情熱大陸【藤川靖彦/肉体と花で巨大歌舞伎絵を描く男!ローマ法王も驚く和洋折衷】 2015.06.21


初めて目にするアートだった
キャンバスは街そのものだという
イタリア語で「花を敷き詰める」という意味のファンタジックな芸術
意外と言えば失礼だがそれを手がける唯一の日本人はかれんなイメージとはかけ離れたおじさまだった
(藤川靖彦)あぁ…うわ〜
ちょっとマッチョな54歳が花と闘っていた
(鐘の音)
ローマエルサレムと並ぶキリスト教の三大聖地のここは聖体祭を迎える6月かぐわしいほどの花の絨毯で彩られる
その規模は世界最大級と言っていい
インフィオラータは「神に捧げる芸術」と呼ばれている
花びらやもみ殻で描く宗教画の起源は13世紀通りを行く司教たちを花のシャワーで祝ったのが始まりという
それが芸術へと昇華し今ではその腕を世界中の花絵師たちが競い合う
そんな大舞台に今回アジアから初めて藤川が招かれた
去年はバチカンから依頼され作品を作りローマ法王から手厚いもてなしを受けた
それがこの歌舞伎絵
隈取りですら花で表現した
この世界を知る日本人はほとんどいない
だから日の丸を自ら背負う
よし
待っていたのはスペインの風吹く夢の花舞台
花絵師の朝は早いと聞いていたがまさかそれがジムでのトレーニングだとは思わなかった
ここ10年欠かしたことがないという
「ただの趣味では?」そうツッコみたくなったが実はそうでもないらしい
もう……でやっぱり4〜5時間やってるともうね立てない立てないし腰曲がんないし…次の日なんかもう起き上がれない
そんなにハードなのか?
インフィオラータというものがよく分からない
おはようございますおはようございます
藤川は10人のスタッフと一緒にインフィオラータを中心としたイベントを手がけている
スペインでのデザインは浮世絵と決めていた
中でも歌舞伎絵は花との相性がいいらしい
花笠花道花形役者
確かに花との縁は深そうだ
そういう意味では…特に…花とか砂で…
2つの歌舞伎絵をスタッフに見せる
でも腹は既に決まっていたようだ
(制作スタッフ)だいぶ細かいですねどこまで再現するかだよねそうですね
歌舞伎絵の名手歌川豊国が描いた女形
しかし花の色には限りがある
藤川が使うカーネーションは6種類
その中でどれだけの表現ができるのか
そこが腕の見せどころでもある
こう見た時に…この笠をどういうふうに表現していくかっていうのは今回1つのポイントかなと思うので…花びらでこういうふうに作っていってグラデーションをこういう感じで忠実に表現するのもできるんだけどもそれだと何か普通っぽいなというように思うんですよねそれだったらこんな感じで…何か…
原画を基に花で出せる色合いにアレンジしていく
単純にまずこの背景が黄色いくすんだ色からまず白に変えた色み…グラデーションというか色彩の濃度を変えていったっていうかですね…
かつての浮世絵師たちのようにヨーロッパ中の人を驚かせたいと藤川は言う
本番まであと1か月
インフィオラータでは花の他にも葉っぱや砂なども使う
およそ10分の1の下絵にそれらを置いて色合いを試す
顔のおしろいは白いカーネーションを切り刻みデコレーションしていく
パソコン上では成立していたのだが…
結構顔がのっぺりしてるんでこれをどういうふうにもっと表現するかがちょっと…本番の時は…多分このままの状態ででかくなったらすごくベトっとした顔になっちゃうと思うんですよ
実際の作品は縦6m横4mの巨大サイズ
赤い花でアイラインを足せばのっぺりした印象が拭えるかもしれない
更にピンク
絵の具と違い色の調合ができない
花との格闘が続く
3人兄弟の長男
腕っぷしが強く面倒見のいい兄貴だった
バブル絶頂期に大学を卒業
父親が経営するイベント会社の専務になった
35歳で社長に就いたものの不景気のあおりを受け仕事は激減
何者でもない自分に初めて気付かされた
あの頃っていうのは本当にもてはやされて…うわべだけでやってるわけだから結局自分に何もないんですよだから何をしていいか分からないし何をするにしても自分の中で自信の持てるものがない売り込めるものがない売り込める先もないっていうね本当にこう…何て言うのかな…ホントこう何もないところにボ〜ンと放り出されてしまったような感じだったんですね
再起のきっかけはイタリアで見た花の祭典
その規模とあでやかさに衝撃を受けた
成功や失敗も考えずただ一生懸命になれること
この時39歳だった
あれから15年
今ではインフィオラータを広めるため日本全国を飛び回る
この日やって来たのは沖永良部島
花の島と呼ばれている
小学校の卒業アルバムに載せるインフィオラータを頼まれた
日本一の大きさを誇るガジュマルの木が学校の自慢
藤川が並べ始めたのはこの島の特産・エラブユリ
子供たちにも手伝ってもらう
島の子供たちにとって花はさして珍しいものではない
でも何だかちょっと楽しそうだ
直径およそ5mのインフィオラータを島の花だけで作る
両方とも…
(児童)きれいにしろよユウトもうちょっと前もうちょっと前前前前前…よいしょ…前前前よし…前前前前前前前よし
作り始めて3時間でやっと完成
これでもいいよグーでも何だよ〜びょ!
伝えたいのは一つの作品をみんなで作る喜びだ
週末必ず立ち寄る所がある
卓球場
もう40年も続けている
そんな趣味さえ今の藤川に言わせると…
いずれにしても…
ついやり過ぎてしまった
ぶつけた?
54歳
そのいちずな性格はそう簡単には直らない
だから作品に対しても徹底的にこだわる
あの歌舞伎絵のポイントは花笠と考えていた
そこに花首を並べていく
絵に立体感を持たせるためだ
手間暇がかかるこの表現方法は世界の花絵師の中でも藤川くらいしかやらない
インフィオラータは一晩で完成させるのがルール
手際の良さと高いテクニックが求められる
花と花をうまくパズルのように組み合わせるんですよ
見た目のバランスも難しい
こういう間の隙間にうまく重ねてくんですよこうやって倒れないように
ここにこだわる理由があった
僕らはイタリアとかスペインとかそういうとこでやってるわけじゃないから後発の日本なんで…そういったアイキャッチじゃないけどもそういうふうにもなると思う
花笠は全部で3つあり置いていく花首の量は軽く1000本を超える
それだけに体力も必要
神に捧げる芸術と聞いていたが藤川にとっての神様は絵を見てくれる人たちなのだ
6月スペイン
聖体祭を控え世界中から多くの人々が集まっていた
藤川はアジアで唯一の花絵師としてこの地に降り立った
オラ!ビエンベニード!
祭りの実行委員たちがわざわざ出迎えてくれた
それだけ期待が高いのだ
下準備に取りかかったのは当日の朝
使う花の数はおよそ9000本
(通訳)靖彦さんヤスメジャモヤスヤスですよろしくじゃOK?この大きさで
藤川を手伝うのは地元のボランティア
15人がチームとなり藤川の作品を共に作り上げていく
花絵師にはチームをまとめる力も問われる
通りが封鎖され制作を始めたのは午後8時
日はまだ高かった
藤川に与えられた場所は教会へと続く目抜き通り
翌日司教たちがここを歩いていく
朝日が昇るまでに作り上げなければならない
日本から持ってきた日の丸のTシャツ
花絵師日本代表を自負している
気がかりだったのは花首の大きさが少し小ぶりなことだった
観客の注目を浴びながら作業開始
インフィオラータは接着剤を使わず花を敷き詰めていくのが習わしだ
風は大敵だった
水をかけその場をしのぐ
顔の印象を高めるアイライン
試行錯誤の結果赤い砂を使うことにした
闘いはまだ始まったばかり
あぁ…はぁ
体力と集中力を持続させなければならない
他のチームの作業も着々と進んでいた
その作品をよくよく見ると花よりも砂やもみ殻などの比重が高い
また作品のほとんどが平面で表現されていた
そうした中にあって藤川の作品は異彩を放っていたと言っていいだろう
花首を丁寧に並べ立体的に作っていく藤川ならではの手法
それだけに作業は時間を要す
2つ目の花笠に取りかかったのは午前1時半
そして午前3時
ようやく一番大きな花笠に取りかかる
知らぬ間に観客が増えていた
地元で有名な花絵師もその中に
夜明けまであと3時間
休む間もなく花首を置き続ける藤川
その時だった
完全に…
予想以上に花首が小ぶりだったため理想の花笠を作るには量が足りなかった
急きょ隣のチームに花首を分けてもらえないか交渉する
ないか…OK
迷っている時間はなかった
一からやり直し
花びらを使い新たに花笠を作り上げていく
54歳の体にむち打って座っては立ち立ってはかがんでここまで9時間
日々欠かせない体力作りはこのためだった
(一同)イェ〜イ!
ついに完成
じゃあみんなで作った人で写真撮ろうかグラシアスグラシアスグラシアス終わり!あぁ完成した
魂は込めた
痛たたた…あぁ…
パレードまでのわずかな時間藤川は口もきけずに眠りに落ちた
街じゅうの至る所に一夜にして現れた花の絨毯
その道を聖体祭を祝うパレードが間もなく通る
限りある命のアート
だからこそ美しい
パレードの始まりとともに花絵師・藤川靖彦の仕事は終わった
花の芸術・インフィオラータは花を踏み締めながら歩くパレードのためにある
花々を使い人の手によって作り上げられたアートは人々の手ではかなく消える
花は散るからこそ美しい
あぁ壊れた
花絵師の心の内は言わぬが花だ
このあとは…
異色のダンサーが一瞬に込める魂とは
2015/06/21(日) 23:10〜23:40
MBS毎日放送
情熱大陸[字]【藤川靖彦/肉体と花で巨大歌舞伎絵を描く男!ローマ法王も驚く和洋折衷】

花絵師/藤川靖彦▽市民アートとして400年前にイタリアで発祥し、キリスト教の祭典として親しまれてきた伝統ある花絵の世界に浮世絵をアレンジし、新風を巻き起こした男

詳細情報
番組内容
藤川は巨大な花絵“インフィオラータ”に浮世絵をアレンジし、“花歌舞伎”と呼ばれる独自の作風を生み出し、世界中の花絵師たちの度肝を抜いた。本場イタリアではあのローマ法王をも虜にし、昨年サンピエトロ寺院にVIPとして招かれたほどだ。今月スペインで開催される世界最高峰と言われるインフィオラータの祭典に招かれ、新作を携え乗りみ、極限まで肉体を追い込み夜を徹し作り上げるという壮絶な制作現場に密着した。 
プロフィール
藤川靖彦
花絵師。1961年東京生まれ。
大学卒業後、CM音楽の作曲やイベントプロデューサーとして活躍。バブルの崩壊で仕事が激減し失意の日々を送る。転機は39歳のとき。都市開発のイベントプロデュースを任され世界各地の花の祭典を調べる中で、インフィオラータの存在を知る。すぐさまイタリアを訪問した藤川は、その魅力に取り憑かれ、イタリアの花絵師のもとで修業を積み、現在までに160作以上の作品を手がける。
制作
【製作著作】MBS(毎日放送)
【制作協力】オルタスジャパン
関連公式URL
【ツイッター】@jounetsu
番組の感想に#jounetsuをつけてください!

http://twitter.com/jounetsu

【フェイスブック】
番組公式ページへの「いいね!」もぜひ!

http://www.facebook.com/jounetsutairiku

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32722(0x7FD2)
TransportStreamID:32722(0x7FD2)
ServiceID:2064(0x0810)
EventID:4924(0x133C)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: