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≫あれから70年。
今日、慰霊の日。
基地の負担とともに今も沖縄の人々を苦しめている日米地位協定。
≫ほとんどの人が多分泣き寝入りというか…。
≫同じ敗戦国ドイツとイタリアでは全く違う現実があった。
≫こんばんは。
≫今日は沖縄慰霊の日。
今日の沖縄で式典が行われた、その模様。
更には、今お伝えをしたように日米地位協定についてイタリア、ドイツに取材に行きました山口豊アナウンサーが地位協定の矛盾について鋭く追及します。
その辺りをじっくりお伝えする前にまず雨のことも気になりますね。
ここで、コメンテーターをご紹介します。
おなじみの朝日新聞論説副主幹の立野純二さんです。
どうぞよろしくお願いします。
雨なんですけれどもこれは、千葉・若葉区の夜7時ごろなんですが大変な雨脚の強さ。
局地的に全国的に大気が不安定で雨が降っているわけですがご覧のように、車が走っておりますがタイヤ全体が冠水しているかのように見えるわけです。
同じ千葉の佐倉市では午後7時過ぎまでの1時間で68.5ミリの観測史上で最も多い雨を観測しております。
そして最新の雨雲レーダーをちょっと見てみましょうか。
これを見てもわかるように埼玉、東京、千葉にまたがる形でこの関東南部の一部に、かなり濃いところが見られております。
現在の情報を言いますと栃木県南西部群馬県の北部に大雨警報そして埼玉県南中部、南東部に大雨・洪水警報。
そして東京23区のうち主に西部、多摩北部に大雨・洪水警報が出ております。
こちらをご覧ください。
≫午後7時を過ぎた宇都宮市内です。
突然、雷鳴が鳴り出し大粒の雨が降り出しています。
うわ、すごい…。
≫今日、近畿から東北にかけた広い範囲で大気が非常に不安定となり雨や雷が襲った。
≫千葉駅の構内。
床の排水溝から雨水が逆流し噴き出している。
乗客らがその横を避けるように足早に通り過ぎる。
同じ千葉市の若葉区。
午後7時半前から突然激しく雨が降りあっという間に道路は冠水した。
タイヤが見えなくなるほどだ。
靴を脱いで縁石を伝って歩く男性も。
千葉県内では総武本線が佐倉鳴東駅本線で上下線で運転を見合わせている。
大雨の影響で線路が冠水したためだ。
佐倉市では午後7時過ぎまでの1時間の雨量が68.5ミリと観測史上最大を記録。
今日の局地的な天気激変は各地で起きていた。
群馬県高崎市の定点カメラ。
午後5時半ごろ、早送りすると画面右のほうから雨柱が現れ雷鳴とともに左のほうに横切っていき、最後は画面全体が土砂降りになった。
たった10分間の急変だった。
そして、伊勢崎市では雨どいからあふれるほどの土砂降りが。
雨のピークは下校時間に重なった。
≫急に激しい雨が降り出しました。
雷の音も聞こえてきます。
≫これは、その栃木県壬生町付近の雨雲レーダー。
実際、午後5時ごろ局地的に雨雲が次々と湧き出し動いていたのがよくわかる。
雨に加え落雷も相次いだ。
茨城県水戸市。
雨が降り始めたと同時に雷鳴が。
急な雷雨に、傘を持たない人々は走って逃げるしかない。
福島県郡山市でも…。
龍ケ崎市など茨城県南部では一時およそ5000軒が停電。
≫午後6時40分茨城県龍ケ崎市です。
この一帯、停電のため信号が消えています。
困った住民の方も外に出てきています。
こちら、上空は比較的明るいんですが、南の空は厚い灰色の雲に覆われています。
≫この不安定な天気の原因は極端な温度差だ。
地上付近は午前中を中心に今日も晴れ間が出て30度近くまで気温が上がった。
一方、梅雨前線は週末からずっと南に停滞し日本の上空にはこの時期としては強い寒気が流れ込んだ。
このため、地上付近と上空の温度差が広がり大気の状態が非常に不安定となって積乱雲が次々と湧き出したのだ。
≫午後8時過ぎです。
先ほどから激しい雨が降り道路が冠水しています。
そして、こちらは道路が川のように水が流れています。
≫関東ではこのあと明日未明にかけて落雷や竜巻などの激しい突風ひょうに引き続き、注意が必要だ。
明日も寒気が残るため山沿いを中心に不安定な天気が続くとみられる。
≫現在、新宿の歌舞伎町の情報カメラが出ておりますが、新宿はかなり雨脚が強くなってきているのが見えると思います。
そして、最新の雨レーダーをちょっと今一度見せてください。
これは、21時55分ですね。
ちょっと前になりますがご覧のように関東南部で見てみるとかなり雨が強そうなのが東京23区のうちの北区、板橋区、練馬区辺りになっているようです。
この3つの区の中で現在雨が非常に激しく降っているかどうか情報はまだ確認できておりませんが。
今、情報が入ってきました。
練馬、やはり大雨、雷が続いているという情報が入ってきました。
残念ながら映像はお伝えすることはできません。
もう一度、新宿の歌舞伎町の辺りを。
かなり先ほど10分、15分20分前くらいに比べると雨脚が強くなってきた印象があります。
また、かなり広い範囲で非常に大気が不安定。
また、雨、雷など心配なので、動きがありましたらわかりましたらお伝えしたいと思います。
それでは次のニュースにまいります。
≫今日、6月23日。
70年目の沖縄慰霊の日を迎えました。
平和の礎には24万1336人のお名前が刻まれています。
沖縄戦などで亡くなった方々のお名前です。
沖縄の方々の声を聞きました。
≫沖縄に巡ってきた70年目の鎮魂の日。
翁長知事が重きを置いたのは基地問題への言及だった。
平和宣言としては異例のことだ。
≫式典では高校3年の知念捷さんが戦争未亡人として生きてきた祖父の姉を描いた詩を朗読した。
沖縄戦の戦没者は20万656人。
うち、沖縄県の一般住民は9万4000人を占める。
戦争の記憶をたどることができる人は年々、少なくなっている。
86歳の永田丈子さん。
アメリカ軍に捕らえられた日が今もよみがえる。
≫88歳の大城栄蔵さん。
戦争で兄と弟を亡くしたという。
≫この映像はちょうど今の平和の礎。
この炎に何が宿っているんでしょうか。
今日、与勝高校3年知念捷さんは、平和の詩を作って朗読されました。
その一部を読ませていただきます。
花を愛し、踊りを愛し私を孫のように愛してくれた祖父の姉。
戦後70年、再婚をせずに戦争未亡人として生き抜いた祖父の姉。
1945年沖縄戦、彼女は愛する夫を失った。
一人、妻と乳飲み子を残して22歳の若い死。
戦後70年を前にして彼女は認知症を患った。
全ての記憶が漆黒の闇へと消えゆくのを前にして彼女は歌う。
あなたが笑ってお戻りになられることをお待ちしていますと。
軍人節の歌に込め何十回、何百回と。
次第に途切れ途切れになる彼女の歌声。
70年の時を経て彼女の哀しみが刻まれた頬を涙が伝う。
彼女が、戦争の惨めさと戦争の風化の現状を私へ物語る。
立野さん、今日改めて考えなきゃいけないことが山積しているような気がいたしますけどね。
≫先ほど、翁長知事が異例とも言えます今の基地問題について挨拶の中で述べられました。
私たちが沖縄の基地問題を考えるときに忘れてはならないのは沖縄の今の基地は決して最初から沖縄に集中していたわけではないということだと思うんです。
まだ戦後間もない1950年代は日本にあった米軍基地の9割は本土にありました。
ですが、その日本各地。
その基地の地元でいろんな米軍が絡む事件・事故が相次いで日本本土で全国的に反基地運動が盛り上がったんですね。
そうした窮状を受けまして当時の首相であった岸さん今の首相の安倍さんのおじいさんですが岸首相がアイゼンハアー当時の大統領に掛け合って、日本の本土の基地を減らすことにしたわけですね。
実際に減らされたんですがそれは削減ではなくて実際には移設だったんですね。
その結果1950年代に本土の基地面積は4分の1に減ったんですが沖縄では逆に2倍に増えた。
そして、1970年代には昔は9対1だった面積の比率が1対3に逆転していった。
沖縄が3、本土が1ということですね。
そして、それが今になると74%の米軍基地が沖縄に集中するという現状に今、至っているわけです。
そういった経緯を振り返りますとつまり、沖縄全体が昔から今でいう辺野古として扱われたきたんだということに我々は思いが至ると思うんです。
本土の基地被害をなくし本土の暮らしの安全を確保しそして日米関係を安定させんがために沖縄に基地をどんどん押し付けていった歴史だったわけですよね。
先ほど、あれだけの被害を戦場で生んだ沖縄。
そして、戦後もアメリカの施政下に置き去りにされた沖縄。
その沖縄の今の声。
これ以上、基地を押し付けないでくれという声を私たちは切実な声として聞くべきではないかと思います。
≫辺野古に取材に行くたびに思いますね。
かつて1950年代に今、おっしゃるとおりで例えば、本土の山梨、あるいは岐阜の基地の周辺は大変な騒動になり反対運動があり結果的にそれを撤退させてキャンプ・シュワブができているんですよね。
今、立野さんからもお話がありました、戦後70年とひとくくりでいいますが考えてみれば沖縄は27年間の空白。
それは、アメリカの統治ということになります。
日本国の憲法に守られることなく軍の用地の接収からあるいは米軍の兵士が起こす事件・事故。
こういったことに泣き寝入りをせざるを得なかった流れもその中に含まれる。
そして、もう1つ見るべきは日米地位協定の大矛盾。
≫山口アナウンサーです。
早速、よろしくお願いします。
≫よろしくお願いします。
戦後70年を迎えている沖縄ですが基地周辺の戦後というのは沖縄では今も終わっていないと思います。
米兵によるさまざまな事件・事故環境汚染問題、騒音問題。
実は、そうした問題は全て、あの日米地位協定に絡んでいるんですね。
今、私の後ろにこちら側の2つはドイツとイタリアのそれぞれ米軍基地です。
今回、同じ敗戦国の2か国を見てきました。
すると、一度も地位協定を改定していない日本とは違って双方とも実質的に地位協定を改定して対等な関係を米軍と保っていました。
この問題は沖縄だけの問題ではありません。
日本全体の基地を抱える自治体。
更には主権国家としての日本の在り方も問われる問題です。
≫2004年沖縄国際大学で起きた米軍ヘリ墜落事故。
この事故は日本の主権の在り方に大きな疑問を投げかけた。
≫墜落からおよそ1時間後大学の敷地内にある現場は米軍によって強制的に封鎖された。
報道陣だけでなく警察や消防など日本の当局まで締め出されたのだ。
当時、現場にいた浜川秀雄消防長。
≫今回、我々はイタリアも取材。
米軍機による悲惨な事故も起きていたが対応は全く違った。
沖縄の墜落事故で障害になったのは日米地位協定の不平等だ。
日米地位協定とは日本にいる米軍人らの権利や基地の使用について取り決めたもの。
1952年の行政協定が前身で当時の日米の力関係が今なお残る。
地位協定では、米軍の財産の捜索や差し押さえには米軍の同意がいると規定されている。
ヘリ墜落で米軍側は事故機の残骸を財産だと主張して日本側に一切手を触れさせなかったのだ。
沖縄は日本が主権を回復したサンフランシスコ講和条約で本土から切り離され、過酷なアメリカの軍政下に置かれた。
1972年に本土に復帰するが米軍基地は残ったまま。
その結果、日米地位協定の不条理に沖縄は苦しみ続けている。
突然の交通事故で夫を失った女性。
≫事故の相手が米軍人だったことで地位協定の不条理に直面する。
≫2008年8月当時38歳だった男性はうるま市内のこちらの道路をバイクで走っていました。
そのとき、向こう側からアメリカ海軍所属の女性兵士が運転する乗用車がセンターラインを越えてこちら側の車線に進入しまさにこの辺りで2台は正面衝突しました。
こちらには当時の痕跡と思われますガードレールのへこみもそのまま残されています。
男性はその際の衝撃でこちらの茂みの奥まで飛ばされ亡くなりました。
≫地位協定では米軍人が起こした事件・事故が公務中と判断されれば裁判権はアメリカ側にあると定められている。
この事故でも、アメリカ側は女性兵士は通勤途中で公務中だったと主張。
那覇地検は不起訴処分にせざるを得なかった。
一方で、裁判権を持つアメリカ側は女性兵士に過失がないとして一切、刑事処分を科さなかった。
≫調書でも、衝突した痕跡は男性の車線に集中し女性兵士の車が対向車線に進入したことは明らかだ。
遺族は民事訴訟を起こし訴えはほぼ認められ男性の潔白は証明された。
しかし、地位協定の取り決めで日本政府が賠償金の25%を負担することになった。
≫沖縄では、先月末から今日までの1か月弱の間に米兵11人が強盗致傷や飲酒運転の疑いなどで逮捕されている。
これが、沖縄の日常だ。
空を見上げても不条理は渦巻いている。
地位協定によって米軍機には日本の航空法が適用されないことになっているのだ。
米軍側は飛行訓練について通知する義務はなく日本側が訓練を規制することもできない。
米軍機が自由に訓練できるのは沖縄だけではない。
これは高知県で撮影された映像。
全国に低空飛行の訓練ルートは広がっている。
米軍がDVDとして出したコックピットからの映像ではすぐ真下には街が広がっているのがわかる。
地位協定に守られ彼らは、日本の空を自由に飛び回っているのだ。
このあと紹介するイタリアやドイツにも地位協定はあるがこんな身勝手な飛行は許されてはいない。
更に、沖縄では驚くべき実態にも行き当たった。
≫沖縄市にあるサッカー場の跡地です。
この場所は、かつて嘉手納基地の一部だったところで返還された場所です。
ここに、ご覧のように巨大な穴が掘られブルーシートに覆われています。
2月までにこの場所から合わせて100本のドラム缶が見つかっていたんですがつい最近も次々とドラム缶が見つかりました。
そして、ドラム缶の周辺からは高濃度のダイオキシンや発がん性の恐れのある有害物質も見つかっています。
≫以前は子どもたちも使っていたこのサッカー場。
すでに発見されたドラム缶は100本以上に上る。
住民を不安に陥れたのはダウ・ケミカルという文字。
枯れ葉剤を製造していた企業名でその工場があったミシガンという地名も読める。
米軍が、ベトナム戦争で散布した枯れ葉剤はがんの発症や奇形免疫の異常など深刻な健康被害を引き起こした。
このサッカー場では枯れ葉剤の主要成分も検出されたが沖縄防衛局は、枯れ葉剤があった決定的な証拠にはならず否定も肯定もできないとする。
沖縄では基地跡地から幾度となく汚染物質が見つかってきた。
これも地位協定の不平等が原因だ。
地位協定では、米軍に基地跡地をもとのきれいな状態に戻す責任はない。
日本側の費用負担で汚染を除去するしかないのだ。
まさに米軍にとってはやりたい放題だ。
我々はアメリカに飛んだ。
基地の環境汚染については沖縄に駐留していた元米軍人からも証言が相次いでいる。
ニューハンプシャー州の州議員クリス・ロバーツ氏。
所属はあの普天間基地だった。
現在、心臓疾患や前立腺がんなどを次々に発症し苦しんでいる。
≫これは1981年に撮られた写真。
高い値の化学物質が測定されたとの情報で沖縄の基地従業員とともに普天間基地内を掘り起こすと、100本以上のドラム缶が見つかった。
中身が漏れ出していたものもあったという。
≫基地従業員の健康状態を心配するロバーツ氏。
沖縄中の基地で土壌などを調べる必要があると訴える。
しかし、日米地位協定では米軍に基地の全ての管理権を認め日本側に立ち入り調査の権限はない。
また、原状回復の費用も日本持ちだ。
我々は、地位協定を比較するため日本と同じ敗戦国イタリアに向かった。
このアヴィアーノ空軍基地には戦闘機部隊が配備され1000人規模の米軍が駐留している。
≫今、フェンスの中に入りました。
こちらが正面になるんですがちょうどアメリカの星条旗とそれからイタリアの国旗が並べて掲げられています。
≫日本は地位協定で米軍に基地の管理権をゆだねているが、イタリアは全く違った。
≫イタリアでは全ての米軍基地はイタリア軍司令官の管理下にある。
≫イタリア軍は、毎日米軍から飛行計画書を提出させ審査している。
訓練飛行にもイタリアの国内法を適用しリポーゾと呼ばれる昼寝の時間帯には飛行させない。
どれも、日本では考えられないことだ。
基地内の環境保全についても…。
≫基地は受け入れるが主権は譲らない。
1995年ランベルト・ディーニ元首相はアメリカとこの点を再確認した。
≫基地の外でも、イタリア政府は米軍の行動に責任を持って対応する。
スキー客を巻き込んだ事故では…。
≫当時はこのゴンドラのケーブルがここから谷の向こう側、中腹に建物がありますが、あそこまでを結んでいたそうです。
ちょうどその途中で米軍機がゴンドラのケーブルを切断してあそこに落ちたということですね。
≫1998年、米軍機が低空飛行訓練中に起こした事故。
ゴンドラに乗っていたスキー客ら20人全員が犠牲になった。
≫イタリア当局が米軍の事故機を検証。
強くアメリカに迫って低空飛行訓練を禁止にした。
事故後も米軍機が飛び交う沖縄国際大学のケースとは違った対応だ。
次に向かったのはもう1つの敗戦国、ドイツ。
1993年、ドイツは地位協定の大幅な改定を成し遂げた。
その交渉の舞台裏に迫った。
≫周りにはドイツの深い森が広がっています。
その間に今巨大な基地が見えてきました。
こちらがヨーロッパにおけるアメリカ軍の最大の拠点ラムシュタイン空軍基地です。
多くの輸送機が止まっていますがまた1機今、飛び立とうとしています。
≫ドイツのラムシュタイン空軍基地はヨーロッパ最大の輸送拠点で中東での作戦時に重要な役割を果たす。
≫ここドイツでも、米軍機にドイツの国内法を適用して飛行を制限。
環境保全の責任も米軍側に負わせている。
ただ、これらは1993年の地位協定改定で獲得した取り決めで道のりは簡単ではなかった。
第2次大戦後分割占領されたドイツ。
米軍をはじめ外国の軍隊が駐留し国民は不平等な地位協定に苦しめられてきた。
トノ・アイテル氏。
1993年当時地位協定改定交渉の最前線にいた人物だ。
≫しかし、改定交渉は米軍が既得権益を簡単には手放さず、難航した。
≫アイテル氏は一方的な形での駐留は時代遅れだと批判。
対等なパートナーとして扱うようアメリカに強く迫り続けた。
≫日本政府は、これまで公式に地位協定の改定をアメリカに申し入れたことはない。
運用の改善をすれば十分という立場だ。
戦後70年、地位協定のもと米軍に基地を提供することで、日本は平和国家として血を流すことはなかった。
しかし、その代償として沖縄が不条理を背負わされてきたともいえる。
イタリアのディーニ元首相はこう語る。
≫ちょっと思い知らされるところ山口さん、ありますね。
≫見ていって初めてわかったということがたくさんありました。
まず、日本とドイツ、イタリアの地位協定の比較なんですけど実は、例えば米兵による事件・事故も刑事裁判に関してはあまり大きな違いはないんです。
つまりここは米軍が絶対に譲らない場所でもあるわけです。
ところが、ドイツ、イタリアは環境問題ですとか騒音問題、ここに切り込んで実質的に地位協定を改定して権利を平等にしたわけですね。
一方の日本ですが、今ようやく環境問題でアメリカ側と協議を始めているんですけれども今のところ、まだ基地の立ち入り権それを得るのがせいぜいだということでこの非常に汚されてしまった土地の原状回復。
費用は日本側が持つと。
ここは変わらないということなんですね。
そこでやはりドイツ、イタリアとかなり大きな開きがあるんです。
私、今回取材して、一番心にすとんときたのはドイツ、イタリアがなぜ、地位協定を改定できたのか。
そこは、市民の方々の声だったと思うんです。
ドイツ、イタリアでもやはり地位協定の不平等のもとでさまざまな事件・事故環境汚染がありました。
市民の方々が声を上げてそして政治家、官僚が突き動かされて覚悟を持って臨んで対等な権利を得たわけです。
一方で日本はどうなったか。
先ほど立野さんからもありましたが50年代に米軍によるさまざまな事件・事故がありました。
あのとき米軍基地を沖縄に移したわけですね。
つまり本土の方々の不満は和らいだけども目に付かないところにいってしまった。
その瞬間に沖縄の方々は怒るけど本土の方々は無関心であるとこの構図を生んだわけです。
それこそが、地位協定が改定されていない最大の原因でもありますしこれが辺野古の問題にも同じことがいえますよね。
沖縄は日本の大事な一部です。
やはりこれは、沖縄だけの問題じゃなくて、日本全体で地位協定も辺野古の問題も考える必要があると私は思います。
≫立野さんその先にいきたいんですけど月曜日にコメントを下さる憲法学者の木村草太さんがこういうことを言っているんですね。
よく、日米安保条約とかそれに基づく地位協定というものは日本国憲法よりも上位にあるんですか?この質問に対して、木村先生は憲法の73条これを見てもわかるように安保も地位協定も憲法が内閣に与えた外交権によるものだと。
外交の権利だと。
そういうところを踏まえて、外交で勝ち取ったドイツ、イタリア山口アナウンサーの取材で見る多くの国民の声が後押しすれば、政治家が動かざるを得ない。
こういうことはちょっと見習うべきじゃないでしょうかね。
≫全くそうだと思います。
法の理屈からして憲法の下にそういう外交権が行使されているわけですから本来、そのようにあるべきなんですがどうも、日本の政治にはそうした姿勢が見えないところが根本の問題ではないかと思います。
この沖縄の問題についてそもそも論から振り返りますと、1972年に沖縄が復帰する際に当時の沖縄の県民の代表を務めておられた大変著名な方がいらっしゃいました。
後に初代知事を務めた方です。
この方が、日本に全面復帰するときに実現すべき願いとして3つの点を挙げておられます。
屋良さんが描いた、復帰で実現すべきこと。
1番は、軍事占領支配からの脱却であると。
2つ目には憲法で保障されている諸権利の回復を沖縄県民に図ることであると。
3つ目には、沖縄県民としての自主、主体性の確立であるという目標を立てておられました。
それが今、振り返ってみたらどうであろうかと考えますと、まず1ですね。
軍事占領支配からの脱却。
これはまさに今日、特集で詳しく見ております地位協定という問題にぶち当たると思うんです。
事実上、環境を汚染されてもそして、交通事故という被害があっても県民にはどうすることもできない。
これは、地位協定という名前で事実上、軍事支配が今も続いているといわざるを得ないのではないかと思います。
そして2番目、憲法で保障される諸権利の回復。
この本土と沖縄の格差を考えますと憲法が保障している法の下の平等が果たして保障されているのだろうか。
はなはだ疑わしいと言わざるを得ません。
3つ目、沖縄県民としての自主主体性の確立。
沖縄県民は辺野古の問題につきまして、再三選挙と住民投票で移設はできませんという民意を示してきました。
しかし、本土の政府はそれに聞く耳を持とうとしていない。
こういった現実を考えますと沖縄の復帰というものはいまだ、実現していないんじゃないかとさえ考えてしまいますよね。
とりわけ憲法をないがしろにする日本政府への失望というのは沖縄県民の間では相当深いと思います。
地位協定、これが事実上まさにおっしゃったように憲法の上にあるものとして存在しているということが沖縄では、はっきり見えてくるわけですよね。
これ、私たちははたと考えますと先ほどおっしゃったように沖縄の問題だけなのかと考えますと、実は本土にも目を凝らすとさまざまにあります。
1つだけ、例を挙げますと首都圏を含む静岡から新潟まで、1都8県の広大な空、ここの航空管制権は今でも米軍が持っています。
これは戦後に連合軍が持っていたものが地位協定によって、その後も米軍が持ち続けている現実が今もあるわけです。
首都圏の空の主権を外国軍が持っているという現実。
これで、果たして独立国といえるのだろうかと考えてしまいます。
今、安倍政権は地球の裏側であっても米軍と一緒に行動しようという安保法案を国会で通そうとしています。
国民の命と暮らしを守る切れ目のない安保法制とおっしゃっているんですが自衛隊を海外へ送り出す算段をしゃにむに進める前に私たちの足元で起きているこうした基地被害暮らしの問題にもっと目を向けるべきではないでしょうか。
戦後から続く地位協定の不平等さを主張するどころか逆に、もっと米軍と協力しましょうという姿勢は戦後レジームの脱却という姿勢を掲げる保守政治家とは思えないですね。
≫朝日新聞に載っていましたが元駐日大使の有名な方がもちろん、アメリカそのもののような考え方をして日本の自衛隊の協力が必要だという方でもあるにもかかわらず一方でアメリカの海兵隊は沖縄に駐留する必要があるかといえばないのではないかということもはっきりと言う。
アメリカと外交交渉をする中でなんでも日本の有利に働くわけではないんですがそこにいろんな風穴を開ける余地はあるという強い思いを≫ニュースが入ってきました。
麻薬成分を含む鎮痛剤を密輸したとしてトヨタ自動車の役員が逮捕された事件で警視庁がトヨタの東京本社などを捜索したことがわかりました。
トヨタ自動車の常務役員のジュリー・ハンプ容疑者はアメリカから麻薬成分を含む鎮痛剤57錠を密輸した疑いが持たれています。
その後の取材で、警視庁が今日、東京・文京区にあるトヨタ自動車東京本社など数か所を捜索したことがわかりました。
ハンプ容疑者は東京本社で勤務していて先週、滞在先のホテルで逮捕されました。
取り調べに対し麻薬を密輸したとは思っていないと容疑を否認しています。
今回の捜索に対してトヨタ自動車はコメントは差し控えるとしています。
≫東京本社にがさが入るというのは≫全国の雨の様子が気になりますが今日の様子から振り返ってみます。
午後からあちらこちらで雷雲が発生しました。
このバツ印が落雷があった場所を表しています。
特に夕方、関東・甲信を中心に非常に激しい雨が降りました。
この時間もまだ広い範囲に雨雲がかかっていて警報が出ているところもあります。
では、ここで現在の新宿の様子です。
30分ほど前までは見通しが悪くなるほどの土砂降りだったんですがこの時間、雨は弱まっているようです。
傘をさしていない方もいらっしゃいます。
峠は越えつつありますがあと数時間は続きますので道路の冠水、浸水にもご注意ください。
お伝えしていますように不安定な天気の原因は上空の寒気です。
今日はこの時期としては強い寒気が東日本まで覆いました。
ただ、これが明日にかけて徐々に移動していきますので不安定な状態は収まってきます。
一方、梅雨前線は明日も九州の南に停滞しますので九州では雨が降りやすい状態が続きます。
特に、前線に近い奄美地方では湿った空気が入る影響で明日も激しい雨になりそうです。
河川の氾濫や土砂災害に警戒が必要です。
≫ちょっと遅くなりましたけれどもここからスポーツまいりましょう。
青山さん、お願いします。
≫お伝えします。
サッカー女子ワールドカップは決勝トーナメント1回戦です。
準々決勝に7チームが進出を決めているんですが残り1枠をかけて、明日なでしこジャパンがオランダと対戦します。
負けたら終わりの決勝トーナメントですが鍵を握るある選手に注目しました。
≫オランダ戦の予想スタメンがこちら。
宇津木と阪口が中盤でコンビを組む。
澤はベンチスタートとなりそうだ。
右サイドには川澄。
2試合ぶりの先発が予想される。
川澄といえば前回大会の準決勝で初めて先発すると…。
2ゴールを決める大活躍。
優勝に大きく貢献し一躍シンデレラガールとなった。
連覇を狙うなでしこジャパン。
川澄のゴールがその鍵を握る。
≫一方、オランダにとっても特別な一戦だ。
ヨーロッパ勢にとってこのワールドカップは来年のオリンピック予選を兼ねる明日の日本戦に勝てば出場権を獲得できるのだ。
≫なでしこジャパンのベスト8をかけた戦いは12時間後に迫っている。
≫続いて雨天中止が心配されていたプロ野球ですが今日予定されていた6試合は全て、行われました。
こちらセ・リーグなんですがご覧のように6チームが3.5ゲーム差の中にいるという大混戦。
しかも、貯金があるのは巨人だけです。
その巨人対DeNAの試合からどうぞ。
≫4カード連続で負け越しが続く巨人は2回、7番、相川。
レフトへの3号ツーラン。
巨人が先制点を奪う。
そのまま迎えた6回。
ここまで好投の先発、高木勇人がツーアウトからピンチを招き、7番、倉本。
レフト前に落ちる2点タイムリー。
12連敗中のDeNAに同点とされる。
その後、再び満塁となり2番手、戸根に対するは代打、下園。
連敗脱出へチーム一丸のDeNAに逆転負けの巨人。
ついに貯金がゼロとなった。
≫一方、DeNAは今月2日以来3週間ぶりの勝利。
連敗を12で止めました。
中畑監督の試合後の談話です。
≫0.5ゲーム差で巨人を追う阪神は2回7番、今成。
広島の先発黒田から第1号ソロ先制する。
その後リードを奪われた阪神は8回ワンアウト1塁3塁で4番、ゴメス。
レフトへのスリーランで阪神が逆転に成功する。
1点差の9回抑えのオ・スンファンがノーアウト1塁2塁のピンチを背負う。
丸に同点タイムリーを許し試合は延長戦に突入する。
≫そして、試合は現在も続いています。
6対6のまま延長10回の裏。
広島の攻撃中です。
≫5連敗中のヤクルトは7回。
同点に追いつきなおもチャンスで2番、三輪。
150キロのストレートをはじき返し決勝の犠牲フライ。
この回3点を奪ったヤクルト、逆転勝利で連敗から抜け出した。
≫チームホームラン12球団2位の西武と1位、ソフトバンクが激突。
1点を追う西武は2回4番、中村。
日本ハム、中田を抜きリーグ単独トップとなる21号ソロ。
1対1とする。
対するソフトバンクは3回3番、柳田。
これがソフトバンク打線を引っ張る男の規格外のパワー。
15号ソロで勝ち越す。
8回、猛烈な雨で降雨コールド。
ソフトバンクが5連勝を飾った。
≫3連敗中のロッテは4回ワンアウト1塁2塁で清田。
打球はセンターの頭上を越え2人が生還。
日本ハムを突き放す。
更に7回4番、デスパイネがダメ押しとなる一発。
ロッテ、連敗脱出だ。
≫オリックス先発、西は序盤威力のあるストレート。
更にチェンジアップを織り交ぜ四者連続三振。
≫雨の最新情報が入ってきました。
大雨の影響で運転を見合わせていたJR総武本線の佐倉から成東駅間ですが午後10時20分ごろに運転を再開しました。
ただ、上下線に遅れが出ているということでご注意ください。
≫10時10分ぐらいですからだいぶ前になりますが今は千代田区も含めてだいぶ収まっていると現段階では見ていいと思いますが。
2015/06/23(火) 21:54〜23:10
ABCテレビ1
報道ステーション[デ][字]
辺野古の新基地建設で地元沖縄と政府が対立のなか…“慰霊の日”▽日本では一度も改定されていない“日米地位協定”…ドイツ・イタリアとどう違うのか?
詳細情報
◇番組内容
緊迫感や速報性を重視したニュースと元気で明るいスポーツ、硬軟取り混ぜた時代を映し出す特集に季節感あふれる天気予報と情報満載です。
◇出演者
【メインキャスター】
古舘伊知郎
【サブキャスター】
小川彩佳
【コメンテーター】
立野純二(朝日新聞論説副主幹)、ショーン・マクアードル川上(経営コンサルタント)、中島岳志(北海道大学公共政策大学院准教授)、木村草太(首都大学東京准教授)
【スポーツ】
松岡修造、澤登正朗、中山雅史、稲葉篤紀
【特別リポーター】
長野智子
【スポーツアナウンサー】
青山愛
【天気予報】
林美沙希
◇おしらせ
☆番組HP
http://www.tv-asahi.co.jp/hst/
放送内容が変更になる場合があります。あらかじめご了承ください。
ジャンル :
ニュース/報道 – 定時・総合
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ニュース/報道 – 経済・市況
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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