長谷川さんと鈴木京香さんいつ結婚してもおかしくないということなんですよ。
(野口)L&Pメディカルラボ研究員藤吉圭介先生です。
(伊集院)藤吉先生!?
(鬼頭)スーパー医療特区を認めさせそこでの心筋シート治療と引き換えに藤吉を見事に釣り上げたわね。
(伊集院)藤吉先生がL&Pに。
(加藤)今度は何を考えてるの?野口。
(岡村)スーパースターが輝くのにふさわしいステージを用意するのは私の仕事ですから。
(伊集院)なぜ野口先生がL&Pに?
(荒瀬)顧問の他に大層な肩書が付いてるぜ。
(伊集院)日本の医療を世界に進出させる?藤吉先生の心筋シートは世界進出のために利用されたってことですか?もしかしてまだ他に狙ってることが…。
(龍太郎)俺たちが向き合うのは野口じゃない。
患者だ。
(龍太郎)患者が待ってる。
(研究員)さっきの患者のサンプルなんですが?
(藤吉)DNAを解析室に回しといてくれ。
フットプリントも忘れずにな。
(研究員)はい。
分かりました。
(藤吉)クリーンベンチは?
(研究員)ベンチはすでに手配してあります。
(藤吉)よし。
・
(岡村)藤吉先生。
(藤吉)ああ。
(岡村)研究は順調ですか?
(藤吉)お疲れさまです。
(岡村)富田加奈ちゃん。
助かってホントによかったですね。
(藤吉)心筋シートの効果で心機能は順調に回復しています。
(藤吉)スーパー医療特区のおかげです。
(岡村)うん。
あっ。
実は一つご提案があるんですが。
(藤吉)ええ。
(岡村)アメリカに行って研究を続けていただけないでしょうか?
(藤吉)アメリカへ?
(岡村)ええ。
(岡村)今回の治療成功を受けFDAでも心筋シートの認可が近いようです。
アメリカの会社に権利を押さえられたら使用するのに法外な値段を支払わなければいけなくなります。
(岡村)そうなれば心筋シートは限られた患者にしか使えない。
(岡村)一人でも多くの患者を救うためにアメリカに行っていただけませんか?
(記者)ことしで第10回目を迎える世界エネルギーサミットがガラン首長国連邦石油省の大臣アフマド氏を招いて本日開催されます。
(野口)サミットが終わりしだいL&Pにアフマド大臣をお連れするからくれぐれも万全な準備を頼むよ。
(男性)大変だ。
アフマド大臣が倒れたぞ。
(男性)救急車呼んでくれ。
(男性)おい。
誰か救急車!
(男性)救急車!
(通訳)救急車まだですか?
(野口)私は医者だ。
(秘書)ミスター野口。
(野口)大臣。
どうされました?
(野口)おそらくアッペ。
急性虫垂炎です。
(通訳)盲腸?
(英語の会話)
(記者)何だ。
盲腸か。
(記者)大丈夫。
盲腸。
(野口)ノー!
(野口)アッペを笑う者はアッペに泣く。
ご安心ください。
大臣に視察していただく予定だったL&P病院で受け入れますので。
(ペルシャ語)
(加藤)朝田。
(加藤)あなたには感謝しているわここに誘ってもらって。
明真では人工心臓の開発競争に夢中になって患者とちゃんと向き合えていなかった。
患者を診るのが医者の原点だ。
(加藤)そうね。
ここでは一人一人の患者としっかりと向き合うことができる。
フッ。
だけどその分経営は苦しいけど。
医療は金もうけの道具じゃない。
(加藤)あなたは変わらないわね。
初めて会ったときから。
(荒瀬)ご苦労さん。
(カビル)ありがとう。
(荒瀬)うん。
昼飯来てるぞ。
(荒瀬)おい。
どうした?大丈夫か?じっとしてろ。
(カビル)うっ…。
急性虫垂炎だ。
(カビル)大丈夫。
仕事あるから。
(加藤)そんなこと言ってる場合じゃないわ。
今すぐに手術を。
(カビル)手術!?お金も時間もない。
もう大丈夫。
ホントに大丈…。
(加藤)このままほっとけば命に関わるのよ。
つかまれ。
(野口)アフマド大臣は日本の医療に大変興味を持っておられる。
くれぐれも慎重に頼むよ。
(岡村)視察することはできなくなりましたが大臣自らの体で日本の医療水準の高さを体験してもらいましょう。
・
(ノック)
(鬼頭)間違いないわ。
大臣は急性虫垂炎よ。
すぐにオペをやる。
(野口)それが困ったことが起きてね。
(岡村)5日後のヨーロッパでの国際会議に大臣は出席予定です。
(岡村)それに間に合わせることはできないかと。
(鬼頭)5日後。
(野口)ぜひ患者さんの要望はかなえてあげないとね。
(鬼頭)あなたたちにとって歓迎すべき患者ってことね。
ロボティックオペを行います。
(鬼頭)フゥー。
(野口)KingofVIPには最高のQOL。
クオリティーオブライフ。
(電子音)
(鬼頭)検査データに何か問題でも?これは予想以上に歓迎すべき患者になりそうですよ。
(加藤)大丈夫よ。
(加藤)彼は一刻も早く日本で稼いだお金をアフリカにいる家族の元へ持っていかなきゃいけないそうよ。
(荒瀬)だからオペを拒否してたのか。
(伊集院)長期入院はできませんね。
荒瀬。
(荒瀬)麻酔は腰椎麻酔で3時間後には歩いて帰れるぐらいの低容量で管理してやる。
(加藤)最小の切開で最短のオペをやるわ。
これより急性虫垂炎の切除術を行う。
メス。
(猪原)はい。
電メス。
(猪原)はい。
(木原)これより急性虫垂炎のロボティックオペを行う。
(木原)ライトアームドベーキーセット。
レフトアームシザーズセット。
サードアーム3Dカメラセット。
マスターコントローラーコマンドOK。
ポート内に全アームをインサートする。
(木原)ポートセット完了。
続いて虫垂の展開を行う。
ウエイトライナー。
(猪原)はい。
(伊集院)ハーケン。
(猪原)はい。
(加藤)ペアン。
(猪原)はい。
ケリー。
(猪原)はい。
(荒瀬)抗生剤いくぞ。
(看護師)はい。
結紮する。
3−0。
(猪原)はい。
(木原)結紮する。
3−0。
(助手)カメラポート時計方向に回転します。
(木原)結紮完了。
虫垂切除する。
メッツェン。
(猪原)はい。
メス。
(猪原)はい。
虫垂切除終了。
消毒する。
(木原)ライトアームをシザーズにチェンジ。
(木原)虫垂切除終了。
(早川)おおー。
さすがロボット。
(朋子)小さな切開。
わずか15分で虫垂切除。
(猪原)さすがチームドラゴン。
(通訳)日本の医療はホントにすごいです。
とても手術を受けたとは思えません。
今後何かあったら日本で診てもらいたいと言っています。
(野口)ありがとうございます。
(吉田)本当にご無事で何よりです。
ヨーロッパの国際会議にも予定どおり参加できると伺って安心しました。
(野口)吉田外務大臣にまで来ていただいて恐縮です。
実は虫垂炎の術前検査で気になる所見が見受けられたんです。
冠動脈狭窄です。
(木原)冠動脈狭窄というのは冠動脈という血管が細くなり十分な血液が心臓に供給できなくなった状態のことをいいます。
アフマド大臣の狭窄率は90%。
いつ心筋梗塞になるか分かりません。
早急なオペが必要です。
(通訳)でもそれではヨーロッパでの会議が…。
今回体験していただいたロボティ…。
ロボティックオペを行えば間に合います。
(野口)お任せください。
医療国際化推進委員会の委員長である私ならすぐに手配できます。
(野口)これで君もインターナショナルドクターとしてドバイに呼ばれるかもしれないね。
(木原)インターナショナルドクター。
ドバイ。
ハハハ。
(吉田)実は私も心臓が悪くてね。
そんなに素晴らしいならぜひ私もロボティック…。
(木原)ロボティックオペです。
(吉田)ああ。
それをやってもらいたい。
(野口)もちろんですよ。
ドクター木原が担当いたします。
(木原)お任せください。
(加藤)4日後には退院して大丈夫よ。
(カビル)ありがとう。
先生。
(加藤)何か大事なもの?
(カビル)大切な人に贈るお守りだよ。
(猪原)へえー。
(カビル)僕が日本に来るとき家族にもらったの。
(猪原)へえー。
(加藤)へえー。
(猪原)あら。
カワイイ子供たちね。
(カビル)僕の宝物だよ。
でもこの一番下の妹ジェンガ。
まだ3歳なのに心臓が悪い。
(加藤)心臓?
(カビル)移植が必要かもしれないって。
だから早く帰って稼いだお金で少しでもいい病院に入れてあげる。
(猪原)加藤先生の子供用人工心臓があればね。
(カビル)えっ?今はもうやめたの。
(カビル)どうして?
(加藤)《学長。
あんな記事を信じるんですか?》
(学長)《君には開発チームから外れてもらうしかない》
(学部長)《学部長として僕が開発を続けるよ》《もう君の試作品は必要ない。
ただのごみだもん》
(カビル)魔法の心臓。
(加藤)うん?
(カビル)魔法の心臓だよ。
早く完成させて僕の国にも持ってきて。
そしたらジェンガも助かる。
・
(ノック)
(紗枝)失礼します。
加藤先生。
電話が入ってます。
(加藤)はい。
(加藤)お待たせしました。
(岡村)L&P病院の岡村と申しますが。
L&P?
(岡村)ええ。
ぜひ加藤先生にお会いしてお話ししたいことがあるんです。
どうした?さっきから歯が痛そうだな。
(カビル)大丈夫。
時々ね。
(猪原)虫歯?
(カビル)虫歯なんて一つもないよ。
(猪原)他に体に違和感ない?
(カビル)胸が少し。
(猪原)締め付けられるの?
(カビル)いや。
時々だよ。
大丈夫。
時々。
(カビル)僕病気治ったんだよね?カビルの検査結果だ。
冠動脈狭窄左前下行枝の一枝病変だ。
(伊集院)まったく同じ症例ですね。
(伊集院)L&Pに搬送されたガナン王族のアフマド大臣と。
(荒瀬)ロボティックオペをやるってニュースでやってたな。
狭窄率は90%らしいわ。
(桜井)カビルは99%。
より深刻だ。
(荒瀬)狭窄率が99%っていえば心臓に大型爆弾を抱えてるようなもんだ。
(桜井)いつ心筋梗塞を起こすか分からない。
(加藤)でもカビルは一刻も早く病気を治して家族の元に帰りたがっている。
どうする朝田?
(英語・アラビア語)
(アラビア語)ハハハ。
ドバイが俺を呼んでいる。
(早川)向こうが欲しいのはこの手術用のロボットですよね?
(木原)もはやこのロボットは体の一部だ。
見よ。
この6自由度のアームから繰り出される滑らかな動き。
まさにゴッドハンド。
あれ?抜けなくなっちゃった。
このままドバイに運んでもらおうかな。
(岡村)期待してますよ。
(木原)アハハ。
(岡村)早川先生。
少しいいですか?はい。
(桜井)紹介する。
L&P病院から来た研修医。
早川君だ。
(早川)あくまでもL&Pに籍を置いた形です。
藤吉先生がアメリカに行って研究に専念する代わりに。
(荒瀬)お前に藤吉の代わりなんて務まらねえよ。
ツーブロック。
(伊集院)このチームにいると勉強になること多いよ。
(桜井)カンファレンス始めるぞ。
(桜井)研修医。
お前ならどう治療する?最速で退院させるために体に負担のない方法を取らなきゃいけない。
(早川)今の国内のガイドラインでいえば第1選択はカテーテル治療ですね。
(桜井)うちにカテ室はない。
(早川)ない!?ここは心臓も扱う総合病院ですよね?
(荒瀬)ムカつくなこいつ。
(早川)ならL&Pに連絡してあげますよ僕の方から。
(早川)設備を貸してくれって…。
カテーテルはやらない。
えっ?MIDCABだ。
(加藤)私もおんなじこと考えてた。
なるほどMIDCABか。
(早川)MIDCABって確か乳房の下部から小さく切開して開胸するオペですよね?とうの昔に廃れた術式でしょう。
カビルにとってベストの治療法だ。
(加藤)手術創が小さい分回復も早くすぐに社会復帰できる。
でも視野が狭い分難易度がはるかに上がる。
普通の医者にとってはな。
だけど…。
俺たちならできる。
(早川)《桜井病院で研修?》
(岡村)《彼らの周りに起きていることを全て報告してください。
早川先生が優秀な人材と見込んでの研修プランです》《あっ。
つまりスパイになれってことですか?》《やはり人選に間違いはなかったようですね》・
(足音)
(岡村)お呼び立てしてすみません。
(加藤)お話って何でしょうか?
(岡村)ここのカリフォルニアワインいけるんですよ。
加藤先生。
アメリカにいらっしゃったからお好きでしょう。
(加藤)結構です。
病院に戻りますから。
(岡村)先日こんな記事を見つけました。
(岡村)明真ではまだ実用化に時間がかかりそうですね。
(加藤)私にはもう関係のないことですから。
(岡村)うん。
(岡村)L&Pで人工心臓の研究続けてみませんか?資金援助から開発設備まで必要な環境を整えます。
お断りします。
私は患者を救うことだけに全力を注ぐ。
そのために桜井病院に来たんです。
あなたのビジネスに利用されるつもりはありません。
ビジネスを利用するのは悪いことでしょうか?ビジネスの力で多くの患者を救うことができるんです。
あなたは移植を受けられずに命を落とした子供たちを数多く目の当たりにしてきた。
だからこそ永久型小児用人工心臓の開発に取り組んだんですよね?L&Pでは患者を救うための研究が名誉や利権に取って代わるようなことはない。
私が保証します。
(荒瀬)心配するな。
すぐに家族の元に帰れる。
(荒瀬)1つ。
2つ。
3つ…。
(早川)どうしても見学しなきゃいけないんですか?
(猪原)桜井院長がちゃんと見ておくようにって。
(早川)MIDCABなんて見る意味ないよ。
(荒瀬)6つ。
にゃにゃーつ。
はい。
落ちた。
ぶつぶつうるせえぞツーブロック。
(一同)お願いします。
(木原)行くぜドバイ。
(岡村)今日桜井病院でも冠動脈狭窄のオペだそうです。
MIDCABをやるらしいですよ。
(野口)MIDCAB?古いねぇ。
今は2014年だよ。
・
(足音)
(野口)おっ。
大臣。
わざわざありがとうございます。
さっどうぞこちらへ。
(吉田)ああ。
これより左冠動脈前下行枝狭窄に対するMIDCABを行う。
メス。
(猪原)はい。
(加藤)鑷子。
ガーゼ。
(猪原)はい。
(伊集院)サッカー。
(猪原)はい。
(木原)これより左冠動脈前下行枝狭窄に対するロボティックオペを行う。
(木原)オートセット完了。
(助手)インストゥルメントOKです。
(加藤)ミッドアクセス。
(猪原)はい。
(伊集院)セルセーバー。
(猪原)はい。
ワイヤ。
(猪原)はい。
ポジショナー。
(猪原)はい。
よし。
(木原)第1ターム終了。
第2タームに移る。
(助手)ドベーキーセット完了しました。
(木原)モーションスケーリング3に。
(木原)セカンドスレーブをコアギュレーターにチェンジ。
(助手)はい。
(助手)コアギュレーターチェンジOKです。
(木原)LITA剥離する。
LITA剥離する。
(猪原)はい。
(伊集院)パパベリン。
(加藤)ヘモグリップ。
(荒瀬)βブロッカー始めるぞ。
ハーモニック。
(猪原)はい。
(木原)コアギュレーター出力40にして。
(助手)40にアップしました。
(木原)モーションスケーリング5に。
(助手)左室ファンクション良好です。
(木原)LITA剥離終了。
続いて冠動脈の剥離に移る。
冠動脈の剥離終了。
続いて第一対角枝を切開する。
スネア。
(猪原)はい。
(加藤)モスキート。
(猪原)はい。
(伊集院)ブロアー。
(猪原)はい。
(荒瀬)レートコントロール。
ダイヤモンドメス。
(猪原)はい。
(加藤)スネアアップ。
ポッツシザーズ。
(猪原)はい。
(伊集院)シャントチューブ。
(猪原)はい。
(加藤)コロナリー鑷子。
(木原)LITALADを吻合する。
(助手)トリップするぞ。
(看護師)はい。
(木原)あと一針でスネア解除。
(木原)第3ターム終了。
よし。
後は心膜を閉じて終わりだ。
(岡村)ロボティックオペ成功ですね。
(野口)素晴らしい。
次は大臣も…。
(吉田)うっ!?うっ…。
(野口)大臣!?
(岡村)冠動脈瘤にできた血栓が飛んで心筋梗塞を起こしてます。
(野口)じゃあカテーテルで。
(岡村)いや。
吉田大臣の冠動脈瘤の形状は狭窄と拡張が連続していてカテでは対応できません。
(木原)胸骨正中切開でバイパスを行います。
すぐに準備します。
(岡村)いや。
それはできません。
吉田大臣は胸骨の上に感染性粉瘤があるんです。
えっ!?
(岡村)感染性粉瘤にメスを入れると菌が術野に入ってしまう。
菌が術野に入れば縦隔炎を起こし致命傷になります。
(木原)正中切開ができない。
じゃあどうやって?まずいよ。
どうするの?・
(鬼頭)一つだけ手がある。
(伊集院)無理ですよ。
今こっちもオペの真っ最中なんです。
(猪原)L&Pの設備で何とかならないんですか?
(鬼頭)この状況じゃどんな最先端の設備を使っても冠動脈瘤は治せない。
朝田以外には。
(鬼頭)患者はこのままでは死ぬわ。
朝田!
(伊集院)僕たちの患者さんはカビルさんです。
(加藤)朝田。
行って。
ここは私が執刀する。
(伊集院)でも…。
伊集院。
(伊集院)はい。
俺たち医者が救わなくていい命なんてない。
加藤。
任せた。
鬼頭。
今行く。
(桜井)伊集院。
前立ちに入れ。
俺が第2助手を務める。
(伊集院)はい。
(早川)行ったところで正中切開できないのに。
無駄だ。
(荒瀬)ツーブロック。
お前はまだ朝田って男を1ミリも理解していないな。
(早川)えっ?
(荒瀬)ここにいても役に立たない。
(荒瀬)一緒に行って朝田のオペをしっかり見てこい。
(麻酔医)STが上がり続けています。
期外収縮も多発しています。
・
(ドアの開く音)
(木原)朝田!オペをやる。
(木原)無理だ。
前胸部に感染性粉瘤があって正中切開ができないんだ。
正中切開はしない。
(木原)じゃあどうやって?MIDCABだ。
(木原)えっ!?MIDCABでonlaypatchによる冠動脈形成術を行う。
(岡村)冠動脈瘤をMIDCABで?しかもonlaypatchで?
(鬼頭)狭窄と拡張が連続する冠動脈瘤のため瘤を切除し内胸動脈で覆いかぶせパッチワークのように再形成するonlaypatch法を朝田は選択した。
この手技は超一流の術者にしかできない。
(鬼頭)しかもそれを感染性粉瘤のある胸を避けるため正中切開ではなく難易度の高いMIDCABで行う。
(岡村)そんなことが?
(鬼頭)できるわ。
朝田なら。
(鬼頭)MIDCABは古い。
違うわ。
MIDCABができる外科医がいないだけよ。
onlaypatchを行う。
ポッツリバース。
(看護師)はい。
ポッツ。
(看護師)はい。
7−0。
(看護師)はい。
(加藤)7−0バックハンド。
(猪原)はい。
(伊集院)ブロアー。
(桜井)ラバーシュ。
(加藤)あと一針かけたらシャントチューブを抜いて。
(伊集院)はい。
(荒瀬)レート上げるぞ。
7−0バックハンド。
システミックプレッシャー。
(看護師)はい。
(麻酔医)ST回復しました。
(木原)すげえ。
さすが朝田龍太郎。
メッツェン。
(看護師)はい。
フロープローブ。
(看護師)はい。
(加藤)メッツェン。
(猪原)はい。
メッツェン。
(看護師)はい。
オペ終了。
(木原)ああ。
ああ…。
(拍手)
(野口)ありがとう。
本当に助かったよ。
お前のためじゃない。
患者のため…。
患者のためだ。
変わってないね。
それでこそ僕の知っている朝田龍太郎だ。
これからも君には多くの患者を救ってもらいたい。
そうそう。
吉田大臣に君を紹介しなければいけないね。
命の恩人なんだから。
全て木原が対処したと言えばいい。
・
(桜井)どうだ?朝田のオペは勉強になっただろう。
(早川)確かに吉田大臣にはMIDCABが必要だった。
大した腕ですよ。
でもカビルは違う。
L&Pにカテ室借りれば済む話ですよ。
それなのにわざわざ廃れた術式なんか持ち出して。
外科医のエゴでしょ。
なぜカテーテルでなくMIDCABなのか分からないのか?分かりませんね。
どう考えてもカテで十分です。
(桜井)仮にカビルにカテーテル治療でステントを体に入れたらどうなる?定期的に病院に通ってチェックしなければいけない。
当然です。
(桜井)カビルの国はアフリカだ。
できるだけ病院に通う必要のない体に治すため朝田はMIDCABを選択したんだ。
「古い」「新しい」じゃない。
患者一人一人にとってベストの治療法があるんだ。
(カビル)これを。
時間がなくて一つしか作れなかったけど皆さんに。
加藤。
(カビル)大切な人に贈るお守り。
皆さんは命の恩人だから。
今の僕にできることはこれだけだし。
ありがとう。
(カビル)加藤先生。
待ってるから。
(加藤)えっ?魔法の心臓。
・
(岡村)患者さん。
助かってよかったですね。
この前の話考えていただけましたか?
(岡村)明真に任せても人工心臓の実用化の道は開けません。
(加藤)でもあそこには長年のノウハウがある。
人工心臓のことを知り尽くした医療機器メーカーともタッグを組んでいる。
研究のパートナーとなる医療機器メーカーがないから開発ができないと?
(キャスター)日本最王手の総合リース会社L&Pリースがアメリカの大手医療機器メーカーゼネラルメディック社を買収しました。
関係者によるとL&Pリースは…。
ゼネラルメディック社?
(岡村)あそこは明真で課題だった人工心臓の耐久性の問題をクリアする技術を開発しました。
(加藤)えっ?加藤先生が責任者として加われば人工心臓の開発は飛躍的に進むでしょう。
あなたは患者を救うことだけに全力を注ぐ。
そのために桜井病院に来たとおっしゃいました。
永久型小児用人工心臓が完成すればどれだけの多くの子供たちの命を救うことができるでしょう?
(カビル)《魔法の心臓だよ》
(カビル)《いつか完成させてジェンガ治してほしい》
(カビル)《待ってるから》
(岡村)世界中の心臓病の子供たちが待っているんです。
あなたの魔法の心臓を。
(加藤)2年よ。
2年で届けてみせる。
移植を受けられない子供たちの元に。
(野口)さて。
次に僕のところに来てくれるのは誰かな?・
(足音)
(荒瀬)俺がここに来てから3kg体重が落ちた。
俺じゃないぞ。
お前のお師匠さんだ。
2015/06/25(木) 14:55〜15:50
関西テレビ1
医龍4〜Team Medical Dragon〜 #04[再][字]
チームドラゴンを取り込もうと画策する野口と岡村。最先端ロボット手術と同時に展開する鮮やかな朝田の手技の裏で、加藤が次なる標的となる。加藤の決断は!?
詳細情報
番組内容
朝田龍太郎(坂口憲二)たちチームドラゴンで挑んだ拡張型心筋症の富田加奈(玉野るな)の手術は、藤吉圭介(佐々木蔵之介)が研究していた心筋シートが使用できたことで無事に終了した。野口賢雄(岸部一徳)と岡村征(高橋克典)はそれを大々的に報道。世界最先端の治療を臨床試験として行える“スーパー医療特区”となったL&P病院が世界進出を果たすための手段の一つとして利用していた。
心筋シートを使う代わりにL&
番組内容2
P病院の研究員となった藤吉の研究室に岡村がやってきた。岡村は、藤吉により多くの患者を救うためにアメリカに渡って欲しいと打診する。戸惑う藤吉は…。
野口が「世界エネルギーサミット」の会場にやってくると、サミット後にL&P病院に視察に来る予定のアフマド大臣が腹痛を訴えていた。虫垂炎と診断した野口はL&P病院に運ばせる。同じころ、桜井総合病院に出前を持ってきたアフリカ人のカビルが腹痛を訴えて倒れた。虫
番組内容3
垂炎だとわかり手術を勧めるが、お金も時間もないと断る彼のため、朝田たちは術後の負担が少なくなるように最小限の麻酔や切開で手術を行うことにする。一方、L&P病院へ運ばれたアフマドはロボットによる手術を受けていた。虫垂炎の手術は無事に成功するが、術前検査で異常が発見され…。
そんな折、岡村は研修医の早川昭吾(柄本佑)に桜井総合病院へ研修に行くよう勧める。さらに岡村は加藤晶(稲森いずみ)も呼び出し…。
出演者
坂口憲二
稲森いずみ
小池徹平
阿部サダヲ
キムラ緑子
柄本佑
池田鉄洋
・
高橋克典
平幹二朗
・
佐々木蔵之介
夏木マリ
岸部一徳
ほか
スタッフ
【原作】
乃木坂太郎
【原案】
永井明(「医龍」小学館 ビッグコミックス刊)
【脚本】
浜田秀哉
【プロデュース】
長部聡介
大木綾子
【演出】
田中亮
【音楽】
吉川慶
澤野弘之
河野伸
【制作】
フジテレビドラマ制作部
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