(テーマ音楽)
(兄)お父さんとお母さんも昔はお金がなくて苦労したの?
(父)まあそうだな。
赤い手拭いをマフラーにして小さなせっけんカタカタ鳴らして銭湯に通ったよな。
母さん。
(母)誰と行かれたんですか?
(父)えっ!?
(妹)ハハハハッ。
ハハハハッ。
又吉さんがかつて暮らしていた東京・吉祥寺。
今日は大竹先生と2人でやってきました。
(又吉)大竹先生と吉祥寺来るの初めてですかね?
(大竹)そうですね。
吉祥寺って又吉さんにとってとっても思い出深い場所らしいですね。
そうですね。
僕が上京して最初に住んだのがもうすぐ近くの三鷹だったんで。
はい。
もうずっとこの辺りで。
上京したての頃はバイトの面接にもうとにかく落ちてですねお金が全然なかったんですよ。
へぇ〜!おなかがすいてる状態でもこの辺をずっと歩いたりしてね。
うん。
なかなかいろんな思い出がある街ですね。
又吉さん思い出の街をぶ〜らぶら。
2人ともなんだか楽しそう。
ここもよく来たんですか?そうですね。
ここもよく散歩でしょっちゅう来てましたね。
何か木が多くてねいいんですよね。
そうですね。
はい。
あっ!ジャグリングしてますよ。
はい。
うわっすごいすごい!うお〜!
(2人)おお!おお!
(2人)おっ!「お金がない!」。
そうなんですよ。
今回のテーマは「お金がない!人のための経済学」。
ジャグリングでテーマが出るんですか?そうなんですよ。
まあお金がない人お金がなくて困ってる人多いですよね。
多いですよね!そういう人にはぜひ見てもらいたいですね。
なるほど。
僕としてはもうちょっとジャグリングを見ていたい気もするんですけどね。
今回の「オイコノミア」。
テーマは「お金がな〜い!」。
実はお金がない人にはこのジャグリングが深〜く関係しているんだそうですよ。
それはのちほどのオ・タ・ノ・シ・ミ!ところで先生どこに行くんですか?あのね又吉さんの思い出の場所に行こうとしてるんですよ。
思い出の場所…。
はい。
実はここなんです。
あっここですね。
はい。
ここはもう僕がムチャクチャお世話になった銭湯ですよ。
そうですか。
今日はこの場所が対談の舞台。
まさか5年前にはここで経済学を勉強するなんて思ってもいなかったですよね。
又吉さん。
中ではすてきな方がお待ちかね。
こんにちは。
あれ!?
(風間)お待ちしてました。
風間トオルさんじゃないですか。
ええ今日大竹先生に呼ばれたんで。
ダンディーな俳優の風間トオルさん。
あれ?でも皆さん今日のテーマ覚えていますよね?マッサージ機いただいて。
ええ。
リラックスして…。
いただいてはないですよね恐らく。
ちょっといただきましたね軽く。
でも今回のテーマ「お金がない」ですよね。
そうなんですよ。
そのテーマと風間トオルさんが…。
このオシャレな風間トオルさんと大いに関係があるんです。
え〜!そうなんですか?はい。
実は私風間さんと2歳違いなんですよ。
あっそうなんですか。
へぇ〜!同世代なんですね。
はい。
先生お若く見えますね。
いやいや。
そうですか?どちらかというと風間さんがだいぶ若く見えると思いますけど。
先生も多分そのつもりで言ってますもんね?はい。
年相応かなと思ったですけどそうですね。
ところで風間さん。
今日はどうしてゲストに呼ばれたかおわかりですよね。
いやあんまりわかってないんですけど今日は。
何ですかね?お金がないっていうテーマですけど。
そうなんです。
ああお金がない。
はい。
ないです。
ない?はい。
そうですね子どもの時は全然なかったですね。
ハァハァ。
へぇ〜!どんな感じだったんですか?どんな感じ…。
え〜と家にこういうお風呂も無かったですしだから銭湯も来てましたけど。
でも週に1回ぐらいですかね。
高くて銭湯なんてこれなかったんで。
洗濯機に入ったりとかしてましたね。
銭湯代りに。
どういうことですか?お風呂代わりに洗濯機に入って体洗ってました。
回して。
洗濯機回してそれで自分の体洗ってたんですか?そうですね。
それにつかって。
真ん中回るじゃないですか。
あれに当たらないように両脇に足をへばりつけて。
はいはい。
で入ってましたね。
へぇ〜!洋服も着ながら入るんですけどね。
そうすると洋服も洗えて一石二鳥なんで。
本当に動いてる洗濯機に入ってたんですか?そうですよ。
まあ入ってから回すんですけどね。
アハハハッ。
回してからは入れないんですね。
危なくて万が一指とか折れたら。
入ってから回しても結構危ないとは思うんですけど。
へぇ〜!小学5年生の時に風間さんの両親が離婚。
裕福ではなかった祖父母に引き取られ育てられたんです。
ちょっとおなかすいたなぁと思ったら近くの公園で…草ですか?そうですね。
だからいまだに歩いててこれは食べれる草とか食べれないとか。
わかるんですか?わかりますよ。
だから結構ウキウキしますね。
河原とか歩いてると。
アハハハッ。
なんか昆虫食の経験もあるって聞きましたが。
昆虫はそうですね。
唯一。
(笑い声)やってきます?向こうから。
やってきますよ。
ああ家とか。
隙間から入ってくるので。
昆虫食べたことはないですね。
あっアリはありますけどね。
アリの頭がしょっぱかったっていう記憶はあるんですけどね。
しょっぱいんですよね。
ちょっと。
はい。
ハハハハッ!いや。
こんな話をして初めて「しょっぱいですよね」って。
ちょっと苦みもあんだけどね。
あっ。
それで風間さんがそういう経験をなされているという事で…。
そうなんですよ。
お金がないっていう状態をよく知ってらっしゃると。
そういうことですね。
はい。
なるほどね!いやすごいですね。
いえいえ。
でも普通っちゃ普通だったんですけどね。
俺にとっては。
あっそうですよね。
他を知らなかったから。
そうですね。
又吉さんが上京してきたのっていうのは1999年ですよね。
そうですね。
それからずっと芸人しながら当時かなり極貧生活だったって聞いてるんですけれどもそのころ年収ってどのくらいだったんですか?芸人としての収入は月に1万ぐらいしかなかったんで…100前後じゃないですかね。
なるほど。
風間さんがお子さんの頃っていうのは家庭の年収って大体どのくらいだったんですかね?どれぐらいだったんですかね。
俺あんまり知らないんですけど多分年金だと思うんですよね。
おじいちゃんかおばあちゃんか。
それで生活してたと思うんで。
でもほとんどパチンコにおばあちゃん使ってたんでどれぐらいだったんでしょう?パチンコをおばあちゃんがやってたんですか?そうですね。
毎日行ってましたね。
ストレス解消もある。
おじいちゃんがもう認知症だったんでまあおばあちゃんの唯一のストレス…。
へぇ〜!又吉さん。
貧困率って知ってますよね。
はい。
今まで何度も出てきてますから。
出てきましたね。
ね。
説明していただけますか?まあここは大竹先生に譲ります。
いやいやいや…。
譲り合いに。
又吉さん今度こそ覚えてくださいね。
世帯ごとの年収を人員数で調整した「等価可処分所得」。
その低い人から高い人までを順番に並べたときちょうど真ん中に来る人の所得の更に半分の所得を「貧困線」と呼びます。
これに満たない人が人口のどのぐらいを占めるかが「相対的貧困率」です。
わかりましたか?覚えてね。
なるほど。
日本の比率はどれくらいなんですかね?それもねこの番組でやってるんでご存じのはずなんですけど何%ですか?何がですか?いやいや日本の貧困率。
これは高いんですよ。
アハハハッ。
いつもいつもこんな感じの…。
(笑い声)日本の相対的貧困率は上昇中!2013年の統計では全国民の16.1%が貧困という結果になりました。
貧困線は年収122万円。
つまり年収がこの金額に満たないと貧困ということになります。
1か月の生活費が10万円以下の世帯は日本におよそ2,000万人。
生活費を捻出したらほとんど手元に残らない状況。
これは苦しいですよね。
まあ今の16.1%って大体6人に1人っていうことですから…日本ではなるということですね。
ずっとあがってきて今…ああ今過去最悪なんですね。
はい。
1999年ごろの僕も貧困やったってことですよね。
そうですね。
又吉さん100万円ぐらいだったわけですから。
はい。
もう立派な貧困。
なるほど。
立派な貧困。
でもこれ…いい質問ですね。
はい。
貧困率が上昇している主な理由は不況の長期化高齢化技術革新・グローバル化更に離婚率の上昇などが考えられます。
ひとり親世帯では55%が貧困にあるとも言われています。
貧困というとね多くの人にとってひと事に思えるかもしれないじゃないですか。
でも今の世の中で見ると離婚っていうのもいつするかわからない。
それから病気になるかもしれないし失業っていうのも問題ですよね。
それから親の介護っていう事も誰にでも起こってくる事ですからそういうちょっとした原因で私たち自身も貧困に陥ることもありうるんですよね。
僕は両親働いてましたけど割とね父親があれなんですかね職人だったんで現場がある時とない時みたいなのはあったかもしれないですね。
雨が降るとお休みとか。
はい。
そういう…。
1つの現場終わって次すぐある時といい時はドンドンあるんですけどない時はないっていうね。
で仕事現場が最近なくてなあみたいな。
それはもうしょうがないじゃないですか。
世の中的にも割とそんな時もあったんで。
でもあまりにもちょっと仕事がない日が続くとだんだんこう休んでるのが普通の状態になってきてたまにその会社から電話がかかってきて「あした急やけど行ける?」っていう電話かかってきたときに父親が「あしたっすか。
いやちょっと急で心の準備できてません」みたいなの。
断ってるの聞いて「いやそれは行けや」と思ったことありましたけどね。
僕が言うのもあれなんですけど日本ってすごい豊かなイメージがあるじゃないですか。
はい。
でまあまあ海外に比べてアフリカとか僕2年ぐらい前ですかね行ったんですけどそん時にやっぱりすごい貧しいというか本当に昔の日本みたいな雰囲気の国とかもあって大変な国ってやっぱ多いんやなと思って。
今の日本ってそこまで表面的には見えないじゃないですか。
うん。
でもこれだけ貧困率が高いってことですか?またいいポイント言いますね。
いやこれはね相対的なもんなんですよね。
はい。
もうひとつ…はい。
これよく使われる定義は世界銀行っていう国際的な銀行があるんですけれども世界銀行の定義だと1日の所得が1ドル25セント以下っていうのが貧困ラインなんですよ。
1ドル25セント。
日本円にするとどのぐらいですかね?150円くらいですよね。
150円。
はい。
日本だとやっぱり150円だとさすがに食べていけないですよね。
無理でしょうね。
もうちょっと高くても生きていけないですかね。
1日ですよね?はい。
1日はもう…
(笑い声)自然のものを取り入れないと無理でしょうね。
それではね貧困っていうのは言ってみたらお金が欠乏してる状態っていうことじゃないですか。
どうしてそういう欠乏が起こるのか?どうやったらそこから抜け出せるのかっていうことを経済学から迫っていきたいと思うんです。
はい。
お金が足りなくなってる訳だからお金のことを考える集中力がすごく高まってるんですよ。
そうすると貧困ですごく苦労している人っていうのは消費税の計算とか買い物に関わる細かな計算っていうのが速いっていう研究結果もあるんですね。
(2人)へぇ〜!私もね大学院生の頃すごくお金なかったんですけどやっぱりいつも自分の財布の中にいくら残ってるか覚えてましたね。
だから今日はこれなら買えるという。
あっそれはありますね。
もちろん。
すごい少なかったんで覚えやすいですよね。
そうですよね。
そうです。
でもそこに集中しすぎると実は…何ですか?それ。
ここだけを考える。
そうすると他が見えなくなるっていうんですよね。
でこれをね「トンネリング」って言うんですよ。
はい。
トンネリングってトンネル…。
そうなんですよ。
トンネルに入ると…。
そこしか…。
そう。
トンネルの中しか見えないじゃないですか。
実はトンネルの外にはもっと大事な事がいっぱいあるんだけれども今目先の今日。
今日財布の中に僕が500円しか持ってなかったら500円でどう生きていくかしか考えないわけですよね。
だけど今日から先のこともあるんだけれどもそこはもう考えないで今日の500円でどう生きていくかしか考えない。
(2人)う〜ん。
あることに集中してしまう。
そうすると心にその処理の負荷をかけ続けてるわけですからそれ以外のことに向けられる意識っていうのを少なくしてしまうということですよね。
そういうその欠乏の状態…ジャグリングってちょうどさっき公園でね見たあのジャグリングですか?そうなんですよ。
まあもともとの意味としてはね大道芸なんかで行われるようなジャグリングなんですけれどもそれを転じた考え方っていうのが経済学で最近注目されてるんですよね。
うん。
まさに大道芸のお手玉ですね!こういう…できてないですよね。
いや全然できてないですよ先生。
いや。
先生できてないです。
はい。
できないんですよ。
あっできないんですか?はい。
なるほどなるほど。
はい。
これがジャグリングですよ。
なるほど。
普通はこうなっちゃってできないよという。
破綻すると。
2個だったら1個か2個だったらできる。
それがちょうどいい状態ってこと。
それはもうそこまでだったら…。
できるんですか?このくらいはできるじゃないですか。
できますね。
これがそのう…全然先生…全然できてないです。
ウフフフッ。
ということでですね。
だから今の落ちてくるボールにしか目が行ってないんで3つはやっぱり無理だと。
ああなるほどね。
ですから…そうするとちょっとしたショックがあるとさっきのジャグリング状態に陥ってしまうと。
もう自分のこの中に入ってくる予知するとか予期するっていうのは確かにしてなかったと思いますね。
うん。
怖いんですよ。
お金がないっていう状態は本当に。
うん。
もう不安でなかなか他のことできないんですよね。
アメリカの研究なんですけどね最貧困層っていうのを考えると彼らの中ではですね1年間に電話料金の支払いを滞らせるということをしたので…へぇ〜!で1997年の研究だと貧困者の年収のおよそ5%っていうのがその再接続のための費用と延滞金に費やされてるっていうふうに推測されるんですよね。
支払い期限にお金の工面ができず回線が切られてしまうと再接続には通話料金プラス手数料と遅延金がおよそ40ドルかかります。
その時「トンネリング」が起こると通話料を支払えないままにしてしまい結果的には支出が増えるという「ジャグリング」が起こってしまうのです。
だから例えば月の真ん中辺りでその請求書を見たときに今じゃないってやっぱ思うんですよ。
なるほど。
25日の給料が入ってそれで払えるから今じゃないなって思うんですよ。
25日来たらもううれしくて何か御飯食べちゃうんですよ。
計算していったら結構今月しんどいなとかで買いたいもん買っちゃってアホやから。
ほんでまたあっそや電気とか払ってへんって思って見るんですけど今じゃないなって思うんですよまた。
なるほど。
それでだんだん2か月ぐらい遅れていって止められちゃうんですよ。
典型的なジャグリングですよね。
そうですよね。
トンネリングとジャグリングっていうパターンですよね。
はい。
そうですね。
水道以外は止められたことありますね。
でも家の電気とかも切れちゃったりとかして。
真っ暗の中で。
夜になったら真っ暗?真っ暗。
ただあの角だったんで。
アパートが角だった。
角地だったんでそこに街灯があったんですよ。
その街灯で勉強とかしてました。
窓からこう入ってくる街灯で。
またいいんですよこれが。
木漏れ日みたいな感じで。
落ち着く感じの光で。
落ち着きますね。
すぐ眠くなるんですけどね。
へぇ〜!勉強してると。
すごいですね。
ではどうしたら貧困から抜け出せるのか経済学からそのヒントに迫りましょう!実際風間さんや又吉さんっていうのは子どもの頃の苦しい経験というのがあったと思うんですが今ではそこから抜け出して豊かな暮らしをされてますよね。
多少ですね。
はい。
どうして抜け出せた?はい。
やっぱりそれは……抜け出せたのかなと思いますけど。
なるほど。
早く稼ぎたいっていう意味で…はい。
そこで高校に行こうっていうのは何か?え〜と高校だけは出とかないと社会に出たときに多分困るんじゃないかと思ったんで高校だけは行っとこうと思ってそれぐらい稼げるように1日そうですね16時間ぐらい働いてましたからね。
へぇ〜!まあ僕も一緒っすよね。
仕事を自分で高校卒業後ですけど僕は。
仕事を始めたからですかね。
はい。
ああ養成所に。
はい。
吉本の養成所に行きましたね。
それは入学金とか授業料全部込みで40万円。
あっそんな高いんだ。
かかりました。
それは高校の時にバイトしてその40万は自分で。
はい。
ためました。
だから…やっぱり教育っていうのもそういう意味ではどちらのお二方とも大事だというふうには思ってたっていうことですよね。
経済学では貧困の連鎖から抜け出す方法として教育が非常に大切だと考えます。
教育を受けることで将来より賃金の高い仕事に就くチャンスが高くなるのです。
しかし世帯年収と子どもの学力の関係を調査した結果小・中学生では親の年収が学力に影響していることがわかりました。
理由の1つは貧困家庭の子どもたちは塾など学習の機会が少ないこと。
更に問題なのは自己肯定感や学習意欲を持ちにくい傾向があることだと考えられています。
そこで訪ねたのはこちらのNPO法人。
子どもたちに自己肯定感を持たせる教師を育成することを目指しています。
あの先生おらんかったらぞっとするようなねえ先生僕何人か思い浮かぶんですけど。
そういう先生を育てていると。
(松田)例えばこの貧困とか子どもの貧困というのは近年すごく社会的にも非常に大きな問題として取り上げられるようになってきてると思うんですが。
格差というのはこうやってゼロ歳からどんどん開いていくと思うんです。
教育格差というのは。
最終的に高校に進学できなかったりだとか大学に行けない。
大学に行けないとなかなか就職が厳しくなってしまって自分の得られる賃金が限定的になってしまって自分の子どもに与えられる教育も限定的になってしまう訳ですが差が開ききってるここを埋めるのって相当なエネルギー。
難しいですよね。
…がかかってくるんですね。
これ遡ってみるとですね実は小さな差だったんです。
もしくは中学校1年生のときに……そうでないのか。
自分と徹底して……いなかったのか。
小さな差だと思うんですよね。
ずっと小学校から自分のノートに漫才のネタとかずっと書いてたんですよ。
はい。
中2んときにそれを友達が見て仲よかったやつが「オモロイ」っつって先生に言いに行ったんですよ。
「又吉がノートにメッチャオモロイネタ書いてる」っつって。
「やらして」っつって。
ほな先生がその日のうちに「もう今日やれ」っつって。
「帰るときに」っつって。
休み時間に2人でその友達と初めてネタ合わせして。
で5分ぐらいもらってやったらすごいウケたんですよね。
それでなんかこう自信になって。
恐らくそういう出会いがあるっていうのがとてもすばらしい事で恐らくそれに気付いてくれた先生の存在って大きかったんじゃないかな。
いやあでかいですね。
…っていうのが前提にあるんですよ。
それをいかに我々が信じれるか応援できるのか。
そしてチャレンジしようともし思ったときにそのチャレンジに必要なサポートをしてあげられるのか。
そういったことに徹する先生っていうのが今も現場ではたくさんそういった先生方いらっしゃいますけどどんどん増えていくだけでもいろんな社会課題っていうのは解決されていくんじゃないかなというのは思ってますけどね。
経済的に苦しくても高等教育を受けるチャンスが得られる「奨学金」。
奨学金の貸与額は年々増加傾向にあります。
ところが今その奨学金を返すことができない人たちが増え問題になっています。
仕事に就いても奨学金を返済できる賃金を得られないのです。
あっこんにちは。
(田中)こんにちは。
よろしくお願いします。
はじめまして。
又吉です。
はい。
よろしくお願いします。
又吉さんがやってきたのは眼鏡の製造・販売を行う会社。
こちらでは社員の奨学金の返済を肩代わりするユニークな制度を今年から始めました。
奨学金を受けてそういう大学に行ってもしっかりそこでいろんな知識だとか…そういう受け皿があれば…そうですね。
モチベーションに絶対なりますもんね。
そうですね。
この次の世代の子たちに対してちょっとそういうなんか少し道が作れたらなんか少しは役立てるのかなと思ってそれで始めました。
なるほど。
ご自身は学生時代に奨学金をもらってたとかいう…。
僕は大学に行ってないんでもらってない。
そうなんですね。
もらうも何も大学に行ってなかったっていう。
はい。
まだ始まったばかりのこの取り組み。
来年の新入社員に期待ですね!頑張って!国や自治体の援助。
それで貧困から抜け出すことができ長い目で見ると財政的メリットもあるという試算があります。
例えば18歳で高校を中退した人が生活保護受給者になると65歳までに国は5,000万円〜6,000万円を負担することになります。
一方国や自治体が2年間の職業訓練に460万円を負担すればその後税金や社会保険料などを国に納めてもらうことができます。
この差額は1億円の便益になると考えられているのです。
各自治体でもさまざまな工夫で生活保護受給者になる前に何らかの対策立てることでね親子間の貧困の連鎖を断ち切って増えつつある社会保障費を抑えようとする動きってあるんですよ。
はい。
で又吉さん。
ちょっとその実態見てきてほしいんですよね。
あっ僕がですか?又吉さんね最近着なくなった古着とかないですか?まあまあいくつかはありますね。
はい。
ぜひそれを持って行ってくださいよ。
わかりました。
「だいJOBセンター」って書いてありますね。
ここですかね?ああこんにちは。
自分のスーツを持って行くように言われたんですけど。
(加藤)ここにですか?合ってますか?間違ってはないですけど…。
はい。
はい。
(加藤)あっ。
こういう…。
ジャケット?はい。
漫才する時とかに。
はい。
割と。
う〜ん。
漫才ではいいと思うんですけど実はあの…ちょっと違うんですよね。
…ということでご用意させてもらってるんです。
こちらあのえ〜例えばですけれども失業されてお仕事今就いてらっしゃらない方がそうすると金銭的にもお困りになってしまうと思うんです。
そのときにちょっと手持ちのスーツがないとか。
面接や履歴書の写真用に無料で貸し出されるスーツ。
就職し貧困から抜け出したい人にとっては助かるサービスです。
あっ就職活動用やから。
これなんかちょっとあんまり面接官に印象がよくない。
そうかもしれないですね。
そう。
大切なのは自立すること。
こちらでは仕事が見つからない人と個別に面談し支援しています。
(所長)例えば失業されたきっかけが親御さんの介護の必要があって退職をして介護に専念されてた。
そのあとにご両親が親御さんが亡くなってですねさて仕事を探そうとなると履歴書上はこう何年っていう空白期間が出てしまうと就職活動には非常に不利だと言われてるんですね。
そういう方が仕事がなかなか決まらないって来たときに介護の実際に親御さんの介護をされてた経験を生かして介護の資格を取ってみましょうと。
なるほど。
自分でなかなか1歩踏み出せないときにね相談乗ってくれるこういう所があるとやっぱり安心ですよね。
貧困から脱出できる秘策があるんですよ。
何だと思います?貧困から脱出できる秘策。
はい。
何でしょうね。
チャンス。
なるほど。
チャンスを与える。
それは誰でもね脱出できますよね。
そうですよね。
はい。
それは外から降ってくるものじゃないですか。
自分で。
自分から切り開かないと長続きしないですもんね。
いや。
これね当たり前かもしれないんですが経済学から考えてみると貧困から抜け出す第一歩っていうのは貯金なんですよ。
ああ。
で貧困に苦しむ人ほど突発的なショック。
それから自然災害とか仕事で使う車の故障というのが起こったりとかそれから病気などによってあした使うお金がなくなってしまうという事が起こって生活そのものが破綻してしまう。
貧困の人ほどこういうショック不意に訪れるショックに対するバッファーっていうのがないわけですよ。
そういう人ほど貯金すべきだっていうふうに多くの経済学者は考えてるんですね。
はい。
貧困なのに貯金をするんですよね。
そう。
ということは…そう。
日々は我慢しなきゃいけない。
だけどショックが大っきいんですよ。
そう。
それもつらいですね。
つらいんです。
難しいですよね。
う〜ん。
だから風間さんのおばあさんって貯金されてました?してないですよ。
ねえ。
そうすると…で逆にこうすごくこう幸運がおばあさんに訪れたときにはすごくこう豊かになってた。
そうですね。
パチンコが出たときは。
っていうこう…そうですね。
わけでしょ。
そうではなくってショックがあったときにはゆとりを持ってれば生活水準を変えなくて済むじゃないですか。
そうですね。
はい。
ゆとりがあれば。
ゆとりがあれば。
だからそこをやっぱり貯金をしていくってことが大事なんですよね。
難しいですね。
ですから確かにお金がないから貯金できないっていうのは正論のように思えるんですけれども…その例っていうのをインド出身の経済学者が紹介しててケニアのある地方だと尼さんの集団の畑っていうのは青々としてるらしいんです。
でも農民の畑っていうのは出来が悪い。
2つの畑を研究者が調べると教会の畑では肥料を使っていて農家の畑では使っていないことがわかりました。
肥料を使った時の収益率は7割。
つまり…実は農家の人たちも肥料を使うと作物がたくさんできることは知っていました。
ところが彼らは収穫後にお金が入ると使い果たしてしまい肥料代を残せなかったのです。
あのう1万円で肥料買ったら1万7千円プラスの出るかもしれんけど次こそは肥料使わなくても今までの5倍ぐらい何か取れるんじゃないかって思っちゃうんですよ。
いつもより太陽がね10倍ぐらい当たったりとか。
雨がいっぱい降ってくれたら豊作になるんじゃないかとか。
何かそういうイメージですよね多分。
考えちゃうんですよ。
このケニアの例でも農家の人たちはわかっていてもためられなかった。
しかも……ということも多かったらしいんですよね。
それで研究者たちはどうしたら農家に肥料を買って収入を増やしてもらえるかを考えたんです。
解決策を見いだしたんですよ。
見つかったんですか?はい。
農家の人たちの問題は収穫直後のお金があるときについつい別の物を購入してしまい必要な時に肥料が買えなくなっていたこと。
そこでお金が手元にあるうちに…これで畑を耕す時期に手元にお金がなくても肥料を手に入れられるようになり収穫高があがったのです。
ここには人間のある特性が潜んでいると経済学では考えます。
風間さん子どもの頃夏休みの宿題ってあったじゃないですか。
あれ夏休みの前はいつやろうと思ってました?夏休みの前はえ〜と夏休み終わってからやろうと思ってました。
終わってから最初からやろうと思ってたんですか?
(笑い声)夏休みは休むものだから休まなきゃいけないと思ってたんで休み以外のところでやろうと思ってました。
その代わり集中してやるんで1日2日で絵日記もブワーっと2か月分書いたり。
それ日記じゃないですよねもう。
小説とかのレベルですよね。
ほとんどもう想像の世界になっていくね。
(笑い声)すごいっすね。
これは予想外の答え…。
あっすいません。
大丈夫ですか?大丈夫。
僕はいつも夏休みの終わりにやるって言って言ってましたよね大体。
早くやらななやらななと思いはするんですけどでも8月に入っちゃって最終的に一番最後の1日2日でやるという。
なるほど。
最初の授業の時は「夏休みの宿題忘れました」ってウソをつくっていう。
わかりました。
で今の方が大事だっていうふうに思いがちだっていうことで「双曲割引」っていうその特性なんですね。
双曲割引とは……人間の特性。
先ほどの農家がお金が入るとついつい必要ないものを購入してしまったのもこれが関係しているんです。
双曲割引の人の典型っていうのは夏休みが始まる前は宿題は毎日均等にやろうとか最初の方にやろうとかっていうふうに思う。
だけど夏休みが始まったら毎日先延ばしをしていって最終的には夏休みの最後にすると。
僕は割とそうなんですよ。
最初にやった方がいいんやろなと思ってるけどできひん。
それは双曲割引ですね。
はい。
ここで問題になるのは……ケースが多いと。
だから貯金しなきゃいけないと思ってる人がいや貯金はあしたからしようっていうふうに思いがちであると。
風間さんの場合は最初から終わってからやろうと思ってそうしてたと。
そうですね。
休みは休んだ方がいいと思って。
独特の発想ですね。
貧困から脱出するっていうためにはですねまあいろいろなサポートがあるんですよね。
そういうことを計画どおりちゃんとやってくれる。
あるいは教育を支援してくれるとかっていうことも大事だと思うんですけれどもそこから…風間さんの場合はあれですね少々生活水準が変動しても大丈夫だっていうなんか。
そうですね。
…のがあったから。
強さがありますね。
そう。
そうですね。
何とかなるだろうと思ってましたんで。
又吉さんには少しその傾向があるんですが本当は近い将来やらなきゃいけないっていうことを先延ばしする傾向があるということであればそれをしないような仕組みを自分で設定しておくってことが貧困から脱出する上では非常に大事だということですね。
要らんことにお金を使わんように。
もしかしたら光熱費とかは前もって払うみたいなシステムを自分でやっとけば本当に大切なものから順番にお金を払っていけてたかもしれないですね。
はい。
ね。
確かにそんな…そんな時代でも要らん1回しか着いひん変な服買ったりしてますからね。
そういうものを買うことをなくせたかもしれないですね。
でもそうするとオシャレ芸人の又吉さんはいなかったかもしれないですね。
あぁ…。
アハハハッ。
そう考えるとホント無駄なことがなくなってしまうんですけど。
(母)だからお母さんはあなたたちにいつも貯金しなさいって言ってるのよ。
(妹)お母さんが電話の下にお金をこっそり置いてるのも貯金なの?
(母)それは言っちゃダメ!又吉さん今日は経済学から何を学んだんでしょう?「またよし学習帳」。
僕たちはいつのころからか「それ」を曖昧にしてきた。
2015/06/26(金) 00:30〜01:15
NHKEテレ1大阪
オイコノミア「お金がない!人のための経済学」[字][再]
「お金がない!」のはとても不安なこと。食費に光熱費、学費に医療費…お金に困ったらどうすれば?経済学が注目するのは“心理状態”。意外な解決策がここに!
詳細情報
番組内容
食費に光熱費、家賃に学費に医療費、生活には何かとお金がかかります。そんななか、「お金がない!」のはとても不安なこと。一見豊かな日本でも、急病や事故、失業、離婚など、ふとしたきっかけで、生活が立ち行かなくなってしまうことは珍しくありません。では、お金に困ったらどうすれば?経済学が注目するのは、なんと、お金に困っている人の“心理状態”。ちょっと意外だけど、とても有効な解決策をご紹介します。
出演者
【ゲスト】風間トオル,【出演】又吉直樹,【解説】大阪大学教授…大竹文雄,【語り】朴ろ美
ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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