くらし☆解説「相次ぐ火山噴火 なぜ? どう備える?」 2015.06.25


生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは。
「くらしきらり解説」です。
口永良部島や浅間山が噴火するなど、このところ各地の火山活動が気になります。
そこできょうは相次ぐ火山噴火なぜ?どう備える?と題してお伝えします。
二宮徹解説委員です。
二宮さん、口永良部島ですとか浅間山の噴火、相次いでいますね。
二宮⇒口永良部島が爆発的な噴火をしたのは先月29日でした。
火砕流が海岸まで達し気象庁は噴火警戒レベルを導入以来全国で初めて5に引き上げ全島民が隣の屋久島に避難しました。
突然のことでしたね。
その後も再び噴火して活発な状態が続いています。
これだけの噴煙が上がっていますね。
屋久島にも降りました。
また長野と群馬の県境にある浅間山では16日と19日にごく小規模な噴火が発生しました。
噴火警戒レベルは2のままですが地元の自治体は登山者などに注意を呼びかけています。
きのうの時点で警報が発表されている火山は12あります。
桜島は特に活発で毎日のように噴火しています。
レベル3です。
あと去年噴火した御嶽山もレベル3です。
箱根山ですとか草津白根山、阿蘇山などがレベル2です。
去年、御嶽山で多くの方が亡くなったばかりですので噴火と聞くとちょっと怖くなりますけれど改めて日本は火山国なんだなと実感しますね。
日本には110の活火山があります。
北海道から九州、それに伊豆諸島ですとか南西諸島までほとんどのところに火山帯が連なっています。
世界のおよそ7%の火山が日本にあります。
どうしてこれだけ日本には火山が多いんでしょうか。
プレートと呼ばれる岩盤が関係しています。
このプレートというのは地震の原因でもあるので聞いたことがあると思いますがこのプレート潜り込んだフィリピン海プレート太平洋プレートが日本の真下でマグマを作っているんです。
プレートは地震を起こすだけでなくマグマも作るんですか。
日本の地下です。
断面図にしてみました。
右側のプレートが潜り込んでいった先深さ100kmから110kmのところでプレートの一部が溶けて軽くなって上に上がっていきます。
これがマグマです。
プレートが溶けたものがマグマなんですね。
このマグマが出来る深さが一定なんですが、圧力と温度の関係なんですけれど、このためマグマが出来るところがいつも決まっています。
そのため、プレートの境目と平行するように火山が並んでいるんですけれどもこの境目を火山フロント、火山前線と呼んでいます。
この火山フロントよりも海側では火山はないんです。
ただし、逆にプレートが潜り込んだことで境目がずれ動いたり、割れたりして地震や津波が引き起こされるんです。
その中でも最も大きかったのが東日本大震災の巨大地震でこれが火山活動に影響を及ぼしたとみられているんです。
あの地震は火山にも影響したんですか。
これが東日本大震災の巨大地震で海底がずれ動いた範囲です。
幅は200km長さは400km余りです。
この海底が最大で20m以上も東へ動きました。
これに引っ張られる形で陸側も最大5m余り動きました。
4年以上前の地震ですけれど。
実はこの変動は今も続いているんです。
4年余りたった今もこの地盤の変動は続いています。
国土地理院が観測した震災の翌日から先月までおよそ4年2か月の地盤の変動です。
沿岸を中心に最大1m余り東に動いています。
これだけの範囲です。
10cmとか数十cmのところもありますけれど、最大で1m余り動いて東北を中心にこの影響、まだ変動が続いているんです。
地盤が大きく動いたことと火山活動は関係がありますか。
専門家の多くは関連があるとみています。
そして火山が静かだった時期は終わったという見方が出ています。
今まで火山は静かだったというのが意外ですが震災の前にも有珠山や三宅島が噴火しましたし雲仙普賢岳の噴火も記憶にありますけれど。
それらは被害者や避難者が多かったので大きな噴火だったと思われがちなんですが実は噴火の規模自体はそれほど大きくなかったんです。
この100年、大量の火山灰が噴き出したりするような、遠くにも火山灰が積もるような大噴火というのは起きていません。
江戸時代からの大噴火です。
噴き出した火山灰の量などで比べますとこれらは去年の御嶽山の噴火の1000倍前後またはそれ以上です。
検討がつきませんね。
富士山ですとか浅間山の噴火では江戸でもかなりの火山灰が積もりました。
浅間山では大火砕流でふもとで1000人以上が死亡しました。
こうした大噴火これまで起きてきましたけれど20世紀、1900年代に入ると桜島と北海道駒ヶ岳ぐらいしか起きていないんです。
これらは全部何千年に一度という破局的な巨大噴火ではないんです。
100年の間にこれぐらいは起きるだろうと言われているような程度の噴火なんです。
この100年ぐらいはこうした噴火はいつどこで起きてもおかしくないと思って備えておく必要があります。
噴火にはどう備えたらいいですか。
私は長く災害を取材してきました。
そして正しく恐れるということが大事だと思っています。
正しい知識と正確な情報、そして十分な備えがあれば危険に巻き込まれる可能性を減らせます。
大噴火であれば気象庁などが何らかの兆候をとらえて知らせてくれる可能性がありますので日頃からそうした情報に注意をして備えてほしいと思います。
これは火山から遠いところに住んでいる人も同じなんです。
例えば富士山ですとか浅間山が噴火すれば東京周辺にも火山灰が積もって交通や物流が止まるおそれがあります。
ですからマスクとゴーグルこうしたものを地震に備えた水や食料の備蓄に加えてこの2つを備蓄に加えておくべきだと思います。
特殊なマスクですね。
こちらのマスクは花粉症用のものでも使えるんですけれど隙間がない粉じん作業用のマスクです。
隙間がないので大量に火山灰などが降っているときにはこちらのほうが望ましいです。
100円から数百円でホームセンターで買うことができます。
ゴーグルは花粉症用のゴーグルなんかでも代用ができます。
やはり灰を吸い込んだり目に入ったりすると危ないわけですか。
のどですとか呼吸器がいたみますし目に入ると火山灰はガラス成分が入っていますので目を傷つけやすいんです。
コンタクトレンズなどでも傷がついてしまいますのでこうしたものが必要だと思います。
もうすぐ夏山のシーズンですけれど火山に登山に行く人もしくは火山の近くに住んでいる人はどうしたらいいでしょうか。
去年の御嶽山のような突然の噴火に備える必要があります。
目の前で噴火したら、逃げるか隠れるかしかないんですけれど少なくともヘルメットマスク、ゴーグルを持っていくべきです。
また火山防災マップはホームページでも印刷できます。
こうしたラジオや携帯端末で最新の情報を手に入れたり避難所、避難経路を確認しておくといいですね。
地震や津波と同じように火山に対しても備えが必要なわけですね。
根拠もなく過信をしたり逆にやみくもに怖がったりするというのないようにまずは火山についてよく知ることです。
火山は温泉ですとか絶景など多くの恵みも与えてくれますけれど時々怖い顔も見せるんです。
その怖さを知って備えておくことが大切です。
二宮徹解説委員でした。
2015/06/25(木) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「相次ぐ火山噴火 なぜ? どう備える?」[字]

NHK解説委員…二宮徹,【司会】岩渕梢

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【出演】NHK解説委員…二宮徹,【司会】岩渕梢

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ニュース/報道 – 解説
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