米国のベンチャー企業Matternet(マターネット)が、ドローンを使った配送システムで覇権を狙っている。同社は既に新興国でドローン空輸ネットワークを展開し、実績を積んでいる。このシステムを、今後は米国や欧州などの先進国で展開する。Matternetが開発したドローンは、自律飛行して目的地まで荷物を運ぶ。消費者に商品を空輸するドローン配送技術をレポートする。
■次世代ドローンを明らかに
Matternetは、シリコンバレーに拠点を置く新興企業で、ドローンを使った空輸ネットワークを開発している。
このシステムは、既に開発途上国で医薬品の輸送などで使われてきた。Matternet共同創設者のAndreas Raptopoulos氏は、カンファレンス「Drones, Data X Conference」で、次世代ドローン「Matternet ONE」を明らかにした。
ドローンはオペレーターが操縦する必要は無く、自動運転車のように、目的地まで自律的に飛行する(上の写真)。このようなインテリジェントなドローンは「Smart Drone(スマートドローン)」と呼ばれている。ドローンは電子商取引(Eコマース)のパイプラインとして、店舗間で商品を移動したり、顧客に商品を配送したりする役割を担う。
■20キロの距離を飛行可能
Matternet ONE(右の写真)は配送専用に設計されたドローンで、都市部での配送を目的としている。重量1キログラムまでの荷物を積み、20キロメートルの距離を飛行できる。Matternet ONEは、クラウド「Matternet CLOUD」と交信しながら飛行する。通信方式の説明はなかったが、LTEなど携帯電話通信を利用するとみられる。
飛行ルートは、地形などを考慮して事前に設定する。FAA(米国連邦航空局)が定める飛行場周辺などの飛行禁止区域や構造物を避けて飛行する。クラウドはドローンの運行状態をモニターするのに加えて、飛行データを蓄積。運行後、それを解析して、飛行に関する知見を得る。
■禁止区域や構造物避けて飛行
Matternet ONEは、スマートフォン(スマホ)の専用アプリで操作する。まず、発送人は格納容器「Payload Box」に荷物を搭載し、離陸の準備をする。次に、スマホの専用アプリに目的地を入力する。Autoモードにすると、ドローンは自律的に指定されたルートを飛行する。
目的地では、「Landing Pad」に着陸する。Landing Padにはマーカーが表示されている(下の写真、六角形の目印)。ドローンはカメラでこれを認識し、自律的に着陸する。その後、受取人はPayload Boxを開けて荷物を受け取る。
アマゾン・ドット・コム、Matternet、マターネット、Google、ドローン配送
米国のベンチャー企業Matternet(マターネット)が、ドローンを使った配送システムで覇権を狙っている。同社は既に新興国でドローン空輸ネットワークを展開し、実績を積んでいる。このシステムを、今後は…続き (6/26)
低床で乗り降りしやすいLRT(次世代路面電車)の導入を検討する自治体が日本でも増えているが、台湾・高雄市で建設中のLRTは、全線にわたって架線がないのが特徴だ。軌道敷の80%には緑化が施され、駅舎も…続き (6/19)
・日本交通、乗車時に動画視聴で運賃割引
・三菱レイヨン、歯科検査用DNAチップ
・東電株主総会、電力自由化へ戦略問う
・荏原、圧縮機の生産性3割向上
・加藤電機、認知症の高齢者を発信器の電波で探索、建物内でも誤差少なく…続き