先月中旬。
日本で起きたある事件の真相を追っていたディレクター。
アメリカでたどりついたのは…。
巨万の富を生んでいたのは日本に向けて輸出されるある生物の大量の卵。
実はこの生物今四国で起きている深刻な問題に深く関わっていた。
そして始まった…失敗すれば…。
アメリカのミシシッピ川まで取材行ったの?「金金金」って言ってたよ。
噛みつくって…。
困ったねこれ。
何なんですか?お待たせ致しました。
出来上がりました。
何なのよ?こちらでございます。
どうぞ!農作物。
ちょっと見てみますか?今回レンコンがやられたんです。
またこれまた変わったものを。
徳島ってレンコンの一大産地で全国で2番目に生産量が多い。
いいものは京都の料亭まで出しているというところですがある生き物に食い散らかされておりまして…こいつなんとどう猛です。
どう猛なの?素早く動きます!素早くてどう猛!もう一つドン!なんと2万匹います!お前は一体誰なんだ?とディレクターが想像したんですが例えばトカゲなんじゃないか。
トカゲレンコン食べないでしょ。
いやいやもっともっとすごい。
もしかしてアメリカの研究者が寄ってたかって研究してたら何だか訳の分からない生き物が出来て制御できなくなったとか。
これだこれ!さあ調べていくと意外と身近な生き物でした。
所さん!大変ですよ。
ディレクターが向かったのはレンコンの一大産地…謎の生物がレンコンを食い荒らす被害が目立ち収穫量が多いところで3割も減ったという。
(取材者)毎日いるんですか?レンコン農家に被害のあった畑を案内してもらうと…。
レンコンは地中に茎を伸ばし芽を出しながら成長する。
ところが謎の生物に途中の芽を食べられてしまいそこから先のレンコンの育ちが悪くなっているというのだ。
特産のレンコンが大打撃を受ける事態に県も必死の対策を行っているという。
この日捕獲作戦が決行されると聞き現場に向かった。
どうやらわなを仕掛けて捕まえるらしい。
(取材者)レンコン以外でも魚も食べるんですね。
謎の生物は畑の周りの用水路に潜んでいるという。
これで本当に捕まえられるのか?でも僅か2時間後。
いた!…カメ?確かにどれも大きいが。
これが謎の生物だというのか?
(取材者)何ですか?これ。
謎の生物の正体はアメリカ原産の…顔の脇に赤い耳のような部分がある事からその名が付いた。
でもなぜアメリカのカメが徳島に?すると男性から意外なひと言が。
えっ?これがミドリガメ?ミドリガメといえば祭りの屋台でよく見かけたあの小さくてかわいいカメじゃないのか?県によればどうやらペット用にアメリカから輸入されたカメが捨てられ野生化したらしい。
それが20センチ以上に成長。
カッターのような鋭い口でレンコンの茎を食いちぎるようになったという。
しかもその数…。
なんと2万匹!レンコンの芽が出る今の時期毎日わなを仕掛けているが増え続ける一方だという。
イタチごっこみたいなところはどうしてもね。
実際周囲を回ってみるとレンコンを狙うカメたちの姿が至る所に。
あっあれそうじゃねえか?あああれそうだ。
人の気配を察知すると…。
カメにしては動きが素早い。
わっあそこすっごい!県によればミドリガメの生息域は年々拡大。
放置すれば近い将来特産のレンコンが食い尽くされる可能性さえあるという。
調べてみるとミドリガメの仕業と見られる被害が各地で報告されている事が分かった。
愛知県では水質浄化のために植えた120本の空芯菜の苗が一晩で食い尽くされ全滅。
福岡県では名産のヒシが食べられたという報告もあった。
そして首都東京でも意外な問題が起きていた。
都心の池や川の生物を10年間調査しているNPOの担当者。
見せてくれたのは…。
巨大化したミドリガメが小さな鳥なども襲って食べているというのだ。
更に水辺の植物を食べ尽くし日本の在来種イシガメやクサガメなどを激減させる大きな原因になっているという。
一体なぜこんな事になってしまったのか?取材を進めるとその答えを知る研究者に突き当たった。
カメの研究を続けて35年の…ミドリガメの被害が拡大している背景にはそのかわいらしさしか知らずにペットとして飼ってきた歴史があるという。
教授が見せてくれたのは…。
菓子の景品になるほどミドリガメは当時子どもたちの間で人気が高かったという。
人気の怪獣映画にも。
ミドリガメが登場していた。
このころからアメリカからの輸入量が急激に拡大したと教授は言う。
ところがこのミドリガメ…しかも大きくなるとどう猛さが際立つ事を日本人の多くは知らなかった。
その結果持て余した飼い主たちが住宅地の近くの川や池に捨てるケースが相次いだ。
するとミドリガメは日本の在来種イシガメの2倍という繁殖能力で爆発的に増加。
そして2000年以降住宅地から郊外の農地などに生息域を一気に広げ数年前から私たちの食べ物にまで被害を与え始めたという。
これが事件の真相だった。
数日後番組に信じられない情報が飛び込んできた。
なんとミドリガメが今もアメリカから輸入され続けているというのだ。
しかもその数年間10万匹以上。
一体なぜ?同じカメでもカミツキガメは既に10年前に輸入が禁止されている。
環境省に事情を聞くと…。
つまり輸入を禁止するつもりはないという事のようだ。
環境省によると輸入を禁止するには通常生態系などに被害を及ぼすおそれのある特定外来生物に指定する必要がある。
指定された生物の飼い主は逃げ出さないよう頑丈なオリを用意したり国に許可を申請するなど厳しい条件をクリアする必要があるのだが…。
つまり現在ペットとしてミドリガメを飼っている飼い主が国が規制をかける事で一斉に捨ててしまうのではないか。
そんなおそれから国はミドリガメを特定外来生物に指定したくてもできない。
それが事の真相のようだ。
あっ!このあと…日本にミドリガメを輸出し巨万の富を築き上げた謎の大富豪が登場。
「あ〜っ!」とか言ってましたね。
あんなにいるから。
数整理するとカメ博士の矢部先生に聞くと日本でいるカメの6割近くはミドリガメ。
そんなデータもあると。
環境省も別に何もしてない訳じゃなくてミドリガメを緊急対策外来種というのに位置づけていまして専門家への聞き取り調査を行ったり飼い主に捨てないでねって啓蒙活動を始めたりしています。
(笑い声)あんだけレンコンがやられたら誰がどう考えても駄目だろうこれっていう。
スタジオには今日も専門家の方にお越し頂いています。
カメについてお話ある方。
カメについて。
澤口先生お願いします。
ミドリガメですよね60%も占めてると。
これはアメリカではいっぱいカメがいる。
あの手のカメがいっぱいいまして…確かに人の気配感じたらサッと逃げてましたもんね。
ミドリガメの研究ではないんですけれど似たようなカメでやった時にそのぐらいに頭もいいし…弱いんだ。
でもカメも面白いですよね。
あれ何かから外敵から身を守るための甲羅でしょ?持たれちゃってるの。
(笑い声)ミドリガメ広がったのがお菓子の景品って先ほどあったんですけども…同じような頃ですが…ミドリガメはまだねちょっと梱包して送っても何か生きてそうじゃない。
文鳥はどうやって送ったんだろう?文鳥はどうもペットショップで換えられる券みたいなのをプレゼントしてたみたいなんですけれども。
こちらの写真をご覧下さい。
植物が建物を覆い隠している訳ですけれども…明治時代家畜の飼料餌として日本からアメリカに輸出されました。
ところが現地には葛のもともと天敵が向こう側でいないという事や南部の天候にマッチしてしまった事などの理由で大繁殖をして…所さん。
何?先ほどご覧頂きましたアメリカで我々が目撃した衝撃の一コマ。
うわ〜すごいな。
実はですねさっきもありましたが…一体なぜなのか。
日本にもさまざまな事情がありますがアメリカ側にも深い事情がある事が現地の取材で分かってきました。
所さん!もっと大変ですよ。
ディレクターが向かったのはミシシッピ川が流れるアメリカ南部。
日本に輸出されるミドリガメは主にルイジアナ州にある養殖場で育てられているというのだが…。
通訳を通じて取材を申し込んでみると。
なぜか取材拒否が相次いだ。
何か後ろめたい事でもあるのか?そんな中一軒の業者からメールが。
「取材を受けてもいい」。
恥ずべき仕事?一体どういう事なのか?教えてもらった住所を頼りに向かってみたがうっそうとした森が広がり場所が全く分からない。
地元の人に聞いてみると…。
養殖業者に電話してもらうと…。
なぜか地元の人もその存在を知らないらしい。
カメの養殖の何をそんなに隠さなければならないのか。
目印は青いボート。
それを頼りに探すしかない。
すると30分後。
あっ!カメの像が。
ここだ!着いたのは立派な邸宅。
こんにちは。
出迎えてくれたのは養殖業者のキースさん。
そして息子のゲイジさん。
60年以上前から養殖を始めキースさんで3代目になるという。
広大な敷地には家が3つ。
もちろんプールつき。
まさにタートルパレスだ。
ここにもカメの置物が。
そんなにカメはもうかるのか。
早速養殖場に案内してもらう事に。
そのとおり。
全てはカメから始まったんだ。
するとフェンスの向こう側に驚きの光景が。
おびただしい数のミドリガメ。
東京ドームとほぼ同じ大きさの敷地にミドリガメだけで年間30万匹を養殖しているという。
(キース)ここにはオスメス合わせて1万匹の親ガメがいるんだ。
卵を取ってそれから生まれた子ガメを日本をはじめ世界中に輸出しているんだ。
ディレクターの目の前でちょうど親ガメが産卵をしていた。
養殖場の敷地を掘り起こせばどこからでも卵が出てくるという。
(取材者)卵見えました。
(キース)一度に8個から15個の卵を産むんだ。
(取材者)出てくる出てくる。
卵からかえった子ガメは平均一匹100円で売りさばいているという。
ところが取材の途中キースさんが意外な事を言いだした。
1970年代に大変なトラブルがあったんだ。
実はその40年前のあるトラブルをきっかけに日本への輸出が爆発的に増えたという。
禁止の理由はカメやヘビなどは虫類が持つある細菌だった。
人が感染すると食中毒を引き起こし最悪死に至るおそれもあるという。
そこでアメリカでは1975年子どもが過って口に入れないよう10センチ以下のミドリガメを販売禁止にする法律が成立。
そのため…。
75年から市場は激変して私たちは海外に頼るようになったんだ。
以来カメの養殖ビジネスに対するアメリカ国内の風当たりは強まるばかり。
そんな中キースさんは卵についたサルモネラ菌を消毒する機械を導入。
販売が規制されていない国への輸出に力を入れ始めたという。
それが日本と中国だった。
現在はEUを含め30か国以上が輸入を禁止する中大口の取引先は日本と中国だけだという。
アメリカの業者にとって極めて大事なお得意先である日本。
そして今日もミドリガメは海を渡る。
梱包も乱暴だね。
モーリーさん。
やっぱりそもそもルイジアナ州などミシシッピ川ね泥がいっぱいある沼地帯なんですけどカメとかワニなどが住むには最適の場所なんですね。
だから…なるほど。
でもあのカメもそもそもヨーロッパとかで禁止になったのはサルモネラ菌なんかが原因だったっていう事で今日本に来てるのは大丈夫なんですかね?だからあのアメリカのキースさんのところも薬品でほぼ100%殺菌をしていると。
アメリカから日本に来る時も検疫をしっかりしているという事なんですが厚生労働省は実は注意を呼びかけていて2つ。
そらそうだ。
そうだよ。
もう一つ。
当たり前だよ。
カメは飼わなかったですね。
は虫類は飼ってましたけど。
私の知り合いにALFEEに坂崎っていうのがいるんですけどあいつがミドリガメたくさん飼ってて水槽にすごいいるんですよ。
そこへドッグフードみたいの入れるとジャバジャバジャバ…。
あれ見た時カメはやめようと思った。
恐ろしいと思ったから。
そうですか。
2015/06/25(木) 22:55〜23:20
NHK総合1・神戸
所さん!大変ですよ「仰天!農産物を食い尽くした謎の生物」[字]
今アメリカで、日本に輸出される、ある生物の卵が巨万の富を生んでいる。しかも、この生物、徳島で農作物を食べ尽くし深刻な問題を起こしていた。その正体に所さんも仰天!
詳細情報
番組内容
今、アメリカで、日本に輸出されるある生物の卵が巨万の富を生んでいるという。しかも、この生物、旺盛すぎる食欲と、素早い動きで、全国各地で深刻な問題を引き起こしていた。その正体は?所さんも仰天した、事件の意外な真相。
出演者
【司会】所ジョージ,久保田祐佳,徳永圭一,【出演】澤口俊之,牛窪恵,モーリー・ロバートソン,【語り】吉田鋼太郎
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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