(鶴丸あや)ちょっと待った!池内刑事!コラ逃げるなって!ねぇ例の窃盗事件絶対裏があるわ!被疑者の周辺もう一度洗い直し!
(池内弘二)無理ですよ無理。
もう何も出ませんよ。
簡単に無理だなんて決めつけないで!もっと自分を信じて。
さあなせば成る!しっかりね!待ってるわよ!えーっと…再捜査依頼。
(柿野たまこ)飲めばわかる!たまこ印のカラダリセットジュース。
(たまこ)はい。
(桜井麗子)ほんとよ。
仕事辞めた途端に物忘れがひどくなっちゃって。
十も二十も老け込んだ感じ。
えっでもお舅さんってバリバリの商社マンだったんでしょ?現役の頃はね。
今じゃもう見る影もなし。
(吉川香織)そんなんうっとこのおとんも一緒やで。
もう毎日家でゴロゴロゴロゴロしてるもんやから中性脂肪とか血糖値がもう…もう目も当てられへん有様やで。
仕事が生きがいだった男性ほど引退するとダメになるものなんですねぇ。
(漆原さやか)という事は亭主には一生働いてもらうしかないわなぁ。
一生こき使うのが妻の愛か…。
よっしゃ。
だけど私は章ちゃんと悠々セカンドライフを楽しみたいけどねぇ。
あーっ!「章ちゃん」って…!あら…。
平林さん!
(平林征志郎)ああ鶴丸ちゃん!相変わらずべっぴんだね。
まあ〜。
あらちょっとまた聞き込みですか?ああまあ…気にすんなって。
成増さんボヤいてましたよ。
引退して半年も経つのにいつまでも刑事のつもりでいられちゃ困るって。
少しは反省して家族サービスでもしろって…。
(笑い声)何笑ってるの?いや…相変わらず歯切れがよくて気持ちいいこった。
まあ…。
あっそうだ。
今夜成増も誘って一杯どう?まったく…。
よーし決まりだ。
決まりだ。
(成増清剛)なんでここで飲まなきゃいけないんですか。
もう…外行って飲みましょうよ外行って!いいじゃないかお前。
去年もこうやって2人して邪魔したもんだった。
うん!あの時も商店街でバッタリ。
お二人とも聞き込みの最中で。
はいピリ辛マーボー茄子。
はいどうぞ。
はいどうも〜。
鶴丸ちゃんはひき肉を値切ってたっけな。
やーだそんな事まで。
もう…。
(あやと平林の笑い声)あ〜あ…柏公園事件…。
あの頃は夏のうちに終わると思ってたがな…。
お前さんと組んだ最後のヤマだ。
ホシを挙げられなかったのがいまだに悔やまれてな。
それは俺も同じですけどね。
でもヒラさんはもう引退してるんですから。
ね。
あれ?この赤丸…これなんですか?うん?うーん…まあそのうち話すよ。
しばらく自由にやらせてくれないかな。
お前ら若い者には迷惑かけないからさ。
ヒラさん…。
俺はさ趣味もないしさうちにいたってお前女房には邪魔者扱いだ。
仕事が生きがいの男性ほど引退すると一気にダメになる。
成増さん大目に見てあげて。
さすが鶴丸ちゃん。
わかってるね。
ねぇ〜。
(笑い声)もう〜。
くれぐれも無茶しないでくださいよ。
ああ任せとけって。
アハハハ…。
ああ乾杯乾杯!はいはい乾杯!はーいはーい久しぶり〜!じゃいただきます!どうぞ召し上がれ。
これはねゴーヤゴーヤ。
ねっ。
すごいでしょう?ゴーヤか…食べちゃおうかな。
(パトカーのサイレン)
(パトカーのサイレン)
(栗原美波)鶴丸検事!あちらです。
(池内)死因は溺死です。
死亡推定時刻は昨夜の午後10時から深夜0時。
現在事故と他殺の両方から捜査に当たってます。
これは殺しだ!ヒラさんは柏公園事件を1人で追っていた。
犯人に見当がついたんだ。
私のせいだわ…。
捜査続けるのを大目に見てあげてなんて私が…。
責任は俺にある。
これは…俺のヤマだ。
(池内)「柏公園会社員傷害致死事件」…。
事件発生は昨年の8月です。
ちょうど1年前ね。
被害者の樺山貴明は四条大宮にある保険会社の会社員だった。
8月31日午後10時過ぎ中京区柏町にある柏公園内の野外音楽堂で何者かに鈍器で頭を殴られ3日後に脳挫傷で死亡した。
被害者の勤務態度は真面目で人間関係のトラブルも一切浮かばなかった。
これといった目撃情報もありません。
未解決事件っていうわけね。
地図がないな…。
ヒラさんはいつもこの手帳に柏町の地図を挟んで持ち歩いてたんだよ。
確かにうちに来た夜もそうだったわね。
手帳はポケットに残ってるのに地図だけ流されたっていうのはこれ考えにくいですよね。
川に落ちる前に誰かに渡したかあるいは…。
失礼します!どうした?被害者の死亡直前の足取りがわかりました。
女と一緒にいたようです。
女…?
(池内)こんにちは。
(田中)いらっしゃいませ。
(池内)すいませんあの…北原さと子さんいらっしゃいますか?
(北原さと子)私ですけど…。
警察の者です。
少々お話伺えますか。
はい…。
どうぞお座りください。
(太田勇一)開錠してください。
はい。
どうかしましたか?いえ…。
被害者の平林征志郎さんはあなたが勤務する喫茶店「薫風」の常連客であった。
9月8日午後9時過ぎ仕事を終えたあなたは三条京阪のバスターミナルから京阪京都交通のバスに乗り出雲路橋の停留所で降車。
先に待っていた平林さんと合流し川辺に向かった。
以上の事実は防犯カメラの映像とバスの乗客の供述によって明らかになっています。
あの晩平林さんと会ってた事は認めますね?はい…。
しかし犯行についてあなたは黙秘を続けている。
またなんのために平林さんと会っていたかについてもずっと口を閉ざしている。
夜の川辺で一体平林さんとなんの話をしてたんですか?北原さん?
(さと子)鶴…。
鶴丸さんっておっしゃるんですねお名前…。
それが…何か?いえ…なんでもありません。
先ほどの質問に答えてください。
あなたはあの晩なぜ平林さんと会ってたんですか?なぜわざわざ人気のない川辺に?
(斉藤加奈子)北原さと子のあの態度怪しすぎますよねぇ。
怪しい点は他にもあるわ。
大の男があのかよわい女性に力負けして川に突き落とされるなんて考えたら変だと思わない?別に変じゃありませんよ。
斉藤かかってこい。
(加奈子)は?いいからかかってこい!さあ!どうです…?大の男が力負けする場合だって往々にして…。
平林さんは警察の柔道大会で入賞した事もある人物よ。
骨の髄まで腑抜けにできてる太田さんとは違う。
あの晩第三者が川辺に潜んでいたって事は考えられませんか?平林さんより力が強い男性が。
私もそんな気がしてる。
平林さんを突き落としたのがその男だとすれば…。
彼女はその男をかばうために詳しい供述を拒んでる。
ちょっとちょっと話作りすぎ。
主婦の勘がビンビンうなる。
行動開始!はい!検事…!かかってこいコラ!北原さと子折り紙が趣味だったんですね。
おっこれ面白い!鶴が4羽つながってます。
ああ…。
そういえば彼女…。
鶴…。
は?鶴丸さんっておっしゃるんですねお名前…。
妙に鶴に反応してたわ…。
あっこれも折り紙…。
千代紙が使われてるわね。
趣味仲間かしら?北原さと子の事何か聞けるかもしれませんよ。
遠野千鶴…。
(遠野卓郎)北原さと子さん…。
たぶん教え子の1人やと思います。
教え子…。
お母様は学校の先生だったんですか?いえここで折り紙教室を開いてまして。
昔趣味が高じて師範資格を取ったんです。
それで30年近く近所の子供たちに無料で教えてまして。
(加奈子)30年も…。
不良少年や登校拒否の子が親に連れられて来てました。
「折り紙は折り目が命」…。
折り目正しく生きろという事ですね。
母が入院した時は教え子さんたちが声をかけ合って千羽鶴を折ってくれました。
千羽鶴を?結局受け取れへんかったけど喜んでたと思います。
(遠野千鶴の声)折り紙は折り目が命…。
くぅー…。
暑い…暑ーい!ああ暑い暑い!なんの!現場百遍!もう百遍以上調べてますって。
よっしゃー!現場百遍。
よっしゃ!熱中症になるから。
ありがとう。
いただき。
事件に疑問がおありのようで。
うん。
これ主婦の勘!完全に悪影響を受けてますね。
暑さのせいかな。
柏公園事件との関連念のために調べてみたんですけどもね。
被害者樺山貴明と北原さと子との間に接点は見当たりません。
地図が見つかればきっと何かわかるから。
うんこれ坊主の勘だから。
うん。
じゃあ遠野千鶴さんは何度かこのお店に?ええ。
さと子さんとは古い知り合いみたいでいつも奥の席で…。
(千鶴)あら風車花?はい。
よくできてるじゃないの。
(さと子)そうですか?さと子さんなんや暗いとこあったけどあのおばあさんにだけは笑顔見せてましたね。
彼女千羽鶴の事何か言ってませんでした?ああ。
あのおばあさんが入院しはった時よう奥の席で折ってました。
(田中)でもできあがる前に亡くなってしまはりましてな…。
(田中)おおきに!やっぱり変だわ。
何がですか?斉藤行くわよ!ちょっと…どこにですか?暑い…!ああ…。
あの…何探してるんです?そこの千代紙の箱の中見てみなさい。
文房具屋のレシートが入ってるから。
あっ…「折り紙Sサイズ100枚入り」。
これが何か?あった!これよこれ。
ほら。
ああ千羽鶴!うん。
ちょっとこれ見て。
ほらほら。
ほら!「折り紙Sサイズ100枚入り」。
ちょっと待ってくださいよ。
このレシート日付が先々週ですよ。
千羽鶴をあげるはずだった遠野千鶴さんは去年亡くなってるはずじゃ…。
それよ。
北原さと子は遠野千鶴さんが亡くなったあとも鶴を折り続けてた。
どうしてかしらねぇ?千羽鶴を必要としてた人が他にもいたのかなぁ…。
うーん…。
「ふらわ〜ショップ花とも」柏町。
ん?うーん…。
「たこつぼ」たこ焼き屋さん柏町。
ちょ…ちょっとちょっと…。
「竹内鮮魚店」柏町商店街…。
ああ…北原さと子1年前に傷害致死事件が起きた町に何度か足を運んでる。
(加奈子)彼女何か調べようとしてたんじゃないですか?
(千鶴)そう…先生とお友達が迎えに来てくれたんか?
(さと子)だけど行けなかった…学校。
早くおいでって言われると余計行けなくなる。
さとちゃん急ぐ事あらへんで。
ゆっくりゆっくりでええ。
最初は家出て何歩か歩くだけでええのや。
(鶴丸りん)じゃあさユッコんち泊まって朝までガールズトークしようよ。
就職したらもう遊んでられないじゃん。
うんじゃあまた連絡する。
じゃあね。
(電話を切る音)楽しいのも今のうちか…。
(池内)おーい!おーいりんちゃん!やだ何やってるの?探し物だよ探し物。
何?事件の証拠?そのとおり。
さすが主婦の娘の勘は冴えてるね。
ハハハ…似るのはなあの勘だけにしてくれよ。
私はもっと上流探してみます!おう!気をつけろよ!
(美波)はーい!北原さと子…柏町で何を調べてたのかしら?一体誰のために千羽鶴を…?
(扉の開く音)
(りん)ただいまー!あっおかえり!
(りん)ああお腹すいた。
すぐごはんよ。
あらあんた服に泥ついてるわよ?あらやだ…髪の毛草の実。
あ〜あ…。
あんた一体どこで何してきたの?別に。
手伝っただけ。
え?手伝うって何を?明日わかるよ。
着替えてくる。
はあ…。
(りん)私頑張ってみるよ。
え?就職したら頑張って働く。
何よ当たり前じゃないの。
一生懸命仕事するってなんかかっこいいよね。
え…?アハ…何言ってんだか。
(池内)山際!なんで逃げた?
(山際久史)なんだよ!いいから来い!ほら。
えっ?鴨川の土手で…見つかった。
この地図被害者が死ぬ直前まで持っていた事がわかってる。
お前前に放火未遂でパクられてるな?地図に付着していた指紋の1つが…おめえのと一致したんだよ。
(平林)何やってるんだ!
(平林)コラ!お前今火をつけようとしてたんじゃないのか!ああ?コラ待て!
(平林)コラ待たんかい!
(もみ合う音)
(平林)ああ…!
(平林)ああー!火が見たかっただけなのに…。
あのオヤジ!火が見たかっただけなのに…?それで人の命を…!
(美波)成増さん!てめえ…!北原さと子さんあなたの容疑は晴れましたがいくつかお聞きしたい点があります。
ここ数か月あなたは何度か柏町に足を運んでますね?1年前傷害致死事件のあったあの町に…。
事件の事を何か調べてたんですか?亡くなった平林さんと同じように。
違います。
ですがあなたあの晩夜の川辺に平林さんと一緒にいた。
2人でなんの話をしてたんです?容疑は晴れた。
それでいいじゃありませんか。
あなたは遠野千鶴さんのために千羽鶴を折っていた。
しかしなぜ千鶴さんが亡くなったあとも…。
答えたくありません。
(高原純之介)平林元刑事を殺害した犯人は捕まったが彼の心中を思うと胸が痛む。
柏公園事件の犯人を挙げられないまま命を落としたのはさぞかし無念だったろう。
柏公園事件…。
ヒラさんが真相の近くまで迫っていた事は確かです。
あとは我々が遺志を継げばいいと思ってます。
事件の鍵は北原さと子よ。
彼女に関する謎を解く事が事件解決への近道だわ。
平林さんと北原さと子がなんらかの情報を共有してた可能性ありますね。
(ため息)ヒラさんが地図の路上に描き込んだ3か所の赤い丸印。
こいつの意味がわかれば何か見えてくるはずです。
行きましょう。
失礼します。
(高原)あやちゃんちょっと待った!君は自分の仕事を。
太田君に泣きつかれたんだ。
なんとしても君を止めてくれと。
あのおしゃべり九官鳥…。
太田さんに伝えてください。
涙を武器に使うなんて見下げ果てた根性だって。
…だそうだ。
太田君。
(くしゃみ)
(エアコンを切る音)
(千鶴の声)うちは鶴になる…。
鶴になってずっと待ってる…。
(店主)この女性なら覚えてますよ。
なんや妙な感じやったんで。
妙っていいますと?ええこの道を歩いてきて店の前で急に足を止めましてね。
(店主)この花お安うなってますよ。
どうですか?で花を買うてくれたんですわ。
あの…彼女が足を止めた理由何かお心当たりありますか?いやあ刑事さんにも聞かれたんですがわかりませんね。
刑事さん?この辺りでよう聞き込みをしてはる刑事さんがいはったんですわ。
あなた福井さんから電話!ああ。
ちょっとすいません。
気になりますね。
北原さと子はなぜ店の前で立ち止まって…。
ちょっと…。
どうして気づかなかったのかしら…。
はあ?この場所よ。
地図に記されていた3つの赤い丸印。
そのうちの1つはこの花屋だったわ。
っていう事は残る2つの赤い丸印も…。
成増さん!おう!えー3つの丸印のうち2つはここが魚屋さん。
でここがさっきのたこ焼き屋さん。
もう1つは花屋よ。
花屋?北原さと子が目撃されてる。
目撃…?あっこっちも同じだよ。
たこ焼き屋の前で急に足を止めて考え込みご主人が声をかけるとたこ焼きを買って帰ったらしい。
だけど彼女一体何を思って…。
平林さんも同じ疑問を持ったんじゃないかしら。
北原さと子が何を思ってたたずんでいたのか…。
(携帯電話)あっ池内だ。
(携帯電話)もしもし?北原さと子ですね柏公園事件のガイシャの樺山貴明と接点がありました。
といっても子供時代ですが…。
(池内)ちょっとこの写真見てください。
これが中学時代の樺山貴明。
でこっちが小学生の北原さと子です。
遠野千鶴さんが2人の過去をつないでたのね…。
当時の友人の話によれば樺山さんは路上でタバコを吸っていたのを遠野千鶴さんに注意されそのまま折り紙教室に通わされたそうです。
2人の過去を探り当てたのは平林さんです。
遺品の捜査ノートの1冊にこの遠野千鶴の名前がありました。
だがヒラさんも遠野千鶴さんもすでにこの世にいないしな…。
柏公園事件の参考人として北原さと子に事情を聞いたほうがいいんじゃないですか?待って。
待って。
ちょっと待ちましょう。
らしくないお言葉ですね。
ガンガン行くのが検事の持ち味でしょう。
今だけは突き進んじゃいけない気がするのよ。
主婦の勘がそう告げてる。
驚いたなぁ…。
主婦の勘にストップかけられたのこれ初めてだよ。
ヒラさんも同じだったんじゃないのかな。
北原さと子に目をつけ彼女の店に足を運びながらあえて俺たちに情報を伝えずにいた。
まるで何かを待っていたように…。
待っていた?ねぇ千羽鶴ってさどういう時に折る?なんですか?突然。
いやお見舞いの他にどういう時に折る?私高校の時に折りましたよ。
野球部の彼氏のために甲子園に行けるようにって。
そうよね。
誰かを励まそうと思いを込める時に折るのよね。
北原さと子が誰かを励まそうとしたと?今の北原さと子にそんな人いるかしら…。
成増さんちょっと地図…地図。
うん…うん。
ああもう早く早く。
いい?花屋。
たこ焼き屋。
魚屋。
その角を曲がった先にあるのは…。
(美波・池内)中京署!ひょっとして彼女…。
(足音)
(田中)いらっしゃいませ。
ちょっと…。
折り鶴…得意なんです。
名前が鶴丸だけに。
折り鶴と本物の鶴の一番の違いなんだかわかります?さあ…。
尾っぽなんですって。
本物の鶴にはピンと立った尾はないでしょう?この尾は鶴の目に見えない力を表してるそうです。
風を切って飛んでいく強い力を。
人の心にもこの尾はあるはず。
いつか心に力が満ちた時自分で尾を立て翼を広げ…人は飛び立てるはず。
付き合ってもらいたいところがあるんです。
あなたと樺山貴明さんは20年以上前千鶴さんの折り紙教室の生徒同士だった。
あなたは20数年ぶりに樺山さんと再会したんじゃありませんか?あなたが働くお店にたまたま立ち寄った可能性は大いにある。
昔…彼の折る鶴が好きでした。
(さと子の声)いつも折り目が乱れてて放っておけない感じがして…。
初恋…だった?初恋の人と再会…。
思いがかなったんですね。
あの人独身だって嘘ついてたんです。
じゃあの晩あなたと樺山さんはおそらく別れ話のもつれからいさかいとなった。
あなたはこの場所で樺山さんを…。
(樺山貴明)お前みたいな女は一生折り紙でも折ってろよ。
(殴る音)ああっ…!そのあと我に返ったあなたは警察に自首しようとした。
だけどふいに思い出した。
余命わずかな遠野千鶴さんの事を…。
彼女のために千羽鶴を折っていた事を…。
鶴を完成させるまで逮捕されるわけにはいかない。
そう思ったんですか?あるいは千鶴さんにショックを与えたくないと…。
千鶴さんはあなたの犯行に気づいてたんじゃありませんか?
(千鶴)折り目が乱れてる…。
えっ…?あの日からずっと。
樺山君が誰かに殺されたあの日から…。
(千鶴)昔登校拒否になったあんたにうちがなんて言ったか覚えてるか?ゆっくり…ゆっくり…。
最初は家を出て数歩歩くだけでいい。
そうや。
その次はもう少し先まで…。
うちは鶴になる…。
鶴になって…ずっと待ってるわ。
千鶴おばちゃん…。
うちが死んだら…自分のために鶴折りよし。
それからすぐ千鶴さんが亡くなりあなたは歩き始めた。
柏町商店街を…少しずつ…。
あなたが立ち止まった柏町商店街の3か所…。
ふらわ〜ショップ花とも。
たこ焼き屋たこつぼ。
竹内鮮魚店。
その角を曲がった先にあるのは柏公園事件の捜査本部が置かれていた中京署です。
あなたは最近自首しようとして署の近くで私の事を見たんですね。
ねぇ例の窃盗事件もう一度洗い直して!絶対裏があるって。
無理ですよ無理。
もう何も出ませんって。
簡単に無理だって決めつけないで!もっと自分を信じて。
なせば成る!しっかりね!待ってるわよ!
(さと子の声)まるで検事さんに急ぎなさいって言われてる気がして自首できなくなったんです。
それからしばらくして平林さんに呼び出されました。
(平林)柏町への聞き込みで何度か耳にした不審な女の存在…。
その正体があんただった。
樺山貴明との昔のつながりもわかってる。
私に目をつけたからお店の常連になったんですか?ああ…。
だがもう俺は刑事じゃない。
あんたの心の中で何が起きていたかは見当がついてる。
一歩一歩警察に向かって歩いていたんだな。
もうひと息だ。
待ってるよ俺は。
そのあとヒラさんは放火の現場に遭遇し男に川に突き落とされて命を落とした。
そして警察は直前までヒラさんに会っていたあなたに疑いをかけた。
ですが以上の話はすべて我々の想像に過ぎません。
それじゃ。
りんちゃんにも感謝しないとな。
え?地図を探すの手伝ってくれた。
ああ…。
感謝しなくちゃいけないのはこっちのほうだわ。
あの子ね就職したら一生懸命仕事するって。
成増さんたちの姿見て何か教わったんじゃないかしら。
俺はヒラさんから教わった。
え…?現場百遍って言葉が服着て歩いてるような人だった。
私も教わった気がする千鶴さんに。
おせっかいだけが愛情とは限らない。
時には何もせずに待ち続ける事。
待つ苦しみに耐える事。
それが誰かを救う事もある。
人っていうのは妙なもんだな。
自分でも気づかないうちに誰かに影響を与えてる。
(成増清一)然り。
人の世の縁はすべて御仏の引き合わせ。
2人とも仲良くするのじゃ。
いや…いやちょっとちょっと冗談…冗談じゃありませんよ父上。
あの…俺たちはね…ただのあの…なんつーか悪縁…腐れ縁ですから。
(鐘の音)いってきます。
鶴になってずっと待ってる…。
待ってるよ俺は。
待ってるわよ!はいよヒラさん。
最後に一緒に仕事できましたね。
乾杯。
ああ…。
(平林)乾杯。
ああ〜うまい。
(一同)成増さーん!なんだよ…。
おう!5時過ぎたから始めるわよー!あっちですよ!行きますよ!早く!あれ?太田君はどうしたかね?あっ…!?あれ?検事?飲み会…5時…ああ!はいそれでは事件の解決を祝して。
そして主婦の勘のますますの発展を祈って!ちょっと副部長それは困りますから。
俺ら身が持ちませんよ。
アハハ…主婦の勘!あっ…お任せします。
とにかく乾杯!
(一同)はい乾杯!2015/06/25(木) 09:55〜10:53
ABCテレビ1
[終]京都地検の女7[再][字]
「さよなら鶴丸検事!VS完全黙秘の女!夜の鴨川殺人の裏の裏…」
詳細情報
◇番組内容
名取裕子主演▽“主婦の勘”を武器に難事件に立ち向かう女性検事・鶴丸あやの活躍を描く検察ミステリー第7弾!心に響く深い人間ドラマを京都情緒たっぷりにお届けします!
◇出演者
名取裕子、寺島進、益岡徹、渡辺いっけい、蟹江敬三 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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