんを紹介してくれました
僕お皿作ってるんです陶芸やってるんですけどその模様に使いたいんですこの網をありがとうございます臭いよこれ
漁師さん網の一部を提供してくれるようです
土にこの模様をつけたいんですあぁ〜土にのうあっありがとうございますすんませんありがとうございますもう全部福良産福良産で
工房に持ち帰って制作を開始します
練り上げた福良の土
一体どんなものを作ろうとしているのでしょう?
こういうことだったんですね
フフフフ…
さらに釉薬に使う材料にも海にまつわるアイデアがありました
ここは淡路島の海水から塩を作っている工場
これが
海水をたく時に出る灰を釉薬に使うのです
材料はすべてそろいました
釉薬づくりに取りかかります
成形して乾かした器を釉薬にくぐらせます
さらに乾かし状態を確認します
今んとこたぶん大丈夫かと思ってますいけると思います
いよいよ窯に入れて焼きます
ここから46時間の闘いが始まります
どんな器ができあがるか開けてみないと分かりません
西村さんも緊張を隠せません
さてどんな器になるんでしょうか?
淡路島の陶芸家・西村昌晃さんが挑んだ漁師町・福良の土で焼いた器
ついに焼き上がりました
おっ…いい感じに…これいい感じに…これいいっすね編み目もしっかり残ってるうえにやっぱこの溝がきっちり埋まったんでいいと思いますこれやったらよかったですばっちりです
福良の土で焼き漁で使う網の模様が美しい豊富な魚介を盛るために作った器の完成です
粗い部分を削り磨きをかけて依頼主である平松さんに届けます
焼けましたあっありがとうございますあぁ〜!
(平松)浮きで型を?そうなんですすごいなありがとうございますいえいえいえ
平松さんの夢だった地元で取れた魚で食材も器もすべて福良づくしという料理を作りました
まるで魚が今網で取れたように見えます
ハハハハ…今の福良のおいしい魚をありがとうございます
また1つ器の可能性を広げた西村さん
夢のツヅキは?
ただ土を掘って身近にある素材をかけて焼くっていうすごい当たり前のことを当たり前にしていきたいなって思いますやっぱこの土地に暮らすっていうことを本心で楽しみきれたらそういうもの作れるんじゃないかなっていう気がしてますより自然体に近づけたらいいなと思います
淡路島の材料にこだわった樂久登窯
使いやすさを追求した美しい器を見て触って楽しんでください
2015/06/20(土) 11:00〜11:30
ABCテレビ1
LIFE〜夢のカタチ〜[字]/佐々木蔵之介 「淡路島への愛!人気陶芸家に密着」
人生はいろんな夢でできている…夢追う人の輝く瞬間を佐々木蔵之介の語りで描きます。
今回は「淡路島への愛!人気陶芸家に密着」です。
詳細情報
◇番組内容
淡路島五色町にある「gallery+cafe樂久登窯」。陶芸の工房とカフェが一体となったお店です。庵主は陶工の西村昌晃さん。神戸から移住してきた西村さんは、使う人の気持に100%寄り添った作品を作っています。淡路島への愛が満ちあふれた西村さんの姿を追います。
◇ナレーション
佐々木蔵之介
◇おしらせ
この番組は、朝日放送の『青少年に見てもらいたい番組』に指定されています。
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
趣味/教育 – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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