カンブリア宮殿【赤字路線バスの復活劇!地元に愛される“超地域密着”戦略】 2015.06.25


この夏家族で休日にぶらり日帰りの旅なんてどうですか?
ここは通称小江戸と呼ばれる埼玉県川越市。
有名な蔵造りの街並みは日本橋の商家のような街を目指して明治時代に建てられたとか
東京から電車で1時間ほどでタイムスリップしたような気分が味わえる
食べ歩きグルメも充実。
埼玉産の豚を使ったソーセージ
こちらのかつおぶし屋さんにはすごい行列が。
おっ焼きおにぎり
かつおぶしをたっぷりかけて…
はいありがとうございました。
でお味はどう?
むらさきいもを使ったソフトクリームも大人気
川越といえばさつまいもだもんね
こちらは昔懐かしの飴細工。
職人さんが作っているの何かわかります?
家族みんなで楽しめる川越
今や年間650万人以上の観光客が訪れる人気スポットだ
蔵の町小江戸川越に来たらぜひとも味わってみたいものがある。
おっ行列ができてるねぇ
そううなぎ!
こちらは創業200年の老舗。
おっいたいた!うなぎはかつてまわりの川でたくさんとれた。
それに特産品だった醤油が合わさって名物になったという。
この店の命は江戸時代から継ぎ足された秘伝のタレ!
うわ〜うまそう!
そしてもう一つ川越には欠かせない名物。
それがこのレトロな
観光客のなかにはこのバスが目当てで来る人も。
早速乗ってみると…おっすでに満員
実はこのバス観光バスではなく町の人の足となっている
川越の観光スポットを中心に2つのルートを回っている
観光名所の一つがこの
そこにバスが近づくと…
なんと運転士がガイドを始めた!更に…
「とおりゃんせとおりゃんせ」
えっ歌!?
川越城の裏に伸びる三芳野神社の参道。
この道が実は『とおりゃんせ』の「細道」だそうだ
運転士がガイドをしてくれて観光名所をめぐり…
車内に笑い声が溢れる。
こんな路線バスめったにない!
客をとことん楽しませてくれるバス会社…
本社は川越市にある小さな3階建て。
朝9時。
会社におじゃましてみると社員が集まっていた
おはようございます。
(一同)おはようございます!
中堅規模のバス会社だ
すると…
(発声練習をする声)
これは日課の発声練習!
しっかり声を出すことが接客の基本だという
ちょっとユニークなバス会社。
それを率いるのが…この男
社長の谷島です。
よろしくお願いします!
朝礼が終わると谷島がどこかへ向かった。
階段を駆け下りて会社を出ていく。
向かった先は本社から100mほど離れた別棟のビル。
谷島のデスクはこちらにあるという
軽やかに駆け上がってたどり着いたのは3階の部屋
ここが谷島のデスクだ
苦境にあるバス業界。
しかし谷島は独自の手法で客足を伸ばしてきた
谷島は大学卒業後
1980年地元川越で小さな旅行会社を経営していた父とともに
当時盛況だった観光バスに乗り出したい。
だがそう簡単にはいかなかった
観光バスなどに必要な免許は実績がないと取れない。
そこでまず許可制の送迎バスで事業を始めたのだ
最初に取り組んだのがこの送迎バス。
中には…
イーグルバスは養護学校の送迎などで10年の実績を積み1990年観光バスの免許を取得。
その後路線バスにも事業を拡大していった。
その歴史のなかでヒットしたのが客を楽しませるこの
イーグルバスは価格ではなく顧客満足の運行で厳しい業界にありながら業績を伸ばしている
谷島にはもう一つの顔がある。
この日オフィスをのぞいてみると…
すみませんそれ何ですか?
そのうちわには…
実は谷島観光協会の理事を務め川越に観光客を呼ぶ活動もしている
今年で5年目を迎えいまや川越の名物となっている
こちらは?
お似合いですねぇ
しかもこの日に着物を着ているとお得なサービスがいっぱいあるんです
小江戸川越のきものの日のサービス
こちらの喫茶店では…。
ドリンクを注文するとこんなにスイーツがついてくる
谷島のイーグルバスでは
着物で町を歩き回るのは大変だからこれは嬉しいよね
わざわざ家から着物を着てこなくても大丈夫。
レンタルショップも充実している
着付け代込みで
この女性も台湾から
きものの日を谷島とともに立ち上げたのは商店街のおかみさんたち
更に谷島は夜の川越にも人を集めようと蔵の町のライトアップを始めた
目玉はこのプロジェクションマッピング。
毎年秋に3日間開催しているがこれが大盛況
このイベントを一緒に立ち上げたのは川越の若手経営者たち。
こちらのご主人もその一人
ありました?反響といいますか。
すごいですよ。
そして最近一気に増えてきた外国人観光客のために谷島のイーグルバスではこんな取り組みも始めた
実は運転士たち休憩時間などを使って英会話の自主トレを行っていた。
使っていたのはイーグルバスオリジナルの
こうした努力で
商店街を訪れる客も増えたという
地元とともに元気になる。
それが谷島のポリシーだ
今夜は…
きものの日とっても楽しそうでしたけれども川越には最近外国の観光客の方もとても増えていらっしゃるということで。
やはり川越というのは東京ではすでに失われてしまったまだ江戸の面影こういったものを残してる。
これが最近はですねいろいろなインターネットだとかSNSとかで発信されてずいぶん増えてますね。
今地方のバス業界がどれほど衰退してるのかというのをちょっとおさらいさせてください。
地方に限ってみると9割近くが赤字といわれています。
ひどい状況ですけども。
日本のバスビジネスっていうのはいろんな意味で縮小傾向っていうか。
そういう気持があってですね…。
安さではなく品質で生き残りを図るとおっしゃいましたけども品質っていうのをバス業界のビジネスの中で具体的に…どういうことになってくるんでしょうか?谷島さんのインタビューとかによると地域のインフラを支えている企業地域にとってなくてはならない存在だったら地域のほうから逆に生かされるかもしれないと。
地域に必要とされる企業になることが企業を永続的に発展させていく究極の経営戦略ではないかと。
謙虚ですね。
でもそれは本当じゃないですかね。
収録前日村上龍はバス会社の枠を超えた谷島の取り組みに可能性を感じていた
川越市の隣に位置する
人口5万人のベッドタウン
ここでもイーグルバスは路線バスを走らせている
実はこの路線以前は大手のバス会社が運行していた。
しかし客足が伸びず9年前…。
大手が撤退。
困った自治体がイーグルバスへ引き継ぎを依頼してきたのだ
だが谷島はその決断が甘かったことを思い知らされる。
ある日谷島はその路線の運行状況を確かめに行った
バスに乗り込むと客が1人もいない
赤字は膨れ上がり初年度だけで2,000万円にのぼった
その原因を探るために谷島はバス業界初となるシステムを開発。
客の乗り降りをカウントする赤外線センサーと位置を測定するGPSをバスに取り付けた
それによってバスが何時にどの停留所に着いたかそこで何人の客が乗り降りしたか。
つまりバスの中の見える化を実現したのだ
このデータをもとに谷島が打ち出したのが便利なバスへの改革だった
データはさまざまな事実を教えてくれた。
そのひとつがこの病院へのアクセスの問題
病院から歩いて5分も離れているイーグルバスの停留所。
なぜかあるときからこのバス停の
実は病院前にバス停を持つ
1日3便あったのが
そこで谷島は関係各所に交渉してバスの運行ルートを変更。
バス停を病院の前に移したのだ
これで病院に通う人たちは大助かり
更にデータからダイヤの遅れの原因も浮き彫りになった。
ポイントはこちらのバス停
ここには日帰り温泉施設がある
自然に囲まれた露天風呂が人気
そのうえ食事も楽しめる
週末には客が押し寄せる
しかし多くの客が訪れる行楽シーズンには乗り降りに時間がかかりそれがバスの遅れの原因になっていた
そこで谷島はこの路線のダイヤ全体を見直した。
ここでの停車時間が長く取れるよう変更し遅れが出ないようにしたのだ。
これで時間どおりに来る便利なバスとなった
こうしたさまざまな取り組みで
その手腕を頼りにしたのが
鉄道の駅は1つしかなく住民の足は町営バスが頼りだった
しかしバスは2時間に1便。
不便なため利用客が減少し町の財政の負担となっていた。
住民の足をなくしてはならない。
廃止の危機にあったこの路線をイーグルバスが町から引き継いだのだ
便利になれば客は増える。
谷島はあえて過疎のこの地で便数を増やしてみせた。
その鍵がここ
見ているとバスがひっきりなしにやってきては発車していく
谷島は町の中心にバスの中継ポイントを作ったのだ。
町営バスの時代は2つの集落と駅を結ぶバスはそれぞれ2時間に1便しかなかった。
その真ん中に中継ポイントを置きバスを1台増やす。
すると乗り換えは必要になったが集落と駅を結ぶバスを1時間に1便走らせることが可能になったのだ
更に谷島はバス停から遠い人にも気を配った
最寄りのバス停まで15分もかかるため外出は最小限に控えていたという。
しかしあるサービスが始まって外出する機会が増えた
ん?いったい何を予約したの?
桑原さん家から100mほど歩くと小さなバス停と小さなバス。
これは予約したときだけ臨時のバス停まで迎えに来てくれる
まるでタクシーのようだが料金は路線バスと同じ計算。
桑原さんの場合は220円
他のバスに乗り継ぎしやすいようあの中継ポイントまで運んでくれる
じゃあまたお願いいたします。
すみません。
こうした取り組みでバスの
田舎のバス路線として画期的な数字だ
私もバスは利用しますが乗り換えの問題であったりとかやはり時間どおり来ないっていう問題はあると思うんですけどもここまでイーグルバスさんが利用者の便利さを考えてやられてるっていうのはすごいことだなと思いました。
ありがとうございます。
まず観光バスから始めてですね路線バスに参入されるわけですけれども日高市でしたっけ?そうですね。
大手が撤退するってことは非常にリスクがある事業ってことですよね。
それをイーグルバスがどうやって引き受けたのかっていうのが謎だったんです。
ですからできるかどうかというような…。
引き受ける前と引き受けたあとっていうのは中の世界を知って何が思っていたことといちばん違かった…。
私たちが最初にやってきたのは送迎バスそれから観光バス入りました。
怖い。
そうなんですよ。
怖いです。
それは初めて知ったときの心境っていうのはどうやって考えたんですか?確かにそうですね。
週に1回でも2回でもおばあちゃんが病院に行ってるっていうのがわかったりするともうなんかやめらんないですもんね。
そうですね。
やめようって言ってやめられたら楽ですよね。
はい。
それをですね今までは地域住民の足を維持する社会投資として自治体が負担する仕組み作りが必要であると…。
地方の路線バスが今反撃ののろしを上げている
キーワードは路線バスの旅その魅力に迫る
地方のバス業界はどこも苦しいが生き残りを賭けた新たな試みが今各地で始まっている
この会社の新たな取り組みがこちら
どうやらバスツアーのようだがバスツアーなんて今どき珍しくないと思うでしょ。
ここのバスツアーはちょっと違うんです
使うのは観光バスではなく普通に町を走る路線バス。
この会社では路線バスを使った日帰りプランに力を入れている
こちらは母と娘の2人連れ
今回利用するのは?
お二人が選んだのはこれ。
六花の森バスパック
路線バスだから降りるのはもちろん停留所
目的地までの1.2キロは歩かなければならない。
歩くのきつくないですか?
ここが目的地の…
北海道の四季折々の花々が迎えてくれる
広さは東京ドーム2個分。
森あり水辺ありのゆったりした庭園だ
普通にバスで往復して入場料を払うと…
680円もお得
更にこちらのパック…
超格安
そしてこちらの温泉パックはほぼ半額に
客が得するだけでなくバスも施設の利用客も増える。
みんなが嬉しい取り組みだ
一方こちらは埼玉県唯一の村東秩父村。
谷島は人口わずか3,000人のこの小さな村で新たな試みを始めていた。
村への入り口となるイーグルバスのバス停。
休日のこの日バスは満員で乗り切れないお客も。
いったいなぜ田舎のこのバスが人気なのか?降りてきたのはハイカーたち。
実は東秩父村は初心者向けのコースが充実したハイキングの人気スポット。
30分も登れば山頂へ。
そこからの眺めはこの絶景。
この日は霞んでいたけどはるかに八ヶ岳連峰も見える
東秩父村を走る路線バスの沿線にはさまざまな観光スポットがある。
その途中にあるひとつの施設に谷島は目をつけた
実は東秩父村は1,300年の伝統を持つ和紙作りの里
これは細川紙で作られた大福帳。
明治時代のものだというがまるで色あせていない
この細川紙が…
その影響もあって和紙作りの体験もできるここは今観光スポットとして人気急上昇中だ
この和紙の里で谷島は2年前からある計画を進めている
ここに他の駅や各観光スポットと結ぶバスの中継ポイントを作り観光客の利便性をより高めようというのだ
しかもそれは観光客のためだけではない。
ここに郵便局やコンビニなどさまざまな施設を置き地域住民にとっても便利な施設を作る計画だ
これは村と共同で進める一大プロジェクト
地方のバス会社が町づくりという大きなビジョンに向けて走り出した
これも谷島さんの言葉でどういう意味なのかなって思ったんですけども実は過疎地のほうが観光資源が多いんだっていうふうにおっしゃってますよね。
どういう意味ですか?旅行会社の頃は外側からバスを見てたようなとこがあるっておっしゃいましたよね。
でそれはある意味客観的に俯瞰で見られたってことかもしれませんけど谷島さんご自身のバスに対する思いっていうかあるいは公共交通っていうことに関しての思いっていうのは少し変わってきたりはしなかったんですか?
廃止の危機にあった路線をよみがえらせたイーグルバス。
それは住民たちの希望も乗せて走っている
(ナレーター)ぬくもり驚きを届けてきたパナソニックの光が今進化する。
LEDの光で情報をつなぐ新たな技術を開発。
光あるすべての場所であなたと街に新しい関係を。
収録を終えて村上龍はこんなことを考えた
2015/06/25(木) 21:54〜22:54
テレビ大阪1
カンブリア宮殿【赤字路線バスの復活劇!地元に愛される“超地域密着”戦略】[字]

絶品!うなぎの蒲焼など味わいながら歴史ある街並みと風情を楽しめる小江戸・川越。年600万人超の観光客を集める秘密が…地元の路線バス会社にあった。その秘密とは…

詳細情報
番組内容
「観光のインフラ」として注目を集める路線バス。だが、地方のバス会社の多くは赤字を抱えて、疲弊している。そんなバス業界の中に、利用者を年々増やしている小さな地方バス会社があった。埼玉県にある「イーグルバス」だ。社長の谷島は、不採算に陥った大手バス会社の撤退路線を引き継ぎ、そこで常識を打ち破る改革を断行、地域に愛されるバス会社に育てて、客を大幅に増加させていた。
番組内容続き
疲弊する地方バスの再生人として注目を集める谷島の大胆な再生術を取材した。
出演者
【ゲスト】イーグルバス 社長 谷島賢
【メインインタビュアー】村上龍
【サブインタビュアー】小池栄子
関連情報
【ホームページ】

http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/

【公式Facebook】

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