(シーラ)タンジール?
(ラミーロ)タンジール。
シーラを紹介するよ。
シーラ。
タンジールへようこそ。
シーラとラミーロです。
どうも。
(ポール)乾杯!
(カメラマン)はい皆さん。
(女)ちゃんと目を光らせてないと私たちが取っちゃうから。
いつも気前よくして自分を売り込まなきゃ。
ええ。
人のお金なら気前よくなれるわよね。
僕は君しか見てない。
やめてって言ったでしょ。
その手には乗らない。
(医師1)おめでたです。
よかったですね。
ラミーロ!ラミ…。
(ラミーロの手紙)「すぐにでもタンジールを出たほうがいい。
多分僕を捜す借金取りが何人かいて僕が見つからなければ君を捜すかもしれない」。
(医師2)残念です。
あなたしか救えなかった。
(パロマレス警部)マドリードのある邸宅から高価な宝石を盗んだ罪で指名手配もされています。
フッ。
そんな…。
まったくとんでもない女だ。
私には母しかいないんです。
帰らせてください。
(バスケス署長)いえ。
それは無理です。
(カンデラリア)フン。
ハハハハハッ。
これが頼み事ですか?署長さん。
私からの特別なね。
しばらくこのお嬢さんをタダで泊めてやるように。
(カンデラリア)大丈夫。
このカンデラリアが引き受けます。
(車の走る音)・
(礼拝の呼びかけ)
(シーラ・キローガ)ハッアッ…。
ハァ…。
ラミーロ。
(ノック)
(カンデラリア)朝御飯の用意ができたよ。
朝起きて彼のことを考えないようになったら立ち直ったってことだよ。
何でだろう?あんな人のために全部捨ててきたなんて。
ねえ。
忙しくしてりゃそんなこと考える暇もなくなるさ。
まずは食べて力をつけて出かけるの。
泣き言を並べたってフン!始まらないよ。
ああ!私にも似たようなことがあってね。
夫に捨てられて2年間のたうち回るほど苦しんだ。
2年だよ。
2年も無駄にした。
それならトランプしてた方がマシさ。
ねえお風呂に入るのも悪くないよ。
このアフリカでもみんな体は洗うんだ。
(窓を開ける音)ジャミーラと一緒に台所や部屋の掃除をします。
何かしてここの部屋代を払わないと。
2〜3kg目方が増えたらね。
でなきゃホウキも持てやしない。
さあ朝御飯が冷めちまうよ。
(足音)
(アンセルモ)アァ…今日のお昼は何かな?子ヒツジのシチュー。
ほんのりハッカが香って最高だよ。
(ベニータ)ごちそうね。
何のお祝いかしら?お嬢さん。
お昼の用意ができたよ。
おいで!みんなが会いたいって。
(フアニート)誰に会えるの?あんたには紹介しないよ。
もったいない。
早くおいでったら!
(エルミニア)座ってほら。
(サグラリオ)まあ何だか幽霊みたい。
ホント。
サグラリオ。
えっ?人を皮肉るのはやめておくれ。
黙って座ってて。
どっから来たんだか?旦那に死なれたのかしら?さあおいで。
この私の横に。
最初は取っつきにくいけど慣れればみんな優しいから。
座って。
この子は…なんて名前だい?シーラ。
シーラ。
この子はシーラ。
見てのとおりちょっと元気がないからそっとしといてやって。
じゃ召し上がれ。
よろしく。
よろしく。
(カンデラリア)シチューがおいしくできてよかった。
この人たちときたらすぐ文句言うからまったく…。
人の苦労も知らないで。
フン。
もうやってらんないよ。
このままじゃ今にイワシの骨しか出なくなるからね。
デザートはメロンだよ。
今年のメロンはキャンデーより甘いんだから。
ほらちゃんと食べなきゃ。
(サグラリオ)バダホスが陥落したそうね。
(セールスマン)もったいない。
どれだけの若者が共和国政府に命をささげたか。
死ぬくらいならあなたの体を喜ばせてくれればね!サグラリオ。
下品ね!ウフフフッ。
母さん何するんだよ?黙りなさい!もういいかげんにして。
でも何も言ってないよ。
笑うんじゃない。
笑うと脳みそが干からびるらしい。
だから軍隊が立ち上がったのよ。
みんなが浮かれ笑いほうけて信仰を忘れたせいで崩壊しかけてたスペインを立て直すためにね。
(セールスマン)共和制の問題はこういう信仰信仰ってうるさいばあさんたちを一掃しなかったことだね。
「うるさいばあさん」って誰のこと?あなたですよ。
(エルミニア)サグラリオ放っておきなさい。
ただの礼儀を知らない共産主義の好き者よ。
(セールスマン)好き者?
(エルミニア)ええ!相手は?あなたたちはあそこに鍵をかけてるし。
口に気をつけなさいよ。
そうよ!悪魔の子だ。
おお!怖っ!まあ穏やかにいこう。
秘密結社に入ってる人が「穏やかに」ですって?あんたなんか銃殺されればよかったのよ。
(セールスマン)また「銃殺」だ。
(ベニータ)ねえこれ以上の無礼は許しませんよ。
ろくでなし!無神論者!もう黙ってて下さい。
嫌ですよ!気難し屋。
私の妹に何てことを!この悪魔崇拝者!
(フアニート)悪魔を知りもしないくせに。
アッ。
もうあんたにはウンザリ!母さんねえ…。
黙りなさい。
何するんです?危ないな。
(エルミニア)ホントにもうたくさん!いつだって人を小バカにしたような物の言い方をするんだから。
おしまい。
はいおしまい!おしまい!もうおしまい!もしまたこの神聖な場所で内戦の話なんかしたら全員通りに追い出して窓から荷物を投げ捨てるよ!さあ食べて!静かに。
・
(礼拝の呼びかけ)ジャミーラ代わるわ。
(ジャミーラ)駄目ですカンデラリアさんが…。
大丈夫。
言われたとおり3kg太ったから。
1kgしか増えてません。
「スパイしろ」とでも言われたの?太ったんだからいいでしょ。
あとは任せて。
(ジャガイモの皮をむく音)・
(礼拝の呼びかけ)セニョリータ。
しっ!・
(礼拝の呼びかけ)ハァ…アッ。
(バケツを倒す音)セニョリータ!大丈夫。
何でもない。
アッ…。
タオルか何か拭くものを持ってきて。
アァアッ…。
もう…。
ここは誰の部屋?アンドレース様です。
あの眼鏡の無口な人?手伝います。
今日の午後は一緒に散歩するよ。
ここに来て2週間一歩も出てないだろ?まだそんな元気はないんです。
さっきも倒れそうに…。
私を手伝えるんだったら出かけられるさ。
ほら。
少しは日ざしを浴びないと。
死人みたいな顔だよ。
今日は一体どんなごちそうを堪能できるのかな?昼御飯を聞くだけなのに随分回りくどい言いぐさだ。
食べ物だよ。
残したら承知しないからね。
ちょっと聞きたいことが…。
アンドレースは何の仕事を?あらやだ。
もう新しい恋の相手を見つけたのかい?ウフッ。
やめてください。
何年かたたないととてもそんな気には。
で彼の仕事は?税関で働いてる。
午後は売買の仕事。
売り買いできるものは何でも扱ってるよ。
なんで?別に。
(ジャミーラ)すみません。
アンドレース様。
私バケツ倒しました。
(アンドレース)「僕の部屋には入るな」と何度も言ってるだろう!掃除は自分でする。
あそこは立ち入り禁止だ。
分かったか!絶対入るな!本当にごめんなさい。
許してください。
2度と入るなよ。
私のせいです。
私をどなりつけたら?セニョリータ。
お願い。
2人きりにして。
彼女は何も見ていません。
私しか…。
君も見ていない。
面倒を起こすな。
面倒はとっくに起こしてる!だから何とかしたいの。
力を借りたいんです。
この僕に?無理だよ。
お門違いだ。
悪いね。
スペインに帰りたいの!でも旅券を没収されて…。
あなたの部屋で書類を見つけたわ。
し〜っ!いいかよく聞くんだ。
2度と言わないからな。
僕は君が思っているような事はしていない。
でもそれじゃ…。
たとえやっていたとしても君に払える額じゃない。
それじゃあ。
あら。
今捜しに行こうかと。
出てきたのかい?その気になったんだね。
だってそろそろ仕事を探さなきゃと思って。
そのとおり。
荷物を置いてくるからちょっと待っておくれ。
ホントうれしいよ。
ハァ…。
ここから当たってみよう。
友達の美容室なんだ。
髪は切れるかい?えっ!?女なんだから洗うとかとかすくらいはできるだろ?とにかく客には「きれいですよ」とか「お若いですね」って言ってればいいんだよ。
死にそうな客でもね。
おいで。
(車の走る音)
(カンデラリア)ロサ。
この子を雇わない手はないよ。
マドリードで評判の美容師だったんだ。
誰が客だったか知ってるかい?教えてあげな。
おまけに控えめ。
今どきいないよ。
ねえやらせてみておくれよ。
きっと驚くから。
(ロサ)無理言わないで。
大事なお客さんの髪を知らない子に任せるなんて。
問題はそこ?大丈夫。
なら私の髪をやってもらうから。
さあおいで。
腕前を見せてあげな。
ほら。
本当にいいんですか?決まってるだろ。
遠慮なく切って。
バッサリと。
(足音)危なっかしいねえ。
何かあったら大変な目に遭うよ。
じゃお客さんが待ってるから。
カーラーくらい誰だって巻けるのにね。
そうですね。
あ〜あ。
これも全部反乱のせいだ。
ここで足止めを食らった人がみんな仕事を探してる。
でも諦めないで。
そのうちきっと見つかるからさ。
励ましてくれるのはありがたいですけど現実は厳しそう。
そりゃまあね。
でも何とかなるよ。
(足音)ああごめん。
誰もいないかと…。
水を飲みに来たんです。
眠れなくて。
今夜は君の話題で持ちきりだったね。
仕事が見つからなかったって。
その話ばかり。
だから言ったろう。
今は金を稼げる時じゃないんだ。
そう言わなかったかな。
アァ…。
お金がなくても欲しいものは手に入るわ。
バスケス署長にここの誰かが旅券を密売してるって言うだけで済むかもしれない。
ヒャー!アァ…。
まさか本気で言うつもりか?いいえ…。
できることなら君みたいなかわいい子を傷つけたくはないんだ。
こんなに痩せこけてなければな。
どう?増えた?1kg。
アァ…。
ああ何やってんだか。
朝からツイてない…。
(スカートの破れる音)またかいもう頭にくる!これでこの1週間で3着目だ。
貧しい食事でもぜい肉は付くんだから。
ジャミーラ着替えてくるから朝食を頼むよ。
もう何はこうかね。
ウーン!
(足音)・「ノーチェデクラーラルナケヨセガーダポルミフォルトゥーナ」・「レフィエ〜イエルコラソンセロエントレゲ」この年とっためんどり2羽がいくらしたと思う?正気じゃないよ。
うまくやりくりしておくれよ。
1週間は鶏のスープ。
クスクスどっさりに肉ちょっと。
でなきゃ部屋代を倍にしないと。
私もそのうち…。
あんたは気にしなくていいの。
十分手伝ってもらってるよ。
はいてみてください。
繕ってくれたのかい?別にいいのに。
もう古いしどうせ入りゃしないんだから。
今度は入るはずです。
そう?どうやったんだい!?生地はどっから取ったの?折り返しから。
ちょっとあんた縫い物ができるのかい?他にも何か直しましょうか?
(礼拝の呼びかけ)
(エルミニア)カンデラリアに言わなきゃ。
「そろそろ夕食は中で取るようにしない?」って。
夜は冷えるようになってきたから。
戦地はさぞ寒いでしょうね。
心配だったらみんなで旅費を出しますから兵士を温めに行ってください。
(笑い声)いちいち突っかかってくるんだから。
ハッ。
(フアニート)また鶏のスープ?わびしいな。
(カンデラリア)気に食わなきゃ高級ホテルに移っていいんだよ。
(アンセルモ)その上等なコートはどうしたのかな?部屋代を取りすぎじゃないかい?
(フアニート)でなきゃ肉代をケチって服に回してるか。
お黙り!
(カンデラリア)安心しな。
かかったのは生地代だけ。
あとは全部シーラがやってくれたからね。
私にも腰のくびれがあったとは。
それシーラが仕立てたの?ああ。
こんなすごい手に洗い物をさせていたなんて…。
この子は天才だよ。
雑誌から抜け出たみたいだろ?いくらで仕立ててもらえるの?お代は要りません。
生地さえあれば。
まあ。
じゃ早速コートをお願いするわ。
ワンピース2着にブラウスでしょ。
スカートも。
(カンデラリア)ちょっとちょっと。
タダの物はないよ。
ここにはね。
生地は私が売る。
シーラに仕立てを頼むときも私を通しておくれ。
お代を決めるから。
冷たいこと言わないでよ。
よくそんなこと言えるね。
ここにタダ同然で住んでるくせに。
この世は恩知らずだらけだ。
誰が最初に頼む?
(2人)はい!はいはい!アハハハッ!アァ!このデザインはできる?ええ。
ウエストラインを上げて襟ぐりをエンパイアスタイルにしたらすてきだと…。
ワンピースにはこの方がいいかしら?いいですけどグリーンの方がお似合いだと思います。
(エルミニア)そう?茶色じゃなくて?ええ。
お顔が映えるかと。
エルミニア私が終わるまで待って。
私がその次ですからね。
分かったわ。
でも雑誌を独り占めしないで。
私だって見たいんだから。
雑誌を貸してちょうだい。
まだ見てるのよ。
分かりました。
私も目の色が映える生地がいいわ。
(エルミニア)もう…。
(ベニータ)でしょ?見せて。
セニョリータ。
ありがとう。
ホント大したもんだね。
おしゃべり女たちは?本当に兵士たちを温めに戦地へ行ったとか?いいや。
気になるかい?顔を見りゃ突っかかるくせに5分いないともう寂しいんだね。
まさか。
でもフアニートを除いて同じ側の人間しかいないんじゃあまり面白くないな。
僕はどっち側?ミサに行って神父さんを頼ってるだろ?うん。
それなのに分からないのか?見るからに反乱軍側って顔なのに。
反乱軍?これはこれは一体…。
驚いたね。
なあに?オシャレをした女性を見たことがないの?母さん何のマネ?これくらいいいじゃない。
母さんだって女なんだからアァ…。
どう?きれいでしょ?
(ベニータ)私から見ればちょっとやりすぎだけど。
見とれて戦争をやめるかもしれない。
(笑い声)
(カンデラリア)だといいね。
まあ少なくとも今日のうちのお昼は平和だよ。
さあ食べとくれ。
アハハハハッ!アハハハハッ!
(セールスマン)サグラリオ。
その胸元は罪ですよ。
古くさい人ね。
これは最新の流行よ。
共産主義者には分からないでしょうけど。
(カンデラリア)汚さないでよ。
まだ支払いが済んでないんだから。
ほら。
さあ食べて。
シーラ。
あんたのおかげだよ。
あのマヌケどもが初めて彼女たちを女性として見てる。
なのにあんたどうなってんだい?顔色も目方も戻ったのになんで1人だけオシャレな服を着ないの?これで十分です。
オシャレする気になれないし…。
ちょっと。
うちに死人は要らないよ。
死人ならもう墓地にあふれてる。
好きな生地を選んで自分の服を作りな。
(足音)
(ハエが飛ぶ音)
(ハエが飛ぶ音)
(ハエが飛ぶ音)
(ハエが飛ぶ音)
(ロサ)できたわ。
ああ!ちょうど終わったとこだよ。
どう?似合ってるかね?うん。
(ペパ)あらカンデラリア。
すてきなワンピース着てるじゃない。
あつらえたの?友達に頼んでね。
フーン。
ちょっといいだろう?実は今働いてるうちの奥様が仕立屋を探してて…。
もうフランス人のとこじゃないの?ええ。
今はドイツ人。
もうなまりがキツくて大変よ。
しょっちゅうガウガウノドを鳴らすんだもの。
今にも首にかみつかれそう。
(笑い声)でその人が服をあつらえたいって。
へぇ〜!それなら下宿に来てもらえば…。
ああもうすぐ高級婦人服の店ができるらしいよ。
何か分かったら知らせるから。
助かるわ。
ああそれじゃまたね。
じゃあねカンデラリア。
さよなら。
さよなら。
つけといておくれロサ。
もう…また?バカだね。
下宿になんか来るわけないだろ!?大佐や将軍の夫人たちとつきあってるようなお高くとまったご婦人だよ。
いいかい?あんたに必要なのは豪華な店。
そこでご婦人たちに最高の服を売るんだよ。
今なら海峡の封鎖でこっちにいるしかなくなった金持ちが大勢いる。
でもそんな豪華な店どうやって?借金を抱えてるのに。
一緒にやるんだよ。
この私と。
お金なんて無いでしょう?食費も足りないんだから。
確かにそのとおりだ。
じゃあもうやめましょう。
絵空事を並べるのは。
分かってるよ。
分かってる。
でもあんたのその手は本当に貴い宝物だ。
ねぇ?神様が授けてくれたんだよ。
それを無駄にしたら罰が当たる。
しっ!・
(礼拝の呼びかけ)
(ニワトリの鳴き声)この服すてきだよ。
本当?カンデラリアの言うとおりだ。
来た時よりずっと顔色がよくなった。
うん。
肉も付いてきたしまるで別人だ。
アァ…。
気に入ったのは服じゃないのね。
ん?その中身でしょ。
アハハッ。
図星だ。
本当に見たいのはこの服を…脱いだ君。
力を貸してくれない人のために脱ぐと思う?アァ…。
君が僕によくしてくれるなら…旅券を手に入れてもいい。
まずは旅券よ。
お楽しみはあと。
ん?
(ニワトリの鳴き声)これでお願い。
アァ…。
細かくは聞かないで。
どうせ偽物だから。
今夜僕の部屋に来て。
ハァ…。
ハァ…。
ほらほら早く。
入れろよさあ。
いい?
(ベニータ)誰も姉さんがどこへ行ったか知らないの?知るもんですか。
(ベニータ)フン。
もうどこへ行っちゃったのかしら?何を手に入れたと思う?さあみんな1杯やるだろ?
(呼び鈴の音)ああ!戻ったわ。
君は魔法が使えるんだね。
どこからこれを?闇商人の友達だよ。
フフッ。
パロマレス。
ようこそ。
今日は何のご用?
(パロマレス警部)ろくでもないペテン師だってことは分かってたが今回は調子に乗りすぎたな。
たかがブランデー1本でかい?警察もよっぽど暇なんだね。
あんたのブランデーなんかどうだっていい。
しかし犯罪者をかくまってるとなったら別だ。
え〜!?アァ!イヤッ!アンドレース・コルデーロ。
偽造した通行許可証や旅券を密売してる。
こいつだったら自分の母親も売るだろうよ。
パロマレス。
神に誓って私たちはこの人が何をしてたか知らなかった。
(パロマレス)だがここにいたのは事実だ。
クズはクズを呼ぶ。
違うか?天国の両親に誓ったっていいよ。
黙れ!話はあとでじっくり聞かせてもらう。
さあ行くぞ。
来い。
上着を取らせてくれ。
3番目のタイルに…。
上着なんて必要ない。
留置場は暖かいからな。
さあ行け!ほらさっさと行くんだ!・
(物音)・
(物音)ハァアァ…。
アッアッハッ。
ちょっと。
あんた一体何してるんだい?アァアッ。
タイルを探してるんです。
だけど3番目ってどこから?ベッドから?ハァハァ。
入り口から?ハァハァ。
ひょっとして知ってたの?あの人が法に触れることしているって。
ハァハァ。
言えなかったの。
ハァハァ。
旅券をもらう約束だったから。
探してるのはそれ?旅券かい?偽造の旅券でどこへ行こうってんだい。
でも私の本名は使ってないから。
たとえ名前はマリア様だろうと写真はあんたのじゃないの?
(泣き声)母さんを助けないと。
私にはもう母さんだけ。
あんたいろいろ訴えられてるんだからスペインに戻った途端牢屋にぶち込まれるよ。
無事に戻れてもね。
戦争は笑い事じゃない。
本当に悲惨なんだから。
(床をたたく音)
(タイルを外す音)あった…。
(袋から出す音)ハァ…。
こいつはぶったまげたね。
15日分の部屋代を取りっぱぐれるかと思ったら…。
警察に届けなきゃ。
アハハハッ。
届ける?バカ言うんじゃないよ。
これはお金になる。
このご時世ならなおさらね。
まさか売るつもりじゃ…。
フン。
迷惑料さ。
私たちのじゃないわ。
彼が出所して捜したら?出てきやしないよ。
大丈夫。
万が一出てきたって警察が見つけて押収したって言えば済むことだ。
本当にそうかしら?アァ!
(礼拝の呼びかけ)
(男1)銃は全部で何丁ある?19丁。
(男1)いいだろう。
9,500ペセタだ。
ただし条件がある。
受け渡しは今夜行うこと。
分かった。
うちの下宿まで取りに来ておくれ。
(男2)フフフッ。
取りにだって?テトゥアンの町の入り口全てに軍の見張りがいる。
俺たちの仲間が町に入れば生きて出られないかもしれない。
銃はあんたたちが運んでくれ。
私たちが?
(男2)女2人なら怪しまれない。
でもどうやればいいんだい?町の外れに鉄道の駅がある。
今夜そこへ行ってくれ。
朝の6時になる前に。
あとは喫茶室のウエイターが指示する。
仲間っていうのは誰?拳銃で何をするの?あなたには関係ない。
あなた方と取り引きができてよかった。
(扉を開ける音)
(階段を下りる音)ねえうまくいったよ。
どうしたんだい?全部思いどおりにいったじゃないか。
生きた心地しなかった。
こういうことに向いてないのよ。
ねえ。
拳銃の受け渡しはどうするの?大丈夫。
私に任せて。
もう大きな山は越えたよ。
行こう。
さあもう寝なさい。
あした目が覚めたら私は戻ってる。
お金を持ってね。
人生が変わるんだ。
(キスの音)じゃ行ってくるね。
(ドアの開閉音)
(ライトのスイッチを入れる音)ウーン。
起きてちょうだい。
ねえ。
ほら起きて。
もう帰ったの?どうだった?駄目だった。
最悪だ。
まったくツイてないったらないよ。
何があったの?あのパロマレスのやつがさちょうど居酒屋から出てきて鉢合わせしちまったんだ。
もうちょっとでプエルタ・ラ・ルネータ通りに出るところだったのに。
銃が見つかっちゃったの?いいや運がよかった。
ちょっと離れてたから。
だけどね今晩ここへ来てうちを調べることになるだろうって。
そう。
じゃあ…あなたはもう一晩中ここに居なきゃまずいわね。
ああそうなんだ。
銃はパロマレスが来る前にここから持ち出さなきゃ。
よく分かってるじゃないか。
そのとおりだよ。
それじゃ急いで支度するよ。
駄目。
駄目よ。
駄目…。
さあもう時間がないんだから。
私には無理よ。
いいかい?やらなきゃ全部水の泡なんだよ。
店を出さなきゃお母さんも助けてやれない。
それでいいのかい?シーラ。
先に進むにはやるしかないの。
他に手だてがあればいいんだけどこれしかないんだ。
大丈夫?さあこっちも巻くよ。
どう?いいわ。
あとはどこにつけようかね?できた。
次は目のお化粧。
それからおっきな布で体を包まないと。
さあシーラ。
これでどっから見てもモロッコ人だ。
そうそう。
じゃこれ履いて。
塀を越える時は落とさないように気をつけるんだよ。
そのあとは?外へ出たら自分が誰か忘れる事。
人がいたら足を引きずっておばあさんのフリをするんだ。
ええ。
プエルタ・ラ・ルネータまで行ける?ええ多分。
よし。
あの通りを抜けてセウタ街道を渡れば正面に駅が見えるからね。
必ず6時までにウエイターと話をするんだよ。
いい?ええ。
拳銃を渡してお金を受け取ったらすぐに戻っといで。
大急ぎで。
それまでずっとここであんたを待ってるから。
心配しないで。
うまくいく。
ウッ…。
(キスの音)ウッ…ウッ。
奇跡のマリア様あの子をお守りください。
アァ…。
アッ…。
(猫の鳴き声)
(アラビア語)
(扉を開ける音)・
(アラビア語)
(アラビア語)スペイン人です。
アラビア語は…。
(ウエイター)ホームのトイレに行って下さい。
人が待っています。
ありがとう。
(扉を開ける音)ハァ…アッ!
(ロベルト)ブツは持ってきたか?ええ…。
どこにある?ハァハァ…ここに。
ハァ…アァ…ハァ…。
ハァ…。
自分で外せる?時間があれば…。
時間はない。
もうすぐ見回りの兵士が来る。
始発が出る前に駅を点検するんだ。
僕が手伝ったら嫌か?ハァハァ…。
知らない人の前で脱ぐのは慣れてなくて…。
ハァ…。
僕はロベルト。
私はシーラ。
来たみたいだ。
(軍曹)グティエレスたちは喫茶室。
ティノたちは切符売り場。
お前たちはそれぞれ事務所とトイレを調べろ。
早く服を。
ウン。
ここを出ないと。
・
(軍曹)ほらグズグズするな!窓から出るんだ。
あなたは?銃を持って線路伝いに走ってくれ。
銃は最初の駅名が書かれた標識のそばに。
ああこれを。
約束のお金。
アァ…。
君を信じていいね。
銃を頼む。
ウゥ…。
早く行って。
(兵士)窓の外に何を投げた?見てこい。
急げ!
(走る音)
(走る音)
(倒れる音)アァ…。
(荒い息遣い)
(小石をかき分ける音)
(小石をかぶせる音)
(荒い息遣い)・
(礼拝の呼びかけ)どうだい?シーラ。
ここならあんたの工房にちょうどいいだろ?完璧だわ。
これ以上の場所はありえない。
そう?
(バスケス署長)ではあなた1人でどうやって始めたんですか?この商売を。
地道な仕事です。
恥知らずな男のせいでこの1年さんざんでした。
(パロマレス)署長?どうしたんです?これの持ち主が見つかったようだ。
(フェリックス)誰かに過去のことを聞かれたらどうする?婚約者を振ってタンジールに行ったのに恥知らずの男に身ぐるみはがされて捨てられたって。
(バスケス)あなたは恋人にお金も宝石も全て盗まれたんですね?何が言いたいんです?どこかへ逃げるなら当然宝石も一緒に持っていくはずだ。
まさかそんな…。
ハァ…ハッハァ…。
そんなはずない。
2015/06/21(日) 23:00〜23:51
NHK総合1・神戸
情熱のシーラ(3)「針と銃」[二][字][デ]
お針子から名スパイへ!時代に翻弄されながらもたくましく生きた女性を描く魅惑のスペインミステリー。スペインの母のもとに帰るため、シーラは危険な賭けに出る。
詳細情報
番組内容
内戦で母のいるスペインに帰れなくなり、カンデラリアの下宿に世話になることになったシーラ。あたたかい下宿人たちに囲まれ、次第に元気を取り戻す中で、カンデラリアはシーラに仕立ての才能があることを見抜く。そんなとき、シーラは同宿のアンドレースがあるものの密売に関わっていることを知る。故郷に帰るため、シーラは危険な賭けに出る。
出演者
【出演】アドリアーナ・ウガルテ…渋谷はるか,マリ・カルメン・サンチェス…片岡富枝,ダビド・V・ムーロ…石住昭彦,アルバ・フローレス…石田嘉代,エンリーケ・アルセ…三上哲
原作・脚本
【原作】マリーア・ドゥエニャス,【脚本】スサーナ・ロペス,カルロス・モンテーロ
監督・演出
【演出】イニャキ・メルセーロ
制作
〜スペイン A BOOMERANG TV PRODUCTION FOR ATRESMEDIA制作〜
ジャンル :
ドラマ – 海外ドラマ
趣味/教育 – 会話・語学
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
スペイン語
サンプリングレート : 48kHz
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