日本のチカラ 2015.06.21


世界遺産石見銀山の町です。
日本最大の銀山と言われかつてはこの町から世界中へ銀を輸出していました。
そんな歴史ある大森町には今世界中の人々に幸せを運ぶ義肢装具メーカーがあるんです。
世界が認めるその技術力でこの春新たな挑戦へ踏み出しました。
(山本監督)おお完璧や。
わあすごーい!『日本のチカラ』今週は世界遺産の町から幸せを運ぶ義肢装具士たちに迫ります。
島根県中部大田市大森町。
およそ400人が暮らす小さな町です。
古い町並みが今に残るこの町にあるのが世界遺産石見銀山です。
江戸時代前期日本最大の銀の産出量を誇りました。
ここで使われていた精錬技術が全国へ伝わり銀の産出に大きな貢献を果たしたと言われています。
国内だけでなくアジアやヨーロッパなど世界各地へ輸出されました。
山あいの小さな町が世界との経済的文化的な交流の懸け橋となっていたのです。
そんな石見銀山のおひざ元にあるのが義肢装具メーカー社員数75人。
高い技術を誇る義肢装具士たちを束ねるのがエクササイズ用練習用の…。
義手義足といった義肢から装具と呼ばれるコルセットや保護帽など治療やリハビリに用いる様々な医療用具を独自で研究開発している日本有数の企業です。
開発した義肢装具はおよそ200種類。
全国の医療機関や義肢装具会社へ製品を提供しています。
高い技術力を頼って日本各地からお客さんが訪れます。
(中村社長)お疲れだと思います。
この間からまた…。
この日やって来たのは愛知県から義足のメンテナンスに来た男性です。
真っ白に。
そうですか。
へえ〜。
靴履いて角度取りますよね?うん。
よいしょ。
はい。
使い続けて数年。
中村ブレイスの義足は弾力性に優れているといいます。
いいと思うけどね。
立った時もいいですしね。
うん当たる感じはね。
はい。
ありがとうございます。
(男性)ええみたいです。
(男性)歩いて結局うまく合ってると頭から離れちゃうよね足が痛くないからね。
それで少しでも痛いとどうしてもそこばっかり…なんていうの?痛みっていうのかねそういうのを考えるけどそれが全然ないね。
なんか冥利に尽きますこちらが。
製作してるほうから。
中村さんは高校卒業後京都の義肢装具会社に就職。
その後先端技術を学ぶためアメリカで働き1974年に帰国。
地元大森町で会社を立ち上げたのです。
(中村社長)おはようございます。
中村ブレイスを日本有数の企業にまで成長させたのが…。
高価な素材だったシリコーンを使い1981年世界で初めて靴のインソールを開発しました。
こちらはO脚を矯正するためのインソール。
肌に優しく弾力性に優れた製品です。
この医療用インソールは世界9カ国で特許を取得。
これまでに150万個を売り上げ会社の礎を築く製品となりました。
この家で生まれた。
67年前にこの家で生まれていまだに住んでる。
何将来目指したらいいと思うかって父親に聞いた事があるんですけどそうした時に父親が言った事は「そうだなぁ…ふむ…」という事で「お前は実業家に向いているんじゃないかな」と言ってくれたんですね。
実業家。
銀の産出量が減り大森の町は一気に過疎が進んでいきました。
この大森をなんとか盛り上げたい。
中村さんの地元に対する思いは会社を起こすだけではありませんでした。
それが地域貢献です。
私財をなげうって町並みの修復保全を行っているのです。
これまで47軒の家屋を改修しました。
まあちょっとこれは皆さん理解が出来ないかもしれませんけど全てが私はこの銀山に染まっているんじゃないかなと。
楽しいんですよですけど。
50年60年かかって自分の町への思いを仕事を通してなんか出来るっていう…。
まあ幸せですよね。
人だけでなく地域も支える企業となったのです。
中村ブレイスでは独創的な製品を開発しています。
メディカルアートです。
本物そっくりに作られた人工の乳房です。
顧客の気持ちに寄り添った義肢装具として注目を集めています。
皮膚の色むらやしわなどシリコーンを使い精巧な質感を再現した製品です。
中村さんがメディカルアートのきっかけとなる作品を見せてくれました。
ちょっと1つだけ忘れられない自分の作品なんですけど。
(スタッフ)それはどういう…どんなものなんでしょう?見て頂ければわかりますけど手をなくされた方の義手として使うんですけど。
こういうものがあれば多少ですねこうして持つ事も出来るという事でですね…。
(スタッフ)ああ…。
(中村社長)つまめるという事でこれがひとつの今メディカルアートの義肢…指を作ったりする時の原点。
私なりの原点。
製品を使っている男性が相談に来ました。
空気の層がないとどうしてもこう吸着しないんで抜けやすくなるっていうのがあって。
他の指はどうですか?仕事で指を3本失ったこの男性は6年前に製作を依頼。
生活に欠かせないものになっているといいます。
いや普通これがなかったら大体このテーブルの下に置きますもん。
(スタッフ)ああ…それがもう普通に…。
普通にもうごく自然にこうして人と話が出来ますからこれは確かにいいと思いますよ。
これのおかげだと思いますよ。
メディカルアートの製作に携わる社員は皆会社に入ってから技術を学びます。
さらに驚きなのが…。
まあ細くしたりですね丸くして削っていったりとか先に歯をつけていったりして自分で使いやすい工具を自分たちでオリジナルで作って作業してます。
道具も自分たちで考えて手作りしているんです。
こちらはヘラとして使用出来なくなった工具の先端に絹針をつけたもの。
これで細かな指紋を1本1本再現していきます。
これは中村さんの信念考えるという意味の「Think」に基づいたものなんです。
(中村社長)これをしましょうこれをしましょうこれをしましょうでもいいんですけどそうじゃなくてあなた方自体であなたが考えてみなさい。
そして乗り越えてほしいと。
4月中村ブレイスにある依頼が舞い込んできました。
担当を任されたのは入社20年目のおはようございます。
おはようございますどうも。
おはようございます。
大変お世話になります。
ありがとうございます。
おはようございます。
中村です。
いろいろとお世話になります。
中村さんたちが訪ねたのは近畿大学。
お世話になりますね。
どうもありがとうございます。
どうもありがとうございます。
ありがとうございました。
依頼をくれた大学の水上競技部に詳しい話を聞きに来たのです。
近畿大学は数多くのオリンピックメダリストを輩出している全国屈指の強豪校です。
4月に入学したばかりの生まれつき右ひじから先がありません。
来年ブラジルで行われるパラリンピックでメダルを目指す期待の星です。
おはようございます。
めっちゃ汗かいて…。
監督の山本さんが一ノ瀬さんの筋力を上げようとトレーニング用の義手製作をお願いしたのです。
(一ノ瀬さん)好きな時に食べられてしまうかもしれない…。
あっそう。
一ノ瀬さんは今まで右上半身の筋力トレーニングがあまり出来ませんでした。
今回依頼した義手でパワーをつけスピードアップを図るのが狙いです。
どうもおはようございます。
(山本監督)すんません。
いろいろとお世話になります。
いえいえよろしくお願いします。
履いてください履いてください。
トレーニング用の義手製作は初めて。
新たな挑戦です。
おお…。
今さ
(那須さん)こんにちは。
メイちゃんです。
はじめまして一ノ瀬メイです。
ようこそ。
いや「ようこそ」じゃない。
こっちが来たんだ。
(山本監督)こっちが「ようこそ」です。
すみません。
(中村社長)本当にありがとうございました。
この度は本当に出会いを頂いてうれしく思います。
本当にね頑張っておられ…。
はい。
非常に頑張っておられる。
でうちの製作のほうの那須と申します。
(那須さん)よろしくお願いします。
(一ノ瀬さん)お願いします。
まずは一ノ瀬さんの思いを聞きます。
(一ノ瀬さん)えっと…とりあえず左右対称の動きが全然出来ないのでどの動きにおいても。
なのでそれがもっとそういうトレーニングを増やせたらなぁと思って。
持ち手のところはこういうパドルになってるんですけど。
で結局ここをこう押さえてしっかりと両方で引けるようにしてあげたいなっていうのがまず最初。
まずこれが出来ればそれだけでも全然違うと思うので。
まあこういうのをはめて…。
ガリガリってやるんですよね。
そうですねカチカチっとはめるそのカチカチの部分をトレーニング用の特別仕様にしてやれば長さも補えてトレーニングも出来るんじゃないかなと。
(中村社長)ここをね作れば…。
でこうやれば…。
なんかもう鉄パイプみたいなのでも全然いい。
なんか結構海外の選手ってもうむき出しなんですよ。
骨組みだけでなんか自分の…。
(山本監督)そういうのもまたかっこええねや。
そう国旗の柄とかも入れてるみたいな感じで。
ちなみに好きな色とかあれば…。
青です。
青?じゃあ青系で。
やったー!ハハハ…!監督と一ノ瀬さんの思いを受け早速製作を始めます。
まずは義手を製作するため石膏を染み込ませたガーゼを巻き型取りを行います。
那須さんにとっても大きな挑戦です。
引っ張ってもらっていいですか?うーん…!果たしてどんな義手が出来るんでしょうか?頑張ってください。
ありがとうございます。
頑張ってね。
応援してるからね。
ありがとうございます。
いい方向に向くんじゃないでしょうかね。
まあいいもの作ってくれるんじゃないかなと思うんですけど。
(スタッフ)どうですか?監督からいろいろリクエストがありましたけど聞いてみて。
要望はいろいろあって大変なのはわかりますけどまあちょっとずつ進めていけたらなと思います。
製作を進める那須さんの元を訪ねました。
使うのはもちろん中村ブレイスの代名詞シリコーン。
義手をシリコーンで全て作るのは初めての試みです。
まあメイさんが青色が好きという事だったので青色にしました。
一ノ瀬さんの要望に応えるため何度も試作を行い理想の形に近づけていきます。
右ひじを覆う部分が完成。
このシリコーンでひじにかかる負担を和らげるのです。
こうして両方…。
(中村社長)何度も何度も。
前から後ろですね。
前から?前から後ろ?こういう状態。
ああこうですか?トレーニングに耐えられる義手にするにはどうすればいいか試行錯誤を繰り返します。
(社員)形状に合わせてそれぞれで加工をしてしまえば…。
引っ張られるだけじゃなくて逆に押さえつけられる?押さえつけられるとしたらもうベンチプレスになりますね。
(那須さん)手っぽいのは嫌だって言われてるのでもう本当道具みたいな感じで…はい。
メイさん仕様のこのトレーニング用にしてそこに引っかけてやって…。
(社員)それぞれを?どんなトレーニングでも行えるよう機能性を追い求めていきます。
(那須さん)左はこれでもう右はここに直結してしまったほうが…。
でも思った以上に那須君よくなってるわ。
びっくりした。
プールサイドで見てるだけでもうこれ大丈夫かな声が出るんかなと思うぐらいにヘトヘトの状態まで厳しくやってるから。
という事はやっぱり0.01秒までやっぱり彼女の中では頭描いてるわけだからそれにやっぱりふさわしい…なんか応援が出来るようなものになればいいなとは思うね。
那須さんは試作品を持って再び近畿大学を訪ねました。
(スタッフ)こんにちは。
こんにちは。
(スタッフ)いよいよ今日ですけどどうですか?那須さん。
そうですね喜んでもらえるかっていうのとうまく適合するかっていうのでまあ不安はありますけど一生懸命やります。
依頼からおよそ1カ月。
少しでも早く練習に使ってもらおうと急ピッチで仕上げました。
で入れ物も上の縫製の子が…。
うわっかっこいい!
(一ノ瀬さん)えっめっちゃかっこいい!
(那須さん)かっこいい?
(一ノ瀬さん)すごーい!これみんなうらやましがるやつですよ。
おお〜めちゃめちゃかっこいいやん。
見て「Mei」って入ってます。
かっこいい。
金属棒以外は全てシリコーンで仕上げ先端でトレーニング用具と接続する仕組みになっています。
(一ノ瀬さん)これがやっぱもっと深いほうがあれですね。
(山本監督)こっちへ持っていかれそう?うん。
(山本監督)ああ…いいねいいね。
あっでも…かなりっぽいですね。
(山本監督)こういうような感じ。
こういう…。
(一ノ瀬さん)これしたかったんです。
背中鍛えられる。
これがしたかったんです今一番。
(山本監督)そう。
もっとこっち引いて…。
そう。
そう。
(スタッフ)それをつけて目標は?目標?まずリオ出場。
で決勝です。
決勝残ります。
那須さんは今後も見据えてもう1つ義手を用意していました。
それは先端にパドルをつけ泳ぎのトレーニングをするための義手。
練習の時だけつけるのです。
こうして泳ぐ事でバランスよく筋力アップを図ります。
どう?そのかいてる感じ。
やっぱりここまで欲しいですねこれ。
ああ〜やっぱりここまで欲しい?ここで曲がります。
水の負荷で腕が曲がり泳ぎが安定しないのです。
ちょっと待っててもらっていいですか?
(一ノ瀬さん)はいわかりました。
ありがとうございます。
(山本監督)じゃあ上がって…。
長さを調整して負荷を和らげ…。
急場しのぎですがラップできつく巻き腕を固定させます。
(一ノ瀬さん)一時的にこれで留めるって事ですか?
(那須さん)そうそう。
水に濡れてもよくて…。
(一ノ瀬さん)すごい。
(山本監督)おっ!うわっ!めちゃめちゃええ。
これめちゃめちゃいいですよ。
おお〜めちゃめちゃええ!いやもう全然わからない。
すごい!めちゃめちゃええわ。
(山本監督)いやもうこれかなり完璧やな。
これ完璧に近い。
フフフ…。
すごい。
(山本監督)これもうすぐ使えます。
(一ノ瀬さん)楽ですねここ。
すいーって同じリズムで泳げるから。
(山本監督)そうやで。
とりあえずの練習でちょっとラップとかテープがいりますけど。
(一ノ瀬さん)とりあえずそれでやります。
全然いける。
(一ノ瀬さん)すごい。
めちゃめちゃいいですよ。
もうそれで…。
ああ拍手。
ハハハ…!カッカッ…ワ〜オ!ありがとうございます!ブラボー!
(山本監督)すごいな。
すごい。
もう全然違いました今こううーん!って。
(山本監督)めっちゃ速かったな。
めっちゃ速かった。
(山本監督)かきやすいやろ?うわ〜!中村ブレイスの新たな義手がアスリートの夢を支えます。
(山本監督)おお完璧や。
わあすごーい!彼も新人です。
この春中村ブレイスに新しい社員が入ってきました。
人をそして地域を支えていく若き担い手たち。
まだまだ私の夢の1000分の1しか出来ない。
まあ1000分の1というよりも10000分の1しか出来てないんです。
だからいいんです。
だから挑戦出来るんです。
はい。
夢はまだまだ途中ですが彼らの義肢装具はしっかりと人々に幸せを運んでいます。
ちょっとリオやっぱりメダルに変えたほうがいいかも。
(一同の笑い声)『日本のチカラ』次回は宮崎県。
小さな町工場から世界を目指す兄弟の物語です。
2015/06/21(日) 06:00〜06:30
ABCテレビ1
日本のチカラ[字]

世界遺産「石見銀山」の町に、幸せを届ける義肢装具メーカーがあります。パラリンピックを目指す、義手の女子水泳選手に密着、笑顔と感動の物語をお届けします。

詳細情報
◇番組内容
島根県中部の大田市大森町。約400人が暮らす小さな町です。この町にあるのが、世界遺産・石見銀山。江戸時代前期、日本最大の産出量を誇り、精錬技術が全国へ伝わり、銀の産出に大きな貢献を果たしたと言われています。そんな銀山のお膝元にあるのが、日本有数の義肢装具メーカー。義手・義足といった義肢から、コルセットや保護帽などの装具まで、社員75名で約200種類の医療用具を独自に研究開発しています。
◇番組内容2
躍進のきっかけは世界で初めて、シリコンを用いて医療用具を作ったこと。さらに、メディカルアートと呼ばれる独創的な製品も開発。本物そっくりの人工乳房や手、鼻、耳…皮膚の色むらやしわなど、シリコンを使い精巧な質感を再現した製品です。この春、新しい挑戦を始めました。来年のパラリンピックを目指す、若きアスリートの練習を支える義肢装具の開発です。彼らの義肢装具で人々を幸せにする、その様子に密着しました。
◇番組内容3
全国各地の「魅力あふれる産業」を通して、地域の歴史や文化・人々の英知や営みを学び、日本の技術力・地方創生への道・温かいコミュニティー、生きるヒントを描き出す、教育ドキュメンタリー番組。
◇ナレーション
殿垣内薫(日本海テレビアナウンサー)
◇音楽
高嶋ちさ子「ブライト・フューチャー」
◇制作
企画:民間放送教育協会
制作著作:日本海テレビ
協力:文部科学省/中小企業基盤整備機構
◇おしらせ
☆番組HP
 http://www.minkyo.or.jp/

この番組は、朝日放送の『青少年に見てもらいたい番組』に指定されています。

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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